【『澪つくし』感想】第13話(第3週)  かをると惣吉の握手はツエさんの手柄

【澪つくし】第13話 あらすじ

 

かをるが家に戻ると、惣吉が来ていた。
この前貸した傘を返しに来てくれたのだ。

母るいは、知人の葬式に出ていて留守。
かをるは家に上がって貰おうとしたが、
惣吉は船の修繕があるので時間が無いと言う。
かをるは駅まで送ることにした。

駅まで歩くかをると惣吉。
当時、未婚の男女が並んで歩くのは道徳に反するとして世間に許されなかった。
距離を置いて歩きながらの、
かをると惣吉のたどたどしい会話。

かをるは思い切って惣吉に結婚相手は決まっているか尋ねた。
惣吉は結婚相手は決まっていないと。
さらにかをるは、好きな人はいるのかと深掘り。
すると
「…いるよ。一人だけ」
と、惣吉。

駅で電車を待つ間、
かをるは惣吉に、自分は醤油屋の娘で女学校を卒業したら入兆に入ることを告白。
同じ銚子にいても漁師と醤油屋では住む世界が違う。
もう二度と会えないだろうと。

すると惣吉は、
「また会えるよ。俺たちは…会うんだ!」
と力強く言った。

別れ際、総吉とかをるは電車の窓越しに固く握手を交わした。

かをるは節くれだった惣吉の手から惣吉の心情を感じ取り、
惣吉との誰も引き裂くことのできない絆を感じた。

 

葬儀から帰宅したるいは、伯父清次夫妻に本妻千代と会ったことを報告。
るいは千代の言いつけなら何でもしてあげたいと、千代の人柄に感動しきり。
清次も聞きしにまさる賢夫人だと本妻千代に感動・大絶賛。
ますます入兆推しに。

入兆では久兵衛が従業員を集めてスピーチ。
明治時代100万人台だった東京の人口が、今では300万人になろうとしている。
ということは醤油を使う人間がそれだけ増えているということ。
世の中不況と騒いでいるが入兆は安泰。
そして醸造タンク、エンジンボイラーの買い付けを中止することを決定。
280年の伝統を守ることにこだわり桶仕込みの天然醸造を入兆の売りにして行くと宣言。
さらに紀州から移ってきたハマ、桑原、早苗を入兆の新しいメンバーとして紹介した。

夜、かをるは自分の行く末を考えていた。
自分は入兆から嫁入りすることになるだろう。
惣吉への思いは捨てなくてはならない。
しかし惣吉は
「俺たちは、また会うんだ」
と言ってくれた…。

学校帰り、かをるが由岐とみずえと歩いていると、目の前に英一郎が「姉さん」とやってきた。
英一郎が見せたのは銚子商業の男子学生たちからかをるへの沢山のラブレター。
受け取って貰えなかったら先輩に殴られるという英一郎に、
かをるは仕方無くラブレターを受け取った。
だが、英一郎から「姉さん」と呼んで貰えたことが意外であり、とても嬉しかった。

 

【澪つくし】第13話 感想

ツエさん、グッジョブ!

家に帰ると惣吉さんがっ!
嬉しいサプライズー!

ラッキーなことに、るいさんは留守。
ツエさんが、かをるが帰宅するまで引き留めておいてくれました!
ツエさん、勘がいい! 優しい!!

ロミオとジュリエットでも、
ジュリエットの乳母が二人の仲を取り持ってくれてたものね。
ツエさん、そういう位置づけだったんだ。

 

駅までの道で距離を置いて歩くかをると惣吉さん。
こんなに距離置かないとダメなのねー。
しかも男性の方が前。
こんな距離で歩くの、現代の我々から見たら
わざとらしくてかえって恥ずかしい気がするけどwww

 

二人はお互いの名前を覚えてる?のやりとりで、
惣吉さんは、
「すみれだったかな?」
と、わざと外してからかいつつ
「古川かをるだろ?ちゃんと覚えてるよ」
と。
一度外しておきながら
「ちゃんと覚えてる」って
「ちゃんと」を加え、キリットまっすぐな目で誠実に「覚えている」と伝える。
うん、ストレートに言うより、効き目あるわ、コレ。
やっぱり、慣れてるわ。惣吉さん。
やっぱり中身はジェームス三木?

 

かをるは、惣吉の名前を、この前惣吉が説明してくれた通りに答えました。
沢口靖子さんの棒セリフがまるで学校での宿題の答え合わせみたいで、
「はい!正解!」
と言いたくなる。
惣吉さんも「えらい!」って褒めてくれたよ。
よかったねー。

で、かをるも案外積極的!
惣吉の名前を「一度も忘れたことはない」と猛攻撃。
すると惣吉さんも
「俺もだ」
とグイグイ攻める。

慎ましやかなのは、離れて歩いてるだけで、
喋ってる内容は相当な大胆!
そんな大声で話してたら周りに聞こえちゃうよーまずいよ…
とこっちが心配になるくらい。
やっぱり二人とも、中身はジェームス三木だからか?

でも、沢口靖子さんのたどたどしい演技が可愛らしくてー。
このセリフの言い方のおかげで
うぶな少女だからこそ、
はしたないと思わずに平気で言えちゃうんだねえ!
気持ちが溢れちゃうんだねえと
健気に感じてしまう。

でピュアなかをるさんはストレートに
結婚相手がいるかどうか、好きな人はいるかといきなり切り込んだ!
惣吉さん、好きな人は
「いるよ。一人だけ…」
と…。
あー少女マンガ!
もう昭和の奥様方これで悶絶だったでしょう!!

川野太郎さん、カッコイイー!
しかし、素朴な漁師とは思えん駆け引き上手!
さすが中身はジェームス三木!

 

ところで二人は、これまでほとんど言葉を交わしていませんが、
要するにお互いがひと目惚れってことよね。
これだけしか会ってないのにお互い好きになるって
それ、お互い見てくれだけで魅かれたってことだよね??
純情なフリしてお互いイケイケか??とも冷静に疑問を感じてしまうけど…
まあ、いいか。
ロミオとジュリエットだから。
ひと目惚れ、両想いが最優先で、
なんで好きになったかは気にしちゃダメなんだよね。

 

別れ際、もう会えないだろうと言うかをるに対し、
惣吉は
「また会えるよ。俺たちは…会うんだ!」
と強い言葉を残して二人は別れます。
電車の窓越しに二人は握手。
「節くれだったたくましい手だった。かをるはその手から惣吉の心情を感じ取った」
Byジェームス三木。

節くれだった、たくましい手…お、おぅ…濃い。

しかし、沢口靖子さんの可憐さと、川野太郎さんの爽やかさで、
すっかり純愛。

ホント、不思議。
この二人の配役、絶妙なんだわー!

 

るいさんは、本妻千代さんに感動して、千代さんの言うことなら何でも聞く、入兆に尽くすとすっかり千代さんに入れ込んでいました。
るいさんの話を聞いて、清次伯父さんもまたまた入兆尊敬しまくり。
そして、腹違いの弟英一郎は、かをるを気さくに「姉さん」と呼んでくれた。

 

かをるが入兆を裏切れない要素が次々と投入。
ゴンゴン外堀埋められまくってますー。

この中から少しは味方してくれる人、出てくるのかしら??
不況の中、生活必需品である醤油屋は安泰と言うけれど、これもどうなる?
さんまはストーリーに絡む人物になるのか?単なるネタなのか?
柴田恭兵は、いつ喋り出すのか…

 

かをると惣吉の恋の行方以外も、周囲の人々の動向もジワジワ楽しみになってきました。

 

『澪つくし』 第13話
作 ジェームス三木

音楽 池辺晋一郎

演奏 東京コンサーツ

【出演】

かをる…沢口靖子

吉武惣吉…川野太郎

梅木健作…柴田恭兵

若林ハマ…根岸季衣

弥太郎…明石家さんま

神山平六…牟田悌三
古川清次…寺田農

坂東英一郎…鷲生功
三島由岐…高橋珠美子
瀬田みずえ…香川三千

馬場ツエ…鷲尾真知子
古川ひな…小林トシ江
早苗…速川明子

小浜…村田雄成浩
竹田…葛西和雄
赤川…吉村直

猪熊…高野嗣郎
今西…加藤善博
殿岡…重松収

三村…秋山武史
佐々木…岡部征純
桑原…狭間鉄

劇団ひまわり
鳳プロ

古川るい…加賀まりこ

坂東久兵衛…津川雅彦