【澪つくし】感想ネタバレ 第162話 惣吉さんの求婚。かをるの返事は…?

『澪つくし』あらすじ(ネタバレ)第162話

 

かをるは昭彦和彦を連れてツエを伴い梅木の墓参り。

「入兆」の天然醸造を守っていけそうだと言うことを報告。
真鍋の融資で新しい醸造機械を発注し、コンクリートの仕込み蔵も建設中。
どうか安心して欲しいとかをるは手を合わせる。

すると惣吉が来た。

惣吉との間には21年の歳月が流れようとしていた。
かをるは梅木の死後惣吉のことを思い出すまい思い出してはならないと自分に言い聞かせていた。

惣吉は梅木の墓前に手を合わせると、梅木の前で大事な話をしたいと言い、かをると惣吉は2人きりになった。

惣吉は「梅木に代わってかをるを幸せにする」と梅木の墓前に誓ったと言う。

しかし、あんな形で惣吉と別れ、梅木が亡くなったらまた惣吉のところへ戻るなんて虫が良すぎると言う。
さらに、かをるは残りの人生を醤油と共に生きる決心をしている、再建が始まった入兆を見放すわけにはいかない、世界に醤油を広めるという英一郎の夢を支えなくてはならないと惣吉の求婚を拒否。

「澪つくしを知っているか?」
惣吉は船の航路を示す澪つくしのように、自分はかをると子供たちと守りたいとかをるに伝えた。
「身を尽くして守りたいんだ。それが俺の望みなんだ」

しかしかをるは涙ながらに、自分には父や梅木、先祖代々の祈りが聞こえるのだと訴える。

惣吉はかをるの意志が固いと悟ると、「よく分かった。もう、何の言わねえ」とその場を去った。

 

吉武家に戻った惣吉は、かをるに断られたことをとねたちに報告。

「フラれちまったとは情けない」
「惣吉さんより醤油に惚れたった言われたら立つ瀬がない」
と笑う、とね、源八。

惣吉は諦めるのかと聞くとねに、「冗談じゃねえ。誰があきらめるもんか」
「そうこなくちゃ、外側漁師の名が廃る」
と背中を押すとね。
源八は「ていろのいいときにまた出直すことだ」と励ました。

 

入兆では、英一郎が惣吉のプロポーズを断ったことに憤慨。

「僕は12第目当主として姉さんに退去を命じる」
しかし、かをるは英一郎が結婚し、醤油づくりが軌道に乗り醤油の輸出の注文が来るまではここにいると言う。

惣吉さんが他の人と結婚したらどうする?と聞く英一郎。
その時は仕方ないと答えるかをるに英一郎は聞いた。
「愛してるんでしょう?」

かをるはいつの日か、世界に醤油の味と香りが届けられ日本人の心が伝えられる日を夢見ていた。
そしてその夢が叶えられた時、もう一度惣吉に結婚を申し込んでほしいと思った。

 

余韻を持たせるラストに感動

惣吉さんが再びプロポーズ。
しかし、かをるはYESとは言わず。
自分は入兆の醤油づくりに生きがいを感じているからと一旦断る。

かをるの今の夢は入兆の再建と、世界に醤油を広めたいという英一郎の夢を支えること。

かをるは、いつか醤油を世界に広められる夢が叶えられたら惣吉さんにまたプロポーズして欲しいと願う…と、余韻を持たせての終わり。

そうよね。
梅木との三角関係も、解決には時間がかかりますね。

惣吉さんにそう言われたからって、即再婚!っていうのも、
たとえ惣吉推しでも、それはそれでモヤモヤする。

かをるの本音は惣吉さんだとしても、
もう10年以上も歳月が流れているし、
昭和彦もいるし、
梅木との生活もかけがいのないものと言ってたし、
かをるが即再婚したら、人として、母としてどうよと思う。

もし、再婚するまでを描くとしても、この1回だけでは書ききれないでしょうね。

結果を急がず、でも将来惣吉さんと結婚するだろうなあ…という余韻を持たせる最後は素直に素敵~と思いました。

キラキラのラブストーリー、夢は夢のままに…という美しさもキープされてるし、
かをるの生き方にも共鳴するし。
きっといつか結ばれると確信できる惣吉さんも素敵だし…。

 

かをるは「新しい女」に

この惣吉さんと結婚しないというラスト、特にいいなあと感じた事のメインは
「結婚が全てじゃないでしょ!!」
という答えに感じたから。

 

当時は女性は大人になったら結婚してないと、人として認められないというか
社会的立場が全く無かったと思います。
結婚して、旦那様に守られて生きるのが女性の幸せと決めつけられていた。
だから惣吉さんも「結婚しよう」、「梅木に代わって俺が守る」と言ってくれますが
でもコレを私はやりたいことがあるとかをるは一蹴。

そんな短絡的に考えるなよ。
私は誰の所有物でもないぞ。
という意思表示。
爽快!

だって結婚って、当時の人はパズルみたいに大人になったら即結婚。
伴侶と死別したら即再婚って次々相手を当てがって行ったと思うんだけど、
でも本来、結婚はお互いの気持ちが育たないと無理なものだからねえ。

形じゃなくて気持ちでしょっ!というメッセージも感じたし。

 

そして、惣吉さんを断る理由に、醤油づくりが自分の夢だからと言った。
これもカッコイイ。

結婚に頼るのではなく、女でも自分の人生は自分で決めるというメッセージ。
女でも独り立ちして生きて行くという宣言。

かをる、かっこいいじゃんか…!!!

かをる、これぞまさに律子さんの言ってた「新しい女」だぞ!!
憧れのお姉様、律子さんの教えを確実に自分のものにしてかをるはかをるらしく生きていく宣言!
あの美しく聡明で、気高い律子さんが、かをるの中に生きている…!!!
なんという、美しい伏線回収!!
かをる、見事に成長。

 

澪つくしは日本のロミジュリというコンセプトだったそうですが、ロミジュリだけでなく「風と共に去りぬ」でもあった!
空襲の焼け野原の中、誰にも頼ることなくしっかりと立ち上がるかをる、まさにスカーレット・オハラ!!

丘に立って海を眺めているかをるは、まさにスカーレット・オハラ!!!

ラスト2分は「恋のあらすじ」と「恋は危険な訪問者」ポエム

ラスト2分は恋のあらすじをBGMに指吸いからこれまでのダイジェスト。

そして最後の最後に
「恋は危険な訪問者…」
のジェームス渾身のポエム!

これらも感慨深いものが…。

特に「恋は危険は訪問者」をバックに一人丘の上に立つかをるには心震えるものがありました。

このポエム、ドラマ冒頭と、梅木のプロポーズを受けると心に決めた時に流れましたが、今回のポエムは違うものに聞こえました。
二つの恋を経験し、二つの恋に翻弄され、それを乗り越えての一人の女性としての自立を丘の上に立つかをるに感じました。

 

ドラマの結末は、時代を超えた今こそ共感!

先ほどツイッターでチラ見しましたが、
当時このラストは今で言う炎上状態だったようですね。

 

思わず梅木の人気が出て、視聴者は惣吉派と梅木派に二分。
梅木派の大ブーイングを恐れて、惣吉さんとドラマ内で、再婚させず余韻を持たせるラストにしたら、ハッキリしないラストに避難ごうごうだったとか…!!!

 

当時の視聴者、日本人の感覚って、結婚ありきだったんだなあ!
そして女性は男性に養って貰わないと!って意識も強かったんだろうなあ…。

当時の視聴者は見合いで結婚の人が多かったんだと思います。
そして女性は結婚して専業主婦になるのが王道。
だから久兵衛、るいさんの感覚が大多数だったんだと思います。

そういう意識だと、
「かをるを結婚させてあげないなんて残酷!!」
って、かをるを独り者で終わらせたことがストレスで仕方なかったんだろうなあwww

 

ただ…そもそも今の時代の私らから見ると、
惣吉さんと結婚するからって醤油屋を辞めなきゃいけないこと自体がナンセンスなんだけどさwww
それは、それこそ「澪つくし」の時代ではありえないことだから仕方ないけどね。
とねさんさえ、そういう提案なかったもんね。

いずれにしても、時代の価値観の差が伺えて面白い。

そして、このかをるの選択が、当時はブーイングだったのに、
令和の今の我々にとっては
最も自然で共感できるってジェームス三木先生も思いもよらなかったことでしょうねえ!!
本人も思いもよらずに時代を先取りしていたジェームス!!!さすが過ぎます。

 

 

澪つくしは、やはり名作!

今回初めて澪つくしを見ましたが、やはり資料率55.3%を誇るだけありましたね~。

人物描写は素晴らしいし、伏線→回収は見事だし、文学的で味わい深いし…。
おしんも超絶素晴らしいと感動しましたが、
澪つくしは、かをると惣吉さんのラブストーリーや、律子さんの気高さや少女マンガのキラキラ要素が満載で、こちらはまたおしんとは違った楽しさ、ワクワクワク感がありましたね~。

歴史的背景の正確な描写や、醤油業界とその歴史、漁師の暮らし、銚子の文化芸術を上手く盛り込んでいるおかげで登場人物が活き活きとして、そして銚子の魅力もすごく伝わった。

澪つくしを見る前は、銚子の事となんて全然知らなかったけど、銚子に行きたくなったー!!

ドラマによってその魅力を何倍にも膨らませるとはまさにコレ!!

 

そして、キャストの皆様も、かをる、惣吉さん、久兵衛さん、るいさん、とねさん、律子、梅木…本当に魅力的!
眼福だし、演技は素晴らしいしで毎日ワクワク楽しかったあ!

そしてかをる、沢口靖子さんの棒は楽しくwwww
棒演技も魅力的で!
沢口靖子さんで、演技って上手い下手の技術だけじゃないんだなあとも実感。
演技に本人の誠実さや真面目さがにじみ出るものだなあとも。
そして、沢口靖子さんの、女優としての成長ぶりも楽しめたのもこのドラマの貴重な財産!

「澪つくし」は役者さんたちの演技の素晴らしさと成長ぶりを楽しんで、伴走しているような気持ちにさせてくれた、あらゆる方面に楽しめる、まさに国民的ドラマ、まさに朝ドラだと実感しました!