【澪つくし】感想・レビュー・ネタバレ 第41話 惣吉、夢枕に現る

『澪つくし』あらすじ(ネタバレ)第41話

 

 

 

 

 

先日の見合いの仲人が入兆を訪れてた。
先方はかをるを気に入り是非にとの返事。
久兵衛と仲人は日取りや式の場所などの段取りを嬉しそうに次々と進めていく。

その様子、自分の人生が決められていく様子を、かをるはまるで他人事のように見ていた。
先日の見合い相手の顔も、かをるはまるで覚えてない。
それでも着々と進められていく縁談話。

千代は結婚なんて誰でも最初はそんなものだと言う。
それでも輿入れして数年経てば前世から一緒だったようになる。
案ずるより産むがやすしだとかをるを励ました。

その頃、芥川龍之介が自殺が社会に衝撃を与えていた。
芥川龍之介は「ぼんやりとした不安」という言葉を書き残していた。

ある嵐の夜、かをるが眠っていると惣吉の声が。
惣吉が蚊帳の外でびしょ濡れで立っていた。
驚いたかをるは蚊帳を開けるが、そこにもう惣吉はいなかった。
夢か幻か、惣吉の身の上に何かあったのではないかとかをるは気になった。

翌朝、律子から惣吉の船が遭難したかもしれないと知らされた。
驚いたかをるは、夢中で家を飛び出した。

お見合いは無事成立

お見合い相手の返事、やっぱり来ちゃったよぉー!

ついきのう

  • かをるがピンと来ない様子
  • でも見合いなんてこんなもんだよね?と受け入れようとする姿
  • 大人達は着々と外堀を埋めていく様子

が見事に描かれていたので、「ヤバッ!もう来ちゃったーー!」とこっちも困惑。
サクサクと段取りが決まっていく様子に、ヒエーっとこっちは青ざめる思いがしました。

何だかよく分からないまま、大人のしきたりに従って事が進められて行くのを他人事のように見ている。
見合い相手の顔も覚えていないかをる。

それは、あなたにとっての結婚相手じゃないってことよー!

でも初めてお見合いしたかをるは、そのことに気付かない。
まだ19歳だし。
この時代、男女共学じゃないし。
そんな若い娘が一度会っただけで男性を見抜けるわけがないー!

それにあなた心の中は惣吉さんでいっぱいでしょー!!

でもお見合いで結婚するものだと刷り込まれているかをるは、これは違う!と気付けない。
自分の人生が決められていくのを他人事のように見ている。

こんな感じに見合いで結婚を決められた人たちは、1985年当時の視聴者の中にはたくさんいたと思います。
このかをるの様子、どんな気持ちで見ていたのかしらー?

千代さんは、結婚前はそんなものよとかをるを勇気づける。
見知らぬ人と結婚するんだからそれは当たり前。
でも数年もすれば前世から一緒だった気分になりますよ~とかをるを励まします。
るいさんの前で!
優しい笑顔で、優し~くかをるに!
ああ、千代さん毒がスゴイ。
人生の最期を掛けて、るいに一矢も二矢も三矢も報いる気なんだわ~!

でも、お見合いが決まっていく様子をかをるは「自分の人生が決まっていく様子」、「自分の人生」と使っている。
かをるは大正デモクラシーの時代に多感な時期を過ごしているから…だから自分の人生を意識。
縁談をぼんやりと受け入れながらも何か違和感を感じてしまう。

コレって世代間ギャップなんだろうな…。
千代さんは結婚は家と家とのものと考えて嫁に来ているから、いずれ慣れると考える。
でも、「自分」、「人生」を意識し始めた世代のかをるにとっては…苦痛でしかない。

大正デモクラシーの風潮から自由や自分の人生を大切にしようという風潮は出てきています。
しかし、当時はまだ基本的人権の意識も無い。
そんなところで、若者たちはモヤモヤ葛藤していたのでしょう。

ただのお見合い批判、恋愛至上主義でなく、人生観に対する世代間ギャップもからめてくるとは!
ただの軽いメロドラマに終わらせず趣の深さをトッピングするのと同時に、このドラマのロミジュリ感をどこまでも追究。
ロミジュリ感、回避不能レベルに追い詰められてます。

ちなみに、この自分の中のモヤモヤを否定しながらお思いにふけるかをるの横顔、美しすぎる!
沢口靖子さん、鼻がスッとして、いい感じに小さくてきれいな形だなあ~と見とれてしまいます。

 

惣吉、夢枕に!

今日は川野太郎さんの名前がありました。
わあ惣吉さん出る!
とワクワクていましたが…。

残念!
リアルじゃなかった!

本日の出番は、深夜かをるが寝ているシーンで登場。
あーまたかをるの妄想かぁ…。

とちょっとガックリ気落ちしながら見ていてると…なんだかいつもと違う!

惣吉さん、びしょ濡れで、いつになくおどろおどろしい感じ。
なんだか暗くて…
お化けみたい~!!
ヒイイーッ!怖~~~い!!!

…と思ったら本当にお化けだった!爆爆爆

その惣吉さんは、回想シーンでもなく、かをるの妄想でもなく…夢枕!
夢枕が出てくるというのも、なんてレトロな。

 

惣吉の船が遭難と聞いて…かをるは家を飛び出した!

かをる、律子さんに吉武家の船が遭難したらしいと聞いて、真っ青になります。
そしてその次の瞬間には無我夢中で家を飛び出した!

この時のかをるの表情、必死に駆けていく姿、見事なんですけど!

律子さん…まさか嘘じゃないでしょうねえ?
かをるを試したのでは…?
でも惣吉さんが夢枕に出てきたんだからやっぱり遭難よねえ?

いずれにせよ、かをるの本心に火が着いた!
海底火山のマグマが噴火するその時が…。

これまで大人の言うことに従うことが一番と思っていたかをるの自我の目覚め!
親世代とは違う価値観を持ったニュージェネレーションの目覚め。
これまでの秩序の崩壊…!

芥川龍之介は、「ぼんやりとした不安」と書き残して自らの死を選んだ。
これは奇しくも大正モダニズムの終焉の象徴となりました。
この後、世界恐慌があり、戦争があり…これまでの価値観が見事に崩れ去っていきます。

惣吉さんのことを聞いてすぐさま家を飛び出したかをる。
この咄嗟に出たかをるの行動もまた、従来の価値観の終焉ですね。

その後の日本は悪化の一途を辿りますが、かをるにとってのこの変化は自分を開放できるようになる変化であって欲しいあと思います。