【澪つくし】感想ネタバレ 第160話 かをるの見た不思議な夢に梅木が…

『澪つくし』あらすじ(ネタバレ)第160話


かをるは不思議な夢を見る。

暗い草むらを一人歩いていると、笛の鼓の音が聞こえてくる。
音の方へ行ってみると、梅木の鼓で久兵衛が優雅に舞を踊っている。

千代も、るいも、律子も久兵衛の舞を見ながら食事をしている。

「お父さん」とかをるは声を掛けるが、誰も気付かない。
「あなた!」声を掛けると梅木が気付く。

「何しに来たんや?」
と聞く久兵衛。皆に会いに来たとかをるが言うと
「あかん!ここはお前が来るところとちゃう!」
と久兵衛は叱る。
るいも帰れと言う。
千代も、律子もまだ早いと笑顔で言った。

お前はまだやることがあると言う久兵衛。
そっちに行きたいとかをるが言い張ると、雷鳴が。
目を閉じた瞬間、目の前には誰もいなくなってしまった。

 

扉を叩く音が聞こえ、かをるは目を覚ます。

梅木かもしれないと、扉を開けると、そこにいたのはアミの弟 鯉沼栄二だった。
扉を開けると確かに、梅木と共にフィリピンに行った栄二だった。

かをるは梅木はどうしたかを尋ねると、電報が着いていないかと逆に聞かれる。
栄二の表情を見て察したかをる。
「戦死したのね…」
「はい…」
栄二は静かに答えた。
栄二の答えを聞いたかをるは、その場で崩れてしまう。

栄二は、梅木の遺骨を渡して、フィリピンでのことを話した。

セブ島の向上は20年の1月17日に閉鎖。
爆撃や艦砲射撃を受けて工場での作業が続けられなくなった。
4月になるとアメリカが上陸。
梅木と栄二は山の中に撤退した。

負傷した梅木は、自分を置いて先に行けと言う。
若い栄二はなんとか生き延びろと梅木は言った。
子どもの頃不幸だった梅木は、同じような境遇の栄二を自分のことのように思っていた。
若い時に不幸だったが自分は結婚し家族を持てて幸せになった。
「家族ってものはいいものだぞ。実にいいものだ」
家族を持つ幸せを味わわないまま栄二が死ぬのは可哀想だと。

そして昭彦と和彦の中に自分が生きていると伝えてほしい、昭和の御代のために役立つ人間になって欲しいと伝えてほしいと梅木は言っていたと。

梅木は、栄二が水を探しに行った好きにゲリラの襲撃に遭い命を落とした。

栄二は、社長の手に握られていた一枚の紙を差し出した。
おそらく手紙を書こうと思っていたのだろうと。
かをるが髪を開くと「かをる、私は」だけで止まっていた。
そこで息絶えたことを知ったかをるは、涙を流す。

かをるは、皆の位牌の前で
「工場を焼かれ、家を焼かれ、おじいちゃんも、おばあちゃんも、お父さんも、律子伯母さんも犠牲になった。
「もう戦争はこりごり」
「いつかまたこんなことを起こすようなら、日本人は大バカだわ」
かをるは、もしまたこのようなことがあったら死に物狂いで戦争を止めてほしい、それが父への何よりの供養だと昭彦、和彦に言い聞かせた。

 

かをるの夢…涙

涙腺緩すぎかもしれないけど、かをるの夢のシーンにいきなりウルウル!!!

久兵衛さんは優雅に舞を。
梅木の鼓で。
千代さん、るいさん、律子さんは美しく…。

夢のシーン、ちょいちょい出てきてましたが、こうつながるとは…涙

こういう亡くなった人の夢、極楽浄土の夢っていう発想、日本人ならでの感性ですよね。
そして久兵衛さんたちの風雅な事。
前に、浜辺でああいうのやってたのを思い出す。

そして、この優美な姿は入兆華やかなりしころの姿で。
「兵どもの夢の跡」。
私、こういうシーンに弱いのよ。
日本人ならではかもしれないけど。

そして、亡くなってしまった人々への優しさも感じ取れる…。

とても日本らしい、発想、風雅なシーンにグッと来てしまった!

そしてその優雅な夢の中には既に梅木が…!
この匂わせがなんとも秀逸!!

キリッとしてい物静かけど決して笑わない梅木の表情も!
妙に感じ入ってしまった…!!!

ジェームス、なんて美しいシーン!!!
シーンの美しさそのものに涙だよ…。

 

梅木の壮絶な死

梅木の最後のシーンも、見ていて苦しくなるほど壮絶でした。

いやもう本当に恐ろしい思いをされたのよね、戦地に行った人たちは。
栄二が、自分が梅木をガソリンで荼毘に付したと言ってて…リアル。

 

梅木は、モラハラ気味な夫であったがやっぱりいい人だったのね。

ってか、不幸な生い立ちの梅木がやっとつかんだ幸せだったから、必死だったのね。
その焦りが梅木をおかしくさせた。
惣吉さんより確かに小物だけど、ごくごく普通の人だったって事よね。
自分だって、梅木のような立場に立たされたらどうなるか分からない。
そんな人間の、久兵衛さん曰く「複雑怪奇」なところを見せてくれたのが梅木ということで。

梅木は、兵隊でもないのに、家族思いの普通のパパだったのに、そんな人も容赦なく殺されて行ったのが戦争。
身につまされる。

梅木の最後の手紙

梅木の手紙は、「かをる、私は」と書いたところで終わり。
この途切れ方が妙にリアルでね…。

律子さんも「小浜が帰ってきたら」と言いかけたところで絶命。

最期にいいたいことも言えずに…。
これが戦争。
これが死なんだと…。

 

かおるの言葉は反戦の祈り

かをるは涙ながらに、皆の位牌の前で昭彦和彦に言い聞かせます。

工場を焼かれ、家を焼かれ、おじいちゃんも、おばあちゃんも、お父さんも、律子伯母さんも犠牲になって…。
今は誰もが苦しんでるのよ。
もう戦争はこりごり。
いつかまたこんなことを起こすようなら、日本人は大バカだわ」
そうでしょう。
その時はあなたたちがら死に物狂いで戦争を止めてちょうだい。
それがお父さんへの何よりの供養だと思います。

これはまさに戦争を経験した人々からの渾身のメッセージですよね。

「戦争はこりごり」
この「こりごり」っていう言葉が沁みる。

このバトンは今度は我々がつながないとと思う。
戦争を知らない我々はドラマでここまで再現するのはもう不可能だと思う。
それは当然だし仕方が無いし、幸せな事。
再現できないことが悪い事ではない。

でもその代わり、こういった戦争体験のある人たちのメッセージのバトンはつながないと!と思うわ。

 

惣吉さんは…!?期待!!!

あと残すは惣吉さん!!!

こう引っ張って、「もう戦争はこりごりです」のセリフもあって、まだ惣吉さんが出てないから!
惣吉さんは生きてるんじゃあ??

英一郎も、栄二も、戦前に報われなかった人たちが戻ってきてるもんねえ!
戦前報われなかったラスボスとして…惣吉さんは戻ってこなくちゃダメだろ!!!
期待が膨らむーーーっ!!

あと、残すところ2話。
最期の2話は希望を感じる終わりでいて欲しいと思うから~!

 

これまで半年間見てきた澪つくしも、残すところ僅か2話。
今週2話分で忙しくて大丈夫か?と不安でしたがそれもあと1日。
澪つくしが終わっちゃうの、寂しいわ…。

残り2話となるのに、まだまだオチが見えないって、ホントすごい!!