NHK朝ドラ『まんぷく』感想 第58回(第10週)「私は武士の娘の娘!」  萬平擁護に牧が!そして可知谷はチンドン屋!

『まんぷく』第58回( 12月 6日)あらすじ

※ネタバレ含みます。

萬平たちが捕まったことは新聞の報道により世の中に知れ渡った。

大阪商工会でも世良商事と立花塩業を大阪商工会から退会させるべきだとの声が上がる。
立花塩業はそのうち専売局から出入り禁止になり放っておいても潰れるだろうとも。

予想通り、立花塩業には専売局から取引を停止する可能性があるとの電話が入った。

 

一方萬平はあいかわらずの執拗な取り調べを受けている。
ダネイホンについて説明を求められる萬平。
説明をしているうちにビンガム曹長は、
なぜそのような商品の開発を思い付いたのかと深く掘り下げて聞いてきた。

大阪中の栄養失調の人々のために開発したが、そもそもは妻の産後の肥立ちが悪かったためだと説明する萬平。
最初は一般受けしなかったが病院に販路を見つけたこと、
儲けは少ないがお金儲けのために作ったわけではないので満足していると
時折笑顔も見せながら話す萬平に
ビンガム曹長は何やら考えをめぐらしている様子。

 

世良はメイ軍曹に時間帯を変えて手榴弾を再度投げてくれと頼む。
魚にも生活習慣がある、日が暮れる時間なら魚が沢山集まっているはずだと。

 

そして牧善之助がGHQを訪問。牧は歯科医師会の理事になっていた。
牧は萬平はかつて憲兵に捕まったこともあったが、全くの濡れ衣だったこと。
悪い人間にハメられたためだと話し、今回も同じケースだと強く訴えた。

 

またさらに萬平を救出を訴えにGHQを訪れた者が。
それは可知谷だった。
可知谷は、自分がかつて萬平をハメたこと、
しかしそんな自分を萬平は赦し、さらにはおかげで福子と結婚できたと礼まで言ってくれたことを一生懸命に語り、
そんな萬平は絶対に悪いことをするはずがないと懇願。

可知谷は萬平のおかげで人生を一からやり直すことができチンドン屋になっていると。
そしてチンドン屋をしながら立花萬平の無罪を街頭でアピール。

 

次々と支援者が表れ面倒になってきたメイ軍曹はサッサと軍事裁判にかけてしまおうと提案するが曹長は答えを迷っていた。

 

牧や可知谷が訴えても、萬平たちは釈放されず事態は動かぬまま。
牧は、家族が訴えてもGHQは認めてくれるものではないが、
最終的に萬平さんを救うのは福ちゃんしかいないと言った。

しかし現実は萬平どころか立花塩業を守れるかさえ難しい状況。
ダネイホンの原料も底を尽きてきた。

その晩、福子は辞書を手に何やら書き始めた。

 

『まんぷく』第58( 12月 6日)感想

 

 

今日もいろいろ詰まってましたねえー。

怖がりなナナコロビヤオキとしては、
牢屋のシーンはもう怖いからそろそろ終わりにして欲しい気持ちはあります。
ストーリーの大きな流れは停滞気味かもだけど、
ビンガム曹長の心を動かすまでのエピソードとして丁寧に書いているということですよね。

これまで萬平さんと福ちゃんに絡んできた一人一人が、それぞれの立場、個性で、
萬平さん達を擁護して動いてきています。

 

まず最初は真一さんが、
入社したばかりだと言うのに逮捕に動揺したり拒んだりせず、
何かの助けになれれば…という思い一つで素直に逮捕に応じた。
そして事情聴取でも萬平さんと福ちゃんを手助けしたいから入社したのだと言ってた。

 

克子姉さんも、忠彦さんもすぐに駆けつけてくれるし。
力仕事なんてほとんどしたことない忠彦さんも夢中で塩の搬出やダネイホン作りを手伝い。

 

ハナちゃんも新聞記事を見てすぐに駆けつけてくれるし、
清香軒の三原夫妻はラーメンの差し入れを持ってきてくれる。

こんな田舎じゃあ逮捕ってなった途端、手のひら返したように陰口叩く人も多いでしょうに。
ハナちゃんはともかく、清香軒さんはここで初めて知り合った人たちなんだから。
しかも目撃談を客から聞いてるワケだし。
…でも、きちんと萬平さんと塩軍団の人柄を見て信じてくれているんだよね。

ハナちゃんのご主人も、地主さんなら妻の出入りを禁止するかもしれないのに。
きちんと萬平さんを信頼してくれているということ。

 

そして今日は世良が。
歯科医師会の理事に出世した牧善之介も。
さらには可知谷が…!!!

 

世良は海の声が聞こえるのね~(笑)
華丸さんがおっしゃる通りに。
手榴弾を投げた時間帯が悪い、夕方なら魚が沢山集まってるはずだ。
夕方もう一度投げてみろと。

世良さん、こういった具体的なアプローチで攻めてくるのが彼のいいところ!
福ちゃんや他の人は人情に訴えるやり方に対して、
世良は事実に基づき、具体的な手掛かりを見つけてどん欲にアプローチ。

こういうとき、現実主義な人の行動ってとても心強いものですよね。

そしてここからも世良が非常に実務的で優秀な商売人であることも伺えます。
これまでもこんな感じで常に現状に向き合って、
細かく細かく反省点を見つけては改善を繰り返し、
会社を育ててきたんだろうなあと。

だから戦後、福ちゃん達が途方に暮れている中でも、
世良は闇市でどん欲に、むしろ活き活きと生きていたのよね。
闇屋っぽいことをしてたのも、ズルだけじゃなくて生きる力でもあるのよ、やっぱり。
まあ、確かにズルイところもあるけどさあ(笑)。

でも世良は、最後の最後は人を陥れるようなことは絶対にしないから憎めない。
だからナナコロビヤオキはトータルで世良が好きだし、彼がズルっこくてイヤだと思うならそこは自分が先手を打てばいいと思っちゃう。
だから拒絶はもったいないと思うのー。

きっと世良も、いろんな苦労をしてきて間違った方法論が染みついちゃってるってことだと思うし。三田村会長、そこも見抜いて、今後の豊かになって行く日本では、闇市で通用したズルい儲け方はもうダメよとメッセージを送ってるのでしょう。

そして、今後は真一さんもその役割を担い、世良のズルイところは撃退しつつ、世良を良き方向に導いて下さるのでしょう。

 

そして牧善之介は…牧さん!ホント、いい人!
歯科医師会の理事に出世なさって。
あの、ドリルの機械、踏み踏みしてた助手も付き添ってました。
彼女英語喋れる人だったな!
牧さんは歯科医師会の理事という立場を信用に使って萬平さんを擁護。
きちんと大人の、正攻法のやり方で、萬平さんを救おうとしてきた。

一瞬、牧さんが憲兵の話を出してきたときに、
「あーそこまで言っちゃったら、不利な情報提供だよ!」
とハラハラしちゃいましたが、濡れ衣だったとキッパリ主張。
そして今回も同じパターンだよとGHQを突っ込み。

そしてそのダメ押しで可知谷も登場。
意外に早い登場だったなー。
可知谷は新聞報道を見て、いてもたってもいられなくてきたということで。
濡れ衣を着せた本人からの萬平擁護。
この二人の訴え、メイじゃなくてビンガムが聞けば一発釈放だったのにぃー!
じらすためにわざとビンガムには会わせないんだろうけど。
悔しい!

そして可知谷さん、今の職業は、まさかのチンドン屋!!
このためにらぶりんを起用!?
らぶりんにチンドン屋させるなんてー。
朝ドラすごいわ。
でも、なんでチンドン屋?

ナナコロビヤオキ、小学生の頃、一度だけチンドン屋さん見たことあります。
当時すでに天然記念物的な存在だったと思うんだけど。
なぜかある日、近くの商店街に来てました。
「テレビで見たあのチンドン屋さんだ―!」
ってチンドン屋さん自体が物珍しく、
ナナコロビヤオキをはじめとする子どもたちはチンドン屋さんの後をついて回った
覚えがあるわ。
チンドン屋をほとんど見たことがないナナコロビヤオキにはチンドン屋さんにどのような意味が込められているのかよく分かりませんが、
なぜ可知谷がチンドン屋の職業を選んだのかも、これから分かって行くのですかね。

可知谷さん、福ちゃんとも電話がきてよかったね。
福ちゃんも、可知谷さんと落ち着いて会話できるようになってた。よかった。
萬平さんがあのとき可知谷を赦した姿に、福ちゃんの次第に心の整理がついたのだなあと。

…しかし、福ちゃん、電話の向こうの可知谷がピエロ姿だと知ったら卒倒するだろう爆

 

福ちゃん、牧さんに最後に救うのはやはり福ちゃんだと言われ、
夜中に辞書を取り出してきました。
陳情書でも書く?英語で直接訴えに行く?

そうよ、福ちゃん辞書で調べるの大事よ。
昨日英語が出るようになってはきたけど、あれはまだ日常会話レベルだからね。
交渉するにはこれまでの福ちゃんは持ってなかった語彙や表現が必要よ。
頭は切り替わり始めたから、語彙を豊富に増やしてGOだよ。

 

牢屋のシーンは怖いし辛いので、
もちっと短めでサクサク言って欲しいなあ~とも思ってしまいます。

萬平さん、今後も脱税疑惑?史実によるともう一回ぐらい逮捕があるんでしょ?
なので、コレあともう1回あるんでしょ?とも思うと憂鬱なので。

しかし、安藤百福さんって、とんでもなく大変な人生だったのね!
これまで全然知らずに、
何にも考えずにカップラーメン食べてたよぉ。すみません。

ああ、でも早く釈放されてこのくだり終って!
その分、源ちゃんのシーンいっぱい下さいっ!!!!!