NHK朝ドラ『まんぷく』感想 第49回(第 9週)「違うわ、萬平さん?」 栄誉食品の名前はダネイホン 研究一筋の萬平さんに、塩軍団、福ちゃんに不満が…

『まんぷく』第49回( 11月26日)あらすじ

※ネタバレ含みます。

萬平が開発する栄養商品の商品名は「ダネイホン」とした。
ドイツ語の栄養=ディーエアネールングを短く日本人に馴染みやすい響きにして
「ダネイホン」に。

萬平はダネイホンの研究開発に没頭。
ガマガエルの次は牛骨を煮込んで栄養素を取り出そうとしていた。
萬平の頭の中は、寝ても覚めても全てダネイホン。

 

しかし萬平は研究開発に夢中になる一方で、製塩業の方はそっちのけ。
塩の製造現場に全く顔を出さなくなってしまった萬平に、塩作りに従事する塩メンたちは次第に不満の募らせていた。

同時に、福子も。
商品開発に集中している大事な時期だとはいえ、あまりにも子育てに無関心な萬平に段々と不満が。
鈴も萬平があまりにも家庭を顧みない様子に文句が絶えない。
久しぶりに訪れたハナにも、少しは言いことは言った方がいいとアドバイスを受けた。

 

ご飯を食べる間を惜しんで開発に没頭する萬平。

ハナのアドバイスを受けて、福子は萬平に不満を訴えようとしたが、
萬平は福子の思いにも全く気付かず、
さらには源ちゃんにもダネイホンのことを話しかける。
「お父さんは、皆が幸せになるものを作りたいんだ」
「皆がダネイホンを食べて元気になってくれたら、こんなに嬉しいことはない!」
福子は、そんな萬平に自分の不満は言えなくなってしまった。

 

『まんぷく』第49( 11月26日)感想

 

 

今日はダネイホン開発にまつわるエピソードの始まり、始まり~!
ということで、ごくごく当たり前&周到な内容でした。
もちろんいい意味で。

  • ダネイホンの商品化の過程
  • 萬平さんのダネイホンへの没頭ぶり
  • そっちのけにされて次第に不満を募らせる塩担当の塩メン
  • ワンオペ育児に不安を募らせる福ちゃん

と、今週はどのようなテーマで進んで行くのかということがはっきり示されていました。

しかし、萬平さん、商品名ダネイホン、ビミョーな気がするよぉ。
もうちょっとしゃれた名前にした方がいい気がするよぉ。

萬平さん、研究に夢中になっちゃうとホント、スゴイ勢いで集中しちゃうのね。
牛骨煮混んで生臭い匂い(うわー!)なのに、栄養素を抽出することにまっしぐら。
グラグラ煮える鍋から牛骨を取り出しているときの嬉しそうな間平さんの、
狂気に満ちた顔ってばっ!!!
でもね、もっと風味とかも考えた方がいいよー!
生姜とかネギとか加えてみるとか…。

ダネイホン、最初は味も名前もダメで受けないのかなあ?

 

それから夜、福ちゃんはやっと家族水入らずになれたと思ったのに、
寝ついた源ちゃんを見ながら萬平さんがしみじみと
「可愛いなあ…大きくなれよ、源」
と言った後は
「牛の骨はどこで手に入るんだろうなあ」
だって(笑)
そしてそのまま、ダネイホンの話にとって代わり(笑)。

これ…理系の人のあるあるだわ!
それとも男の人ってこんな感じ?
うちのパパさんも理系で開発の仕事ですが、頭の中は自分の興味のあること中心。
仕事でもそれ以外でも。
うちのパパさんの場合は仕事より趣味のことが多い気がしますが…それが敗因!?

うちのパパさんは自分の中で夢中な案件があるときは、
ナナコロビヤオキが話をしても「うん、うん」と相槌だけ打ってて、
実際は全然聞いてません!怒

パパさん、目下筋トレに夢中なのですが、
昨日、一昨日は何を話しかけても、
テーマが子どもの話題だろうが、来月のスケジュールだろうが、今日の夕飯はどうするという問いかけにも、
「うん、うん」と頷いて聞いてたくせに、
「プロテイン飲んだら筋力が上がった気がする」
「あのダンベル買ってみようかな」
「皆、筋トレの本を読んだ方がいいぞ」
と返事はこればっかでしたから。

今朝、この福ちゃんと萬平さんの会話を見て、「おお!まんまだ…!」と思いましたよ。
福田さん、こういうちっちゃなエピソード盛り込むのすごく上手いですね。

でもまだうちのパパさんの場合は、ちょっと怒れば気をつけてくれますけどね。
ナナコロビヤオキがもっと辛抱強く、福ちゃんみたいに献身的だったら、
パパは何かすごいものを開発して大儲けするのかも…!?
この夫婦、常人じゃないんだろうとつくづく思いますー。
うちはこの器じゃないんだわあとも実感。

福ちゃん、イライラモヤモヤしながらも、牛骨の入手先に悩む萬平さんに
「清香軒さんに相談してみては?」と言ってあげちゃうもんね。エライ。

 

そして、福ちゃんのことも心配ですが、それより気になるのは塩メンの様子。
会社って、こういうことはつきものですが、
塩の重労働は改善されている様子もなく、4人開発に回されて抜けて…ちょっと心配。

炎天下の重労働の横で、研究室から楽しそうな笑い声が聞こえたら…イラッと来るよぉ!
開発担当になったメンバーは重労働から解放されているわけだし。
それで萬平さん、すっかり知らんふりでしょ。
ズルイってなるよぉ。

ここで福ちゃんが、社長夫人としてクッションになるべきなんだろうけど、でも萬平さんが顔出さない限りは不満は払しょくできないわねえ。
こういうとこ、萬平さんは本当に脳天気というか…あくまでも職人さんで経営者じゃないのよねっ!
これじゃあ、反乱が起こってもおかしくないわ。怖いわね。

 

福ちゃんのモヤモヤも、人の良い福ちゃんだから自分の不満はわがままかなあと自問自答しながら…そこでハナちゃん訪問によってその気持ちを吐露させます。
ハナちゃんいい役割。

当時はイクメンなんて言葉もないんだから、福ちゃんの考えは贅沢かも??とも思われちゃうところを、これまたいいタイミングで鈴さん登場。

鈴さんの口からも、もっと福子と源ちゃんを見てあげて欲しいとグチって援護射撃。
家事と育児は女が一手に引き受ける時代に生きる鈴さんが言うことによって、
福ちゃんの求める萬平さんへの構ってレベルは、当時の感覚としても正当。
いかに萬平さんが家庭そっちのけかが分かります。

ハナちゃん、鈴さんをバロメーターに、福ちゃん不満内容、レベルが正当であることがよく分かり、おかげで見ている側はきちんと共感できるのよね。
この表現、見事です。

ちなみに、ハナちゃんが訪問して来てくれたシーンでホッとしたのは
ハナちゃんちに借りたお金は全て返済済みと分かったこと。
ちゃんと返してた。よかった。
前作の方々とは大違い。
ただ、鈴さんのお着物は買い戻したかは??
少し、気になる。買い戻してあげてね。

 

それにしても、鈴さん、ペラペラしゃべってたけど、ダネイホンのことまでペラペラと…。
社外秘じゃないのかい!?とハラハラ。
清香軒で牛骨もらうときも神部君がダネイホンと気軽に口にしていましたが…
当時はまだまだそういった感覚、のん気だったのかしら?
平和な時代ねえとも思いました。

 

皆の中にふつふつとたまる不満、モヤモヤイライラ…の一方で、
香田家のシーン、キャナメパパ、カワイイ!
忠彦さん、タカちゃんが可愛くて心配で…神部さんのことを度々話すタカちゃんにやきもち。
絵もイライラしながら描いてるし(笑)。
「10歳も上の元ドロボーだぞ」
と忠彦さんは心配しますが、
タカちゃん、全然気にする様子なし。
ってか、忠彦さん、そんな言い方したら逆にタカちゃん反発して好きになっちゃうかもよ!
逆効果よ!

そして忠彦さんったら、タカちゃんの
「お父さんは画家なのに、普通の人とは違うんでしょ。そんなこと気にしないと思ってた」
って「そんなこと」に
ガガガガーーンってうろたえて、
タカちゃんが「ドロボーでも別にええやない」と言うと
しばらくして息を吹き返して、
「ドロボーはようないやろっ!」
と…自分を取り戻してたよ。爆。

タカちゃんが神部さんを褒めまくるときの
キャナメの不安そうな顔といい…カワイイー。

忠彦さんの娘を心配するのシーンは、今日の癒しでした~。
キャナメパパのシーン、定番化して欲しいっ!

 

研究に邁進する萬平さん、さすがに不満を言おうとする福ちゃんの様子にも気付かず、
源ちゃんをだっこしながら
「お父さんは皆が幸せになるものを作りたいんだ」
と語りますが、
おいおいおい…ダネイホンのおかげで一番近い人が不幸せになっちゃうよぉ~と。
切ないけど、何たる皮肉な。
その前に「栄養食品を作るあなたが栄養失調になってどうしますか」という福ちゃんの突っ込みも秀逸でしたが。

世の中って、こういうことよくありますよねえ。
家族のためにって頑張ってお仕事してたのに、そのせいで家族崩壊しちゃうって…。

見ている側にも心に刺さる問いかけでした。