NHK朝ドラ『まんぷく』感想 第48回(第 8週)「新しい冒険!?」 新規事業は栄養食品開発!そしてカエル鍋は爆発!

『まんぷく』第48回( 11月24日)あらすじ

※ネタバレ含みます。

昭和22年4月3日。福子は男の子を無事出産。
ところが福子の産後の肥立ちが悪く、なかなか起き上がれない状態が続いた。

お産婆さんによると卵だけでなく野菜も魚も摂らなくてはいけないと言う。
鈴達は、福子のためにお産婆さんの助言に従い食事を作った。
鈴さんの家出の一件から萬平さんは、食事以外の家事も皆で分け合ってするよう指示。

おかげで福子は段々と回復してきたが、元の体調に戻ったのは梅雨が明けた頃だった。

 

皆は福子が元気になり一安心した。
しかし福子が無事に回復したのは立花塩業が順調でお金があったから。
お金がなかったら、食材を買い揃えられず死んでしまっていたかもしれなかった。

 

当時はそんな可哀想な妊婦が大勢いた。
そして戦後間もない日本は皆が貧しく、食べ物そのものも足りていず、栄養失調の人々が大勢いた。
萬平は、そこで安価で手軽に手に入る栄養食品の開発を新規事業にと考えた。

 

大阪帝大卒である神部によると、大阪帝大の医学部には公衆衛生講座があり栄養学が研究されているという。
そこで萬平は大阪帝大の栄養学の近江谷教授を招き、立花塩業に「たちばな栄養食品研究室」を開設。

 

当時学校では給食が開始された。
GHQの指示で主食はご飯ではなくパンだと聞いた福子は、パンに塗る形の栄養食品を開発してはどうかと提案。
福子のアイデアによりペースト状の物を開発しよう、まずは安価なたんぱく質を求めようと考えた萬平たちは、周辺のガマガエルを捕獲。
カエルを圧力鍋に入れ、火にかけたが…カエル鍋は爆発!

 

そんな惨状を見て、鈴は「こんなアホなこと、辞めて下さい!」と怒って叫ぶが、萬平は
「僕は辞めません!こんな失敗なんてことはない!」
「世の中の栄養失調で苦しんでいる人のために、必ず新しい食品を作る!」
と強く宣言。
新たに夢中になれるものを見つけた萬平は活き活きとしていた。

 

『まんぷく』第48( 11月24日)感想

 

 

カエル鍋…爆発!
わーーーーっ!! 大変っ!!

これ、本当のエピソードみたいですね。
自宅で開発してそういうことがあったという記事を見ました。
この後の後始末は誰がするんでしょうかぁぁーっ!?
事実だった、自宅でやったってことは…後始末は福ちゃんがしたの…??
「僕は諦めない!」
って言うなら萬平さん、きちんとお掃除しなね。
間違っても鈴さんにお願いしたらダメよ。また家出しちゃうよ。
その点、塩メンの開発部門4人はちゃんとお手伝いしてくれそうですね。
よかったね。
しかし、この4人が選ばれて他の塩メンはふて腐らないかと心配に。
来週はその辺のエピソードもあるのかな。

 

福ちゃん、無事に回復してよかったぁぁ!
ヒロインだから死なないとは分かっていましたが、安藤サクラさんの「力が沸かない~」って演技が余りにリアルだから、ナナコロビヤオキ、昨日から本当に心配で心配で…。
こういった産後のトラブルエピソード見られたのはドラマには貴重。珍しいですよね。
妊婦のときはちょっとのん気過ぎる?とも思ってましたが。

 

当時のお産や、栄養に対する知識、世の中あんなものだったんですねえ。
今普通の、特に医学の知識のない一般人でも、タンパク質、ビタミン、ミネラル、肉魚、野菜、塩分を取らないとダメよってくらい分かってますけど、
これって戦後教育の賜物なんですね。
そして当時は栄養食品というものがなかったのか!ともあらためて実感。
今はありとあらゆるサプリメントもあるし恵まれてるのねえと。
当時の人の健康管理ってすごく危うい綱渡り状態だっただろうなあとも思い知りました。

肝油ドロップ、アレも戦後のこういった栄養失調の蔓延からの産物だったんですね。

肝油ドロップって、ナナコロビヤオキが小学校の頃、学校で年に一回サンプルを配布されてました。2粒くらいだけ入ってて、アレがすごーく美味しいと思っ貰うのが楽しみだったなあ。
親も体にいいものだからと買って貰ったこともありました。
今でもドラッグストアで見かけますよね。
あれって、今で言えばグミみたいな食感?あれが珍しくて美味しい気がしていたのですが…今食べたら、当時のように美味しいと感じるかどうかは…すごく疑問。
…なんて、余計なことを考えてしまいました。

 

家事の件も、よかったです!
福ちゃん出産騒動で、鈴さんの過剰労働の問題はうやむやにされるかと心配になりましたが、萬平さんが皆にも分担させるようにしたということで解決。
ホッ。
このドラマはうやむやにしたり、面倒がってスルーしたりしないので安心できます。
というか、きちんと意味のあるエピソードを投入してるから最終的に回収されるのですよね。

今回はナレーションの一言で終わりましたが、それで十分。
ナレ解決かと前作を絶賛する方々が突っ込みそうですが、
でも今の時点では、ストーリーのメインは萬平さんの開発に焦点を当てているわけだし、
家事の負担が大きいという問題は、リアルでも一発で解決できるものではないので。
その後、萬平さんの次なる開発のベースとなると思うし。
再びメイン案件に浮上してくるということなのでしょう。

まずはここで、“栄養失調”の解決策として栄養食品を開発。
そして次なる段階に、家事の手間を省いて栄養が満たされるものとしてインスタントラーメンとなっていくのか…。

伏線を一発で解決しないという、このドラマの作りは非常に精巧でリアル。
味わい深くなっていると思います。

 

しかし、研究開発に夢中になっている萬平さんに、鈴さんの容赦ない突っ込み!
鈴さん。すっかり視聴者の「いいの?」「本当に?」「都合良すぎ?」の声代表ですよね。
あの、鈴さんの口うるささや、わがままちゃんぶりも、いつの間にか可愛い!同情!ってすっかり視聴者のハートをつかんでしまってるし。
バッチリその役割機能しています。

視聴者の私たちは、ある種冷静にドラマを見ているもの。
俯瞰して見ている状態。
萬平さんがどうやって物を開発していくのか、興味深く応援はしているけど、現実でもあり得ることかバランスを見ながら見ている物ですよね。
なので、常識的な鈴さんの批判コメントはすごく大切。

そして、鈴さんの「ヤマ師だ!」「こんなこと辞めなさい!」という突っ込みにより、
萬平さんから「僕は絶対に辞めない!」「世の中の栄養失調で苦しむ人のために!」
というセリフを引き出して、
萬平さんの開発に対する意志の強さを表現。
しかもその意志の強さはただのマッドなおものではなく、
世の人の役に立ちたい!という真摯な姿勢からと、
萬平さんの誠実な人柄であることをあらためて提示。
ユニークでエキセントリックだけど誠実極まりない萬平さんという、
萬平さんの魅力を再認識させてくれます…!

鈴さん、ドラマ構造上でも非常に重要な役割なのよね。
そしてその役割を十分に果たせるようになっている脚本力と
松坂さんのチャーミングな演技力に脱帽です。
下手するとただの意地悪なつっこみオバサンになっちゃうからねえ。

 

前作にはこういう役がいなかったのよねえ、
それは前作の失敗の大きな要因の一つだったなあとつくづく思います。
他にも失敗要因は山とあるけどね。
律の開発も、鈴愛のセンキチカフェも、
どこまでの切実さがあるかも分からず(いやそれどころか自己顕示欲しかなかった)
「やる!」と言ったら、あっという間に都合よくお膳立てが整って一方的に進められちゃう。
客観性を持ちながら見ている視聴者にしたら、
おかげでただの自分勝手なふるまいを押し付けられてるだけになっちゃってたんですよね。
…やっぱりドラマ作りとして破綻してたんだな。

 

来週は、とうとう福ちゃんと萬平さんの夫婦喧嘩も勃発するようですね。
萬平さん礼賛だった福ちゃんも、母となりいろいろと見方も変わって来るということね。
そして栄養食品は軌道に乗るまでは大変そう…。

真一さん、やっぱり萬平さんの会社に入って一緒にお仕事するようになるのね。
よかった!
可知谷さんカムバックを期待してたけど、そんなに簡単に帰って来ないと思うし、
もっとクリーンで経営に関する知識のある人が欲しいと思っていたので。
真一さんなら世良が変なこと持ちかけてきても罠を見抜けることができるだろうし、
「いけない、いけないよ」
って優しく撃退してくれるわよー!
心強いわあ!

 

しっかし源ちゃんが、可愛いこと、可愛いこと…!!!!
あの子、ぷくぷくほっぺで、なんて可愛い、キレイな赤ちゃんでしょう―!
ナナコロビヤオキは源ちゃんが出て来る度に食い入るように見てしまってました。
たとえ画面の端っこでも、たとえ映ってるのが頭の後ろだけでも、
源ちゃんが出るだけでナナコロビヤオキはうっとり、ほっこり!

ああ、早く月曜になって源ちゃんに会いたい!

 

来週も沢山の内容が詰まってそうで楽しみです。