『まんぷく』第50回( 11月27日)あらすじ
※ネタバレ含みます。
塩軍団は、ダネイホン組と塩作り組みとの間に次第と溝が。
週末だけくるタカを、タカ推しの小松原、森本たちを押しのけて神部タカを一人占め。
塩作り組が相変わらず重労働の傍らで、
ダネイホン組は原材料のワカメを素潜りで採ったりとまるで海水浴かのよう。
のん気で楽しそうな仕事ぶりに、塩作り組は次第に鬱憤がたまっていった。
そんな中、源が熱を出した。
不安で一杯な福子だが、萬平は
「子どもにはよくあることだ」、
「心配なら病院に行って来い」
と我関せず。
頭の中はダネイホンのことばかり。
電話をかけてきた世良はダネイホンの話を聞くと、
「そんなもん、売れるワケが無いやないか!」
「三田村会長と僕が投資した31,500円、そんなワケの分からんもんに使ったら1円も戻ってきいへん」
と、猛批判。
しかし、萬平は「絶対売れますから!」と一切意見を聞かず。
とうとうダネイホンの試作が完成した。
しかし味はとんでもないものに。
ダネイホン組からも「まずい」
という言葉が出るが、萬平は
「そんなことはない!!」
「やってみないと分からないじゃないかっ!」
と怒鳴り声を上げ、頑な態度。
赤津から塩軍団が鬱憤をたまっていることを聞いた福子は、
先日ハナからも、少し言いたいことは言った方がいいとアドバイスを受けたこともあり、
萬平にもっと社長として周囲に気遣うべきだということ、
そして源や家庭のことにも気を配ってほしいと進言。
しかし、萬平は
「くだらん!」
「そんなどうでもいいこといちいち僕に言うな!」
「仕事に集中したいんだっ!」
「子育てはお前に任せるっ!」
と一切聞く耳持たず。
萬平と福子の夫婦喧嘩を聞いてしまったタカは驚いて鈴に伝える。
しかし、鈴は
「福子はやっと私が正しいのが分かったのねえ!」
と大喜び。
塩作りが重労働な上に、魚釣りを頼まれた塩作り組。
ダネイホン組にやらせろと不平不満の嵐だったが、高木があることを思い付き快諾。
高木は倉庫の床下に手榴弾があることを見つけていた。
それを海に放りこみ爆発させると、魚は一発で大量に獲ることができた。
大喜びする塩作り組。
しかし、それが後々大き事件につながっていくことになる…。
『まんぷく』第50( 11月27日)感想
昨日放りこまれた数々の火種、炎がチラチラ、メラメラと大きくなっていくのが見えました。
見事にキレイに描かれていて分かりやすい。
しかし、赤津さんったら、すっかり家政婦さんがハマっちゃって…!
噂話をするときの、手パタパタ、ふきんパタパタがすっかりおばさん…爆
料理番としてだけでなく、塩作り組みの不穏な様子をキャッチすると、
きちんと上司である、鈴さん、福ちゃんにも伝えて。
しかもこれが萬平さんでないという気が効きよう…!!
赤津! 家政婦の鑑じゃないのぉ!爆
神部ワンコがタカちゃんに急接近の図も、
ただタカちゃんと神部さんがくっつく、
カワイイエピソードだけでなく、
ダネイホン組VS塩作り組の対立の一因の伏線にもなってた。
重労働の塩作り組みに対して、ダネイホン組は頭脳労働だし、
塩作り組にとっては面白くないよね。
ワカメ採りが遊んでるみたいに見えるのも、分かる。
…組織ってこういうところありますよねえ。
最初一緒に足並みそろえて仕事をしていたときはいい仲間だったのに、
段々と状況が変わると、関係性が変わってくる…良く描かれてるなあと。
そして萬平さん、研究一途なのはいいけど、入りこんじゃって周りがすっかり見えない。
そして上手く行かないと、頑なになる。
もうマッドな状態!
開発に信念は必要なんだけど、危険なほどに思い込まないといけないものなのかもねえ。
萬平さんは、最終的にインスタントラーメンに行きついて大成功したからいいけど、
こう凝り固まったままで成果も出せず消え去っていった人も五万といるのだろうなあとも。
そういう人は、結果的に一番大事な人の信用までも失い、孤独な末路を辿っているかもしれませんよね。
世良はピンはね1,500円を頑なに出資金と言い続け…(笑)
まあ、世良らしい。
しかし世良の
「そんなもん、売れるワケないやないか」
の突っ込みに、なるほどと頷きました。
ナナコロビヤオキ、先週、萬平さんの栄養商品を作るというアイデアを聞いたとき、
当時はまだ栄養食品がなかったということに気づき、
萬平さんは先駆者なのね、すごいね~と感心しましたが、
今日のこの世良のセリフ、
「(栄養失調は)皆腹を減らしとるからや。そんなもん買う金があったら食い物買うやろ!」
にガガーンと!
そもそもまだまだ食糧事情が深刻なのだという、当時の現実に引き戻されました。
悪者扱いだったら世良が、今日は現実主義者に。
世良の批判に加え、ダネイホン組の「まずい」という言葉に、萬平さんのイライラは頂点に。
そのタイミングで福ちゃんは、結婚して初めて萬平さんに意見します。
うわっ!!タイミング悪―っっ!!
でもドラマ的には絶妙―っっっ!!!
塩メンの不満も、源ちゃんの熱も、何もかもダネイホン開発以外は、萬平さんには
「うるさいっ!くだらない!」
だってさ…。
福ちゃん、可哀想に。
初めての子どもの病気で不安が一杯なときにね。
一緒に心配してくれるだけでいいのにねえ~。
完全ワンオペ育児になっちゃったねえ。
今みたいにイクメンじゃなくても、当時の亭主関白時代でもそんなに辛い子育てじゃない人は沢山いますよね。
たとえばハナちゃんは満たされたお顔をしてます。
…子育てが辛いかどうかは、ただ労力じゃなくて、何よりも共感なのだよねえと福ちゃんの涙を見て思ってしまいました。
そう、ナナコロビヤオキはおかげ様で幸せな子育てをさせてもらった部類ですが、一人目が生まれたばかりのときにふと思った事がありました。
パパと仲良しでいられると、子どもの笑顔がとても嬉しくて幸せを感じるけど、
夫婦仲が完全に壊れてるとか、離婚だとか、シングルだとかってなると、
子どもの笑顔を見ると、それだけで哀しくてたまらなっちゃうのかも…って。
夫婦仲が冷めてると子どもが可愛くなくなるということではなく、子どもが愛おしくてたまらないからこそ、その笑顔にきちんと答えてあげられるか不安で、そんな自分に哀しくなるってこと…。
そう、夫婦仲が悪いかどうか、それだけで子育てが楽しいものになるかどうかが決まる。
夫婦仲はそれだけ母の気持ちに影響するのですよ。
女性の気持ちはデリケートですからね。
世の男性方はきちんと気遣ってあげて下さいね。
イクメンだ子育てに参加しろってよく言いますけど、
一番大切なことは共感、共有して欲しいってことですよ。
しかし、萬平さん、これまでハセヒロインで可愛かったり、
誠実でまっすぐな言い男だったり、
「おいで砲」だったり、
由美かおるだったくせに…!!!
今度は視聴者の怒りを買う役に!
そう、福ちゃんも。
始めは明るくおっとりとして皆をアクセプトする温かな存在。
萬平さんをまっすぐに信じて愛する純粋な乙女、
そして献身的な妻。
…だったはずが…!
「萬平さんはお仕事だけ考えて」と
献身はいいけど、
ただただハナちゃんちにお金を借りに行き、
鈴さんの、口うるさいけどまっとうな意見も聞き入れない、
いつのまにか見ている側にはそんな姿が鼻につき…
となったところで、
完全にブーメラン。
しっぺ返しをくらう。
そして鈴さんについては、すっかり見る側は共感しちゃって。
福ちゃんが夫婦げんかしたと聞いてはしゃぐのにも、
「そうそう!」と同調して一緒に小躍りしたくなっちゃったよ。
世良も、今日は世の声としてまっとうに聞こえるし…。
さらに遡って言えば、可知谷さん!
萬平さんに「社長は俺だ!」って言ったりしてたの、
アレ、パワハラじゃなくて、
そうでもして牽制しないと萬平さんメチャクチャだったってことねと
理創工作社の実情も見えてきた…。
立場や状況によって、人の長所だと思っていたところが完全に毒になる。
人って本当に、善も悪もない、ない交ぜの生き物なんだよなあと再認識させられます。
そう、それと戦争のときも思ったけど、このドラマは登場人物が視聴者に媚びを売らない!
萬平さんは、当時の人の気持ちのまま戦争に行けなかった自分を負い目に感じてるし。
そのときその時世にそのまま生きてそのときの見解を述べているだけ。
何か困り事があっても、それに対する明快な答えを持っている人が誰もいないし。
きちんと登場人物が自分の個性で、自分の生き方で動いて、お互いぶつかりあって進んで
答えが出て行くというところがすごいところ。
そう、きちんと登場人物が描かれているドラマは、脚本家の頭の中で筋立てしたストーリーで生きるのではなく、キャラクターが勝手に動き出すのだと言われますが、
まさにそれを今、目の当たりにしていると感じています。
そして、塩作り組みは、手榴弾を使って魚釣り。
萬平さんのかつての電線を彷彿とさせますが…
そうかそうか!ここ、元は軍の施設だったんだもんねえ。
そしてそんな方法を思い付く高木はプロフィールを見ると陸軍だったそうです。
手榴弾…そうくるとはつゆとも思わず。
設定をあますことなく使いきっているなあ~と感心しました。