NHK朝ドラ『まんぷく』第39回(第 7週)「私がなんとかします!」感想 萬平さん世良の誘いを拒否。立花塩業は困窮

『まんぷく』第39回( 11月14日)あらすじ

※ネタバレ含みます。

立花塩業に一本の電話が。
その電話は世良からだった。
世良は、専売局に売るよりも闇市の方がずっと儲かる「僕が塩を売ったる」と。

しかし、萬平は断固拒否。
専売局が最上級と認める高品質の塩を作ると電話を切る。

萬平は塩軍団にも高品質の塩を作ることを支持。
しかし、それは今よりもっと手間がかかる上に、生産量も減ってしまう。
鈴もそれは無謀だ、食べていけないとグチが止まらない。
しかし福子は萬平の言うことをひたすら信じ従う。

おかげで食事は一層貧相なものに。
福子と鈴はお昼を抜いて2食にすることに。
お腹が空いた鈴は不満が一杯。
食事が少ないと文句を言う塩軍団に
「ぜいたく言ってるんやないわよっ!」
「アンタたちは1日3食食べられるけど私は2食よっ!2食っ!」
と逆ギレ。

鈴の啖呵に塩軍団のブーイングも一旦納まったが、でもさすがにこれだけでは足りないと、
浜に出て魚釣りを試みる。

釣り糸を垂れながら、塩軍団たちは不平不満の嵐。
この仕事を誘った神部にも怒りの矛先が。
すると、神部は
「だったら来なければよかった。今からでも出て言ったらいいと」
と言い、戦争から帰ってきたら家も家族も失いやけになって社長の家に盗みに入った自分の身の上話を話す。萬平は盗みに入った神部を許してくれたから恩がある。
だから自分は何があっても絶対に辞めないと。
すると、岡をはじめとするメンバーも自分の境遇を話し出す。
皆、同じような身寄りのない者ばかり。
あのまま、大阪をうろついていたら、今頃悪さをして警察に捕まっていたかもしれないと、
社長にも神部には感謝してると皆言い、次第に怒りがおさまりつつあった。

そこに収穫が!

大きな一匹の鯛が釣れた。

意気揚々と帰って来た塩軍団だが、
鈴はこんなに大きな魚はさばけないと。

すると塩軍団の赤津が自分ができると言い出した。
なんと赤津は寿司屋で10年修業をしていた元料理人!
さくさくと鯛をさばいて見事なお造りに!

これからは食事作りを手伝ってほしいわと喜ぶ鈴さんに、
萬平さんは、お母さんの負担も軽減できると大賛成。
「よろしくね、赤津!私のしもべはいやなの?」
と言う鈴に
「嬉しいです」
としぶしぶ承諾…。

 

そして萬平に
「お金のことは私が全てしますから心配しないで」
という福子は、
またまたハナちゃんちに借金。
「これで最後にしますから」
と頭を下げる福子にハナの夫は、
萬平さんはとにかくいい物を作りたいとこだわるが、それでは社長は成り立たない、
「きっとこれで最後にはならないでしょうね」と。
そしてハナちゃんは、
福ちゃんがちゃんと考えてあげないと会社はつぶれてしまう。
塩作りは萬平さん、経理はお母さん、あとの全ては福ちゃんがやらないとと忠告した。

 

『まんぷく』第3回( 11月13日)感想

世良、やっぱり単純に中抜きじゃなかったのね!
でも専売局で専売局で3,000円だったでしょ?
あれはどういうことなのかな?

専売局に売るのは半分の量にして、あとの半分は世良が闇市に流してみた?
その儲けを渡しつつ闇市の話を持ちかけようとしたの…?

専売局で3,000円、でも1,500円になっちゃったからくりはどうなってるの?
早く知りたい。

世良さん、峰不二子って話もあるけどねずみ男っぽいなあ。

 

今朝、BS早ぷくをながらで見たときは、
萬平さんの「専売局で売る!」という潔癖な感じ、
その萬平さんを福ちゃんがひたすら信じる感じに、
あー相変わらずだな、こりゃ!
と腹が立ち、
これを良きこととして描き進めて行くつもりなのー!?
やっぱりNHKだから、不正を許さない!?
そんなキレイ事ばっかで通すつもりか?
と、ちょっと憤慨しましたが、

朝ぷくを見て、なるほどと納得。
そう視聴者を怒らせるのも織り込み済みね。

今週は、キレイ事だけでは経営は成り立たないことを示す週なのね。

萬平さんの純粋さ、福ちゃんの素直さや優しさだけでは周囲をも巻き込んで破綻してしまう。時には悪にならないと。
酸いも甘いも知らないと。

それを福ちゃんが思い知る週なんだ。
そして会社を守るために、福ちゃんはそれを実践するのか!?
そしてブラック福子の誕生か…!!

 

そうだよねえ。
まだコレ、戦後一年未満でしょ?
ハッキリ言って闇市利用しないと商売、全く成り立たないよねえ!?
闇市を不法とした手前、
闇市を一切利用せず配給だけで過ごして餓死した大臣も当時いたくらいなんだから。

 

これは世の中不公平ばかりやと言う世良の方が正論。
なるほど、世良さんの描き方、ニクイねえ!
一昨日は世良さんに失望したけど、今日は信用回復よ。
またまた人気うなぎ登りよ。
鈴さんに続いて。

この世良の信用回復、すぐ次の日にやらないで一日置くんだから、それも憎いわねえ!

 

ああ、同時につくづく可知谷さんが、経営のどす黒ーい部分を一手に担ってたのかと。
世良の信用回復と共に、可知谷ロス…。
お願い、できれば帰ってきて一緒に仕事して。

 

福ちゃん、あの純な性格、萬平さんへの惚れ具合からも、
萬平さんの発言に逆うなんて、今の福ちゃんでは思いもよらないから、
視聴者の不満解消に、常識人の鈴さんも投入してるしね。

鈴さんは、萬平さんが福ちゃんのお父さんと同じ匂いを感じると言ってました。
本当にそうですよね。
鈴さん、だからまっとうなお勤めの人がいいと言ってたんだものね。
でも何の皮肉か似たような人と結婚しちゃうものなのよね。
一番身近な存在だから父像=男性像がになっちゃうものなのよねえ。
そんなところもすごく実感できるし共感できます。

 

ただ、鈴さんは、ぶしむすで、お嬢様で、女は男に一切口出ししてはならない世代の人。それを素直にきちんと全うしていたタイプ。
だから、鈴さんは旦那様の会社が傾いたときに何もできなかったけど、
福ちゃんは、次の世代として、鈴さんの越えられなかった壁を乗り越えて行くのでしょうね。

 

福ちゃんといえば、旦那さまを支える、「お金はなんとかします!」と言いながら、どうするかというと、ワンパターンのハナちゃんちに借金。
おいおい、いい加減にしろ!さすがに3回はやめとけ!と思いました。
やっぱ鈴愛か!?と…。
これにも最初イラッとしましたが、でもこれも織り込み済みのようね。
福ちゃんにピシャリとやって何かに目覚めさせるという…。
鈴愛と違ってすんなり貸しては貰えませんね。当然ね。

しかしハナちゃん、優しい。
旦那さまも。
普通、三回目に借金来たら友達の縁切るわ。
というか、ショック受けるよねえ。
特に旦那様の方は激怒してもおかしくない。
なのに、お金も貸してくれる上に冷静に忠告も。
金持ちケンカせずってこういうことでしょうか?
毎回言われてポンっとお金を出してくれるの、地主の財力ってハンパないんだなあ。
ナナコロビヤオキの祖父母の家も地主でしたが、当時こんなだったのかなあと。
でも農地改革で取られちゃうのよ。
ハナちゃんちもいずれそうなるのかしら…。

ハナちゃん、だてにお嬢様じゃなかったですね。
ハナちゃんの実家は何をしているお家かは描かれていませんが、
やはり経営者側の人間としての視野を持っているということでしょう。

ただの可愛いお嬢様という描き方でないのも嬉しいです。
ドラマのお嬢様描写ってそうなりがちだから。
お嬢様って、きちんと教育を受けた教養ある女性だからこそ、富と品位を保てるのですよ。

そして福ちゃんの女子会仲間だからと言って、ただの可愛い、楽しいだけの関係に済ませないというところが、真の友情を感じますよね。

 

そして、塩軍団のご飯は全く貧相なものになりますが、
で、お魚釣りをすることで、みんなの個性が段々と分かってきました。
釣り竿が全員分あるなんて!
これは元々から魚釣って自給自足していくことを想定していたのか!?

前から思ってたけど、そうよ、足りないなら釣って食べなよと思ってたわよ。
終戦直後は皆そんなもんだったんでしょ?
あと、できれば畑も作って。
海風だから育ちづらいかもしれないけど少しはできるでしょう。

食事作りも、大変なんだから手伝わせればいいのにと思っていましたが、
これは塩メンのキャラ付けのためにもったいぶってたのね!

魚釣りをしながらの塩軍団の会話も、
メンバーのことが段々と分かってきていいなあと思いました。
そこにお魚が釣れて!
赤津さんがお魚さばいて!
パアアーっと明るくなって。
経営が上手く行かなくて段々と暗くなっていくところに、救いになりました。

この前も言いましたが、このドラマは暗いときにも笑いの部分を忘れずに盛り込んでくださるのでおかげで楽しく見れます。

そしてぶしむす鈴さんが、可愛くて面白いことー!
鈴さんも今や清涼剤で。
松坂慶子さんが、画面に出てくること自体が待ち遠しくなってるわよ。

前にまんぷくで松坂慶子さんの演技力が唯一ダメとか言ってる記事を見かけました。
それ見た当時も「はあ?」と思いましたが、もう「何を言っているか!」とクレームしてやりたい気分です。

明日はハナちゃん夫妻の忠告を受けて、福ちゃんがどう変わって行くのかが、楽しみです。