『まんぷく』第40回( 11月15日)あらすじ
※ネタバレ含みます。
電話口で涙声のタカの様子が気になる福子は、克子姉の家に行こうと考え、
塩の専売所への搬送に来てくれた世良の車に乗せてもらうことにした。
タカが手伝いに来れなくなった理由は忠彦が過労で倒れたせい。
しかし忠彦は戦争でいなかったときの分を取り戻さなくてはと、
体調に構わず取り憑かれたように絵を描き続けていた。
戦争から無事に帰ってきたのにと、涙ながらに「やめて！」と訴えるタカに
忠彦は
「お前は画家の画家の娘や。覚悟しろ」
と。
福子も、忠彦さんは芸術家だけど、父親でもあり克子の夫でもあると説得するが、
「萬平さんも仕事に没頭する人や。福ちゃんはそれを止めるんか！？」
と忠彦に言われてしまい、返す言葉が無い。
一方で世良は、専売所に。
萬平がこだわった通り、塩は最上級の評価を受け
満額の4,000円を受け取ることができた。
しかし、世良は専売所に納品したのは半分だけ。
あとは闇市に持って行き、6,500円の収入に。
世良が闇市に流したことには一切気付かず
塩が満額で売れたと喜ぶ萬平。
しかし、塩軍団は疲弊している。
神部は、皆疲れ切っていて、最初から塩作りをしたくて来たわけじゃないし、
そのうち新しい仕事を見つけたら出て行くかもと話す。
次の給料は期待してもいいか、皆に伝えてもいいかと聞く神部に、
萬平は一つ返事で「いいよ」と答えた。
福子から忠彦のことを聞いた鈴は憤慨。
「『芸術家だから仕方がない』と克子も言っていた」、
「忠彦さんは自分の絵を見つけたのよ」という福子に、
「何を分かったようなことを言ってるの！それで体壊して死んでしもうたら意味ないやない！」
とボロクソ。
そしてさらに鈴は
「あなたの旦那様も似たようなもんだ」と福子に言い、口を尖らせた。
福子は鈴の言葉をきっかけに、忠彦に言われたこと、ハナの旦那様にそれでは社長は務まらないと言われたことを思い出し、反芻していた。
『まんぷく』第40回( 11月15日)感想
やっぱりただただ横領でなく。
でもちゃっかり貰ってる。
半分を専売局に持って行き満額ゲット。
あとの残りは闇市に。
専売局なんかよりもっといい値段の6,400円ゲット。
(専売局の売上金も含まれてるかどうか
はっきり描かれてなかったので定かではないけど…
でもポッケにガサッと入れたから。あれはまんま世良の利益だろうな）。
萬平さんには、萬平さんが想定した満額4,000円をきちんと渡す。
なるほど、そういうからくりでしたか。
専売所に売りに行くのも、萬平さんの手前カモフラージュなだけでなく、
世良自身は塩の目利きはできないから、専売所で品質確認してから売りに行くと。
専売所は品質検査機関として利用。
専売局のお墨付きの品質となれば価格交渉も有利に進むし。
いい仕組みね。
今朝我が家では、世良が何をやってるか、家族全員が気になって仕方がなかったようで、
BS早ぷく時間にテレビの前に全員集合。
世良のシーンで子どもらはテレビの真ん前に立ちはだかり、
ナナコロビヤオキは「見えないっっ！！」
と何度も叱っちゃいました(笑)。
そして一番年下なのに最もクールな小6の娘は、一人テーブルにつき静かにお味噌汁をすすりながら、
「やっぱり世良が一番頭がいいな」
と頷いていました(笑)。
すでにSNSでは世良酷い！憎い！と世良へのブーイングが凄いようですが、
ナナコロビヤオキ的には世良が悪とは思えないのです。
むしろ世良の行為は当然と思っちゃう。
悪いのは、萬平と福ちゃんだなあと。
自業自得。
当然の報いよと思ってしまいまして。
…私って、世良みたいなヤツってこと！？汗
だって、この時期政府なんてめちゃくちゃ状態でしょ？
専売所だ、役所だっつっても、どれだけ権威がある？
正当性がある？
正当性って何をもって言うの？
基準なんて、全然ないでしょ！？
役所が実質機能してない状態だったから、闇市が存在したんでしょ？
闇市は、原始時代みたいに、生きるために物々交換から始まって自然発生的に出来上がったマーケットなんだから。
ある意味、そこで取引された値段こそが時価であり、正しい。
ハメられることもあるけど、ハメられたヤツが悪い。
お互いYESと言えば成立なだけなんだから。
だから、闇市利用は悪いことじゃない。
…と思います。
そんなカオスな社会だというのに、
まだ“お上”を信じてること自体がバカバカしいんじゃないの？
そんなことにも気付かない萬平さんと福ちゃんこそがおバカさん。
そんなことエラそうに言ってますが、ナナコロビヤオキも闇市で対等にやり合える自信はないので、世良みたいなのが知り合いにいたら、本当に心強いと思う。
神とあがめるよ。
世良を頼りに、指南して貰いながら闇市に通い詰めると思う～(笑)。
だから、ナナコロビヤオキは単純に世良を責める気にはならないのです。
一応萬平さんの期待した満額は耳を揃えて渡してるワケだし。
…それに世良は、もう一枚何かありそうだしね。
まだ木曜だしね。
それにしても、萬平さんと福ちゃんは、ホント経営者としてはダメダメのお人よし！怒
今週は、
会社経営はキレイ事では済まされないのよというテーマに基づき、
そのために福ちゃんと萬平さんが痛い目にあうというミッションからの二人の呑気描写だとは思いますが、
それにしてもなあ～呆
「闇市には売りませんよっ！」
って萬平さん、昨日世良にキツイ口調で言って電話ガチャン！って切ってたのに、
塩運んでくれるって言わられたら、
素直に「よろしく」って預けちゃうんかいーっ！怒
あんな電話受けた直後なんだから、塩渡したら闇市に流されると思えよっ！
そして、あれだけの大荷物なんだから、塩軍団の誰かをお手伝いにつけなさい。
世良一人に全部運ばせる気かい！？
福ちゃんも「一緒に乗っけて～」って、
乗っけて貰うんなら専売所にも着いて行きなさい。
あなたも社員として塩に責任持って！仕事を全うして！
しかも、「塩は満額だった」って萬平さん、まんまお金を受け取ってるみたいですが、
萬平さんも福ちゃんも、世良に運搬して貰った手間賃をどう考えてるの？
ガソリン代は？
きちんと支払ってるのかい？
そのくらいはきちんと話し合って値段決めた方がいいよ。
けじめよ、けじめ。
世良がお友だちだからって善意に甘えてる？
それは世良にも失礼だし。
だから引っかかっちゃうのよ。
会社はお友だちごっこじゃできないからね。
こんな些細なことまでお金勘定めちゃくちゃなんて、
すでに会社として回せてないってことじゃないか！？
福ちゃん、私が全てやる、サポートするって全然できてないぞ。
飯炊き、洗濯と、ハナちゃんにお金借りに行くのは
仕事とは言えないよ。
慰労会で精神的サポートして満足じゃダメなのよ～。
鈴さんも口出しすればいいのに。
経理になってるけど、娘夫婦に遠慮して任せちゃってるってことかしらね。
ハナちゃんの言う通り、もっと具体的で建設的なサポートを考えた方がいいわ。
ハナちゃんと違って会社を切り盛りすること自体、
福ちゃん全く分かってないってことだろうけどなあ。
忠彦さんも
「戦争で描けなかった分を取り戻す」
「今しか描けないかも」
って言ってました。
忠彦さんは、もしや失明の可能性もある…？
ゴッホとか1900年周辺の芸術家って、こう命を削って作品を作るタイプが多いですよね。
小説家の世界もそうだもんね。
今はそういう人いるのかな？
時代の風潮？
やりたい仕事ができないのは不幸だけど、だからと言って命を削るほど身を捧げていいのか？という問いかけよね、福田さんの。
パワハラだけでなく、こういった仕事への愛が強過ぎる場合もブラックになり得るのだと。
前に萬平さんが憲兵に捕まっていたときの、
命を落としても自分の無実を主張するのかという問いかけと同じで。
誇りのために自害を選ぶ、日本古来の美学に一石を投じている。
そう！もうああいうの良くないよ。やめようよ。
前にも書きましたが、大河ドラマとか史実だから仕方ないけど、あれをあたかも素晴らしいことのように描写するの、いい影響を与えないと思う。
だから日本は自殺を選ぶ人が未だに多いのではないかと危惧しています。
福田さんも、同じように思ってのことかなあと思います。
こういう問いかけありがたいです。
そして、ぶしむす鈴さんの突っ込み！
“ぶしむす”だけど常識人で年輩者なんだもん。
キレイ事じゃ済まないことを知ってる。
若い時に抱くロマン、無我夢中だけでは続けられない、
それより人生は長いという事実も、
長く生きてきた分、
そして命を育む“母”という役割を長年務めてきたからこそ、
よーく分かっているのよね。
鈴さんの「それで体壊して死んでしまったら、意味ないやないの！」
って言葉が響きます。
「芸術家だから仕方がない」
「自分の絵を見つけられたのよ～」
って言って受け入れようとする克子姉さんも、福ちゃんもまだ青いのよ。
そういうのに憧れちゃってる部分があったりして。
でもね、命あってなんぼなんなんだからね。
福ちゃん、鈴さんの言葉を受けて
忠彦さんの姿、
忠彦さんに言われた言葉を思い出し、
さらにハナちゃんの旦那様の「それじゃ社長は成り立たない」という言葉を反芻。
そうだよーこのままだと、萬平さんのこだわりのために完全にブラック企業だよ、立花塩業！
誰か過労死するぞ！
仕事へのこだわりと、生きて行くことのバランス、福ちゃんがここから目覚めて解決していくことを期待しているよー。