NHK朝ドラ『まんぷく』第33回(第 6週)「お塩を作るんですか?」感想  萬平さんのために金策に走る福ちゃんの内助の功

『まんぷく』第 33回( 11月 7日)あらすじ

※ネタバレ含みます。

鉄板を使った塩作りに成功した萬平は、製塩業を立ち上げることに。

しかし、鈴さんは「塩屋なんてイヤ!」と反対。
塩の量産化には従業員を雇う必要があると聞き、福子も戸惑いを隠せない。
しかし萬平は工場の設計や事業計画の話に没頭し福子と鈴の戸惑いに気付きもしない。
神部は作業員を確保しようと大阪に向かうことにした。

鈴は、自分たちだけで生活するのに精一杯なのに、従業員を雇うなんて一体どういうつもりだと動揺しまくり。
一方福子は、動揺はそこそこに従業員の受け入れ体制を考え始めていた。
そして福子は鈴に、お金が無いと言ってしまったら発明家の萬平さんは何もできなくなる。
萬平さんが塩作りを仕事にすると言った以上、それを支えるのは私の役目だ。
お金のことも私がどうにかする。
お母さんがイヤだと思うことはしなくていいから、と萬平を全面的に支えるとキッパリ。
妻としての心構えを見せた。

そして福子はハナの家に向かい、あらためて借金の依頼。

工場の設計に没頭している萬平が、生活費は大丈夫かと確認しても、福子は「大丈夫」とお金のことは一切語らず。萬平が仕事に集中できるよう尽くしていた。

そんな様子を見ていた鈴も、判子屋の儲けで貯めていたへそくりをカンパ。

次の日に福子は大蔵省大阪地方専売局に向かい製塩業を始めるための相談に向かい、
資金面、事務面においても萬平をサポート。

そんな中、神部が大阪から戻ってきた。
神部が連れてきた塩作りの作業要員は、なんと14人!
福子も鈴も、萬平もビックリ。

 

『まんぷく』第33回( 11月 7日)感想

 

昨日の感想でナナコロビヤオキは、
福ちゃんが鈴さんに留袖を出させようとする姿を見て
「福ちゃんが鈴愛に見えてきたー!」
と言いましたが…
前言撤回!!
福ちゃん、やっぱり鈴愛じゃなかったわ…!

福ちゃんには、発明家の妻としての覚悟がありました。
何があっても萬平さんを支えようという。

お金がないって言っちゃったら萬平さんは何もできない。
だからお金はどうにかして調達しなければと。
それは私が妻として何としても成し遂げると。
鈴さんがどうしてもイヤなところは自分が全てを負うから心配しないでと。

そして、鈴さんがお金を出してくれたら、きちんとお礼も言うし。
鈴さんのお金をみて「もっと早く出してくれればいいのにい~!」って言ってたけど、
それはただの茶目っけで、ひとしきり鈴さんい突っ込んだ後は、
姿勢を正して、鈴さんの方をまっすぐ向いて、
「ありがとうございます」ときちんと礼をして言ってました。

…うん、全然鈴愛じゃなかったです!!!

 

そして萬平さんを信じてまっしぐらに金策に走る。
ハナちゃんちにまで借金して。
その行動、全く迷いが無いと思いきや、
炊事の合間にふと見せた表情は不安で一杯で。

やっぱり、本音は不安だったんだ。
それでも萬平さんを支えるつもりなんだと。

実のところ、どうなっちゃうのかは全く分からないものね。
親友のハナちゃんにお金を返せないようなことがあれば、ハナちゃんとの関係も壊れてしまうかもしれない。
前作と違って、福ちゃんは借りたまま踏み倒すなんてあり得ないから不安。

…でもそんな不安を呑みこんでも、何としても萬平さんをサポートする覚悟だったんだ。

 

昨日の、ニコニコしながらあっけらかーんと鈴さんの留袖を売っちゃったのも、
ある種のポーズだったのねと。
萬平さんの発明のためにいちいち泣いてる場合じゃないと、
福ちゃんとしても、気丈に振舞ってたんだ。

福ちゃんの、発明家の妻としてのプライドと覚悟の表れだったのね…。

 

福ちゃん、鈴愛みたいなんて言っちゃって、本当に、本当にごめんなさいー!!!
ナナコロビヤオキ、深く深く反省いたしますー。

鈴さんも、相変わらず一人で「塩屋はイヤー!」のぶしむすですが、
鈴さんの存在って“常識人”目線の役割なのよね。

鈴さんがいなかったら、

  • エキセントリックな発明家萬平さん
  • 何が何でも萬平さんをサポートする献身的な妻、福ちゃん
  • 萬平さんがとにかく大好き大好きな忠犬、神部ワンコ

の三人になっちゃって、萬平さんが何か思い付くたびに、
二人は萬平さんの思うがままに従うだけ。
右に倣えでGO!となって猪突猛進。

…それじゃあ萬平さんは新興宗教の教祖様と変わりなくなってしまうもんね。
しかも萬平さんの扱う案件、“発明”だし。
この三人だけだと、どんなにまともな発明でも、ご都合主義で胡散臭い話になっちゃう。

それにブレーキを掛ける人が鈴さん。
萬平さんに特別な思い入れの無い人間、第三者目線の代表で鈴さんがいる。

鈴さんがお塩を「茶色い!」って突っ込むのも、「食費は一体どうするの!?」って言うのもそういうわけ。見る側が突っ込む前に、突っ込んでくれる役。

こういう役割がいなかったから、前作は腹立たしくて仕方が無かったんだなあとも(怒りの一要素に過ぎませんが)。
扇風機の発明も、おかげで本当にいいんだか悪いんだかもさっぱり分からなかったもんね。

ただ、鈴さんの「孫はまだ?」はちょっと常識とは別ですが…(笑)
アレは昔の親世代のウザい感性の代表と言うことで。
常識人だからこその毒と言うか…。

でも、今日は福ちゃんが「きっと来年には」と言ったら素直に喜んで納得してたもんね。
きちんと説明すれば一応通るのでそんなに毒でもない。
やっぱり鈴さんは、ただ言いたいだけだし、母として福ちゃんの幸せを純粋に願ってるだけだと思うのー。

 

鈴さんも、あんなに文句たれだけど、お金をカンパしてくれました。
福ちゃんが萬平さんの妻としての覚悟を福ちゃんの言葉に感じ取ったんだなあと。
福ちゃんが「お母さんがイヤなことはしなくていいから」って言葉が、ナナコロビヤオキには響きました。鈴さんにも響いたんだと思う。
鈴さん、我がままお嬢様だけど、ぶしむすだものね。
今日は良い“ぶしむす”始動。
しかし、タイミング悪い。遅過ぎ(笑)

 

ところで、前作のトラウマがちらちらと出てしまうナナコロビヤオキは、
鈴さんが、判子屋の収入を貯めていたと聞いて、
ちゃんと克子姉ちゃんちと正当に分配した後のお金で貯めてたんだよね!?
着服じゃないよね? とハラハラしちゃいました(笑)
前作の晴さんのへそくりも、草太にきちんとお給料払わずに貯めてたんじゃないかと心配だったから。
さすがに鈴さんは大丈夫だと思いますが。

 

萬平さんも、設計に没頭しながらもふと福ちゃんに生活費は大丈夫かと確認していました。
他に収入ないんだから大丈夫なはずないじゃーんと思って見てましたが、萬平さんも知らんふりのわがままというわけではないのよね。
とにかく発明に夢中でお金勘定ができない人ってこと。

…可知谷さんはこの萬平さんを全て引き受けて、理創工作社をあそこまでにしたのねえとも、つくづく思いました。
萬平さん、こんな勝手に盛り上がって突進しちゃうんだもん。
可知谷さんの立ち位置だとキツイし、いい加減ふてくされるだろう、分からなくはないとも。
殺そうとするまでは酷過ぎるけどね。

この萬平さんをサポートするには盲目の愛が無いとだね。福ちゃんみたいに。
でも…福ちゃんの盲目さも、今のままの可愛い福ちゃんなら、萬平さんを叱る立場がいなくて危険だとも。
…可知谷さん、いつか何かしらの形で帰ってきてほしいなあとも思います。

 

そして、もう一人の信者、神部君は忠実に14人も働き手を連れてきましたー!
神部ワンコちゃん!
ご主人様のリクエストを完璧に答えることができて大喜び!
ご褒美待ちのカワイイ笑顔…!
しっぽフリフリ!
…だけどさあ、神部くん、いくらなんでも多過ぎじゃない?
事前に何人くらいまで必要か確認しようよ(笑)

14人の中にはまたまた個性的なキャラがいそうですねえ。

 

今日は忠彦さんと真一さんのシーンもありました。
こうやって忠彦さんと真一さんを度々見られるの、嬉しいなあ。

真一さんの優しさ、温かさを咲さんがいなくなってから、
段々と分かって来るのもなんとも切ないですが、
咲さんが亡くなった後も、こういった形で親戚づきあいを続けることができるなんて、
本当にいいなあ、よかったなあと思います。

お互い戦争の地獄を見た忠彦さんと真一さん、
言葉がなくてもお互いの傷を分かりあえる同士、
ゆっくりと、少しずつ前に進んで欲しいと切に願います。

明日も楽しみです。