NHK朝ドラ『まんぷく』第32回(第 6週)「お塩を作るんですか?」感想 萬平さん、塩作りに成功。でも茶色い!

『まんぷく』第 32回( 11月 6日)あらすじ

※ネタバレ含みます。

ラーメン屋の店主が塩を入手しづらく困っていることを知り、大量に残されていた鉄板の使い道を思い付いた萬平。
萬平は鉄板に海水を流して蒸発させ塩を製造しようと考えた。
萬英はさっそく神部を連れて、塩の本場赤穂に製造法を教えてもらいに行く。

一方で福子は鈴と一緒にご近所に挨拶回りをしながら、着物と食べ物を交換しに回った。
福子と鈴は、地主のハナちゃんの家にも。
ハナちゃんのご主人は、高価な値段で鈴さんの着物を買い取ってくれた。

赤穂から帰って来た萬平と神部は
食事の用意ができているのもそっちのけで、鉄板に返しなどの装置を取りつけて塩の製造器に改造。

次の日、五月だというのに夏のような暑い晴天、塩を作るにはいい日和。
萬平は塩作りを試してみる。
時間をかけて蒸発させ、とうとう塩は完成。

福子たちは皆で塩を味見して「しょっぱい!」「塩だ」と大喜び。
鈴は「茶色い」と突っ込むが、それは鉄が着いているからと
皆鈴のことはそっちのけで大はしゃぎ

 

『まんぷく』第32回( 11月 6日)感想

発明家、思い着いたらまっしぐらの萬平さん。
でもやみくもに実行!ってなるんじゃなくて、
その実行、まずは塩の本場である赤穂に製法を習いに行こうとなるのがさすが理系男子。
萬平さん、論理的思考に基づいた発想力と行動力のある人ですね。

これに、大阪帝大卒の神部君が加わったってことよね。
萬平さんももちろん知的だけど、神部君は当時には珍しい最高学府で学問を修めた人。
このドラマに置いては“知”の象徴といえる存在。

萬平さんの発想力と行動力で実行する発明は、神部さんの知性に裏打ちされたものとなる。
これで萬平さんの発明品は、雲をつかんだような話、うさんくさいものと単純に片付けられない説得性を持つ。

そして、発明や自分の信念となると頑固一徹で面倒くさい萬平さんに対して、神部君は素直で優しい忠犬。
セクシーハセヒロに対し、神部君は母性本能くすぐるタイプ…サービス満載ですねえ!
キャナメもいるし、真一さんも渋いし…このドラマは目が楽しいわ。ワクワク。

前作も、目が楽しいハズだったんだけどなあ…。

イケメンに目が楽しいってなること自体も、やはり造作だけではないのよね。
役者さんの表情、役に魅力があるかで大きく左右されるってことなのでしょうねえ。

そんなこと言ったら、このドラマなんか、牧さんも野呂さんも大好きになっちゃうくらいだもん。

…思い出しちゃったけど、野呂さん大丈夫かしら?
ここまで引っ張っておきながら一言も情報がないってことは逆に絶対に大丈夫だよねえ?

信じてます。

神部くん、福ちゃんとの絡みでもいい効果を出している気がします。
萬平さんと福ちゃんは、優しいほんわかした夫婦関係、いわゆる“静”ですが、
神部君がいると、若者同士として福ちゃんもキャッキャしたりできる。
昨日の海辺のシーンでもそうでしたが。
神部君が絡むことで福ちゃんに“動”の部分が生まれます。
なるほど、よく計算された登場人物の相関図。

 

福ちゃんは、鈴さんとご近所さんに挨拶がてら、着物と食べ物を交換して貰って回ります。
地主のお家ということでハナちゃんのお家にまでも。

鈴さんは、こんな物乞いみたいなことをして、武士の娘なのに情けないと嘆きますが、
福ちゃんは今は誰もがやってることと平気。

そうね、これぞまさしく世代間ギャップですよね。
鈴さんのいつもの「子どもはまだ?」とか「安定したお仕事の人がいい」とか言うの鼻につくと思うのは、きっとただ私たちが世代的に福ちゃんに近いからだけなんだ。

鈴さんに比べたら若い、自由な価値観で生きられているからなのよね。
鈴さんのこの凹み方、ナナコロビヤオキは見ながら自分の母にそーっくりっと思ってしまいました。

あの時代の人で、そこそこ育ちがいい人って小さい頃からプライド刷り込まれているから、着物を売ること自体アイデンティティを傷つけられたと思って相当キツイんだろうな。
福ちゃんは、今のご時世では仕方無いし一時的なことと割り切れるんだろうけど、
鈴さんはそうは行かないのでしょう。

そして年齢的にもね。
福ちゃんはまだ未来のある20代だけど、鈴さん50代?年輩だもん。
年代によって“失う”ことへのストレスもかなり違うし。

いつもはわがままブツブツでウザい鈴さんだけど、
最後に留袖を売っちゃったのは、さすがにちょっと可哀想だったなあ。
華丸さんたちも同情してたわね。
おかげで、今日は福ちゃん、ちょっと鈴愛に見えたわ…!!爆

着物って代々の思いもあるからねえ~。
福ちゃんの結婚式に着た留袖は、咲さんのときにも着てた?
そしたら一層母として辛かったと思うわよ。
タカちゃんたちや、福ちゃんに孫娘が生まれたら、そのお祝い事にまた着ようと思ってくれてたんでしょうしねえ。

鈴さん、ただの贅沢好きとか欲張りで着物を手放したがってるワケじゃないから。
せめてもうちょっと待ってあげて、最後の切り札としてギリギリまで残してあげて欲しいなあと思ってしまいました。

日本の昔の人って、こう気持ちを大切に、物に込めて思い入れるところがあるからねえ…。

でも、その一方でそういう思いに支配されるのがイヤだから、
ナナコロビヤオキは意識的にそれに反発しているところもあります。

高価な服を何年も着ているよりも、プチプラでトレンドを押さえてどんどん回転させていく方が、キレイに着れるし楽でいいと思っちゃってます。
今の人間はこっちの方が多いんじゃないでしょうかね。

どちらがいいのか、正しいかどうかは分からないけど。

 

でもね、鈴さん!
お着物売ったのはハナちゃんのお家だったから、すぐには無くならないと思うわよ。

萬平さんのお仕事が軌道に乗ったら買い戻せばいいんだから。
だから早く買い戻せるように萬平さんを応援してあげるのよーっ!!
だからそんなにクヨクヨしないでね。

…って思えるのが、福ちゃんに代表される若い世代、現代人で、鈴さん世代は何を言っても、どうあろうと嘆き続けるんだろうなあ。
無事に買い戻せたとしても、
「あの時はご先祖様に顔向けできないと思ったわ」
とか大げさな話にして親族にグチり続けるんだろうなあー(笑)

ちなみにハナちゃんの旦那様、いい人でした!
ハナちゃんよかったねえ。
このドラマ、ホント皆が誠実だから気持ちいい。
福ちゃんをコケさせないのと同様、そういったレベルの低い案件でドラマを動かそうとしない心意気が、相変わらず素晴らしいわ。

 

萬平さんは赤穂で塩の製造を教えてもらいます。
こうやってキャストと視聴者が同じ目線で製造過程を見せてもらえるのって面白いですねえ。塩作りそのものに、こちらも興味がそそられます。
まれは、ナナコロビヤオキは途中で挫折してしまいましたが、あのときは確かそこまでやってなかったよね。おじいちゃんが海水撒いてるだけで。

鹹水(かんすい)、煎熬(せんごう)と難しい用語も出てきましたが、
まず漢字を知ろうとする神部君に対して「それは後で調べることにして、作業を見せて下さい」という萬平さん。
まず頭から入ろうとする知性派神部君と、実行の人萬平さんのコントラストが出ていました。この二人、噛み合うと面白いんだろうなあ。楽しみ。

 

萬平さんは開発となると夢中で、ご飯も忘れて塩の製造器を試作します。
福ちゃん達がご飯を作って待ってくれているのもそっちのけで。
…これって、我が家のパパさんと同じなんですけど…理系の人は皆そうなんだろうか!?
パパさんの血を濃く引いているらしき子どもたちもそんな感じで、
おかげで我が家の食事はいつまでも始まらず、
ナナコロビヤオキはよく怒ります!(笑)

次の日、萬平さんと神部くんはさっそく塩を作ります。

塩の本場での製造工程を見せてもらった後で
萬平さんと神部君の手作り、コンパクト版の工程を見せてもらえるから、
萬平さんの作った装置の意味とか工夫が見えて面白いです。

そして無事に塩が出来上がり。
鉄板を使った塩作りは成功!

「しょっぱい」
「塩やあ!」
と大はしゃぎな神部君、福ちゃん。
「やったあー!」
と雄たけびを上げる萬平さん。
それに対して
「茶色い!」
と突っ込みを入れる、留袖を売られて拗ねてる鈴さん。
しかし、鈴さんの突っ込みは誰も聞いてくれないー(笑)

萬平さん、今日はとりあえずお塩作り成功ということでいいけど、
鈴さんの「茶色い!」という意見には耳を傾けた方がいいと思うよ。
商品としては白い塩でないと。主婦目線クリアしないと売れないから。
そこまで追究するかどうか、こだわり方が商売として成功するかどうかのカギだと思うからねえ~。

または鉄分プラスをアピールするってのもアリ?
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あと、落ち着いたら鈴さんのことちっとは慰めてあげてね、福ちゃん。

明日も楽しみだー。