『まんぷく』第 15回( 10月 17日)あらすじ
※ネタバレ含みます。
保科たちに付き添われ帰宅した福子。
鈴に萬兵が憲兵に逮捕されたことを報告。
しかし鈴は、憲兵に捕まるような人なんてまともでないと、かえって頑なな態度に。
ある日世良が大阪東洋ホテルを訪れる。
福子の名札を見て、萬平の思い人だと気付いた世良は、
「萬平さんは親友や。屋台でラーメン一緒に食う仲や」
と言うが、萬平が逮捕された事情を聞くと
「ラーメン一緒に食っただけや!」
と途端に身を翻す。
萬平は拷問を受け続けるも、相変わらず頑なにハンガーストライキ。
世良が理創工作社に様子を見に行くと、可知谷は困るどころか嬉々として仕事をしていた。
可知谷は、新商品の開発ができる状況にない今のご時世、開発したがる萬兵がいなくてかえって好都合だとまで言っていた。
萬平の会社の様子を見てきた世良は、萬兵を救うことは諦めろと福子に言う。
親友ではないのか、見捨てるのかと問い詰める福子に
「一緒にラーメン食うただけの仲やと言ってるだろうが」
とプイと立ち去る。
真一は忠彦の家を訪ね、自分が出征して留守の間、忠彦の描いた絵を預かってほしい、咲の大事な形身だから守ってほしいと忠彦に依頼。
忠彦から、福子と萬平のことを聞いた真一は、自分が背中を押したことになったのかもしれないと話す。しかし「お母さんには申し訳ないけど僕は本当にそう思う」と。
鈴は福子に萬平とのことを諦めさせようと説得するが、
福子は萬平との結婚が許されないなら一生独り身でいると決意が固い。
「あんなに心のきれいでまっすぐな人はいない。私には分かる」
と絶対に曲げなかった。
萬弊は、牢名主稲村に、大切な人がいるなら
「生きてここを出なくては。生きて大事な女に会いたかったら食わんとあかん」
と隠しもっていたおにぎりを手渡される。
福子のことを思い、萬平はようやくおにぎりを口にした。
『まんぷく』第15回( 10月17日)感想
画面が変わるたび、キャストが出て来る度に、
この人は味方になってくれるかなあ?
誰か萬平さん救出のきっかけになりそうな人…いる!?
と食い入るように見ちゃって、一生懸命品定めしちゃいましたよ!
鈴さん、やっぱり理解してくれませんでした。
そりゃそうですよね。
憲兵に捕まっちゃったんだもんね。
今だって逮捕されたなんて聞いたらギョッとしちゃうのに、
当時の一般市民、お上に従順だったんだから。ムリもないわ。
逮捕=極悪人!ってなって思考停止でしょう。
ましてや鈴さんお嬢様育ちなんだろうし。
でもナナコロビヤオキ、ここは織り込み済みだから大丈夫。
毒親じゃなくても、そんなもんと思ってたから。
それに福田さんの脚本だもの。
説明されたからってすぐに「ハイ、そうですか」ってなる単純な作りじゃないでしょう。
福田さんは、そこのところの心情変化きちんと描いて下さるでしょうし、
そして言われて従うだけでなく、鈴さん自身の“気付き”を描くでしょう。
そして鈴さん自らの意志で、萬平さんを認め二人の結婚を許すでしょう。
鈴さんが二人を認めるまでのくだりで、きちんと鈴さんの魅力を引き出して下さると期待しています。
そんなことより、まずここで福ちゃんが一人で説明しないで済んだことがありがたかった。
保科さん、敏子ちゃんハナちゃん、マキノロ…、心の支えになるー。
ホント、心強いわ。
それと共に、
- たたずまいもきちんとした大人の女性、社会人としても有能な先輩保科さん
- 女学校からの仲良しの敏子ちゃんハナちゃん
この女子たちが福ちゃんが好きになった人が悪いことをするハズがないと信じてること。
そして
- 社会的に信用ある立場の牧善之介も信じてること
- どういう位置付けだかよく分らない野呂さんも信じてること
福ちゃんの周りにいる誠実な人たちが、皆萬平さんのことを信じていることがすごい説得材料!
鈴さんはパニックしてるからしょうがないけど鈴さんから話を聞いた克子さん、耳ダンボで聞いている忠彦さんに対して非常に説得力あります。
見ている私たちにも。もちろん!
しかしマキノロ!
面白ろ過ぎるぅ!
鈴さんが、
「大体、牧さんがどうしてここにいるの?」
「あなたは誰ぇ!?」
ってなってるの、すごい可笑しかったー。
松坂さんの演技、面白くて可愛くて、すごーく好き!
松坂慶子さんってナナコロビヤオキが幼ない頃、超絶美人な女優さんって位置付けだったけど…コメディエンヌもできるんだ!
ゲゲゲの女房の時の貸本屋さんも素敵だったけど、今回の鈴さんは更に魅力的。
牧善之介が、今は咲さんじゃなくて保科さんが好きとか言い出して話が脱線しかかったとき、皆がゴニョゴニョ牧さんをたしなめてる姿が微笑ましくて、クスクス…可愛い。好きー。
なんかもう、いつのまにか皆、仲良しになってるじゃーんって、嬉しくなりました。
萬平さんの拷問がエスカレートするんだろうと怖くなってたから、
なごませてもらえて本当によかったです。
朝の一発目のシーンが、怖いなんてイヤだもんね。
そのあたりのシーン構成について、気遣いを感じられてありがたいです。
世良は、「ラーメン食べた仲や」と親友アピールでしたが、福ちゃんから萬平さん逮捕の事情を聞くや「ラーメン食べてただけや」と翻し。
えーっ!やっぱりお調子者かっ!
とショックでしたが…
でも、どうもそれだけでもなさそうな。
なんだかんだ言って、萬平さんの会社の様子を見に行くし。
世良さん、自分にはムリだと言って、福ちゃんの依頼を断りましたが…何かありそう。
世良は商人だもんねえ、酸いも甘いも知ってる。
勝てる手掛かりが見つからない時点では、安易にYESと言わないのでは。
世良、素直じゃないけど、萬平さんのことは嫉妬もしつつリスペクトしてるみたいだし。
それに可知谷にああいう態度取られて怒りに火がついてってことになりそうじゃないかな。
可知谷、華丸さんも言ってたけど、やっぱり横流しは可知谷が絡んでそうな気がするわ。
遠藤社長とグルで。
何かあったら萬平の名前を出すってことにしてあって、そうなれば最近邪魔くさいと思ってた萬平を抹消して理創工作社を一人占めできる、一石二鳥だという算段。
物品横流しの情報を最初にもたらしたのは世良だし、世良は前々からきなくさい何かを感じてて、福子に萬平さんの逮捕を聞き、実は何かピンと来たのでは?
萬平さんの会社に行ったのは、福ちゃんに頼まれたから行っただけじゃなくて、自分なりに偵察しに行ったんじゃないかと。
それで闇が深そうだと悟り、とりあえずは自分にはムリと福ちゃんに言ったのでは…?
しかし、萬平さんの周辺は信用ならない人ばかりで…つくづく大変。
身寄りがないというのはこうも綱渡りな人生なのか、腹黒い人たちの食い物にされやすいのかと…切ない。
萬平さん、このタイミングで福ちゃんに出会えてなかったら…牢獄で息絶えて闇に葬り去られていたのかも…とゾッとします。
実際に戦時下では、こういった無念な死を遂げた人も多かったのではと、辛くなりました。
萬平さん、稲村にすすめられてやっと食べました。
萬平さんは無実を主張するためには死を恐れなかったけど、福ちゃんを思い出して生きることを選んだ。そして、おにぎりを食べた。
ああ、よかった!
昨日、ナナコロビヤオキは自分の志のために死をも辞さないっていう日本の美学はやめてー!
と書きました。
この時代の人はそうだろうけど、今を生きる私にはいやだなあと。
よく夫とも話していますが、
日本の時代劇、史実だからしょうがないとはいえ“自害”を美化しすぎじゃないかと。
だから、日本人は未だに自己犠牲の精神があり、自殺が多いのではと。
自害を美談にするドラマのあり方、メンタル、そろそろ切り替えて欲しいと思ってました。
だから、今日の食べるシーンを見て、ああよかったと思いました。
萬平さんは、愛する人=福ちゃんを思って生きることを選んだ。
そう、ポリシーよりも何よりも、命を大切にすることが一番大事!
自分のためにも、愛する人のためにも!
平成のドラマとして、「誇りよりも生きろ!」というテーマを提示して貰えてよかった。
福田さんも、誇りのために死を選ぶポリシーじゃなかったんだなと安心しました。
萬平さんがおにぎり食べて落ち着いたら、稲村さん守ってくれるかな。
六平さん、わざわざ使ってるんだから、何かやってくれるよね。やってよ!
世良はどう動くのでしょう?
マキノロはどう出るのか!?
真一さんも桜の絵を忠彦さんに預けに登場しました。
真一さん、忠彦さん二人とも福子に共感してたし。
真一さん、忠彦さん、そして咲さんの形身の桜の絵は、これにどう絡むんだろう。
しかし、真一さんも忠彦さんも、本当に素敵。
鈴さん、あなたの娘たち、マジで男運いいから!!!!
萬平さんがどういった形で釈放されるのか、目が離せませんー!