NHK朝ドラ『まんぷく』第 13回(第 3週)「そんなん絶対ウソ!」感想&あらすじ 萬平さん逮捕。福ちゃん涙が止まらない!

『まんぷく』第 13( 10月 15日)あらすじ

 

 

萬平は軍需物資横領の疑いを掛けられ逮捕。
福子の目の前で憲兵隊に連行されていってしまった。

軍の統制品であるジュラルミンを持っていた男が、萬平から受け取ったと証言したためだった。しかしその男はすでに自殺。

厳しい事情聴取を受ける萬平。

 

可知谷は憲兵の言うことを信じ、萬平の逮捕を不当と思わず。
むしろ萬平に騙されていたと言わんばかりの態度。

 

萬平の逮捕にショックを受け、福子は戸惑うばかり。
しかし、母に相談するわけにも行かず、
職場でも、保科さんは野呂と牧に告白されて頭が一杯、話が噛み合わず。

久々に会った、親友の敏子とハナに相談するが、福子は涙が止まらない。
敏子とハナにとっても解決方法が見つかる話ではなかった。

 

『まんぷく』第13回( 10月13日)感想

 

 

月曜の朝からいきなりすごい緊迫感ですねえ!

萬平さん、逮捕されました。
ワケが分からない内に、福ちゃんの目の前であっという間に連れ去られ。
追いかけて抗議しようとする福ちゃんのことも、憲兵が無情にも振り払って。

この時代、こういうときは完全に女性蔑視だよねえとつくづく…そして憲兵は絶対権力で一般人を人と見てないんだなあ。

怖いなあ。

 

連行される萬平さん、暴力を振るわれながら事情聴取を受ける萬平さんを見て、我が家の中学生、小学生の子どもたちは
「なんで!ひどいよ」
「もっと違うって怒れよぉ!!」
とブーイング。

それ聞いて、ああ今は平和なんだなあと思いました。

中学生の次男は、歴史好きなのでその辺のこと知識では入ってるはずなのに、シーンで見ると結びつかなくて、つい「おかしい!」「ひどい!」って思える。
そして真っ向から抗議しようとする。

その様子に、社会は少しずつ進歩してるんだなあと、
社会は進んで、人権とかいろいろなことが考えられるようになり認められるようになってきてるんだなあと。
まだまだの部分もたくさんあるけど、あの頃より随分と良くなってきてるんだと思いました。

 

ナナコロビヤオキは、怒る子どもたちに、
「いやいや、当時の憲兵、“お上”は絶対だったのよ。逆らうなんて考えられなかったらしいよ。それに逮捕された人間の人権なんかなかったから、死んだっていいくらいの勢いで拷問されたらしいよ…」
と解説しながら一緒に見ました。

言いながら恐ろしくなりましたが…一般市民にとっては好景気の気分が残る陰で、こういった恐ろしいことが起こってたんだなあということも実感。

ナナコロビヤオキの話しを聞いた後、子どもたちも押し黙って画面に見入ってました。

戦争って、空襲とかだけじゃなくて、こういったじわじわとした恐ろしさもあるのよね。
言論統制とかね。
それが一層恐ろしい。

 

動揺する福ちゃんは家に帰っても、鈴さんに言えるはずも無く。
福ちゃんは、咲を失った悲しみの中にいる鈴さんととんちんかんな会話。
「横流し」を鈴さんは「しょうろう流し」と勘違い。
それぞれの案件で頭が一杯で会話が噛み合わない感じに、クスッ。

福ちゃんは職場でも頭が一杯。
でもここでも、また保科さんと会話が噛み合わない。
牧善之助と野呂に告白されて一杯一杯の保科さん、可愛かったな。

この鈴さんと福ちゃん、保科さんと福ちゃんとの、とんちんかんな会話が笑いを誘って、
見る側は少し救われましたが、
一般人にとっては憲兵に逮捕されるなんて想定外過ぎることだったんだなあとも思うし、
このボケたセリフのやりとりがあるからこそ、
萬平さんの逮捕という事実の重さが際立って、ずしんと来ます。

 

…でも福ちゃん、落ち着いたらでいいから、保科さんの話しを聞いてあげてよー!
本来、福ちゃんと保科さんが仲良く恋バナするシーンも見たいんだからね。
…ああ、でもこれから戦争が…涙。
保科さんの恋バナは、今後は楽しいものではなくなってしまうのかなぁ…涙。

 

牧善之助の歯医者さんのシーン。
当時の歯医者さんって、こんな怖い機械使ってたのねえ。

ナナコロビヤオキ、このシーンを見て幼い頃の歯医者初体験の記憶を思い出しました。
小1の頃、初めて歯医者に行くことになったのですが、家から一番近くの歯医者に行ったところ、そこは昔からの歯医者で、ものすごーい古い建物で、すごーいおじいちゃんが歯医者やってて…待合室は畳で火鉢が置かれていたような記憶が…。

で、呼ばれて診察室に入ると、仮面ライダーの死神博士みたいなおじいちゃん先生が白衣着てて、あんなでっかい機械があるから、もうそれ見ただけでパニック状態になって大騒ぎ。診察拒否して逃げ帰った覚えがあります。
おじいちゃん先生は怒り、母は平謝りしていた記憶が…。

そう! だからこの牧善之助のお仕事シーン見て、記憶の中におぼろげにあった、あのおじいちゃん先生と怖い機械がフラッシュバック!

「ああ!こんな感じだったぁ…!」
と驚愕。
診察室のあの“和”の感じが、それがまたおどろおどろしくてねえ。

…と、同時に、あのおじいちゃん先生、時代遅れの機械をそのまま使ってたなぁっ!っと…怒
さすがに電動だったと思うけどさあ。

その後、別の歯医者に言ったけど、確かにあそこまで物々しい機械は使ってなくて…
泣かずに治療してもらいました。

ナナコロビヤオキ、母に対しても近いからってあんなとこに連れていかないでよぉ!
と、ちょっと突っ込んでやりたい気分にもなりました。

 

で、その歯医者さんの治療シーンですが、
萬平さんの拷問シーンを最小限にとどめ、“暴力”を象徴的に使っているのかな。
同時に今後ひどくなっていく戦況についても、皮肉をこめて。

日常で、人は歯の治療さえ怖いのに、ひどい拷問をしたり、戦争で人を殺したり、殺されたりしていくのだと…。

 

萬平さんのことを誰にも言えない福ちゃんのところに、タイムリーにお友だちの敏子ちゃんとハナちゃんが来て、福ちゃんはやっと萬平さんのことを打ち明けられます。
そうだよね、こういうときに話せる友達ってありがたい!

まだこの頃は、パーマとかも大丈夫だったのかな。
まだおしゃれできるギリギリの時期?
ホント、一般庶民にはまだまだ戦争がピンと来ていない感じがよく描写されてるわ。

 

福ちゃん、親友の二人にやっとつらい事情を話せますが、このシチュエーションもすごいなあと。
福ちゃんが萬平さんに求婚されたという話を聞き、わあー♪となる敏子ちゃんとハナちゃん。「一緒になって下さいって言われて、ハイってお返事したの」
と聞いて、ええ!?いつの間に!二人はそんなことになってるのぉ!
キャー♪と、キャピキャピ恋バナなのに…

でもその萬平さん逮捕。
福ちゃんの目の前で連行。

恋バナのシチュエーションで、ライトに朝ドラっぽく可愛く爽やかな雰囲気を演出しつつも、
深刻な事実が歴然とある…。

このコントラストがすごいなあと。
沈み過ぎないけど、きちんと深刻な事実も描くそのシナリオ技術、深刻な内容も逃げずに真正面から描くその姿勢、すごいなあと。

萬平の逮捕、拷問…朝ドラには一見重過ぎな内容ですが、
鈴さんのボケ、恋に悩む保科さん、敏子ちゃんハナちゃんとの女子トークで、明るい爽やかな空気を挟み、空気を緩和しながら進行させる。
その緊張と緩和のコンビネーションが素晴らしい。
しかし、一方でその爽やかさ、明るさがコントラストとなって、萬平さん逮捕の事実が一層深い闇として私たちの心に重くのしかかります…。

よく組み立てられ、計算された、緻密な脚本だと感心します。

 

可知谷は、横流しのことは全く知らず罪を萬平に負わせたわけではなかったみたいだけど、萬平さんを思いやる気持ちは無いヤツだな、やっぱり。
単純なクロじゃなくこう来たか!

 

そして取り調べが終わり、牢屋に入れられた萬平の前には牢名主らしい六平直政が!

「本当に何もやってないんです。僕は…!」
と萬平が言っても、六平は聞き入れず。
萬平の必死な言葉は空虚に響くだけ…。
萬平さんのこのセリフ、こっちも絶望感でいっぱいになって胸が痛くなったわ…。

あー!もう、どうすればいいの!?
一体どうやったら萬平さんを救える?
誰がキーマン?

可知谷はムリだし、
世良も予告からすると全然ダメだし。
福ちゃんは誰を頼ればいいのぉ!?

牢名主、六平さんだから、一見怖そうだけど味方になるよねえ?
ねえ、お願い!味方なってあげて…(;_:)

今の時点では誰が味方かも全然分からないー(>_<)
脚本上手過ぎー。

今週はハラハラが止まりそうにありません…。