NHK朝ドラ『半分、青い。』第81回(第14週)感想&あらすじ さよなら秋風ハウス…で最終回にしたら!?

『半分、青い。』第81回(7月 4日)あらすじ

鈴愛は、『いつか、君に会える』を仕上げ、秋風に見せた。

鈴愛はこれが私の限界だ。マンガを辞めたいと話す。あんなに好きだったマンガが苦しいだけになってしまったと。

秋風は、鈴愛は、アイデアは素晴らしく、言葉の力もあるが、構成力がなく物語を作る力が弱い、これは努力で補えるものではないと言い、「マンガを、もう辞めたらいいと思います」と引導を渡した。

それが最後の秋風塾となった。

鈴愛の引越しの日、秋風からの贈り物だと、菱本から鈴愛、ユーコ、ボクテに秋風の生原稿が贈られた。あなたたち三人は秋風の生涯におけるたった三人の弟子だと。

ユーコ、ボクテと共に引越しのトラックに乗る鈴愛。鈴愛は秋風ハウスを後にした。

 

『半分、青い。』第81回(7月4日)感想

なーーんか…感想を書こうにも、何を書けと言うのか!? という時間の無駄遣いにしか思えませんでしたー。

  • 鈴愛、マンガ辞めます。
  • 秋風ハウスから引っ越しします。

ただ、それだけだもの。辞めるのは、もうとっくに見えてたし。

なのに、それだけに15分消費。鈴愛のマンガ辞めます宣言には10分も消費してたし。

鈴愛の人物像と、これまでのストーリーがもっと密度の濃いものだったら、それでも時間が足りない! と思うのでしょうけど…鈴愛自身ストーリーを通して深みを増してないからね。手がけていたマンガもタイトルだけしか知らないし。

それどころか、鈴愛には非常識で自己中な前科かが多々あるからどうにも同情できないのよ。主人公に思い入れられないドラマって、見ていて本当にキツイものです…。

この15分、脚本家は鈴愛に思い入れてポエムてんこもりにしてますが、おかげで不自然なことや気に障るセリフが満載になっちゃって、イラッとすることばかり…。

星占いイラストの仕事、引越しバイトのディスりも再びあったしねえ。

 

鈴愛、秋風先生にマンガを辞めたい話をするシーンで、最初はです、ます調だったのに、中盤からは完全にタメ口に切り替わり! イラッ!! 28歳にもなって相変わらず先生にタメ口かよ。しかもそんな話をするときに。

北川大先生、鈴愛のこのタメ口口調、前々からイライラしてたけど、一体何のため?子どもらしさ? ピュアを強調したつもり??

このタメ口は、鈴愛のキャラをコミカルに表現するのが狙いなんだろうけど、ぜーんぜん。かえって逆効果。おかげで鈴愛の非常識が強調されるだけなのでやめて欲しい。

今日のシーンでもこの口調が始まってからは、コイツ、最後の最後まで、人を見下す失礼な奴だよとしか思えませんでした。

それにそもそも、なんで秋風先生と菱本さん、鈴愛が辞めると言い出してビックリする?

これまでのストーリー浮かばない様子とか、ネームめちゃくちゃなの知ってるでしょ? ボクテと話して愕然としてたじゃん! 原稿まで落としたし。何を今さら??

秋風先生、描けなくなって去って行ったライバルをたくさん見てきたでしょう? こういう世界、言われたら引き留めらるものじゃないし、引き留めることこそ残酷なのも分かってるはずでしょう!?

秋風、菱本のビックリは相変わらずの甘やかし―と思っちゃいました。

 

ちなみに、鈴愛のタメ口は、なんだか小学校の卒業式でやる“呼びかけ”みたいに聞こえたわ。
「一年生」
「はじめてのランドセル。両親に手を引かれてワクワクして校門をくぐった、入学式の日」、……

「6年生」
「さあ、卒業です」
「先生、ありがとう」
「お父さん、お母さん、ありがとう」
みたいな。

鈴愛のしゃべりは、あんな感じのボツボツ棒読み台詞に聞こえました。永野さんもタメ口が自分にフィットしなくてキツイのかしら…?

そして卒業式の呼びかけって、ところどころに代表者が単独で言うところあって、担当の子が張りきってミョーに感情のこもった言い方することがあるけど、それが菱本さんの
「いいの? 鈴愛さん、本当にいいの!?」
に感じられて、一層呼びかけっぽかったよ…。

 

それと、鈴愛のセリフ、
「私は三流のマンガ家にしかなれない。それだったら辞めたい。マンガを描いて楽しいのは才能のある人だ」
「飛べない鳥が飛べる鳥を見上げて下を歩くのはごめんだ」
「人生に曇りの日が増える。私は自分の人生を晴らしたい」
「曇り空を晴らしたい。私は私の人生を生きる。」
…という、ポエムな言葉の数々…これ、才能が物を言う世界で限界を感じる人の気持ちを代弁しているのでしょうが、確かにそうなんでしょう、深いセリフではありますが…

でもさぁ、言ってるのが、どうせ、ただの鈴愛だからさぁ!!!

鈴愛が言ってるおかげで残念ながら、そうは聞こえませんでした。ヒロインなのにね…涙。

鈴愛って結局は、

  • 秋風先生が五平餅が食べたかったから招き入れられただけ
  • ところてん方式で繰り上がり新人賞を取った
  • 組織票で連載が決まっただけ(なぜか3年ももったけど)

そんなだから、所詮。やり続けるも何も、そもそもやってないからね。

その上、鈴愛は自己中キャラだし、恋愛最優先。

マンガ家として一心不乱に努力していた様子もなく、マンガ愛を語ったこともないので、本来切なく聞こえるであろうセリフの数々も
「一番になれないからイヤだ」、「目立てないからヤダ」
とわがままなヤツが気まぐれで放り投げただけ。
マンガでは自己顕示欲が満たされないから辞めた! って言ってるだけに聞こえた。

 

ちなみに、秋風先生によると鈴愛は
「アイデアがとてもよかった。言葉の力もある。しかし構成力のなさ、物語を作る力が弱く、努力では補えないと思います」
と仰っていましたが…。

しかし、努力で補えないのはアイデアの方じゃないかな? 構成力、物語を作る力の方は努力と鍛錬によってある程度は培われるのでは…思いますが。うるさいけど。どうでしょ?

…ってことは、やっぱり鈴愛は努力不足の勉強不足だった!?

そして、すみませんがこのセリフ、脚本家の自虐にも聞こえてしまいました。自虐というより無意識の声!? ご本人自身は、そんな現状にはこれっぽっちも気付かず自信満々&自分大好みたいだもんねで…。

 

あと、驚いたのは、秋風先生、生原稿あげちゃうんだね!

イラスト集とか、後で使う機会があるんじゃないの!? 私はマンガの世界は知らないけど、何かしら使いそう。やたらに人にあげられるもんじゃないよねえ。

ナナコロビヤオキはこのシーン見ながら、この生原稿で美術館に貸し出すビジネスとかできるかしら?? いくら稼げる? 等々と思いをめぐらしちゃいましたよ! 鈴愛、ひもじくてもくれぐれもネットオークションで売るなよ!

そして極めつけに恥ずかしかったシーンはもちろん! 秋風ハウスを出た後の、鈴愛、ユーコ、ボクテ!

荷台に乗る鈴愛とユーコ!? 道路交通法違反じゃない?

 

そして、海辺で歌い踊る三人…汗

3人とも28歳だよ。ユーコはママだし。ユーコ、またくーちゃんほっぽらかし!? 3人とも、20歳そこそこの頃はマンガ一筋で若者らしいことできなかったから、青春やり直し…かな!?

またはコレ、70年代青春映画のパロディのつもりかなあ!?

これ、マジで青春シーンとして思い入れて作ったものだったとしたら…寒過ぎです。せめて笑わかすつもりで作っていてほしいと願います。笑いとしても、全然面白くないけどね。

 

唯一ジーンときたのは秋風先生。
「マンガを辞めたらいいと思います」と言った秋風先生の哀しそうな顔、壁の絵に3話のカモメと涙を描き加える秋風先生の一人芝居は、弟子たちを思う気持ちが伝わってきてジーンときました。

才能がなければ大成できないクリエイティブな職業の厳しさ、せつなさ…あらためて秋風先生は孤高の人なんだなあとも。感慨深い。

さすが、エツシ様! カッコいいだけでなく、本当に表現力が素晴らしい!

これだけよく分からない脚本で、ここまで秋風先生の世界観を作られているとは! “演じきる”とはこのことだなあと。リスペクトですー。

 

秋風先生のラストシーンを見た次男は、「コレ、秋風先生演ってる人が自分の意志&こだわりで追加したんじゃない? 」と言っていましたが…確かにそうかもしれないーーー!!!

そのくらい、秋風先生のラストシーンは、この作品にはめずらしく演劇的! 情緒的で言葉が無くても万感の思いが伝わる素晴らしいものでした…。

秋風先生も菱本さんも、もう出なくなっちゃうのぉ!?…涙。 そしたらボクテとユーコもおう終わり? それなら、鈴愛も「マンガ家、残念でしたー」で、ここでこのドラマ終わりにしちゃえばいいのに。

引っ越しトラックの荷台に乗る鈴愛のシーンでエンドロール流して最終回にしちゃえばいいのに。

画面右下に“つづく”が出たとき、つい「え? まだ?」と驚いちゃいました。

朝ドラ受けの華丸さんの何て言おうか…って感じの表情、言葉選びに苦心する姿に共感しました!