NHK朝ドラ『半分、青い。』第154回(第25週)感想&あらすじ ユーコの死を悼む私は世界最強なヒロイン!な鈴愛

『半分、青い。』第154回( 9月27日)あらすじ

 

ユーコは亡くなった。
傷心の鈴愛は、スパロウリズムに居ても仕事をせずに窓の外を見てはポエム語り。

テーマ曲の後は岐阜の楡野家。
春休みで鈴愛は花野を連れて岐阜に帰省していた。

鈴愛は花野を家族に任せ、一人で部屋に籠ってふさぎこむ。
そんな鈴愛を楡野家の人々は腫れ物に触るように扱う。
ぶっちゃー、なおも鈴愛を訪ねに来ては気遣い。
それでも鈴愛は泣くばかり。

 

スパロウリズムでは律と津曲が、そよ風ファンの部品について話し合っている。
現時点で調達できる部品を使用すると、スイッチボタンが本体より出っ張ってしまい、鈴愛がこだわっていたフラットなデザインにならない。

鈴愛に決断させようにも、あの精神状態では何も決められないだろうと津曲。
しかし、律はスパロウリズムもそよ風ファンも二人のものだから、一人では決められない、鈴愛の答えを待つと言う。
そして「もう40年アイツを待ってたことに気づいた」と律は津曲に意味深に語る。

 

鈴愛は、和子さんの仏前にお参りに萩尾家へ。
鈴愛は酒を交わしながら、弥一と貴美香先生に慰めてもらう。

鈴愛が弥一に
「和子さんの死を乗り越えてエライ」
と言うと弥一は、
「哀しみを乗り越えたわけではなくて、哀しみと共に生きている」
と答えた。

また貴美香先生も、
「生まれることや死ぬことが特別なことではない。死ぬことが哀しいというのも乱暴な気がする」
と話す。その話を聞いて鈴愛は仙台に、行くことを決意。

 

ユーコの家を訪問した鈴愛。
鈴愛は、ユーコの遺影が納められた祭壇を見つめる。
鈴愛はようじに
「ユーコ、抱いていいですか?」
と言って、ユーコ遺骨を膝の上に持ってきて抱きしめる。
鈴愛の目からはどめどなく涙が溢れた。

 

『半分、青い。』第154回( 9月27日)感想

 

 

昨日の感想は、ちょっと感情的になっちゃったかもしれません。失礼しました。

おはよう日本の高瀬アナウンサー、「ユーコの死のショックは大きいですが、しっかり見届けようと思います」みたいなことを言って、火消しの一端を担ってたわね。

 

…ただ、私が偏見に満ちてしまっているのか?
ユーコの死を悼む鈴愛の姿に全く共感できませんでした。

鈴愛がポロポロ泣いても、部屋の隅で膝抱えてても、「世界で一番哀しんでるのは私よ!」、「私って感受性強いのよ」って、あざとさを感じちゃって、キライ。
ホント、この人、手に負えないかまってちゃんだなあと。

仕事も、子育ても、全てを放り出して泣いてるなんて、それが平然と許されるなんて、甘過ぎ、呑気すぎる、と。

 

オープニングから、いきなりポエムだし。
手で顔を半分押さえて(テンテーの写真、これ意識してるんですか!)、
「君がいなくなって、私の世界は半分になった」
といきなり“キミ”!!!!
こういうの、恥ずかしくてキライ。
20-30年前にやって。

それに「半分になった」って。
おいおいおいおい…鈴愛さん、きみの半分はユーコだったか!?
律じゃなかったの!?

ビックリ!

知らなかったわ。

このドラマ、鈴愛と律の話かと思ってたけど、鈴愛とユーコの話だったかね!?
ラスト2回を残すのみとなった今日の回にして、
こんな重大な事実を知りました。
これまで知らなくてすみませんでしたー。

 

このポエムは続き、
「まだ子どもの頃、片側だけの聴力をなくしたことよりも何千倍もショックだった」
と、鈴愛が哀しい&辛いと必ず引き出してくる実は片耳失調だった件をちらつかせますが…
でも、片耳失調のショックとユーコが亡くなったショックは比べようがなくないか?

 

で、最後に。
「もう君の見ることのないこの世界。ユーコが死んだ」
と。
いきなり「死んだ」だもんね。

まあポエムだから、どんな言葉で表現してもいいです。それは自由だけど…。

  • 優しく儚いピアノのBGM
  • 窓の外の木々の緑(震災直後=3月にしては緑多過ぎ!?)
  • 優しい春の日差し

そんなアイテムを背景にしたふんわりポエム、しかも女性である鈴愛の朗読で進んで、いきなり「死んだ」だから。
鈴愛語で「死んだ」とブツ切り終了。
で、テーマ曲。

おかげで「死んだ」という言葉だけが妙に浮いて暴力的に聞こえて。
あれ?やっぱりこれはホラー!?事件だったか!?っと固まりましたよ。

ふんわりポエムのまま、
「ユーコは、逝ってしまった」とか「ユーコは、もう、どこにもいない」って言った方が
ふんわりが活きて、心に刺さったんじゃないかと。
昨日のボクテの「ダメだった」でユーコの死は周知されてるわけだしねえ。

ま、いいや。

 

でテーマ曲の後は、いきなり岐阜の実家。
なんで岐阜に?仕事もあるのに?

春休みだから実家に帰省と言ってましたが、放射能から避難で岐阜の実家へ??
それなら幼い花野のためにアリですけど。
実家が震災に関係ないエリアの人は当時そうしてたし。

放射能の件、このドラマひとっ言も言わないけど。
原発のことは言ってはならない戒厳令でも敷かれてるのでしょうか…?

でも戒厳令通り、放射能の件は無いのなら、
本来スパロウリズムは、震災被害の影響でそよ風ファンが商品化できるかどうかの一大事じゃない! 帰省してる場合じゃないんじゃない!?普通、花野だけ岐阜に送るんじゃない?

 

だからこれは、ユーコを理由にお仕事全面免除ね。
律は甘いし、津曲さん文句言わずに働いてくれるし、言いくるめるの楽勝だもんね。
それに岐阜までの旅費もあるんだね?

そして実家に帰れば、花野のお世話は皆に押し付け、自分は2階で泣いてるだけ。
上げ膳据え膳で。
晴ママってば、鈴愛のために特別メニュー作ってくれるし。
最高のご身分だわ。

友人が亡くなったのはショックだろうけど、中学生じゃあるまいし。
もう40なんでしょ? 母でしょ?
どんなに哀しくても、まずは花野を守りなさいよ。
きちんと生活しなさいよ。

大人はただ泣くわけにはいかないから、
そこに深い哀しみが感じられるものなのにね。

仕事もほっぽらかし、子どももほっぽらかしで、
若い頃の友人関係だけを妙に大切にする鈴愛に同情できませんわ。

しかも花野ちゃん、いじめられて大変だったんでしょ?
一番気遣ってあげるべきときなのに。

 

晴さん、「あなたは母親でしょ!しっかりしなさい!」ってどうして叱らないか?

ちょっとだけでいいから、鈴愛が花野の世話をしているシーンを描けばいいだけなのに。
花野の子育てを普段通りにしてて、ふとした拍子にユーコを思い出してボロボロ…ってなっちゃう。そんな鈴愛を晴さんが見てられなくて、「ちょっと休みなさい」ってなれば、涙を誘うのにねえ。で、今日の鈴愛が晴さんにしなだれかかるシーンなら、まだ素直に見られたのに。

または、岐阜には花野だけを送り込み、スパロウリズムで働く鈴愛を描くとか。
部品調達のために夜遅くまで夢中で働く鈴愛に、律がコーヒーでも入れて「大丈夫か」って声かけると、「その方がユーコのこと考えなくていい」とか言わせるとか。
そんな鈴愛になら、律がハグしても許すよ。共感します。

 

ぶっちゃーとなおちゃん、せっかく久しぶりに出てくれたのに、二人はチヤホヤ要員。必死に笑わかそうとしても鈴愛は構わず大げさに涙ボロボロ。私の大変さなんてアンタたちには分からないでしょって態度でなあ!
金のがちょうのお姫様かよ。
ぶっちゃーとなおちゃんに、こっちの方が申し訳なくなっちゃいましたよ。

 

鈴愛は萩尾家にまでも押しかけて、弥一さんと貴美香先生に慰めさせます。
弥一さんにシャンパンまで開けさせて!
鈴愛様が悲しくなると、梟町の人間は総出でチヤホヤしなくちゃならなくてホント大変だわ。

鈴愛は弥一さんに
「おじさんはエライ、和子おばさんのことを乗り越えてこうしてちゃんと生きとる」
と、いきなり失礼発言だし。
「私みたいに感受性豊かじゃないんだね」ってか?

 

しかし、ジェントルマンな弥一さんは笑顔で対応。
「弥一おじさんもそう思っとった。そやけど、そんなことなかった。これがいつまでたっても哀しい。最近分かった。哀しみを乗り越えたわけではなくて、哀しみと共に生きている。忘れられん。いつだって涙が出る。そやけど、生きてると、時は進む」、

「死んでしまった人たちがいなくなったわけやない。ここにおる」
と、ソフトな口調で優しく話してくれました。

ちなみに、その弥一さんの話の中に翼君が出てましたよ。
翼君、写真で賞取ったんだって。哀しくても、そう言う時は嬉しいしって。
律とは絶縁してるみたいなのに、弥一さんとは交流あるんだなあ。

 

さらに、貴美香先生も鈴愛に語ります。
「私らは生と死の間に生きてる。皆そうや。ほいで、やがて死ぬ。今は生きている。それだけ。生まれることも死ぬことも特別なことやないんやないかって。生まれることがめでたくて、死ぬことが哀しいってのは、乱暴なような気さえするんや」

味わい深い言葉ではありますが…このタイミングでこのセリフが来ると、なんかちょっと酷くない? 無神経じゃない?と、素直に受け入れられない…。私は意地悪かな?

だって、

  • 東日本大震災があり
  • ユーコが亡くなり
  • 連日描かれる震災の描写が呑気すぎのユートピア。
  • 震災があるというのに、鈴愛はモテモテで有頂天。
  • 花野のことはほっぽらかし。
  • 花野のいじめ問題も転校で解決。心のケア必要なし。

こんなことばーっかだから。

こんな状況下で、「生まれることも死ぬことも特別なことやない」って言われると、
「震災で人が死のうがどうってことない」
「人が泣こうが、苦しもうが、お構いなし」
「人の死を悼むなんてナンセンス」
としか、変換できず。

「震災で被害に遭っても、それだけや」
テンテーの死生観って、そういうこと?って…。

 

律も律で、鈴愛が岐阜に行っちゃってるのに、デザイン変更の判断するかは、「鈴愛を待ちます」とか、悠長なこと言ってたな!
あの生産工場、震災直後だっつーのにあっという間に「頑張ろう、日本!」って心境変化してくれて、新規でも受てくれるっていうのに、そんなふんわり言ってる場合じゃないよ。

で、「40年アイツを待ってたって…」鈴愛へのプロポーズを匂わすポエム。
なぜか津曲さんにカミングアウト。
んなこと、津曲さんでいいの!?
せめて、まーくんにしときなよ?
中村倫人さん、もうスケジュール合わないか?

しかも律さん、あなた別に、40年待ってなかったんじゃね?
清とイチャイチャしてたときは、鈴愛は邪魔!ってバッサリ切ってたし。
より子とは違ったとしても、アンタ翼がいたんだよ?
やっぱり律の頭の中には翼くんはいないね。

なので40年間、鈴愛を“待ってた”は違うんでないか????
「40年かけて、やっと分かった」
なら、まだ頷いてあげたけど。

しかし、この律くんのセリフ、言い方。
昔の少女マンガ。寒っ!

 

弥一さんと貴美香先生の言葉を聞いて鈴愛は仙台へ。
また花野はほっぽらかし。一人だけ仙台へ。

まだ落ち着かないこの時期に、ユーコの家へいきなり。
非常識過ぎない?
ってか、3月の時点で、そんなにお気楽に仙台に行けた?
鈴愛、仙台までの旅費はどうした???

それと、あれだけ奔走してくれたボクテに声を掛けず、いきなり一人で行ったか!
ボクテより私の方がユーコと仲良しですからって?

 

鈴愛はユーコの遺骨を抱きしめて、号泣しますが…。
祭壇に納められた遺骨を手にとって膝に抱えるって…どうよ??
ナナコロビヤオキは非常に違和感を覚えました。

どんなに親しい人でも、仏様になった方に失礼なんじゃないかなと。
そんなことが許されるのは、家族だけでしょ?って。

ユーコはどんなに親しくても友達よ。
アンタの態度はでしゃばりよ。
それをようじさんの前で、ユーコに馴れ馴れし過ぎるんじゃないって。
旦那さまを差し置いて一番の仲良しぶって、イヤだなと。

まだユーコの遺影に手をかざす、とかなら分かるけどさぁ。
遺骨に対してそれをするのは、不気味と思いましたわ。

 

震災も、ユーコの死も、全ては自分をお姫様に仕立て上げるアイテムとしか思ってないんだろうな鈴愛さんは、と15分間冷めて見てしまったナナコロビヤオキです。