NHK朝ドラ『半分、青い。』第63回(第11週)感想&あらすじ 鈴愛、秋風先生に逆切れ&暴言の悪事

『半分、青い。』第63回(6月13日)あらすじ

律に失恋したエピソードをマンガにしようと創作にいそしむ鈴愛。ボクテとユーコも、鈴愛に刺激を受け創作活動に励む。

しかし、鈴愛の書くマンガはまだまだ未熟で秋風にダメ出しをくらってばかり。

アシスタント業務を送りながらのマンガ制作は超多忙だが、夜になって一人になると、つい思い出してしまうのは律のこと。

鈴愛はボクテとユーコにマグマ大使の笛を自分の代わりに捨ててくれと頼むが、そんなことはできないと二人は断る。そこに秋風が来て、おもむろに笛を取り上げ投げ捨ててしまう。

いざ捨てられると鈴愛はあらためて哀しみが。秋風は創作のために、哀しみを味わい直せと言うが、鈴愛は、自分はマンガ家以前に人間。哀しみを味わうなんてできないと言う。

時は流れ、ユーコのデビューが決まる。

『半分、青い。』第63回(6月13日)感想

私はこの秋風塾のシーンでは、マンガ家の卵たちがどのような修業を積むのか、どのようにデビューを果たすのかを見られるんだろう~と期待していましたが…そんなのぜーんぜん、書かれてなかった…涙

ユーコのデビューはおばあちゃんのナレーションだけで一発で決まったし。

ユーコは鈴愛と同じ年、ボクテも同じ年頃としても、二人はマンガコンクールでの実績があるはずなのに、それぞれのキャリアの差が感じられないし。それぞれの作風も分からないまま。

それに絵の技術だけでなく、ストーリー作りのいろはについても解説が欲しいです。

さらにボクテとユーコが素直過ぎる!

鈴愛が秋風に「才能がある」って言われたことにを受けて、二人は素直に
「ボクたちも、頑張ろう!」
「うんっ♪」
って…小学校の道徳番組? キレイごと過ぎて気持ち悪い。

彼らはどんなに仲良くなっても、ライバルでもある。そこに面白さがあるんじゃないの?

鈴愛だけ、秋風先生にあんなにほめられたら、少しは焦ったり、嫉妬したりすると思う。それが当たり前で自然。

たとえばこのシーンは、ボクテとユーコが庭でパン食べながら語るのではなく、二人だけでアシスタント作業をしているシーンにする。

ユーコがふとペンを止めて、
「先生、あんなこと言ってたけど。鈴愛って、そんなにすごいかな?」
とポロリと言う。
「鈴愛って感受性は確かに強いかもしれないけど…そういうのが天才なの?」
とか言っちゃって。
すると、ボクテが
「先生、ああは言ってるけど…でも、経験だけでは描けないハズよ」
と一言。キリリとした表情でアシ作業に戻る…みたいなのはどうだろう…?

あー! 今自分で妄想しちゃいましたが、そんなボクテが見たかった!

普段は優しくナヨナヨしてるボクテ。ても、いざマンガとなるとキリリとストイックなボクテ。自分の才能に揺るぎない自信のあるボクテ…そういうのが見たかった涙

今のままじゃ男だけど鈴愛が話しやすく利用しやすいように“ゲイ”にしましたってレベルでしかないもの、ボクテのキャラは…涙。

そして、そんなボクテの一言にユーコも、
「そうだよね」
と冷静に一言答えて、スッと作業に戻り集中する…みたいな。
ユーコはそんな感じに、毅然としてクールなキャラで書いてほしかったです。

破天荒な鈴愛、クールなユーコ、ストイックなボクテ、そんなマンガ家卵3人の、いい意味でのギラギラバチバチを見たかった…!

マンガ家みたいな職業はクセのある人ばかりなんでしょ? だから鈴愛が“炭水化物要員”だったはず。でも、今じゃあすっかり立場逆転でボクテとユーコが鈴愛の自己中に引っ掻き回されてお世話を強要されちゃってる。

鈴愛は、律とのエピソードをマンガにした作品を、秋風先生に相当ダメだしされますが…そりゃ当然。ってか書かせる方が無茶でしょ! まだマンガ書き始めて数カ月なんだから。鈴愛ストーリーの組み立て方、まるで分かってないから。独学できるほど頭良くなさそうだし。

秋風先生は、鈴愛に
「構成がなってない! セリフにおぼれるな!」
と言っていましたが…こ、これは、もしや…自虐では!?!?

そして、今回も相変わらず多い不快なやりとりの中で、最も不愉快だったのは…
マグマ大使の笛を捨てた(と見えた)秋風が、鈴愛に悲しみの感情をリアルに思い出してマンガにしろと言いますが、それに対して言った鈴愛のセリフ。
「マンガ家の前に人間だ。先生はマンガのロボットだ。先生はマンガのためには何だってする。人の心を捨てた。だからいい年して一人もんで子どももいないんだ!」

これ、不快を通り越して、心が痛かったです。
日本中、いや世界中の結婚していない、子どもがいない人への偏見でしかないと思う。脚本家はこういう考えの人なんだ…とショックでした。

たとえ思ってたとしても、公共の電波で役者使って、そんなこと、言うなっ!怒

NHKチェックあるんだよねえ?これOKなの? 朝からとても、イヤな気分になりました。

結婚や子どもの問題って、したいからってできるわけじゃないし、それで日々深く悩んでいる人たちも多い。その一方で、結婚しない、子どものいない人生を選んでる人たちもいます。その人たちの人権は? 皆、悪だと言う?? これ、セクハラだし。こういった問題、最近では頻繁に語られているのに、まだ言うか! デリカシーなさ過ぎ。

それとも…? 北川先生はご結婚されてお子様もいらっしゃるそう、病気もされたそうですが…そのためしばらくの執筆活動を休んでいたそうですが…このセリフ、自分が休んでいる間、活躍していた独身ライバルへの毒づきでしょうか…!?!?怖っ!

私も、結婚して子供が生まれて当時の仕事からは離れました。子育て一色の自分に対して、独身の同僚が着実にキャリアを積んでいることに、いろいろ考えることはあったけどさぁ…だからって、自分もこっちを選んだわけだし、あっちもいろいろあるんだろうし…そんなことは自分のプライドにかけても、言わない。それなのにグチらない人はハッピーだと思ってる?

皆、それぞれに事情があるわけで、その中でどうにか折り合いつけながら平気なフリして前向きに頑張ってるでしょーが。その微妙なバランスを根こそぎぶち壊す、ひどい暴言。まさに暴力。

しかも、こーんな10代の自己中おバカ鈴愛に言われるとはね。秋風先生に同情よ。ユーコ一発ビンタくらわしてやりゃよかったのに。なんで誰も怒らない?

終盤でボクテとユーコが
「ひとり者でも、子どもがいなくても先生が好きです」
って不思議なフォロー入れてるけど、これが回収のつもり? 本来は鈴愛を成長させて言わせるセリフでない?

ユーコ、満面の笑顔で言ってた。その笑顔、主役級のセリフをもらえて嬉しくて仕方がないかのようでした。

ちなみに、このタイミングでボクテとユーコに言われても、巨匠秋風先生はさらに傷つくだけだから。弟子に同情されたと思うだけだから。

しかも、「ひとり者でも、子どもいなくても」って…ユーコもボクテも基本的にそういうの差別してるけど先生は好きですって意味に聞こえた。デリカシーの無さの上塗り。ボクテ、ゲイなのにね。

「それこそが魅力だと思ってます」
くらいに言って、きちんと鈴愛の暴言を否定してあげて!

そもそもこんな暴言必要あったのか全く分からなかった一連のシーンが終った後、
1分もしないうちに都合よく一年が経ち、おばあちゃんのナレだけでユーコのデビュー決定。

見られると期待していた部分がゴッソリ抜けてた。
いろいろ細かく書くの面倒くさいから、省きました。ユーコだし。みたいな?

…なんかすっごーーーーく裏切られた感。

これじゃあマンガ家話も期待できなさそうです。秋風塾、撃沈!

この調子で、鈴愛のデビューもあっという間に決まっちゃうんだろうなあ。

ちなみに今日の、スズメが律を思い出して吹くマグマ大使の笛のシーン、すごーく怖かったです。怨念ドロドロでホラー映画みてるかと思った。それを聞くユーコは驚愕しているとしか見えませんでした。前に注意されたのにまだ笛吹くとはね。