NHK朝ドラ『半分、青い。』第56回(第10週)感想 

半分、青い。第56回あらすじ

岐阜に帰る前に、ボクテとユーコからプレゼントされたランチ券でイタリアンレストランに行こうと母、晴に誘われた鈴愛。しかし、その日は正人くんとの2回目のデートの約束をしていた。

鈴愛は仕事と偽って晴とのランチを断ってしまいます。晴はせっかくだから一人でランチコースを食べに行くと言う。ちょっと後ろめたい鈴愛。

鈴愛は正人とデートをしていても晴のことが気になって仕方がない。たまりかねた鈴愛は正人に晴に嘘をついてランチを断りデートに来ていること、でも晴が一人で淋しい思いをしてないか心配なことを話すと、正人くんは怒るどころか今から晴のところに向かおうと言い出す。

一方晴は、律が晴を気にかけてタイミング良く電話をしてきてくれたおかげで一緒にランチができていた。そこに鈴愛が正人と共に現れる。

晴に爽やかに挨拶し好印象な正人。晴を東京駅まで見送ると言い、鈴愛の彼氏として申し分ないふるまいを見せます。晴も嬉しそう。そんな晴、正人、鈴愛のなごやかな雰囲気に律は居場所のなさを感じ、東京駅までは行かずその場で別れることに。晴を見送った後の鈴愛から正人と3人で食事をしないかと誘われるが、それも断ってしまう。ジメジメの律。

食事をし終えた後、ベンチで話す正人と鈴愛。自分のことだけでなく晴のことも大切にしてくれ、さらに鈴愛の耳を気遣い常に右側にいてくれたことに気づいた鈴愛は、想いが溢れて「私とつきあってください」と正人に告白する。

半分、青い。第56回感想

今の時代設定はちょうど1990年だと思いますが、90年はイタリアンブームはまだだよね、確か? あと2,3年後だと思います…。でも高級イタリアンはあるにはあったでしょう。その頃からあった高級店と言えば…サバティーニがモデル?? ちょうど青山だし。

秋風先生、イタリアンレストランに電話を入れ、晴に対して青天井で最上級のサービスをとリクエスト。秋風先生がイタリアンならココ! と決めている店でVIP秋風先生ならではの粋な計らいだそうですが…でもコレって、そもそもボクテとユーコの可愛らしい心遣いではなかったの??

秋風先生のお気に入りの高級イタリアンだってことは、秋風先生に店のネタ提供してもらったってこと…? そーすると、大人で大金持ちの秋風先生が、あの子たちにランチチケット買わせるのも変だよね??? 普段からツケで払ってるみたいな様子だったしね。そんな話題出たら「その店なら俺がおごろう」で終わりだよね。チケット買わせてるなら、やっぱり秋風ケチ? …と、しょーーーもないところで反芻してしまいました。

きっとボクテとユーコが、自分たちでランチチケットを購入・プレゼントしたことを秋風先生と菱本に話して、「あー! それならあそこは俺、顔だから、プラスαは俺がおごる! 」となって一本電話を入れたってことかなあ~???…と脳内で整合性が合うように補てんしながら見てあげていましたが…。

…でも、それはそれで、ボクテとユーコは秋風と楽しく会話ができる? とも疑問。そんな最高級イタリアンのチケットを、まだアシの二人がその店に買いに行くこと自体できるのかとも疑問…。

さすがにボクテとユーコ、秋風先生に「鈴愛のママにプレゼントしたんですよぉ~」なんて、気軽に話できないと思うし。偉大であり気難しいはずの師匠なんだからさ。秋風先生、当初より随分と優しく話しやすい師匠になって、ユーコも全く意地悪じゃなく、ボクテもクセがなく、菱本さんも親切で、いつのまにか職場は和気あいあいと温かい場に改善されてるけど。だからといっても、師匠にそう慣れ慣れしく話せないでしょう。女子トークじゃないんだから。

 

デートで何の映画を見ているか話し合っている正人と鈴愛のシーンで、意味深なセリフがありました。
「何見ようかねえ『ゴーストバスターズ2』、『バック・トゥー・ザ・フューチャー2』、
『ダイ・ハード2』はまだ先か…。なんか、2ばっかりだな」
「ツーはワンよりつまらん」
「まあ、そうとも限らないけど…」
(北川悦吏子『半分、青い』より)

これって、律と正人と暗に重ねてる? ツー=正人は、ワン=律よりつまらんということかな…? そう感じ取れますが、いきなりここで来るかとちょっと重―い感じもしました。今回の『半分、青い』、こういった言葉の伏線が、ミョーに先走って唐突に張られるで、ちょっと着いて行けない感じもします。

そんなこと急に言い出す鈴愛は、一生懸命映画を探してくれている正人くんに対して失礼で残酷。実は鈴愛、くったくないピュアなキャラを装いつつ実は清以上の悪どい女かも。実は心の中ではネチネチクドクド執念深く、いろいろ妄想しては思い詰めてる女なのかと恐怖さえ感じてしまいます。

それに対して正人君のジェントルマンぶりったら…! こういう子ときちんとつきあおうね! と小学校の娘にはアドバイス。高・中学生の息子たちには、こう爽やかに、正々堂々とね!とお手本にするよう薦めましたよ! 正人くんキレイなお顔で爽やかで素敵よ!

正人が好きだけど、律は当たり前にそばにいて欲しい。清に惹かれつつ鈴愛に未練を感じる。

確かに恋愛初心者のときは、憧れと愛情の区別がつかなくて、どっちがいいのか分からないことって、ありますよね。そんなところから生まれる律と鈴愛のすれ違い、若さゆえだなあ~と少し切ない思いでも見ていました。そのすれ違いの見え隠れは、さすが北川悦吏子作品と思います~。…でも、もうちょっと人格に整合性があって、エピソードを細かく積み重ねて流れとしてつながっていれば、もっと胸キュンなのになぁ…とも。少し残念に思ってしまう。

律くんの思い詰めるの図も、ちょっとね。女子はこういうのアリかもしれないけど、でもコレ、男の律がやってるとジメジメしてうっとおしく思ってしまう。もっと明るく爽やかに! 清にあんだけデレデレしてるクセして、鈴愛が別の人といるとすねるのか!?何だよ! それっ!!っと引っぱたいてやりたくなってしまいます。

そろそろ息子も大学生になる年頃なので、母としての目でも見てしまい、律にじれったく思ってしまうナナコロビヤオキです。しっかりしろ、律!