【澪つくし】感想ネタバレ 第139話 入兆VS吉武家抗争は一応和解。しかし戦争の影が…

【澪つくし】あらすじ(ネタバレ)第139話

 

入兆と吉武一家の対立抗争はかをるの勇気ある説得により一応和解した。

その夜、久兵衛はるいに手打ち式の様子を話す。
惣吉が「かをるを不幸にしたら取り返しに行くぞ」と捨てセリフを吐き、梅木が「その心配は無用です」と答えたと言うとるいは、感心。

後は時間が解決するだろうと言う久兵衛。
るいは、3人共可哀想だと言った。

 

一方梅木とかをるも夫婦の会話。
梅木は、とねが仲直りできたのはかをるのおかげだと褒めちぎっていたと話す。

そして梅木も立派だと思っていると伝える。
そして嫌味を言った自分が恥ずかしい、まだまだ修行が足りないと言った。

「私たちの間に溝はできていませんね」
「溝どころか前より深くお前を愛している」
梅木はいい夫、いい父であるように努力すると誓う。
かをるは、梅木に真心のこもった愛情を感じた。
同時にやるせない苦悩も暗示取った。

 

その後、入兆と吉武家の抗争は亡くなった。
口さがない世間のかをるへの関心も次第に薄れて行った。
一方、惣吉は黙々とイワシ漁に専念していた。

 

入兆には叔父・古川清次が訪れて、陸軍の飛行場が春日町の台地に決定したことが話題に。
清次に話によると、軍は土地を安い土地で強引に買収するので地主や小作たちが困っているらしい

久兵衛は銚子に飛行場ができるということは陸軍は何かを考えているということだろうと言う。
やはり戦争はあるのか?
不安な空気に包まれる中、梅木がやってきた。
梅木は、広敷の竹田に召集令状が来たことを伝えた。

 

広敷では竹田を囲んで広敷の若い衆が別れを惜しんでいる。
竹田は「戦争は好きか?」と聞かれると、「好きじゃないけどお国のためだ。仕方がなかっぺ」と笑顔で答えた。

その夜、アミの弟・栄二がアミのところに来て、竹田が会いに大事な話があると呼び出した。

アミが呼ばれた場所に行くと竹田がアミを待っていた。
竹田はアミに好きだ、結婚して欲しいと告白。

アミは最初は松岸にいたような自分のような女と結婚したいのかと聞く。
竹田は自分も大した男ではないと言う。
身よりもなく、貯えも無く、これまではその場その場を面白おかしく生きて行けばいいと思っていたが、今は違う。
戦争に行くのに自分は守るものが何もない。
せめて家族のために、アミがいてくれると思えてら自分は命を張れるといた。

「私で…よかったら…」
アミは。結婚を承諾した。

昭和10年の暮れ、竹田は女中のアミと入籍し、陸軍二等兵となった。

 

小浜家では律子が夕食の支度をしていると、ラジオか臨時ニュースを知らせるチャイムの音が。

2.26事件の発生を知らせる一方だった。
律子の夫、小浜敬助の舞台もこの事件の中心となっていた。

 

 

入兆VS吉武一家の抗争は一応解決

ナレーションでも「抗争」って言ってるよ…汗。

先日ツイッターで、当時の銚子では漁師はまさにヤクザみたいな位置づけだったと見かけました。
「手打ち」の儀式といい、「抗争」といい…やっぱりそういうことだったんだあ。

NHK朝ドラだから、ふんわりオブラートに包んだ表現だったってことね。

そのせいで我々令和の視聴者は
「え?なんで仲悪い?」
ピンと来ないところがりますが、なるほど!
そういうことなら納得。

きっとドラマで描かれている通りに、実際もしょうもない小競り合いが繰り返されていたのでしょう。

だからかをるが惣吉さんとの結婚を大反対されたのも当然。
ドラマを見ていると、漁師とはいえ網主の息子、プリンスだからいいじゃんと思いがちですが
惣吉さんは組長の息子ってこと。
組長の息子のところに旧家の令嬢が嫁ぐって話なのね。

やっぱりハイティーンブギの世界だわ。
80年代、純粋無垢な女の子と、ヤンキーのトップのロミジュリ展開流行ってたからねえ。

 

で、この抗争はかをるの勇気ある説得が貢献したという件も。
今時の考えだと、まあそりゃ惣吉さんとかをるが話し合わないと始まらないと当然に思いますが、
元妻とはいえ、ヤクザ一家の本丸に単身で出向いて談判したってことなのね…。

惣吉の元に帰らないなんて言ったら周りに何されるか分からないような状況だったワケ…。

か、かをる…!
かをる姐さん!!!

姐さんだったとは!
知らかをなかったよwww

かをる、これまで度々「かをるたん」なんて馴れ馴れしい言い方してごめんよ。
棒なんて言って…ごめんよ…!

そういう目で見ると、かをるはなかなか味わい深いキャラなんですねえ。

 

入兆も落ち着きを取り戻す

入兆に戻った久兵衛さんは、るいさんに惣吉さんのことを報告。
久兵衛さん、惣吉さんにやっぱり感心していた様子。
「神妙にしていた」
と言ってました。

久兵衛さん、かをるが惣吉さんと別れて残念だと思ってよー!

そして久兵衛さんは
「かをるを不幸にしたら取り返しに行く」
「心配無用」
という惣吉VS梅木のやりとりもるいさんに伝えてた。

るいさん、惣吉のセリフ、梅木のセリフに「はあ~」と感心の溜息でしたが。
ちょ…おま!
感心している場合じゃないぞ!

ウチの娘をイケメンが取り合ってる!嬉しーい!ですかい…???

令和の今このるいさんの反応を見ると、何か他人事な感じがして腹立つー。
一昨日、かをるに本音を聞いてたるいさんにちょっと見直したけど、それも帳消しになるような気分。

でもるいさんは3人が可哀想って言ってたから
ただ他人事でその状況を楽しんでいるわけでもないんでしょうねえ。
当時の、気持ちよりも状況優先の価値観の人としては、精一杯それそれの人を思いやった態度なのかも。

久兵衛さんも、時間が解決すると言ってましたが…。
るいさんもそう高をくくってるみたいだけど。
きっとそうは行かないよーーー!!

 

かをるの選択、周囲の納得に令和と昭和のギャップを感じる

るいさんといい、久兵衛さんといい、入兆の人々は、社会的立場とかしがらみ優先で個人に気持ちは二の次なのよねとつくづく。
社会生活を営む上での位置づけを与えられて、その中で精一杯生きようという考え方の典型。
だから「ご縁」とか「運命」とか言っちゃう。

るいさんも、久兵衛さんも、律子でさえ、惣吉さんが生還しても、この複雑な状況に涙こそすれ、元のさやに戻ろうとはつゆとも思わないのよね。
それはもう人間関係がしっかり組み込まれてしまったから。

この考え方は昭和の価値観そのものですよね。
だから、かをるでさえ「ご縁」とか「運命」という言葉を口にして諦めてしまう。

この状況、令和の今見ていると、「なんで誰も惣吉さんと!って思ってあげないの?」
と悔しくて理不尽で仕方ないけど、
1985年当時の視聴者はどこまでどう感じたんだろう?と興味深い。

当時澪つくしを見ていたうちの母なんかもお見合い結婚。
人生の一大事は自分ではなく親や伴侶が決めることと思っていた世代。
今見ている視聴者よりも、「梅木といるしかないよね…」と諦めていたかもしれないなあと。
惣吉さんに未練を持ちつつ、かをるに同情しつつも、梅木といるべきと思っていたのかもしれない。

 

そして、ちょうどこの時期だと思います。
「シンデレラシンドローム」、「シンデレラコンプレックス」というものが注目され始めたのは。

 

これまで女性は男性の庇護の下で生きて行くものと決めつけらて育てられてきたところが、
世の中で男女平等が叫ばれるようになり、より自由な生き方の選択をできるようになってきた。
自由になってきたのはいいんだけど、男性の庇護の下で生きるよう育てられてきたので女性自身がどう生きていいか分からなくて困惑してしまうというというのが「シンデレラシンドローム」のメカニズム。

ななはっちの世代もこの困惑がある世代です。
親はるいさん的な価値観を持っているから、その人たちに育てられてるから、自分は自由に飛び立ちたくても、そうはなりきれないところもあって自分で自分に苦しむところがある。

 

今の状態が一番って言って、惣吉さんとの復縁は全然考えないうっとおしいるいさんは、旧式の考え方の人の典型。
それに対して、かをるはどうするかが、当時の女性たちへのジェームスからのメッセージになんでしょうねえ。

今のところかをるも「こうするしかない」「ご縁が無かった」「これが運命」と昭和の人が思うように、梅木との結婚を肯定し惣吉さんとの復縁をあり得ないこととしていますが
かをるはどう乗り越えるのだろう?

そしてかをるの生き方に当時の女性はジェームスのメッセージをきちんと受け取れたのだろうかー?

 

じわじわと戦争の影が…

時代はジワジワと戦争に近づいてきました。

銚子に飛行場ができる話。
広敷の竹田に召集令状が来た話。
そしてラストに2.26事件。

竹田って血液型のこと知ってた人だよね?確か。あとさんまにも字教えてたか?

竹田はアミちゃんに告白しプロポーズ。
アミちゃんと善吉のラブストーリーは完全に終わったことなのね。

今日の竹田の話はせつなかった。
身よりもないから、入兆で働いても有り金使い切るその場その場を生きる生活。
そういう人、多かったんだろうな…。

そしてそういう人が最初に召集されて行ったか…。
密かに差別。

 

でも、その竹田が、
兵隊に行くことお国を守るもの。
お国って何?
土地も貯えもない自分は守るものが無い。
せめて家族があれば。
自分を待つ家族が居れば命を張って頑張れる。

この言葉辛くて切なくて考えさせられました。
戦時下を知るジェームス渾身の、セリフ。
反戦メッセージ。

そんな恵まれない人、それでも健気に頑張って来た人から先に戦争に送るって…許せないよなあ。
絶対に戦争なんてやっちゃいけないんだ。

こんな哀しいプロポーズがあるだろうか。

竹田さん、無事に帰ってきてほしいよ。
広敷者はあんまり好きじゃないけど、無事を祈ります。

 

そして本日ラストは2.26事件。
小浜が参加してるみたいですね。
除け者にされていたけど入れて貰えたのか…。
襲撃に携わった青年将校たちは確か全員死刑だったかと思いますが小浜は大丈夫なんだろうか?

 

そして戦争になるってことは惣吉さんも梅木も英一郎も戦争へ…?
惣吉さんが出征となったら、かをるの本音がまた出るよねえ。
梅木より心配してあげてください!
そして梅木に思い知らせてー!

これからが不安でしかないわ。