【澪つくし】感想ネタバレ第138話 手打ち式。惣吉と梅木のバチバチ

『澪つくし』あらすじ(ネタバレ)第138話

朝、かをるが顔を洗っていると梅木がやってきた。

梅木は昨晩とは打って変わって笑顔。
そして昨晩のことを『酒のせいで言い過ぎた」と詫びた。

梅木は二日酔いで辛い様子。
かをるはまだ寝ていたらと気遣うと、罪滅ぼしに頑張って働かないとと朗らかに答えた。

 

手打ち式は銚子の料亭で行われた。

まず久兵衛が挨拶。
久兵衛は漁師と醤油屋がこのような会を設けるのは銚子始まって以来のこと。
歴史に残る1ページだと言う。

両家の代表として惣吉と梅木が杯を交わして手打ちにすると説明、久兵衛が儀式に入ろうとすると、とねがその前に自分からも挨拶させてほしいと間に入る。

とねは、久兵衛の言うようなキレイ事の通りすぐに仲良くなるのは無理だと言い切る。その代わりに今日以降は二度とケンカしないことを約束をしてほしいと言った。

 

手打ち式の出席を遠慮したかをるは、潮来の惣吉との写真を庭で燃やしていた。
そこにるいがやってくる。

るいは梅木から何か言われたのかと気にすると、かをるはそういうわけではないと言った。

 

その頃手打ち式では、英一郎がかをるから託されたと、惣吉の形見に貰っていた万祝いを惣吉に返した。
とねは、それではかをるの絵を返すと言うが惣吉は
「お断りします」
とキッパリ。
あの絵は自分がお金を出して買った物だから、父・文吉の式だった利根川丸が描かれているから渡すことはできないと惣吉は断った。

 

るいはかをるに本音を聞く。
るいはかをるの気持ちを思うを胸がかきむしられるようだと言う。
しかし、かをるは梅木と幸せにやっていける、惣吉とは縁が無かったのだと答えた。

 

料亭では、入兆と吉武一家が酒を酌み交わしている。
久兵衛は惣吉に、一日も早く身を固めて吉武家を継ぐよう言い、なんなら久兵衛が嫁を探してあげると言う。

すると惣吉はキッパリと断り、吉武家は善吉夫婦が継ぐと答えた。
「俺は一度死んだ人間だ。幽霊は幽霊らしく生きて行く」

そして惣吉は、梅木にかをるを幸せにしてやって欲しいと頭を下げた。
「もし不幸にしたら…俺が取り返しに行きますよ」

「その心配は無用です」
梅木はキッパリと答えた。

 

 

梅木はモラハラ決定

梅木、翌朝かをるに謝ってました。

昨日の、律子まで引き合いにしてかをるを人格否定していたのに、今朝はうって変わった爽やかに。
そして、下でに出て謝る。

コレってモラハラ夫の典型的なやり方ですよねえ。

酷いことを言われて愕然として、もう縁切ってやるーってなりそうなところで
アレはやり過ぎだった「ごめんね」ってコロッと態度を変えて謝る。
だからつい言いくるめられて許しちゃうんだけど…。
それも相手のやり方のひとつで。
自分の言いなりになる相手を絶対につなぎとめる方法。

モラハラ夫でも妻としては、いい時を知ってると、信じたくないもんねえ。
夫キライってなると、自分の結婚生活全てを否定することになるわけだし。
子供もいるから、どうしても守りたいと思うだろうし。
だから、やられてる側もなかなか真実に向き合えない。
だからモラハラ、DV問題は難しい。

かをるもそうですよね。
今の状況を丸く収めないとと思っているから。
そして惣吉さんに気持ちが戻るのは罪と思っているから、なんとしても梅木と上手くやらないとと思ってしまうから…。

とんでもない窮地に陥れてくれたわね!ジェームスは!

 

そして今日感心し驚いたのは、ジェームスはこの時に既にモラハラ夫の実態をここまで克明に描いていること!

「モラハラ」という言葉、一般に浸透したのは三船美佳さんの離婚裁判でのことだと認識しています。
彼女の離婚が成立したのが2016年。
この時点では、モラハラと「亭主関白」が混同されてて物議を呼びました。
昭和は亭主関白が美徳だったから一般にもなかなか理解されなかったと思います。

それがわずか5年前ですからねえ。
そこから職場や学校の部活でのパワハラ問題が起こったり、MeToo運動があったり…。
人への差別や、精神的圧力について敏感に意識するようになってきています。

 

なので今日の梅木さんに1985年の時点ですでにモラハラ夫が見事に描写されてるわあと驚きました。
ジェームス、世の中の先を行っているわ!

かをるは、梅木に優しい言葉を掛けられるとつい嬉しくなって微笑んでしまいますが、かをる「昨日はごめん」に騙されちゃダメよー!

昨日はごめんだろうがなんだろうが、
「体の中で巣くっている虫がいつか暴れ出すに決まってる」
なんて、普通の人じゃ考えられないような暴言を吐いたんだよ!
しかも律子さんのことまで罵った。

普段からそういう目で見てるから言葉に出るのよ。
ちゃんとそこを見誤らないようにした方がいいよ、かをる。

 

入兆と吉武一家の手打ち式

手打ち式って、ああやるものなんですねえ。

それぞれの代表者として惣吉と梅木が代表で杯を交わしていました。

惣吉さんと梅木て…まあエグイ構図を持ってくるわねえ、ジェームスは。

因果応報と言うか…久兵衛さん、奇しくも自分の娘があなたと同じようになっちゃったよぉ。
ドラマ当初、千代さんを看病するるいが、千代の足を洗ってたシーンを思い出しましたよ。
スゴイ、時間を超えてここでこんな重なりを見せるとは。

生々しく皮肉な構図の重なりです。
さすがジェームスぅぅぅ…!

しかし、こんな手打ち式、周りの漁師も広敷連中も、よく飲んでられるわwww
複雑すぎて辛すぎて…食欲減退する人はいないのか!?笑

広敷連中も漁師もおバカだから飲めればOK?www

 

手打ち式の挨拶では、久兵衛さんが、漁師と入兆の仲直りを強調していましたが、それに対してとねさんは、そんなキレイ事はムリとキッパリ言ってたのはカッコ良かった。
とにかく二度とケンカをしないところから、というとねさん、やはりしきたり入兆よりもつねに物事を俯瞰して真実を読み取る力がある回濃い女性だなあと。
だから惣吉さんがあんなにまっすぐな人なんだよなあと再確認。

 

かをるは惣吉さんの写真を燃やす

手打ち式の頃、かをるは家の庭で潮来の写真を焼いていました。

ああ、あの写真すごく素敵だから燃やさないで…!
るいさんが、気が付いたときやめさせればよかった!
るいさんが引き取ってしまってあげればいいのにーと思ってしまいました。

なのに、るいさんたらハッとしつつも
「仕方ないわね…」
って立ち去って!

おい、燃えちゃうじゃんか!早く拾って!
って、テレビに叫んじゃったよ、朝ぱらっから。

 

るいさん、かをるに本心を聞いていました。
やっとるいさん、少しこっちよりになってきた。

でもかをるは「そうするしか仕方ない」「縁が無かった」と言って強がり。

かをる。賢いから上手に本心隠しますよね。
前にも自分が外川に行くと決めた時に、久兵衛さんが「梅木を愛しているか?」とかをるに確認すると
「私は、梅木健作の妻です」
と言いました。
「愛しています」
とは言ってあげないのよね。
愛しているのは惣吉さんだけだから当然だけど。

この論法は、以前黙って惣吉に会いに行ったときにも、「海を見ていた」と誤魔化してたときと同じ。
ウソはつかない。必要最低限のことだけを言う論法。

そして今日はるいさん
「あんたの本音はどうなの?惣吉さんの事忘れられる?」
と聞かれると、かをるは
「忘れるしかないでしょう」
と。
本音への言及を避けた…!

かをる、気遣いも素晴らしく賢いけど…苦しいわ。

るいさん、やはり母だけあってかをるの本心には気付いているんだよね。
かをるの気持ちを思うと胸がかきむしられるようだって話してたけど…再婚も早まったって後悔してたけど、

アンタが乗り気だったのを、急かしてたのを、私は忘れないよ…!!!爆

かをるに共感してくれてるのはよかったけど、
でもオチがあの時無理やり惣吉さんと引き離してればよかった…!って…汗。
おいおいおいおい…。
入兆に味方がいない…www

とねさんしか、かをるの気持ちを思いやってくれる人はいないのね。
そのとねさんは吉武家の人っていうのが辛い。

るいさんといい、ぎんさんといい、悪い人じゃないんだけど、ホントその場その場の人ですねえ!
ぎんさんも、かをるが入兆に戻ってきたらケロッとかをる可愛いに戻ったし。
るいさんもかをるが惣吉に思いを残しているのは知っているけどかをるが惣吉とよりを戻すことは論外のようだし。

るいさんとぎんさんの思考回路、これは女性は自分の意志で物事を決めることができなかった時代の産物かもしれませんね。
結婚も何も、女性自身が決断することはできなかったから、女性は与えられた中で精一杯生きて行くことにフォーカスして生きる。
だから、るいさんは、惣吉さんが帰って来たからって惣吉さんに戻ることは頭の中にすっかり無いんだろうなあ…。本当に困ったことですが。

 

久兵衛さんが、手打ち式の時にちらと梅木の表情を気にしていたけど…やはり植木の本性に気付いて危険と感じたり、かをるは惣吉と一緒にいるべきだと思い始めるのは久兵衛さんの方かもしれない…。

 

惣吉さんは、かをるへの思いを貫く

惣吉さん、こんな場にきちんと出てくるのは、気丈だよ。
やっぱり男前です。

仕方が無いこととはいえ、万祝を返されたのも辛いですよ…。
ドラマだから敢えてそうするんだろうけど、
こんな場でそんなことまでして惣吉さんを痛めつけることしなくても…!

コレはきっと梅木の仕業だな…!!!
すっかり梅木の信用が無くなっているwww

しかし、惣吉さんは微動だにしない。
とねが、じゃあこっちもかをるの絵を返そうかというと
「それはお断りします」
とキッパリ。

アレは自分が買った物だから。
父文吉の好きな利根川丸が描いてある絵だからと。

よし!
よく言ったあー!!

梅木がちょっとビックリした顔にざまあとwww

惣吉さんがかをるの絵を返さないと言ったのは、かをるへの「執着」よりも、かをると出会った頃の思い出を大切にしたいからですよね。
あの絵には、父・文吉への思いやらなにやらがギュッと詰まっているわけで。

それに対して、梅木は惣吉さんに張り合ってるだけ!

 

さらに宴も盛り上がる中、久兵衛さんは、惣吉さんに再婚を勧めます。
「なんなら私が嫁さん探そうか」
って…失礼千万!
いやもう、デリカシー無いのう、おっさんは~!
ホント、しょうもなー。
久兵衛さん、ちょいちょい若い者には受け入れがたいおっさんジョークかましてましたよね。
つい最近もアミちゃんに「刺されなくてよかった~」と嫌味とも冗談ともつかない、凍るジョークを言ってたwww
普段の冗談のセンスの無さは、このセリフのためにあったのかー!
なるほど、久兵衛さんだと言っちゃう!
嫌味なく言っちゃうってよくわかるwww
そして昭和の当時のおっさんたちはこういう笑えないジョークばっかり言ってたよ。
昭和のおっさん代表=久兵衛。

その久兵衛さんの悪気無いセリフを、梅木が惣吉さんを見下すように嬉しそうな目で聞いてるのも腹立つー!!!

しかし、我らが王子様の惣吉さんはキリッと爽やかに
「それはお断りします」
と言います。

ああ、カッコいいい!カッコいい!

そして自分は幽霊として生きると。
これはかをるを思い続ける宣言だー!

梅木が「幽霊」って言ったらジメジメして怖いんだけど、惣吉さんが「幽霊」って言うと、あの時をフリーズするって美しく聞こえる。
自分からは今のかをるの幸せを壊しはしないが、かをるへの愛を抱き続けるって…。

私の贔屓目かもしれないけど、「幽霊」ひとつでも惣吉と梅木とでは雲泥の差よお!

そして梅木にかをるを幸せにして欲しいと頭を下げます。
さすが男前の惣吉さん。
堂々と…でもためらいつつ言うのが…かをるへの恋心を痛切に感じてウルっときます。

そして
「もし不幸にしたら…俺が取り返しに行きますよ」
カッコイイ!この決めゼリフ。

この毅然として、正々堂々とした態度。
久兵衛さんも、やっぱり惣吉さんに惚れちゃうんじゃないかい?
この場にいる人たちも、惣吉の方が絶対に勝ち!と思うんでないかい?

 

「その心配は無用です」
と返す梅木も。
メラメラの目が怖いー。
あーもう惣吉と張り合っちゃってビビッて大変ー!

この惣吉さんと梅木のバチバチ、すごい気迫。

来週は、惣吉さんVS梅木の闘いですかねえ!

このメラメラの後の
「来週もこの続きをどうぞ」
のギャップもww
もう、「どうぞ」どころじゃないぞっ!!