【澪つくし】感想ネタバレ 第93話 久兵衛とるいの婚礼の招待

『澪つくし』あらすじ(ネタバレ)第93話

 

律子が吉武家を訪れた。
律子が東京に行く前に会いに来てくれた時から1年と3カ月ぶりのことだった。

律子は久兵衛の代理として、るいが制裁になることを承知したとかをるに伝えた。
もうすでにるいの荷物も運び一緒に暮らし始めていると言う。

どうして急に気が変わったのかと不思議がるかをる。
久兵衛が突然家を売っ払った、行くところが無いなら入兆に来い、と半ば略奪のような形でるいを呼び寄せたのだと律子は説明。
久兵衛はそんな方でしか愛情表現をできないのだと言った。

婚礼は3月26日の夕方。
かをると惣吉も招待された。

 

かをるは律子と海岸へ。
律子はかをるに自分は恐らく河原畑と結婚すると言う。

河原畑を愛しているのかと質問するかをるに律子は、難しい質問だと答えた。
愛の形はいろいろある、幸せの形も様々だと。

かをるは意地を張っているだけではと言うと、律子は人にはそれぞれ自分に見合う生き方がある、決められた枠の中で生きる人と枠の中では窒息しそうになる人がいるのだと言った。

久兵衛とるいの結婚式には名取村長夫妻は来るのかと気にするかをるに、律子は久兵衛も呼ばないと言っているしきっと来ないだろうと伝えた。

 

入兆では、事務員がるいが坂東家に入ったせいで遺産相続がややこしくなるのでは英一郎に話しかけた。英一郎は律子が養子を取るかもしれないと言うと、では梅木が養子に入るのかと。それを聞いていた梅木は、いい加減にしろと怒った。

 

その頃、奥では名取ぎんが久兵衛を訪ねてきていた。
ぎんは久兵衛がるいと再婚したことが不愉快でたまらない。

久兵衛は結婚に反対なら婚礼には出なくていいと答えた。
かをるたち夫婦も来るのだからと。

するとぎんは、惣吉達を呼ぶから自分たちを呼びたくないのかと憤慨し、ぎんは婚礼には夫婦ともども出席すると宣言。

しかし律子が「それはお断りします」とキッパリと言った。
ぎんは意地と面目しかないから。
婚礼に出席するのは花嫁と花婿の幸せを喜ぶだけでいいのだと律子が言う。

するとぎんは、騒擾事件で被害に遭ったのは自分たちの方だ、兄の婚礼に出られなければ痛くも無い腹をさぐられて名取は本当に政治生命を絶たれてしまうと泣き出した。

 

翌日、清次がるいの使者として吉武家にやってきた。
久兵衛とるいの婚礼にはかをるだけの出席にしてほしいと清次は伝えた。
これは久兵衛の意志ではなくるいが名取夫妻に気を遣ってのこと。

するととねは、惣吉が出席できないならかをるも行かせない。
「かをるは吉武家の嫁だぞ!」
と激怒した。

 

 

 

 

 

 

 

 

とねさんの結婚願望

律子に再婚する気は無いのかと聞かれるととねさんこう言ってました。
「いい人がいたらするよ。色男でゼニっこあって、度胸が良くて気風がよくて、おらのこと大事にしてくれる人」
とねさんも、きっと40代になるかどうかだもんね。
まだまだ再婚の可能性もありますよね~。
しかしこうも言いました。
「でもまあ父ちゃんだけだね、こう見渡したところ。死んだ父ちゃんよりいいのはいねえなあ」

何事にもポジティブ、行動的なとねさんですが、父ちゃん一途なのね。
長いこと介護生活も大変だったでしょうけど、それでもお父ちゃんよりいい人はいないって…すごい!
とねさんに純情を見たわ…涙

しかも、前に酒と女におぼれなかったら漁師の偉い人になってたみたいに言ってたよねえ。
酒と女におぼれても、父ちゃんよりいい人いないって、とねさんどれだけ一途なんだよ!

もう父ちゃんで懲りたから結婚はもういいっていうのが普通だと思うなあ~。
ジェームス、さすがにそこまで都合のいい女性はいないと思うぞ…www

ポエマー律子

今日は律子さんのシーンがいっぱいあって嬉しい~!

律子さん、河原畑とは本当につきあってたみたいですね。
フェイクでは無かった。

でも、その心模様はスッキリしない様子。

律子さん、いつも印象的なセリフで心をわしづかみにしてくださいますが、本日もなかなか文学的なことを言ってくれてました。
そしてポエムであればあるほど律子さんは自分を言い聞かせようとしているようにも見えた…。

かをるが河原畑のことを本当に愛しているのかと直球の質問を投げかけると
律子は「難しい質問ね」と答えます。
「人を愛すると言っても形はいろいろあるものよ」と。
かをるの場合は
「一目で惣吉さんを好きになって、ひたすらに思い続けて恋が情熱になり愛に昇華していった理想的な形」
でも律子の場合は
「突発的に生じた気まぐれな恋愛」
だから花火のようにパッと燃えて短く終わるかもしれないとも。

そしてさらに律子は幸せの形も様々だと語ります。
「吹雪の中で凍えながら眠ることもできずに耐える幸せもあると思う。
真夏の太陽にジリジリと照りつけられて喉の渇きを潤す水が一滴も無い幸せもあると思う」

うん…律子さん、かなり自虐的だわ。

しきたりや因習、体面でガチガチな昭和初期の世の中で自由を追い求めるのは相当大変なことだと思います。
律子さんはその究極の形として共産主義を理想としてしまったし。
自分の理想を受け入れてくれる場所はどこにもないもんねえ。

やっぱり水橋のこと、忘れられないんだろうなあ。
でも自分の中の理想のイメージと水橋も違ってしまった。
水橋も警察に負けちゃったから。
そこでもまた律子さんは混乱しているのでしょう。
純粋で青い、賢過ぎる律子さんとしては、頭の中の理想モデルとちょっとでも違うとそっちに行っちゃダメ!と反応しちゃって。
律子さんにLet it beはないのね…。
で、今の律子さんは何がいいのか、誰が好きなのかもよく分からなくなってしまった、みたいな。

そして一番甘えられる千代は亡くなってしまったし。
誰にも自分のことをさらけ出せない。
とてつもなく孤独。

そこで河原畑と…ってことなのかしらね。
いろいろと賑やかに言い寄って来てくれるし。
寂しさは紛らわせるから。
水橋と熱愛していたときみたいな情熱的なものは無いけど、河原畑となら平和だし。
これが無難なのかなあ…って。
河原畑を選びさえすれば穏やかな日常は確実だから。

さすがの律子さんも疲れてしまって弱気になってるってことか…涙。

かをる、あなたは海底火山なんだから、もっと律子に「意地張ってるんじゃないですか!?」って繰り返し、もっと強力に突っ込んであげてっ!!

律子さんが、かをるのことを「うらやましい」とか、輝いて見えるわみたいに言ってたときの笑顔が、せつなかったわ。
お姉さんとしてプライドと、かをるに心配かけたくない思いと…。
律子さんこそ、孤高の人。

 

ぎんさんは体面重視の人

ぎんさん、めんどくせー!爆

三ツ矢歌子さん、お着物姿が本当に艶やかで美しく、出てくるとうっとりしてしまうのですが…でもウザッ!!

もともと体面とかばっかり気にするキャラと認識済みですが、今日は一段とタチが悪いわーと!

あんなことがあってもまだ自分の旦那は潔白だと思ってるんだから(笑)
滑稽な…。

でも、それにしても以前はるいさんにも優しく話しかけていたのに、今回の再婚の件を知ったらあんなにツンケンして。
すごい変わりよう~!

ここまで面倒な人、人口比率としては少なくなってきてはいるだろうけど今でも確実にいますよね。社会がある限りある一定量は必ずいるでしょう。
できるだけ関わり合いになりたくないけど。

 

しかし、三ツ矢歌子さんの女優オーラと言うのでしょうか?
あまりの美しさと、お着物の着こなしぶりにうっとりしちゃうし、上品さは強固にキープされているから、ついつい見入ってしまいます。
不愉快!拒絶とならないのがすごいなあと。

そして、これでは自分たちの体面が保てない!不満を言って怒ったり泣いたりする姿に、つい面白ろーいってクスっとなる。
品のいいマダムなのになんだかキュートさもあって、可愛ーいってなる。
着物を着こなす貫禄のマダムなのにねえ~。

昭和の大女優って、ただただ貫禄だけじゃなくてこんな表情も見せてくれるんだなあ~と感動してしまいます。

 

そして、そのぎんさんに結婚式の出席を「お断りします」ってバッサリ言う律子さん、カッコいいーーーっ!

そんなこと言われて途端に泣いちゃうぎんさんにもプッだけど。
こんなドロドロなシーンだけど、つい笑えちゃうのは、三ツ矢歌子さんと桜田淳子さんのセンスの良さと引き出しの多さのおかげなんでしょうね。

 

この律子さんの毅然とした「お断りします」の態度、律子さんの人の気持ち第一主義が最もいい形で発された始めたのケースですよね。
久兵衛さんをかばったんだから。
久兵衛さん、律子さんは素敵な娘なのよ!強力な味方なのよ~!

久兵衛さん、少しは律子のことを見直してくれればいいんだけど…と思っちゃいました。