『澪つくし』あらすじ(ネタバレ)第71話
不況に喘ぐ銚子の醤油業界に一見救世主風のような男が現れた。
その男はアミノ酸の利用法を伝道。
その男の名前は大阪難波にある平本商店の岸本。
岸元はアミノ酸液を使えば醤油の醸造期間の短縮が可能。
大幅なコスト削減につながると言う。
大阪の醤油屋では急激にこのアミノ酸液の普及が進んでいる。
このアミノ酸液の利用は味のためはなくコストのためと聞いた久兵衛は、アミノ酸液で製造した醤油を味見するのさえ却下。
280年の天然醸造の樽仕込みに拘ってきた入兆の醤油に妙な混ぜ物は加えられないと久兵衛は岸本を追い返した。
岸本はこのままだたったら入兆は時代遅れになると言い残した。
久兵衛が奇岩が悪いところへ、沖本と河原畑が訪れる。
沖本の推薦で河原畑は律子との結婚を願い出る。
久兵衛は河原畑が律子を好きなことは初めから分かってたが、
「君に律子はやらん、話を聞いても時間の無駄や」
と鼻にもかけない。
河原畑は律子を嫁に出したくないなら自分が婿入りして入兆の後を継ぐと言うと
「天然醸造の醤油にアミノ酸ぶち込むもんや!」
と一蹴。
店では満州某重大事件(張作霖爆殺事件)からの政治が話題に。
田中内閣は総辞職して民政党の浜口雄幸が総理大臣に就任。
浜口雄幸は軍備縮小を唱えている。
景気も回復するかもしれないとわずかな期待を抱いていた。
入兆の前では虚無層が下手な尺八を吹いている。
早苗が追い払いに行くと弥太郎だった。
ようすを見に来た小畑と梅木たちにあっという間にバレて弥太郎を慌てて逃げて行った。
夏場の漁休みに入ってすぐにかをるは惣吉と千代の見舞いに。
千代は、惣吉を見て律子や英一郎の言う通り頼もしい若者だと惣吉を褒めた。
かをると惣吉はナマズを土産に持ってきた。
かをるは漁師の女房だから自分が包丁を入れると張り切る。
一日も早い回復をと千代を気遣う惣吉に、千代は、自分のことよりもかをるを大切にするようにと伝えた。
勘当された身のかをるは惣吉しか頼る人はいないと。
そしてかをるにも、違う世界に飛び込んだからには、辛いことがあっても頑張りなさいと励ました。
かをるは千代とるいに、感謝。
いろいろ心配をかけたが自分は惣吉と結婚できて幸せだと答えた。
惣吉はかをるが勘当されたのは自分のせいだと言い、特にるいには寂しいを思いをさせたと謝る。
すると、千代は自分が死んだ後、るいが久兵衛の正妻になるから心配いらないと伝えた。
るいは「めっそうもない!」と驚くが、千代はこれは私の遺言だと言った。
かをるは母が坂東家の正妻になるとはありえないと思った。
かをると惣吉が吉武家に戻るととねが激怒している。
造船会社から電報が来て物価上昇のために契約通りの金額では造船できないというのだ。
アミノ酸液で醤油の醸造期間を短縮
銚子の醤油屋を訪ね歩いているアミノ酸伝道師・岸本が入兆にも来ました。
岸本曰く、アミノ酸液とは「脱脂大豆を塩酸で分解しソーダ灰で中和」したものだそうで。
なんか…いかにも添加物!
素人には怪しい感じがしますが、今では普通に当たり前に使われていますね。
「混合醸造」という言い方をするものがそれです。
旨味はアミノ酸ナトリウムという物質によるものと発見されたのは1907年のことだそうです。
それから旨味を抽出する技術開発がなされて「味の素」ができたそうです~。
(参照:職人醤油「戦時中とアミノ酸液」)
岸本さんの会社は味の素モチーフでしょうか?
久兵衛さんが、「アミノ酸を加えるんだって?」と言っていましたが、アミノ酸そのものは1907年発見なので、醤油業界としては当然知ってることだったのですね。
アミノ酸という成分は知ってるけど、それを抽出したり添加したり、人為的にできるなんて思いもよらないというタイミングがこの1929年。
今でも「アミノ酸液」って言い方で言われるとちょっとビックリしちゃうのに、醤油業界の皆さんは、当時から研究と冒険を重ねてきたということですね。
100%オーガニックにこだわる久兵衛さんはこのアミノ酸液は、完全NG。
確かに天然醸造、完全オーガニックのお醤油は美味しいですが、これからの世界恐慌、第二次世界大戦は乗り越えられないよね…。
今の時代ならすごくブランドになるのに…。
久兵衛さん、稼ぐためのアミノ酸液導入しつつ、フラッグシップとして天然醸造も続けるっていう両方ありって考えは無いの?
その考え方もバブル以降なのでしょかね…?
河原畑は久兵衛に律子との結婚を申し出
さっそく河原畑は画家の沖田に付き添ってもらって久兵衛さんに律子との結婚をお願いに来ました。
沖田に付き添って貰って頑張って律子さんとの結婚をお願いする河原畑ですが…けんもほろろ。
結局、お笑いパートに持って行かれてました~。
トホホな河原畑さんに同情www
沖田さん役、「リンゴをかじると血が出ませんか?」の、デンターライオンのあの人ですよね?
福田豊土さん。
懐かしい。
この沖田の間が面白過ぎwww
河原畑のことは可愛いから一応応援してるけど、もうどこから見ても無理ゲーってとうにお見通しで…。
久兵衛さんにも、こんな忙しい時にこんなしょーもない件で…って恐縮。
汗汗汗…爆
そんな沖田さんの横で人生の大一番を掛けようと緊張の面持ちの河原畑。
このコントラストに爆
河原畑、緊張で汗かいてる…www
河原畑が律子のことを好きだったとうに分かっているのに全く相手にしない久兵衛さんの様子をいて
「やっぱりこれダメだよ、河原畑君」
が笑えたーーー!
律子を嫁にしたくないなら、婿入りすると平気で言う勘違いの河原畑。
久兵衛さん、惣吉さんに対しては即座に入兆に入ればかをるとの結婚はOKと言ったのと対比。
久兵衛さん、惣吉さんのことは漁師でさえなければ一目見て気に入っていたのねとつくづく。
最期に天然醸造にアミノ酸ぶち込むのと一緒って言われちゃうしwww
津川雅彦さん、福田豊土さん、石丸謙二郎さんの三人の息がピッタリ。
三人の仕草とか、間合いとか、すごくよく作り込んであるなあとも感心。
短いけど極上のコメディを見せて貰った気分!
千代の遺言に涙
かをると惣吉は千代の見舞いに。
こうやってキチンと着物を着ると惣吉さん、ますますイケメンで。
かをる、自慢の旦那様よねえ~!
かをると惣吉の並ぶ姿は、本当に爽やかで素敵な若夫婦といった感じで惚れ惚れしてしまいます。
千代さん、前にかをるが結婚の報告に来た時は「やっぱり心配」と言っていましたが、その不安も消えたようで。
惣吉さんを一目見て「頼もしい若者やよ」と。
うん、私もそう思う。
見るからに頼もしいわよ、惣吉さん。
漁師といっても網元ですからね。
恥ずかしくないお家柄。
毎度言ってるけど、そのプリンスらしき風格を惣吉さんにキチンと感じるのがスゴイ。
川野太郎さん、イケメンだけど、ただイケメンだけじゃコレは表現しきれないもんね。
プリンスオーラをきちんと纏っていて素晴らしいです。
その立ち姿に惚れ惚れしながら、姿勢や立ち振る舞いを細かに研究したんだろうなあ~と感心してしまいます。
んで、千代さん、惣吉さんとかをるを祝福し、励ましてくれました。
義理の娘、恋敵である妾のるいの娘であるかをるにこんなに優しいことを言ってくれて…涙。
千代、惣吉、かをる…お互いに感謝し合っての、思いやりのある言葉のやりとりが…胸にしみて、うるうる。
そして、千代からるいからの遺言!
自分の死後るいを正妻にと!
千代さん、るいさんに対して友情のようなものも感じられたというこですね。
千代さんがここまでの心境なったのも、るいさんの誠実さのおかげ!
そしてその誠実なるいさんの娘かをるは、爽やか男子の惣吉さんをゲット。
そんなところもムリなくつながってる。
吉武家に帰ると、新しい船の件で揉め事が。
契約した船が当初の金額より高額になると。
結婚式、葬式と続いてスッカラカンの吉武家ですが。
どうするんだろ…?汗
入兆にはお金が無いし…。
入兆も不景気が本格化、さらに吉武家も…と今度はお金の心配でハラハラされられるのね…。