【澪つくし】感想・レビュー 第57話 かをる逮捕される

『澪つくし』あらすじ(ネタバレ)第57話

律子に使いを頼まれたかをるは、飯沼観音にある「零人舎」を訪ねた。
ドアが開くと、そこには刑事が。
かをるは水橋と共に警察に捕まってしまう。

 

警察はかをるを厳しく取り調べ。
かをるは事の次第をよく飲み込めないながらも律子の名前だけは出すまいと決心。
届けようとした金は、見たこともない人に頼まれたものだと言い続けた。

 

入兆では朝からかをるの姿が見えないことが騒動に。
久兵衛が心配していると、店に警察がやってきた。
警察は水橋を検挙したこと、そして水橋に120円の大金を届けに来たかをるも同時に検挙したことを告げた。

120円の金額は、律子の絵を買い取った金額と同じ。
久兵衛はその金額を聞いてすべてを察した。

 

警察が帰った後、久兵衛はすぐさま律子の部屋へ。
かをるにお金を届けさせたかどうかを確認すると、律子はそうだと認めた。

久兵衛は律子が水橋とまだつながっていたことに愕然。
かをるが犠牲になった、水橋と律子の関係が表ざたになれば入兆の恥と激高。
かをるが拷問にかけられるかもと心配する久兵衛に、律子が姉に頼まれたと言えばいいと言い返すと久兵衛はとうとう律子の頬を平手打ち。

かをるは金の出どころも律子の名前も話さず、全てを自分が被ろうとしているのだと久兵衛が話すと、さすがの律子も黙り込んだ。

久兵衛は金輪際勝手な行動は許さないと律子に言い渡した。

かをるは一切口を割らないまま。
律子と水橋の愛の絆を断ち切ってはならないという気持ちだけに支配されていた。
しかしその一方で、このことを惣吉に知られたらどう思われるだろうと不安でいっぱいだった。

 

るいはすっかり憔悴。
これではお嫁に行くどころか、町も歩けなくなる。
どうにか助けてほしいと涙ながらに久兵衛に訴えた。

 

警察当局はこの事件に関する報道一切禁止。
しかし噂は口から口へと伝えられた…。

 

 

 

 

 

昭和3年3月15日は何の日?

いきなりナレーションで昭和3年3月15日と具体的な日付を言っていたので何の日か調べてみました。

3.15(さん・いちご)事件というものがあったようです。
日本共産党員を全国的に検挙した事件。
検挙した人数は1500人以上に及んだそうです。
起訴されたのは483人。
(ウィキペディア『三・一五事件』、コトバンク『三・一五事件』)

まさに言論弾圧ですね。
知らなかったわー。

そして同年6月には治安維持法が改正され最高刑に死刑と無期懲役が追加されたそうで…。
水橋さん、大丈夫かしら?

そしてかをるも…。

 

ハードな事情聴取にも口を割らないかをる

律子に使いを頼まれたとき、わけもなく震えが止まらなかったかをるですが、その予感は的中。
かをるは三・一五事件に巻き込まれて警察に検挙されてしまいます。

 

かをるはわけが分からないながらも、律子の名前だけは出さないことを決意。
さすが、海底火山かをる!
一見優しく穏やかだけど芯は強い!
度胸が座っています。
惣吉さんが惚れただけのことがあるわね。
将来漁師の妻も何とか務まりそう。

沢口靖子さん、今でも淡々としたセリフの言い方をするところがありますが、その言い方のおかげで取り調べシーンに緊迫感が感じられていいわ。

 

しかし、かをるさん、断固として口を割らないと心に決めているのは、律子と水橋の“愛の絆”を守るためだそうでwww
普通なら、まず律子の逮捕と入兆の看板に泥を塗ることが心配にならない?www
見ているこっちは、そっちの方が心配でハラハラしてたよ?笑
こんな壮絶なシチュエーションでもかをるたんの頭の中は恋愛お花畑www

 

ところで本日のラストシーン、取調室?から出てきたかをる、調べを受けて疲れ果てた表情が…すごくリアルでハッとしてしまいました。
こんな表情できるんだー!と。
すでに棒じゃないじゃん!

沢口靖子さん、演技がみるみる上達していますー!

 

久兵衛さん、激おこ!さすがに久兵衛に同情

今日の久兵衛さんにはさすがに同情。
律子が水橋とまだつながっていたと分かり愕然(ちょっと甘い気はするけど。お父さんってそんなもんか)。
その上かをるが警察に捕まったとは!

かをるを救出しようと正直に事実を話せば律子が監獄だし。
律子を守れば、かをるが濡れ衣着せられたまま…。

入兆のことを考えても、正直を言って逮捕者2人になってしまうのは…。
でもかをるを救わないと…!

 

どっちにどう転んでも地獄…。
全く身動き取れないじゃん。
あー…ジェームス、意地悪だこと…。

 

当時の思想犯と言ったら…周りに完全に引かれるもんねえ。

しかも自分の娘、律子が思想犯と確定したなんて。
前々から大学にやったせいで変な思想かぶれになったとぼやいてましたが具体的には危機感無かったもんね。
ってか、娘がまさかと向き合いたくなかったのでしょうけど。

 

久兵衛さん、血管ブチ切れるんじゃないかという勢いで怒ってましたが…その気持ち分かります。
久兵衛さん、頑張ってること、全部、ぜーーーーんぶ台無しだもん。
さすがに今日は久兵衛さんに同情です。

お正月に意気揚々と家族の目標掲げていたのに、3カ月も経たないうちにこんなことになるなんてねえ~!

久兵衛さん、とりあえずは律子を庇ってかをるは放置で弁護士に相談。
それは入兆を守るためでもありますが…。
でもやっぱり律子を甘やかしていることにもなるのよねえ。
そうやって律子さんは結局守られてるだけの、籠の中の人。

 

律子も、さすがに凹む

かをるが水橋に届けようとした金は120円。
当時の価値で言ったら20万円くらいのようですね。

律子がモデルをしてもらった絵を、律子は久兵衛に買い取ってもらい、その金額が120円。
久兵衛さんは警察から120円という金額を聞いて息を呑みます。

律子、沖田さんには絵の代金どうやって支払うつもりだったのかしら?
久兵衛は買ってくれなかったってことにするつもりだった?

律子さん、とにかく大金を目の前にすると、速攻で水橋に貢ぐ体質になってる?
それ依存症じゃん…。
まさに洗脳。
まさにカルト。

当時の社会主義は必ずしもカルトではないと思います。
政府も弾圧していたわけだし。
でも…律子さんのやり方はカルトでしかないわねえ。
そしてついつい中の人のことも重なっちゃうーwww。

 

律子さん、社会主義活動に参加しているつもりだろうけど、結局は久兵衛さんにたかってるだけ。
でも彼女の中では、資本家から悪いお金を取ってやったという正義?

 

それと律子さん、社会主義者なのに小浜を始め、労働者に親切じゃない。
本気だったら広敷の連中の意識改革に日々努めるべき。
なのにそれもやらずに離れでピアノ弾いて紅茶を飲んでお高く留まっているだけ。
まあ、広敷の連中もたいがいだけど笑

律子さん、賢過ぎて机上の空論でしかないのよね…残念ながら。

この前の、全てお膳立てのピアノリサイタルの画が皮肉に重なってきます。

 

 

るいはかをるの検挙にパニック

るいさん、泣いて久兵衛さんに訴えていました。

いいところに嫁入りできると入兆に預けたのに、おかげで嫁入りどころか町を歩けないようになってしまうと!

そうよねーるいさんにしてみれば、ドえらい玉の輿案件を台無しにされた上でのコレだから!
かをるは、この前の見合いで傷ものと呼ばれ、その上今度は思想犯だからっ!!
当時にすれば最大級の屈辱2パターンの罪をおっ被せられたことに。

しかも毎度、律子の仕業で…!

るいさんとしてははらわた煮えくりかえること必至。

 

そしてねえ~コレ、ジェームスだから全てフラグなんだろうねえ~!

かをる、町を歩けなくなるってことぉ!(;_;)
酷いよ、どーしてくれるのさあ…。

そして、かをるが一番心配している、惣吉に伝わったらどう思われるかということも!
惣吉は信じてくれるとしても、周りの圧が一層強くなるわねえ、きっと…涙

醤油屋vs漁師の構図をかをると惣吉のせいにした上に、さらにかをるの信用を失墜させるとは…。
どんどん結婚に不利になっていくじゃん!
ジェームス、どこまで堕とす気よぉ!ジェームス!