【『澪つくし』感想・ネタバレ】第7話(第2週) かをると律子の君が浜デート

【澪つくし】第7話 あらすじネタバレ

 

お正月に入兆で会った律子は、冷たく自分を見下しているようだとかをるは思った。

元々入兆に引き取られることに気が進まないかをるは
なおさら入兆に入ることに自信が無くなっていた。

 

ある日、律子が突然古川家を訪れる。
翌日東京に帰るという律子は、一緒に散歩をしようとかをるを誘った。

 

その日の律子は前とは別人のように朗らか。
かをるはキツネにつままれたような気持ちになった。

 

一方、古川の家にはカンカンに怒った久兵衛が律子を捜しに来た。
律子はお見合いをすっぽかしてかをるを誘いに来たのだ。

 

かをると律子は君が浜の海辺で散歩。
律子はかをるに久兵衛をどう思っているのかと問いかけた。

律子は、ああいう経営者は抹殺されるべきだと言う。
汗水たらして働く労働者を安い賃金で働かせ、
自分は贅沢をしている父のような経営者は滅びるべきだと。

律子の話に驚いたかをるは
久兵衛を憎んでいるのかと聞くが
律子は
「憎んではいない。むしろ愛している」
と。
父親としての存在と社会的存在とは別なのだと。

資本主義は終わり昭和と共に新しい時代が来るのだと律子は言った。

 

銚子の駅に降り立つと、
ヤクザ者に追われ泣き叫びながら逃げ惑う女たちが律子とかをるにすがって来た。
廓から足抜きしようとした者たちだった。

 

ヤクザ者に捕われ乱暴を受ける女達。律子は
「乱暴しないで!女を殴るなんて卑怯よ」
と啖呵を切った。

 

ヤクザ者は逆ギレ矛先が律子とかをるに向こうとしたところに、
「ラッパの弥太郎」と名乗る流れ者風の男が。
威勢よくケンカに受けて立ったが殴られまくりであっという間に負け。

 

律子はこの一件を受けて、
女は男の奴隷じゃない!
女が自由を奪われ酷い目に遭うのも貧しさのせいだ、
世の中を変えなくてはいけないと力説。

 

 

日が暮れて、かをると律子が入兆に戻ると、
手代の小畑と神山が、久兵衛が律子に怒り心頭だと慌てて忠告。

久兵衛が怒っていると聞いて面白そうに笑う律子。

かをるは態度がくるくると変わる律子に戸惑いを覚えていた。

 

 

【澪つくし】第7話 感想

醤油醸造についてのナレーションが見事!

 

冒頭は入兆の歴史と醤油の製造方法についての説明。

こんなにお醤油の作り方をきちんと説明してもらえるとは!
お醤油工場の見学させて貰ってるみたいで見応えもあり、興味深い。

このドラマは、前回の歴史的背景についてのナレーションもそうでしたが、
この今回の銚子の歴史と醤油の醸造法と言い、説明シーンが実に見事で分かりやすい。

そして、それによりドラマの品格も上がってますね~。

 

パンのように餅を食べるかをる!

 

醤油の話の次は古川家のシーン。

伯父清次を迎え、こたつでお餅を食べるかをる達に切り替わりましたが、
かをるはいきなり餅を引っ張ってちぎってから口に入れてたっ!

パンをお行儀よく食べるみたいな感じでお餅を食べてる!

普通、お餅ってパクッとくわえて食べるよね?
ちぎろうとするとビニョーンってなって手がベタベタになっちゃうし。

見ると、伯父さんの清次さんはパクッとくわえて普通に食べてる。

 

きっと沢口靖子さんが食べる演技慣れてないから、ちぎって食べることにしたのかな?
確かに演技しながらお餅食べるってかなり大変だもの。
すごく緊張しているだろうし。

 

かをると律子の海辺デートの会話にワクワク

 

かをるが入兆で律子さんに挨拶したとき冷たくされてショックだった話を清次に話していると
なんと律子さんが直接古川家を訪ねて来た!

 

おお!麗しいモガ淳子さん!
今日もまたお会いできるのねーーー!

 

君が浜で二人は海辺デート。
怖いと思っていた律子さんは、意外と朗らかで優しい。

美しい、憧れのお姉さまとの楽しい会話。
いいなあ~。

ナナコロビヤオキも10代の頃、
東京の大学に通う、親戚や知り合いの家のお姉様が家に遊びに来てくれたりすると、
憧れもあって、ワクワクしながらお話ししたのを思い出しますー。

 

かをるは律子に君が浜や銚子にゆかりのある作家の話をします。

かおるが、君が浜で竹久夢二は『宵待ち草』のモデルとなった長谷川カタさんと出会ったと話すと、
律子さんは
「今でも恋愛関係が続いているのかしら~♪」
「こういう風景には情熱的なロマンスがよく似合うわ!」
とビビッドに反応してくれる。
さすがオシャレなお姉さま!
こんな女子トーク、いいなあ~憧れる~。

 

「恋愛関係が続いてる」なんて!
「情熱的なロマンス」なんて!
そんな言葉の数々、
当時にしたら最先端!自由で都会的な響きを感じただろうー!!

今見ているナナコロビヤオキも、
いかにもあの時代のハイカラさんの会話をまんま聞いてるみたいでワクワクしてたまらない!
悶絶…!!1

 

この会話、
女学生のかをるにとっても、たまらなく新鮮で刺激的だったでしょうね。

 

るいさん、ツエさんとはそんな会話するはず無いし
先生方の前でそんな言葉口にしたら謹慎処分食らうの確定だろうし、
仲良しの由岐ちゃん、みずえちゃんは同じくうぶだから、興味が合ってもネタが無い。

律子さんとの話しは、もうかをるにはワクワクだったでしょう!

ナナコロビヤオキも中高生だった頃、
年の離れたお姉様方とお話するのがすごく楽しかったのは、
そんな感じに都会の空気を感じさせて貰えたからだったんだと思い出したわー。

 

 

かをるは竹久夢二のエピソードに続き、
銚子出身で有名な作家を紹介。

国木田独歩、若山牧水、佐藤春夫、尾崎紅葉、田山花袋…
次々と名前が挙がります。
近代文学の香りプンプンでたまらなーい!

かをるさん、さすが名門銚子高女の女学生!
よく知ってる。
律子さんにも褒められて嬉しそうな笑顔が超可愛い!

 

でもこれ、当時のトレンドアーティストについての話ってことよね。
今でいうと、
米津玄師が!サカナクションが…!って話してるのと同じことかな。笑

 

しかし律子さん、相当な最先端のマインドをお持ちで
父・久兵衛のことを、
「抹殺されるべき」
とバッサリ。

 

かをるが驚いて父親が憎いのかと聞くと、律子さんは
「むしろ愛しているわね」
「父親としての存在と、経営者としての存在とは違うのよ」
と。

さすがに銚子の田舎育ち、ねんねのかをるには
ここまでくると複雑すぎてキャパオーバーだった(笑)

 

律子さん、はプロレタリア思想

 

律子さん、要するにプロレタリア思想の方なのね。

大正時代は、プロレタリア文学が流行ったから。
そこからの共産主義思想。
当時はとっても最先端でインテリな香り漂うものだった。

今に言い替えたら
米津玄師やサカナクションが平等主義を唱えてたからハマっちゃったって感じ?

 

プロレタリア思想の人物、
大正~昭和初期のドラマには必ずと言っていいほど出てきますね。

『おしん』でも浩太やお加代様がそうでしたが、
個人的には、
このプロレタリア思想のキャラ、
すごーーーくたまらなく大好きで。

出て来たそれだけでドラマが好きになっちゃうくらい好き。

 

小学生くらいの頃からかな?
大正、昭和時代のドラマでプロレタリアートな人たちが出ると、
なんともいえないせつなさを感じたり、
危険な匂いやらを感じて
心がざわついた記憶があって。
それがクセになってる…www

プロレタリア思想に究極の純粋さを感じたから?
なぜだか妙に惹きつけられて、
思春期に差し掛かった当時の自分の心に刺さりまくりでした。

まあ、プロレタリア思想そのものも、歴史的に思春期だもんね…。

 

それと、小学生の時に『はいからさんが通る』に夢中になったのもあるからかも。
おかげで大正ロマンにすごく憧れてたから。

 

だから今回の、
竹久夢二に始まって国木田独歩、若山牧水…等と近代文学の名前が続々と出て来たり、
律子さんが福沢諭吉の言葉を引き合いに自由平等を語ったり…
というくだりは、
もうナナコロビヤオキにとっては憧れだし、懐かしさで一杯だし、
最近のドラマにはこういうの無かったよねと新鮮だしで
もうもう心はくぎ付け!
ツボはまりでしたねー。

 

『おしん』でも
浩太の存在、出て来た途端に一目惚れしちゃたんだよなあ。
お加代様の生き方にも胸をキューとしめつけられたし。

なんだろう、最近はこういった出て来た途端に
その存在自体に心をわしづかみにされるキャラってあまり無い気がする。
それは自分の感性が鈍ったからなのか?
俳優さんのオーラの違いか?
脚本の違いか…???

 

というわけで今回も、個人的にも律子さんにすっかり夢中!
演じる桜田淳子さんの孤高の美しさもイメージにピッタリだし。

 

ちなみに、このプロレタリア思想、
当時、最も最先端でインテリな思想だっただけあって
その思想を強く訴える人々は富裕層の若者だったのよね~。
自由平等を訴えながら、
律子さんは最先端で最高級のファッションをしているし、
浩太は仕送りしてもらう脛かじりだった…。
なんとも皮肉。

そして、そんな実情もしっかり描写する脚本力!!
スキが無い!さすが!

 

ちなみに律子さん、平等を愛するなら柴田恭兵ににもっと優しくしてあげてwww

 

気高く美しい律子は、その後お加代様のように苦難の人生を辿るのでしょうか…?
今後の展開にも目が離せません。

 

今日の初登場キャストは明石家さんま!

今日は明石家さんまが出てきました!

 

さんま、あの頃ドラマにもよく出演してたねー。
『男女七人恋物語』はこの1年後くらいだよね。

 

さんま、威勢よくかをる達をかばってヤクザにケンカ売ってたけど
殴られまくってあっという間に倒れて終わり。
やっぱりさんまでした。

 

さんまさん、演技頑張ってるとは思うけど、
周りがまじでプロの俳優さん達だから芸人さんまとはオーラが断然違う!

そして脇を固めている名もなき役者さんたちも
演者としての所作が身に着いてるから
さんまだけは、「あ!明石家さんま!」って分かっちゃう(笑)

芸人と役者さん、
同じプロでも仕事ぶりの違いを感じてしまいますー。

 

 

 

 

 

『澪つくし』

 

作…ジェームス三木

 

音楽…池辺晋一郎

演奏…東京コンサーツ

 

【出演】

古川かをる…沢口靖子

坂東律子…桜田淳子

梅木健作…柴田恭兵

弥太郎…明石家さんま

 

小畑兵造…高品格

神山平六…牟田悌三

 

古川清次…寺田農

馬場ツエ…鷲尾真知子

 

小浜…村田雄浩

竹田…葛西和雄

赤川…吉村直

 

猪熊…高野嗣郎

今西…加藤善博

野呂…須和田聡

 

下村享司

西巻映子

小山由美子

竹田寿郎

 

寺田純子

村井京子

及川以造

辻三太郎

 

鳳プロ

 

古川るい…加賀まりこ

坂東久兵衛…津川雅彦