NHK朝ドラ『なつぞら』感想 第1週 感想「なつよ、ここが十勝だ」なつは日本版ハイジか現代版おしん

『なつぞら』 第1週(第1回~第6回) あらすじ

 

昭和21年夏。
柴田剛男に連れられて9歳の奥原なつは東京から北海道十勝にやってきた。

 

なつは戦死した剛男の戦友の娘。
どちらかが戦死したら生き残った方が家族への手紙を届ける約束を交わしていた。
剛男はその約束を果たそうと戦地から戻るとまず戦友の家のある東京へ。

しかし、東京は空襲を受けて焼け野原。
剛男は、浮浪児をしていた娘なつを引き取り自分の家のある十勝に連れて来たのだ。

 

いきなり見ず知らずの女の子を引き取ってきたと言われて妻の富士子は動揺するも、
「一人ぐらい増えても何とかなる。だって可哀想だもんね」
と受け入れるが、富士子の父、泰樹は冷たい対応。

 

剛男息子の照男、娘の夕見子は
戦地から帰るなり、
自分たちのことよりなつを気遣う剛男と富士子に不機嫌。
特になつと同い年の夕見子は、なつに自分の洋服を譲ってあげてと言われて怒り心頭。

自分がいるだけで家族の雰囲気がぎくしゃくすることにいたたまれなくなったなつは
「働かせてください!」
と言い出した。
すると、泰樹は
「いい覚悟だ。それでこそ赤の他人じゃ!」
と牛の世話を手伝いをさせることに。

学校に行かせてあげないと、幼い子供には重労働過ぎると案じる富士子に対しても
「学校なんか体が壊れたら行けばいい」
と泰樹は取り合わない。

 

次の日から早朝に起き、一生懸命牛の世話の手伝いをするなつ。

なつの頑張りを泰樹は認め、
「よく仕事を頑張った。お前ならやって行ける。人は他人をあてにするようなヤツを助けたりはせん。自分を信じて働く者を人は助ける」
泰樹はなつにこの十勝で堂々と生きて行くようにとエールを送る。
泰樹となつは次第に心を通わせるように。

泰樹はなつに学校に行くことを許可。

夕見子も剛男から
「なつに夕見子が重なって放っておけなかった」
となつを引き取ったときのことを聞かされてから次第になつを受け入れるように。

 

なつは少しずつ十勝に慣れて行く一方、は離れ離れになった兄咲太郎と妹千遥のことが気になって仕方が無い。

なつは咲太郎宛に手紙を書いてみたが、返事は一向に来ない。
兄からの手紙を待ちわびるなつは、ある朝、思い立って柴田家を出る。

 

 

『なつぞら』 第1週(第1回~第6回) 感想

意外に『まんぷく』ロスなナナコロビヤオキですー。
楽しみつつも冷静な目で見ていたつもりですが、まんぷくロスが結構ある。

朝ドラって、最終回後、日曜日の1日空くだけですぐ次のドラマが始まりますが
これって、結構酷ですよねー。
見る側にとっても演る側にとっても。
前作の空気感に引っ張られて、なかなか気持ちの切り替えが難しい。

前作ロスから単純に批判的な見方をしちゃうこともあるし。
その結果いいところ見落としちゃったりしがちー。
新作に素直に入り込めないこと自体にストレスを感じることもあるし。

 

ただ『まんぷく』のスタートは、1日置くだけのスタートでとても助かりましたがね。
前作の気分をサッサとクリアしたかったので。

 

朝ドラのスタートってそういうものなので、
今回は極力フラットな気持ちで見ようと思って見てましたが、
なかなかまんぷくからの切り替えが難しいなあと。
高瀬アナもラーメンから牛乳への切り替わり時期みたいなこと言ってたしね(笑)。
ということで、この1週目はウォーミングアップってことで、ゆうるりと見ていました。

 

NHKさんも、そのストレスをよーく察してらっさるようで~
まんぷく終わる前から、なつぞらの宣伝をガンガンやってましたよねー。

しかし、悪いけどアレはナナコロビヤオキにとっては逆効果で。
おかげで始まる前からお腹いっぱいになっちゃったよ…汗。

しかも今回は朝ドラの記念すべき100作ってことで、
番宣からNHKさん相当気負ってるなあということをすごーい感じて
その熱気に当てられてしまい…。

なるほどー記念すべき朝ドラ100作目は絶対にコケられないぞお!
ってことで設定から凝るぞー映像美を追求するぞー!
となると北海道の大自然を撮るぞー!
そしてキャストは若者代表で演技力も評価の高い広瀬すずで確実にいくぞー!

ってことなのかなー。
壮大な自然って言うと、北の国からになるのかー。
NHK版の北の国からを作るーってなったのかあ~。
でもそれ、お約束過ぎない?
優等生すぎじゃない?
っていうのが番宣を見た時の印象…。

番宣見てお腹いっぱいになって本篇見る前に脱落した人もいたんでない??(笑)

 

 

まあ、そんな先入観はさておき、実際に見てみた感想について。
一週間見て、ところどころ気になるところ、違和感を感じたところもありましたが、
番宣の印象よりは見られそうです(笑)。
そして違和感に感じた物事も、話が進むにつれて伏線だったとか
ドラマとしての必然だったのかと納得して行くことも多そうだなあ…と。

 

まずは、いきなりテーマ曲から完全なアニメーションだったのにはビックリ。
まるでハイジ?
アニメの女の子が動物達と並んでニッコリの決めポーズ、
まるでカルピスお子様劇場かと思いましたー。
懐かしいー。
本気でハイジが始まるかと思ったよお!(笑)

これを斬新と評価する人も多いのかな?
自分的にはいきなりのアニメにちょっと違和感。

アニメーターを目指す女の子が主人公だから当然かもですが。
そして子供やアニオタ層を取り込む目的なのかもですが、
ここまでアニメ尽くしじゃなくてもいいかなあと。
アニオタ層にそこまで下手に出なくてもなあ~と思っちゃいました。

トップの空襲のシーンも、アニメでふんわり表現という目的だったのでしょうが、
テーマ曲に引き続きこれもアニメだったから一層ね。

そう思っちゃうナナコロビヤオキはもう年寄りってことなのかもしれませんが…。

ただ、このドラマが進んで行って、
なつのアニメーターのお仕事ぶりが見えてくると、
このトップシーンを敢えてアニメにしたことに感動が沸き起こるかもしれないなあ…とも。

 

 

ドラマ全体の雰囲気は、
番宣見た時点では、おいおい『北の国から』やるか…と思ってましたが、
『北の国から』よりは、日本版ハイジか、おしん現代バージョンってことみたいね(笑)。
朝ドラだし『北の国から』よりハイジでよかった。

ナナコロビヤオキ、非国民かもしれませんが『北の国から』余り好みじゃないの。
脚本そのものは素晴らしいと思いますが、結構重いもんね。
番宣で引いちゃったのは、単純に北の国からのイメージが重なった、個人的な好みからかも。

 

BSでやってるおしんも同時に見てますが、
現代でおしんのような身寄りのない子の設定のドラマを作ろうとしたら
こんな感じなのかなあ…とハイジを重ねると同時に思いながら見ています。

 

ハイジと言えば、泰樹=草刈正雄さんは、まんまおんじですね。
草刈正雄さん、初登場の際いきなり西部劇が始まるかと思ったー。
帯広の闇市でのシーンは、泰樹さんが立っただけで、いきなりアメリカ西部の街となり(笑)。
茶化しているワケではないですが、
これ見て草刈正雄って本気でカッコいいんだなあ~とつくづく思いました。

 

しかし、アイスクリームを食べながらの泰樹さんのセリフは心に刺さりました。
努力しても報われないなら、やり方が間違ってるか、組織が間違ってるか。
その場所が自分に合わないと思ったらそこから離れればいい。
堂々と自分の思う仕事を自信を持ってやりなさい、という内容のセリフ。

これ、ちょうど4月だし、
新生活の緊張と不安でガチガチになっている者たちに贈るエールよねえ。
我が家は子どもたちも大学、中学と新入生だし自分も新しい仕事を始めたところなので
心強い言葉だなあと。
ウルッと来ました。

 

しかしおんじは、あっという間になつに取り込まれたな。
当初はかなり強固かと思ったけど
第一週のうちに、しかも3日目であっさりと陥落。
ハイジのおんじはもうちょっと頑なだった気がするけど。
ハイジは週一だったからそう感じてるだけかな?
おんじがハイジに冷たいままだったら
第2話以降話が進まないもんね…(笑)

 

富士子さん、松島菜々子は、開拓者の家の娘にしたら、妙に小奇麗で生活感がなく…。
あの小奇麗さ、髪も一切乱れぬままで、あれだけの大量のご飯をガンガンに作れるか??
と少々違和感。

 

剛男と富士子の優しさは、泰樹さんとの対比として表してるのでしょうけど、
やたらになつに優し過ぎるのが見ていてちょっとイライラ来ますねー。

これじゃあ夕見子と照男は不満に思うのは当然よね。
博愛主義はいいけど、それによって一番大切な人を蔑ろにしてしまうパターンの典型。
この夫婦の痛いところ、ということかな~。

 

それにしても、夕見子も照男もなぜ家業の酪農をお手伝いしない?
おんじも厳しそうな割に、なぜ二人にお手伝いを要求しない?

このあたり、このドラマの突っ込みどころとして違和感に感じて見てましたが、
一週間終わってみるとこれも何か伏線ようだなあと。

夕見子がお勉強してたら剛男さんが、
自分も労働より勉強の方が好きだから似てると言って喜んでたし。
さきほどHPを見ましたが、登場人物紹介のページで剛男さんは工場の作業服みたいなのを着てました…。
剛男さんは本来別のお仕事をしている人なのかも?
ということは、妙に小奇麗な菜々子というのも、ただの設定の甘さではなく理由が…??

 

しかし、なつをはじめ、照男くんも夕見子ちゃんも…子役は皆上手!
明美ちゃんも、まだ幼いのに頑張って演技。可愛いし。
さすがNHK、子タレのレベル相変わらず高いと感心。
夕見子ちゃん役の子は、とってもキレイなお顔をしていいますね。
表情も素晴らしいし、将来有望かと。

そして牛さんの演技もすごい!

 

今作の脚本家 大森寿美男さんの作品はてるてる家族しかまともに見ていませんが、
でも大好きでしたー。
大きな事件はなくとも登場人物が丁寧に描かれていて、
ほんわか明るく優しい雰囲気が好きでした。

あの作風からすると、ストーリーが進むにつれて登場人物の味がじわじわじわ~と感じられるようになるんだろうなあ~と期待しています。