NHK朝ドラ『まんぷく』感想 第61回(第11週)「萬平印のダネイホン!」 立花塩業→立花栄養食品へ

『まんぷく』第61回( 12月10日)あらすじ

※ネタバレ含みます。

萬平たちは無事に釈放され戻ってきた。
しかしその喜びもつかの間、専売局から当面取引停止との電話が。
無実と分かり無罪放免になったとはいえ、新聞沙汰になり世間を騒がせた事実は信用にかかわると。

そこで福子はダネイホン一本に絞るべきではないのかと提案。

皆がいない間に鉄板も大窯も錆だらけになってしまっていた。
これらのメンテに労力を掛け生産再開したところで、いつ塩を納品できるかメドも立たない。また塩は多くの業者が生産しているがダネイホンは立花塩業のオリジナル商品。
そして塩生産は天候に左右されるが、ダネイホンは天候に関係なく生産できる。

ならばダネイホンに集中し、全国展開を図ってみてはどうかいうのが福子のアイデア。

塩の買い取り価格には条件があるが、ダネイホンは価格も自分たちで決めることができると、真一さんも福子のアイデアに賛成。
しかし鈴は、せっかくここまでやってきてなぜそう簡単にやめると、いつもの鈴節で反対。
ただ萬平も、「立花塩業」と社名に“塩”を入れてしまっているのに塩を簡単にやめてしまっていいものかと躊躇。

 

そこへ克子、忠彦、タカがやってきた。
忠彦は鈴の肖像画が完成したとプレゼント。
鈴は大喜び。

 

自分の肖像画を咲の遺影に見せて語りかける鈴に、
真一は、咲はきっと
「観音様だったら皆のことを見守ってあげて。塩作りはもうやめましょう」
と言っているはずだと鈴を説得。

そして福子は萬平に
「萬平さんは発明家です。塩は誰もが作れるけれど、ダネイホンは今まで世の中に無かった物。本当の発明品です」
「辛い思いをしている人たちは日本中にいますよ」
と萬平を後押し。

そして萬平は塩作りをやめてダネイホンに専念することを宣言。
社名も立花塩業から立花栄養食品に変更した。

 

『まんぷく』第61( 12月10日)感想

やっぱり平和な話がいいですねえ~。

しかし今日はちょっと安直??
塩作りをやめてダネイホン一本に絞るの決断は、
一見もめるのかと思わせておきながら案外すんなり行っちゃいました。

 

インスタントラーメンに辿りつくためには、もうちっと急ぎ足で行かないとダメだから?
だったら鈴さんに「ダメ!」とかいちいちゴネさせる必要はないかなあと思っちゃいました。
それと、ここを急ぎ足にするなら先週の進駐軍のくだりを半分にすればよかった?とも。

鈴さんの「ダメ!」も、
萬平さん立花“塩業”への躊躇も

  • 鈴さん→真一さん
  • 福ちゃん→萬平さん

で言うだけで解決だし。
いくらなんでも、真一さんの「咲ならこう言ってる」って仮定の話しだけで鈴さんを納得させちゃうのはちょっと鈴さんを舐め過ぎじゃないかなあとも。
ちょっともったいない気がしました。

ナナコロビヤオキ的には、逮捕され生きて帰れるかどうかのハラハラよりも、
こっちのモメモメの方が見たかったので。

 

それにしても萬平さんも鈴さんの扱いが上手くなってた。
福ちゃんも褒めてましたが。
でも、それは慣れただけではなく、鈴さんの面倒くささに喜びを実感しているところもあるんだろうなあと思いながら見てました。
ああ良かった!この面倒くさいのまた聞けてる!懐かしいって。
何気ないセリフ、ちょっとした笑いどころですが、それさえも意味深いってことですかね。

 

そして忠彦さんってば、鈴さんの肖像画を持ってきてホメるし。
萬平さんも、真一さんも肖像画の鈴さんはまるで観音様のようだと賛美して。
忠彦さんも、
「その通りです。僕はお母さんを皆を見守る観音様のイメージで描いたんです」
と三人婿揃って鈴をよいしょしまくり。
素晴らしい三婿を持って鈴さん幸せ!
あなたの三人娘、つくづく男運悪く無いですよぉ!

でもね、ここで鈴さんが憎めないし、素敵だなあと思えるのは、
鈴さん、絵を見て
「なんて素敵な!」
って心から素直に喜んでくれるし、
「ありがとう、忠彦さん」
って忠彦さんの方を向いて、きちんと心をこめてお礼の気持ちを伝えるところ!

鈴さん、なんだかんだ言ってるけど、上下関係気にしたり奢り高ぶるところないのよ。
鈴さん、お礼を言うべき時、謝るべきときは目下であってもきちんと挨拶する。
性根はいい意味でブシムスです!
こういった所作って、本当に大切!

まだまだ前作の心の傷が深いみたいで、
このドラマで度々出てくる“きちんとお礼を言う”姿に、
ナナコロビヤオキはいちいちホッとして心が温まっていますー。

 

そして鈴さんには、真一さんが咲なら「お塩作りはもうやめましょう」と言っているはずだと優しく説得されます。
鈴さんを取り込む方法、こういう手があったか…!!
でも鈴さん、さすがに単純に丸めこまれ過ぎ?
…でもそれは真一さんの話し方がホスト気味だったから??

 

さらに、福ちゃんの萬平さんホメホメ呪文も復活。
「お父さんはね、エライ人なのよ。栄養失調で困っている人たちを助けてるんやから」
…って、源ちゃんに語りかける方式も取り入れて、
これまでよりもさらにパワーアップ!
プレッシャー強化!爆

うん…ちょっと怖い気もするけど、これだけ成功する人には、こういった盲信的に賛美し続けてくれる人がそばにいるものなのかもしれません…。

 

福ちゃんは、よく動いてないって批判を受けているようですが、
ナナコロビヤオキはそこまで何もやらないとは思っていません。

ヒロインが必ずしも“動”でストーリーを引っ張る存在でなくてもいいのかなと思ってますし。
そういった意味では萬平さんの行動を照らす“静”の存在として描かれているし、
大きな行動が無いながらも、つまらないとは思わせない安藤さんの演技はすごいと思って見ています。

それに、今日はダネイホンに集中しようと福ちゃんが思いついたし。
福ちゃんは柔軟性ある賢明な人だと認識しているので、なるほどねと思いました。
福ちゃん、ガチャガチャ動いたり、派手にアピールしたりするタイプじゃないけど、
常に本質を見極めている人なのよね。
そして柔らかい感性で固定概念にとらわれずに行動に移せる人。

だから、福ちゃんとしては、
そもそも萬平さんは塩屋さんじゃないでしょ?
塩屋さんは、泉大津に来たときにどう生計立てようかってことで始めただけよ。
上手いこと軌道に乗ったけど、萬平さんがやりたいのは発明でしょ?
ってことを、常に忘れずで。
手がけた仕事がどんなに上手いこと行っても初心に戻れる人なのよね、福ちゃん。
これが福ちゃんの偉大さだと思う。

そうよね、今ここで福ちゃんの提案がなく、
スルッとシフトチェンジできなかったら…
萬平さんはダネイホン作りが安定したら、どうせまた新たな開発を思いつくだろうし
そしたら、それこそやたらに人手がかかる塩作りは足手まといになってしまう。

要するに福ちゃんは、先見の明があるってこと…!

福ちゃんのそういった心のしなやかさが、ドラマからきちんとうかがえるし、
福ちゃんは十分に魅力的な広いんだと思います。

 

ところで、忠彦さんは…
タカちゃんの神部さんとの結婚、安易に許可しちゃったの、後悔してたんだ。
タカちゃん、神部さんとお互いの意志を確認したことも無いのに、
いきなり神部さんに「結婚許してもらえたー!」って言っちゃって。
…結構大胆だなあ!

タカちゃんと神部さんのやりとりを盗み聞きしてショックを受けている忠彦さんの後ろに、
さらにタカちゃんファンクラブの三人がいるかなあと期待したけど…いなかった!
ちょっと残念。
でもここで3人に聞かせちゃうとそっちがメインになっちゃうからいいのか…。

タカちゃんと神部さんの交際を忠彦さんが許す、許さないでひと悶着あるのかなあと期待していましたが、それはとりあえずなさそうですね。
忠彦さんとタカちゃんの葛藤を見たかったと
ちょっと期待外れの感もありましたが、
でも予告によると、神部さんが東京に異動し、別の女子と出会うみたいなので、
このタカちゃんと神部さん、忠彦さん3人のストーリーのメインはそこからってことしょう。

 

今日は言う通り、思惑どおりにすんなり立花栄養食品になりました。
週の始め、導入部でもありますし。
ちょっとこれまでよりも素直すぎた感もあるけど…
このダネイホン展開をこれからどう描くのか、見て見ようと思います。

まあ、ナナコロビヤオキとしては、源ちゃんがパパママを代わる代わる見る、くるくるに眺める姿に、平和が戻ってきたなあと幸せを噛みしめましたー。