NHK朝ドラ『半分、青い。』第72回(第12週)あらすじ&感想 過去ネタのリサイクルをオマージュと言わないでほしい。

『半分、青い。』第72回(6月23日)あらすじ

きみか先生の還暦パーティに律も出席すると聞いた鈴愛は、久々に帰省した。

パーティ当日の朝、鈴愛がパーティで着るつもりだったブランドドレスが、草太の間違いで洗濯機で洗われ台無しに。鈴愛は着る服が無くなりパーティに出られなくなってしまう。

パーティの終了後、鈴愛はきみか先生に会いに行ったが、会場に律はもういなかった。律は今日のうちに京都に帰るとのことで。

鈴愛はきみか先生から、律の所属する研究室がロボット研究で賞を取ったと聞く。律がロボットに携わったのは鈴愛の夢だったから、鈴愛の19歳の七夕の短冊に書いてあったからと聞いたと、きみか先生は鈴愛に話す。

いてもたってもいられなくなった鈴愛は、なおに車を出してもらい、律が出発する夏虫駅に向かう。

夏虫駅に着くと、反対側のホームに律が見えた。

律の名前を呼んだが、入ってくる電車の音にかき消されてしまった。鈴愛は咄嗟にマグマ大使の笛を取り出して吹く。しかし電車が出発した後のホームには、誰もいなかった。

鈴愛が諦めて帰ろうとすると、連絡階段を降り、こちらのホームに来る律がいた。

『半分、青い』第72回(6月23日)感想

…なんか、鈴愛のこと、やっぱりキライ。どーーーしてもキライ!

  • ネームが大変とか言っときながら、律が帰ってが来ると聞くと、何の戸惑いもなく、ちゃっかり帰省しちゃうし。
  • 家族での久々の食事だと言うのに、寝っ転がってサイン書いてるし。
  • 父親にビール持ってこさせるし。
  • 草太には、アンタが大学に行けるように私は大学を譲ったとか恩着せがましいこと言うし。
  • ブランドドレスを台無しにされたと草太にいきなりグーパンチするし。
  • そもそも洗濯機掛けられちゃうようなところにブランド服置きっぱなしにしたのはアンタだし。
  • 何年ぶりかの再会のなおちゃんを、会うなりアッシー扱いするし。
  • 駅のホームで笛ピーピー鳴らすし…。

…24歳の女子だよ、これが! 卯太郎さん、晴さん、どーいう育て方した!?

 

昨日のラストシーンの、律の名前を耳にしてドキッとする鈴愛の表情、そこそこ惹きつけられました。

あんなことがあって別れた律、まだ清とつきあっているかもしれない律、もう会ってはいけない。会うべきではない。…でも、会いたい。

そんな、鈴愛の揺れる気持ちを今日の前半は、見ることができるかな? 胸キュンするかなあ? とわずかな期待を寄せていましたが…。

見事に裏切られましたね。初っ端から。いきなり。

昨日のラストシーンの復習があって星野源の歌が終ると、途端に、実家だし! 鈴愛、寝っ転がってサイン書いてるし。お父ちゃんにビール持ってこさせるし。

あーそうかい、そうかい。分かりましたよ。期待した私が悪うございました。

私が大好きだった頃の、昔の北川悦吏子さんの作品のイメージは、こういったときの、行く行かないの葛藤が非常に繊細に描かれていた覚えがあるのですが。だから期待したのですが!

行く、行かない。…でもやっぱり行く! と決めたけど、そう決まったら決まったで、なかなか上手くいかなくて~…会える? 会えない? すれ違い? でも? あーやっぱりダメ!?

というやりとりが細かく積み上げられていたので、おかげですごく共感したし、入り込めた。胸キュンで、ウルウルジーンと常にしていました。

そうだったのに、北川作品…淋しいわ。

その上、弟にブランド服台無しにされたからって、いきなり弟にグーパンチ。切ないどころかデリカシーゼロの自己中暴力娘でしかなかったし。

鈴愛、ユーコのパーティでカエルのワンピース着てたくせに、還暦パーティでブランド服見せびらかしかい! こっちこそカエルワンピなのでは??

これまでファッションにまるで興味がなかった鈴愛が急にブランド服でパーティに参加っていうのがあまりにも不自然で…。

マンガ家になってブランド服着て見栄張りたいらしい、としか思えませんでしたー。晴さんたちのセリフで律に会うためだとは言ってたけど、律のためだとしても、律に会うためのおめかしというより、バカ高い服着て見せて律に当てつけるつもりかとしか思えなかった。すごく変な服だったし。

でも、そもそも、律には、すごく会いたいけど会っていいものか…という戸惑いがあると思うので、少なくとも普通の常識的な女の子ならそう思うはずなので、こういったあからさまな直球勝負服はなかなか選べないと思います。

ちなみに、グーパンチするほど大切な服なら、お前がちゃんと管理しろ!! と鈴愛に怒鳴る人はこの家族にはいないのでしょうか? どうみても、鈴愛が帰ってきたおかげで楡野家の平和が乱されたとしか思えない。楡野家の人々も持てあます、鈴愛。

あと、北川先生、思いを込めまくったという駅での笛ピーピーのシーン。

これって『愛していると言ってくれ』でしょ?

またまた、自分の過去の栄光の自画自賛。

北川大先生は“オマージュ”だと息巻いているんでしょうが、こういうのはオマージュとは言わないです! 自作のパクリ、ネタ使い回し。リサイクルでしかないでしょう。

北川大先生としては、
「20年前のあの作品を思い出して、思いを重ねて号泣してね! 皆さん! 泣けるでしょ!」って酔い知れているんでしょうけどねえ。過去作と重ねると感動が強まると信じて疑わないのでしょうが、実は、全くの逆効果だと思います。

私としては、
「あー昔はよかったのにねえ」
「なんで今作は、こんな酷いことになっちゃったんだろうね」
という気持ちが増幅させられただけでした。

『愛していると言ってくれ』のあのシーンは確かに素晴らしく、号泣ものでしたので。一体、何が違うとここまでドン引きとなってしまうのかと、今朝は冷静に分析しながら見てしまいました。

そしてあれは結局脚本ではなく、エツシ様と常盤貴子の演技力によるものだったのか? とか、脚本自体を疑い始めたり、私が今の感覚と違ったのか?…とか、記憶を辿りながらいろいろ反芻してしまい…要は困惑してしまった。

あの時の感動シーンも、数々のエピソードも、これでもか、これでもかと繰り返しやられると、あっちの作品まで陳腐に思えてきてしまいます。そして一層哀しくなってしまう。そんなスパイラルが私の中で始まっています…涙。

なので、お願いだからこれ以上はやめて欲しいなあ…。お願いします。

…ってこんなところでぼやいても意味ないのでしょうけど…。たとえこの声が聞こえたとしても、あの方は何とも思わないのでしょうけどね。

ぶっちゃー君、今日の不愉快を払拭してくれるかと思ったけど、今日の出番は赤ちゃんの写真だけだったね、残念。

なおちゃんも、鈴愛のアッシーに使われるだけのために昨日からの出番があったとはね。

来週月曜は、また神回だそうですが…月曜がゆーうつだ。