【おちょやん】感想ネタバレ第55話 みつえと福助の結婚。岡安VS福富の雪解け

『おちょやん』あらすじ(ネタバレ)

みつえが幼い頃、可愛くてついわがままを聞いてしまったと言うシズ。
「無理を言われれば言われるほど嬉しい。生きる喜びだ」言う、千之助の演じたマットン。
「母の無償の愛」を感じ取った千代は、みつえと福助を探しに舞台衣装のまま芝居小屋を飛び出した。
神社の前で千代はみつえと福助を見つけた。
もう福助と生きて行くって決めたというみつえに、千代はそうしたらいい、
「ただし道頓堀でな」
もっと無理を言えばいい。
何べんも無理を言い続けたらいつかシズは許してくれると千代は訴える。
分かってくれると確信しているのは、みつえのお母ちゃんだから。
駆け落ちしたらもう二度と父母に会えなくなる。
するとそこへシズが。
どこを探しても見つからないみつえのことを祈りに神社に来たのだ。
帰ろうとみつえの手を引くシズ。
みつえは怒らないシズに驚くが、シズは疲れて怒る気力もなかった。
「あんたの顔を見られただけで十分」
「お母ちゃん、堪忍」
みつえは、自分が間違いを認め、両親も祖母も大好きだから、もう駆け落ちなんかしないと言った。
何があってもうちはお母ちゃんの娘や。
「娘やさかい無理言います」
「福助と一緒にならしておくれやす」
許してくれるまで何度でも言い続ける、お母ちゃんを困らせると言うみつえ。
「堪忍な。うちわがままな娘やねん」
福助のことが両親や祖母と同じくらい好き。
福助と家族になりたい。
みつえは石畳の上に正座し両手を突いた。
「お願いします。福助さんと結婚さしとくれやす」
福助も並んで正座。
「お願いします。みつえさんを下さい!」
みつえと共に頭を下げた。
「また着物が泥だらけやんか!
「いくつになってもほんまにしょうがない娘や」
シズはみつえに手を差し伸べて立ち上がらせて涙を拭いた。
福冨では福松、菊らが福助を案じている。
すると、そこに福助が。
福助に続き、みつえ、シズ、千代が続いて入ってきた。
「お菊姐さん、福松さん、みつえのこと福助さんに嫁がせてやてもらわれへんやろか」
一人娘でわがまま育ちだが、心根だけはどこに出しても恥ずかしくない自慢の娘だとシズは言い、福富のの娘として可愛がってほしいとシズはお願いした。
続いて福助。
「お母ちゃんに何と言われようとみつえと結婚するさかいな」
と攻撃的な口調。
すると、みつえが「それはあかん!」と。
きちんとお母さんにも認めて貰わなアカン!そのためには自分がしっかりしますと言わないとダメ!と言い出してみつえと福助は痴話げんかを始める。
「ええ加減にしなはれ!」
と菊。
「よそさんの前で夫婦喧嘩は絶対にしたらアカン!それがうちの決まりだす。よう覚えとき!」
菊も認めてくれた。
福松ももちろん。
「お菊姐さん、福松さん、みつえのことよろしゅうおたの申します」
「安心し。うちが福富の立派な嫁に鍛えたげます」
みつえは千代以あんたのおかげやと感謝した。
昭和4年1月、福富で福助とみつえの祝言が開かれた。
ハナは菊の前に来て酒を進める
「あんたのお母さんの代わりに受けてもらわれへんやろか」
「いただきます」
菊は杯を飲み干した。
そして菊も杯をハナに渡して
「お母ちゃんの代わりだす」
菊もハナに酌をした。
岡安と福富の因縁の仲もこれで雪解け…。
シズは宋助が福松に相談していたことをおキツく言ったことを謝る。
これからは嫌でも芝居茶屋だけでは立ち行いかなくなるときがきっとくる。
なぜだか今なって菊の思いが良く分かってきた。
菊が芝居茶屋を辞めるときはどんなに辛かったか。
どうにか福富の名前だけでも残そうと商売替えしたのだろうと。
分かるようになってきたのは、みつえと福助のおかげ。
2人を眺めて「めでたし、めでたしだな」と言う一平。
千代は親は子の幸せを根げうもん
「みんな、ほんまに幸せそうやな…」
皆を見守る千代は笑顔。
しかしその笑顔はどこか寂し気だった。

金曜日。今週も安定のホロリ

みつえと福助、無事に結婚できました~!
よかった、よかった。
おちょやん、毎週、毎週金曜日には泣かされてますが、今日も安定の涙涙!
シズさんとみつえの親子にも涙だったのはもちろん、シズさんと菊さんの仲も修復、ハナさんも積年の後悔の思いを晴らすことができた。
何もかもスッキリ!
痛快痛快!
このドラマ、八津幸弘さんのタッチということなんでしょうけど、スッキリサッパリ!単純明快。スコーン!と直球でゴールに向かう感じがいい!
人によっては簡単すぎるかも、と思うかもしないけど、でもコレはコレでいい!
そうは言っても、登場人物が魅力的だし、でぞれぞれの行動や心理には納得するし、テーマはしっかりと描かれているし、伏線と回収がお見事だし、細かなエピソードや小道具諸々、細かいところにも手を抜かない、こだわりが感じられるし。
見ていて、パズルのピースが一つ一つカチッ!カチッ!と、確実にキッチリとハマって行くような快感を覚えるので、私はコレも好き。
「スカーレット」は、見た後も自分の中で反芻して味わう感じで大好きだった。
アレはアレで夢中でしたが、「おちょやん」はそれとは違う良さで。
まあそれは作家さんのキャラにもよるというか。
パスタもラーメンも、どっちも好きだからいいじゃんか!って感じ。
優劣関無し。
そうね~少年漫画的か少女漫画的かって違いなのかも。
まあどっちにしても両方好き。
おちょやんは、朝の15分にはちょうどいいスッキリ感がありますね。
でもただ痛快スッキリだけじゃなくて、爽やかでいながらも、人間、人生についてのせつなさ寂しさを纏っているところが、八津弘幸さんの脚本の深いところ!!

マットン婆さんとシズから「無償の愛」を重ねる

ムリ言って貰えるのが嬉しいと言うマットン婆さん。
みつえのわがまま聞いて着物を買ってしまうシズさん。
そこから「無償の愛」を重ねて、みつえと福助の結婚話へ…。
この構図、流れが見事。
この重なりから、親の愛を知らない千代が、みつえを説得します。
主人公が絡むのは当然ですが、コレ親の愛を知らない千代が言うのもある種必然であり意味深い。
灯台下暗しで本当の家族に囲まれている人はなかなか気づけないし、気付いても自発的なアクションにつながりにくいから。
でも千代はみつえに言葉を投げかけるだけで、そこから先はみつえ自身が動いて千代が蚊帳の外。
これも自然でよかった。
主人公マンセーじゃなくてよかった。

みつえ、シズ、菊、ハナ…女性陣がカッコイイ!

おちょやんは、登場人物に根性悪がいないのがすごくいいですよね。
そして女性陣がとても魅力的。カッコいい!

今日はみつえと福助の結婚、岡安VS福富の仲も修復…という流れでまた特に女性陣が光っていました。

 

みつえは、素直でまっすぐないい子だし。
千代に「もっと無理言え!」って言われて、気付いてシズに真っ向勝負してた。
石畳に正座をして手を突いてシズさんにお願い。
その姿は潔いし。
福助が菊さんに、「何言われても結婚する!」と言い張ると、「それはあかん!」ってきちんと親に認めて貰わないとと福助叱るし。
シズさん譲りのまっすぐな性格。
菊さんが結婚を許したのも、このみつえちゃんの言葉が殺し文句だったと確信。
そして結婚が許されたら、「千代のおかげ」ってすぐに千代にお礼言ってたし。
そういうところも素直で本当にいい子ー!
シズさんは、腹を決めたら菊さんにキッチリと頭を下げてお願いする。
この潔さ、惚れ惚れする。
篠原涼子さん、こういうの似合う~ホントカッコイイ。
この気丈なシズさんが、みつえが見つかって帰ろうというとき、疲れて怒る気力が無いというのも、さりげないけどホロっときましたよ。
そしてみつえのことを菊にお願いするとき、
「世間知らずだけど心根だけはどこに出しても恥ずかしくない自慢の娘」
って言ってくれたのにはグッと来てしまった。
シズさん、素敵なママー!!
ひとつひとつ、セリフが素敵ですよね、コレ。
そしてひとたび仲が修復すると、芝居茶屋を閉めた菊さんの気持ちに思いを馳せることができるようになる…。
シズさん、ホントまっすぐで素敵な人よ。
そして今週は菊さんに痺れた!
菊さん、なんて言って収束させるか、結婚許すなあと思ったら。
「よそさんで夫婦喧嘩したら絶対アカン!」
「うちの決まり!」
って…さすがー。
こういう決め台詞がいちいち痺れちゃうのよ。
シズにそこまで言われたらしゃあないっていうのもwww
可愛い。
でも、実は菊さん…張り合ってるって言っても、自分からは攻撃してないのよね。
シズさんが幼い頃からの思い込みで張り合ってくるから、それに応じてるって感じで来るもの拒まずな…。
お客を回してあげたりしてるのも…実は妹思いのお姉さんだし。
実はシズさんより菊さんの方が姉御肌じゃんか !
菊さんの代に至っても暖簾分けした岡安を見守っていたのね。
カッコいい…!
主人公周りだからってシズの方が優位じゃない、この造り、手抜かりがない!
ちょっとしたサプライズで心地よい。
そしてこの菊さん、いしのようこさんが、凄いはまり役!
彼女が菊さんの魅力を何倍にも膨らませていますね。
啖呵が気持ちいいのよ~。
朝から気持ちいいものを見させて貰っているという充実感。
こういう気丈な菊さんですがきちんと旦那さんに「いいですよね」って確認するし。
きちんと立てるところは立ててるのもいい!
だから福松さんのん気な旦さん続けられるんだなあ~と笑
結婚式でハナさんと杯を酌み交わすシーンもジーンと来てしまいました。
ハナさんがお酌をしに行くと言う形で、岡安と福富の関係の修復を表現するというのも粋で素敵ー!
ハナさん、上品で控えめな演技ですが、精一杯の謝罪とか反省とか、すごく思いを感じる…!
菊さん、杯を飲み干した後、口元をキュッと拭く仕草がキレイで、菊さんの義理堅い、折り目正しい人柄を見事に表してました。
ハナさんに「お母さんの代わりにお酌させてと言われて」の、ハナさんに対する様子は、福富の娘になってハナさんを年長者として敬っているのも感じるし。
そしてハナさんにも杯を返して…。
ああ!この心意気がカッコいいのよー!
菊さんにはもう感動、感動よお!
いしのようこさん、志村けんのコントの人としか思ってなかったけど、こんなカッコいい女優さんになってたんだー!

千代の表情にも注目

千代、マットン婆さんとシズさんから親の「無償の愛」を感じ取り、みつえを説得します。
親子なんだからもっと無理を言え!と。
親は子の幸せを願うものだ、無理も言い続けてれば親も聞いてくれるはずだと。
テルヲにあんな目に遭っても…そういう千代がいじらしいよ…。
テルヲ、酷いけど、千代もお母ちゃんはすごく優しかったんだもんね。
記憶のかけらにお母ちゃんの優しさや、お母ちゃんがいたときのテルヲの像があるから、諦めきれないんだろうね…。
だから、芝居やシズの姿を見て「親心」というものを感じ取るんだけど、やっぱり千代にとっては後天的に習得した部分が多いんだろうなあと。
みつえに力強く説得する千代は、まさに千代だったけど、その後展開されるみつえとシズ、菊、福助のリアルな家族ドラマに圧倒されているようでした。
そうだよね、わがままを本当に聞き入れてもらえる瞬間を目の当たりに見たことってないよね…。
みつえ、シズ、福助菊、福助…この4人の気持ちのやりとりに着いて行けないでしょう。
「家族」という最も濃厚な距離の人間関係を千代は知らないんだよね…と千代の姿を見て実感。
結婚式で皆が楽しそうにお酒を酌み交わす様子を、嬉しそうに見ていてる千代の笑顔は寂しげで…。
一生懸命頑張って生きてきたけど、岡安の人たちも家族同然にしてくれるけど、自分に「家族」がいないことを痛感した表情でした。
今日の千代は、後半は傍観者でしたが、表情の変化に十分にいろいろなことを感じ取れました。さすが杉咲花さん、恐ろしい子!
千代も、みつえたちを見て、自分の家族を作りたいと思うようになるんでしょう。
そして千代と一平の恋愛ターンへ…ということでしょうかね。