『おちょやん』感想ネタバレ第54話 みつえと福助は駆け落ち。無償の愛って?

『おちょやん』あらすじ(ネタバレ)第54話

 

 

みつえは福助との駆け落ちを決意。
家を抜け出そうとしているみつえを見つけた千代は、引き留めようと説得。
しかし、4年前に千代を逃がしたように、今度は自分を逃がして欲しいとみつえに言われてしまい、それ以上言葉が出ない。

翌朝、みつえの駆け落ちが発覚して岡安は大混乱。

シズはみつえが3歳の時に初めてあつらえた着物を大事そうに手に取って、みつえの幼い頃の思い出話を千代に語る。

初めての着物にはしゃいだみつえは、水たまりで転んでびしょ濡れになってしまった。するとみつえは新しい着物を買ってとわがまま。
シズも宗助も甘やかしたらいけないと分かりつつ、ついみつえが可愛くて新しい着物を買ってしまった…。

今でもあの時のみつえの笑顔が忘れられないというシズ。
「今でもわての宝もんや」

 

シズの話を聞いて千代は考え込んでしまう。
しかし、公演初日。
千代は一平に「芝居のことだけを考えろ」と言われ舞台へ。

 

『マットン婆さん』のが本番が始まった。

マットン婆さんは、30年間母親代わりとして3人の子供たちを世話してきた女中。「マットン」を大好きなその家の末の息子は、マットンと別れたくないあまりに60歳なる老婆のマットンと父親とを結婚させようとする話。

主人公マットン役の千之助は、またまたアドリブ連発。
台本とは全く関係ない芝居を始めた。
千之助の熱演は、マットンの子供たちへの無償の愛を見事に表現。
会場を感動の渦に巻き込んだ。

 

母親の無償の愛を描きたいと思っていた一平。
「俺は何を見てたんや」
千之助に大幅に台本を書き替えられたことが悔しくて何も見えてなかった。
千之助の書いた台本は形を大幅に変えながらも、一平の言いたいことはちゃんと残っていた。千之助もはなからそういった内容を目指したかったのだ。

「くやしいけど。この芝居面白いわ」

一平のこの言葉を聞いた千代は、舞台衣装のまま芝居小屋を飛び出した。

 

千之助は強い!

一平VS千之助のバトルは、新旧の争い。
人情物の「泣き笑い」を目指す一平はニュータイプ。
千之助は、アドリブ中心、その場の笑い優先の旧型。
一平がバトルを乗り越えるときは千之助を切るとき。

という覚悟で見ていましたが、そんな単純構図では納まりませんでした。

千之助が圧倒的に強い。

千之助が台本を大幅に書き換えたのは一平の書いた物への否定ではなかった。
むしろその逆で、一平がやりたいテイストを即座に察知。
それを見事に最大限に表現できるよう、台本を大幅添削してくれたってことー。
設定からして変えられちゃってるからボツに近いと言えば近いけどwww

センスも抜群。
そしてアドリブも最強。

千之助さんの圧倒的に勝ち。

千之助さんと一平の構図が、ただの敵対関係じゃなく、師弟関係としても描かれるのか。

奥深いわー。

千之助さんと一平の関係には、2人の関係だけでなく一平の父・天海の影も見え隠れする。
一平は千之助に父の像を重ねて見ているだろうし、学び乗り越えようとするし、座員としてつながろうともする。
千之助は一平に天海を重ねて、天海と演じていた頃よ再び、と期待する思いもあるだろうし、天海の息子一平を育てたい気持ちもあるだろうし。天海を超えたいとも思うだろうし…。

見えない天海をキーにつながる一平と千之助。

ただのバトルじゃない!
お見それいたしましたー!

千之助が、母親の無償の愛を描きたいと主張する一平に「お前に家族が分かるか!」と言ってしました。
マットンも血はつながらないけど、家族になった。
千之助も一平の関係も、そういうことになるのかも。
一平は千之助に鍛えられ、芝居の経験を積み、実体験は無くても家族愛を表現できる人になるのかも。

 

 

 

みつえと福助は駆け落ち

あんなに言われちゃったら、駆け落ちするしかないわねー確かに。

4年前に逃がしてやったから逃がして!って言われたら千代何にも言えないねえ。
しかし、世間知らずな2人が駆け落ちして生きて行けるのか?
…どこか近くに隠れてるのかなあ?
千代が見つけやすいところにいて待ってる?

今日のラストは、シズの親心を聞き、舞台でマットンの無償の愛を実感した千代がいきなり芝居小屋を飛び出して走って行くシーンで終わりました。
何を思ったのかも分からず。
どこに向かっているのかも分からず。

…もしかしてみつえと福助をどこかでかくまっていて、そこに向かってたかも!?

だったらいいけど…。

シズさんが、みつえの幼い頃の思い出話をしていたとき、新しい着物を買ってとせがむみつえにどうしたと思うとシズさんが聞くと、
千代は「お灸据えたんと違いますか?」と答えます。
しかし、それに対してシズさんの正解は「買ってあげちゃった」。

これは家族に恵まれなかった千代には分かるはずのないことでもあるねえと涙。

千代も岡安、福富のファミリーを横で見ながら「無償の愛」って何だろうと学び役者の肥やしとしていくのでしょうね。