【澪つくし】感想ネタバレ 第96話 これは朝ドラ?火曜サスペンス!?

【澪つくし】あらすじ(ネタバレ)第96話

河原畑との待ち合わせ場所に律子がやってきた。
会いたくて仕方なかった、父親が律子に会いたがっていると嬉しそうに話す河原畑。
しかし律子には笑顔がない。
そして自分を殴ってくれといきなり言い出した。

本当は河原畑に会わずに銚子を離れようと思ったが、会わないままでいるのは卑怯だから会いに来たと言う。

訳の分からない河原畑。
別れたいのかと聞くと河原畑を愛していると思ったのは錯覚だったと律子は言う。
東京でのことは寂しかっただけ、銚子に戻ってきたら何もかも覚めてしまったと。

銚子にいた2ケ月の間に何かあったのか河原畑は聞くが、律子は「別に何も」とよそよそしい。
離れ離れでいたことがよくなかったと河原畑が謝ると、「謝らないで」と律子。
河原畑を裏切った、取り返しのつかないことをしたと言い出した。
そして「あなたを苦しめたくないからそれ以上は聞かないで」と律子はその場を逃げるように去った。

「そんな無茶苦茶な話があるか!」
納得のいかない河原畑は律子を引き留め、揉み合いに。

そんなところ久兵衛と鉢合わせになった。
河原畑が久兵衛に挨拶すると、久兵衛はお前のような破廉恥漢は見たくないと拒絶。
そんな久兵衛の様子に律子の別れ話は久兵衛に束縛されているせいかと河原畑は理解。すると律子は、自分の意志で決めたことだと否定した。

律子の言葉を聞いた久兵衛は、律子が河原畑と別れるつもりと知って大喜び。
律子を連れて家に帰った。

 

いきなり振られた河原畑は沖田の家でヤケ酒。

律子は魔性の女、河原畑はイカロスにようなもの。
焼け死ぬ前に縁が切れて運がよかった。
サッパリ諦めて律子をモデルにした小説を書いたらどうだと慰める沖田。

一体律子を変えたのは何なのだろうと河原畑は執着。
沖田はそれは追及しないほうがいいと含みを持たせた。
何か知っているのかと河原畑が詰め寄ると、沖田は水橋を犬吠の旅館で見たという噂があると言った。

 

翌日の夕方、律子は水橋の旅館を訪れ駆け落ちの打ち合わせ。
するとそこへ河原畑がやってきた。
話がしたいという河原畑。
水橋と河原畑は外に出かけた。

 

吉武家では、弥太郎がかをるに水橋を見かけたと話す。
水橋は河原畑と一緒に名洗方面に行ったと弥太郎は言った。
2人が一緒にいることにかをるは驚いた。

 

河原畑は水橋を連れて崖へ。

律子を返せと言う河原畑。
水橋はそれを断る。

刑務所上がりに横取りされてたまるかと言う河原畑に横取りしたのはそっちだと言う水橋。
律子を諦めろ、諦めないと2人は押し問答を繰り返す。

水橋は、同じ女性を好きになった者として河原畑に友情を感じるが、こればかりは譲れないと言う。

すると河原畑は土下座して「僕には律子が必要、律子と別れたら全てを失うことになる」と泣きながら懇願。
しかし水橋はこれ以上話をしても時間の無駄だと譲らない。

 

すると河原畑はどうしても譲らないなら決闘だと言い出した。
水橋は、こう見えても筋金入りの活動家だ、なよなよした文学青年ごときになめられてたまるかと言うと、その言葉に河原畑は激怒。
河原畑は水橋に飛びかかり2人は殴り合いに。

そこへ律子がやってきた。
「やめて!」
という律子の声に水橋が手を止めると、その隙を狙って河原畑は水橋を突き飛ばし、バランスを崩した水橋は崖から落ちてしまう。

「人殺し!」
叫び声をあげる律子。

錯乱した河原畑は
「一緒に死んでくれ」
と、律子もろとも崖に落ち無理心中を図った。

 

 

朝ドラ→火曜サスペンス!? ヒッチコック!?

ちょっとービックリだわ!

昨日の律子さんのベタベタドロドロに、律子刺される?水橋と心中?と不安には思ってたけど…!

まさかの殺人!
まさかの無理心中!
3人共死んじゃう!?

とんでもない展開になったわ…!

凡人の予想をはるかに超えた展開に!

朝ドラで殺人事件て…後にも先にもコレだけじゃない?

朝ドラってNHKだし、朝放映だし、検閲が厳しくて優等生な内容に徹しているものかと思ってました。
特に昭和の朝ドラは。
キスシーンなんかも割と最近OKになったもので、昭和はお堅い内容ばかりかと思ってたけど…それはただの勘違いだったんだなあ!

1985年に全部やってるじゃん!
平成よりも、令和なんかよりも過激じゃん!
キスシーンはもちろん、初夜とか床のシーンも頻繁にあるし、獄中シーンも(まあコレはおしんで既に。割と定番だし)。
昨日の律子の濡れ場は、まじコレやり過ぎじゃん?民放昼メロかよ?って、こっちが戸惑うくらいやってくれてるし。

そしたら今日はそれだけじゃないし!
今度は殺人事件、無理心中!

どこまでチャレンジャーなんだ、NHK!!ジェームス!!!

 

月明かりの下での決闘シーンのモノクロ感。
雲に隠れる月、草木を揺らす風の音。
ザワザワと不安を掻き立てられる感じが…まるでヒッチコック映画のようだわー。

しかも、河原畑に過失で水橋を崖に突き落とさせてしまう!という、ものスゴイ葛藤を与えるシチュエーション!
まるで松本清張!?
すごいわ、ジェームス!

石丸謙二郎さんの狂気の表情と、桜田淳子さんの恐怖の表情にも釘付け!
モノトーン風な画面に映し出される、ギラリと光る石丸謙二郎さんの狂気の目、恐怖にゆがむ桜田淳子さんの美しい顔…。
ホント、ヒッチコックの映画のようだよと。
朝ドラクオリティ、どこまで上に行くんだ…!?!?

でもこういうときに崖に行っちゃうのは昭和の定番か?笑
こんなシチュエーションであんな場所にのこのこ行っちゃダメよー!
まるで火曜サスペンスみたい~!爆
『聖母たちのララバイ』がかかるんじゃないかと耳をそばだててしまった(笑)

しかし、聖母たちのララバイはもちろん、恋あらもかからず。
そんなもんかけてる場合じゃ、もちろんないよねーーーー!

「来週もこの続きをどうぞ」
が最後に出ましたが、ここだけは妙にNHK!爆
この青い画面に無味乾燥な白文字がこんなにしらじらしく感じるとは!!

「どうぞ」なんて悠長なこと言ってる場合じゃないでしょっ!
見るに決まってるじゃんか!
早く続きを見せなさいーーーっ!

よりによってこんなところで明日が無いんだろ!?
月曜日が待ち遠しくて仕方が無いわーー!

 

河原畑に同情

河原畑に同情するようになるなんて…。
そんな自分にもビックリですが。

河原畑、あの格好はロシアっぽい格好?
はいからさんが通るで伊集院忍が来ていた気がするー。
東京に出てちょっとおされになったってことですかね。

そんなところにも律子との東京生活を楽しんでいたのが伺えて…いじらしい。

待ち合わせをしているときのそわそわ河原畑、律子さんを一目見た時にパアっとなった河原畑が可愛かった。

それなのにあの仕打ちだもんね…。

でもなあ律子さんも下手に正直者というか。
駆け落ちするなら黙って駆け落ちすればいいのに!
理由は聞かないでって言って「ハイ、そうですか」ってなるわけないじゃん!ww

水橋のいる旅館を正直に言っちゃったかをると言い、敢えて言わない方がいいってこともあるのよー!

正直者こそが残酷ってことを思い知らされるわね…。

ところで石丸謙二郎さんの今日の演技はすごかった!

冒頭は、恋人を待つキラキラした表情の河原畑。
河原畑、結構イケメンだったじゃん?とビックリしちゃいました。

しかしそこから律子に別れ話を持ち出だされて動揺し、失恋して絶望。
水橋と決闘している時には心の底からの怒りの表情。
人って本当に怒るとこうなるんだろうねと河原畑に共感を覚えた。
そして自分が殺人してしまったと驚愕した後の狂気の表情。
人間の恐ろしさを思い知りましたね。

キラキラ → 動揺 → 絶望 → 怒り → 狂気

この表情の変遷に鳥肌が立ってしまいました。
たった15分間でこんな心の動きを描き切るとは!
ジェームスも、石丸謙二郎さんも、凄いわ!

久兵衛さんは…?

久兵衛さん、河原畑と別れるって聞いて上機嫌になっちゃて。
鼻歌まで歌っちゃってねぇ!
相変わらず律子へのチェックが甘すぎwww
るいさんと再婚したばかりで浮かれてるのかもしれないけど。

でも河原畑と別れると言い出した理由をきちんと確認しないと!
水橋のこともすっかり過去の事とも思ってるみたいだったし…ゆるゆるだよ!怒

久兵衛さん、もっと律子のことを真剣に考えればよかった。
水橋なんかよりもイケメンで爽やかな男を連れてくればよかったのに!
なんて思ってしまうけど…。

久兵衛さんの感覚では律子が納得するような男性を見つけてくることはできないか…。

 

水橋と河原畑の決闘

ジェームスはわざとなのか、そうではないのか。

水橋と河原畑の決闘には…なんか引いちゃう。
クズVSヘタレ
としか思えなくてー。

こんな2人に取り合いされてる律子さんが、なんとも痛すぎる。

自由に生きることに憧れ、自分の意志で結婚相手を選びたい律子さん。
思う通りに行動して、相手を見つけましたが…結局2人共ダメンズ。
あ~あって…。

何なの?この仕打ちは、ジェームス?

ただただ自由を求めても、根無し草になっちゃうだけよって教訓的なメッセージ?

水橋も結局は親のすねかじりの理想主義者だよね。
親に守られて優秀な学生でチヤホヤされてる中での政治活動。
『おしん』の浩太だったら、律子の言う通り、自分は敗残兵だと身を引いて律子に言い寄らないはず。

そして今日の水橋の河原畑に対する「友情を感じる」、「なよなよした文学青年ごとき」って言う言葉、上から目線で超ムカついた!
さらに自分のことを「筋金入りの活動家だ」って…なんてナルシストな!

活動家をしている自分に酔い知れてるだけの情けない男と判明。
律子さん、なんでこんなのがいいのーーー?

河原畑もコレまで通りの安定の河原畑だしねえ…。
水橋よりはいいけど律子にはどう考えても役不足だから。
それに河原畑のことはただ寂しいだけ。
律子の言う通り。

ただ寂しいだけでこういうことになる律子も情けないけど。
ポリシーがあるようでまるで無い律子。

そんな水橋と河原畑、2人がファイトしても、あー…残念としか。

 

しかも水橋と河原畑の律子を譲る、譲らないの押し問答、結局はこの2人も律子のことを“所有”する感覚しか無いのか?とも聞いてて哀しくなったよ…。

律子さん、いろいろ頑張って動いても、ろくでもない人としか関係築けてない…。

 

律子さんの悲劇

律子さん、自由に生きたい、自分で恋人見つけたいと言っても…。
こうやってあらためて俯瞰して見ると、律子の自由は、しきたりや体面諸々に関する反発でしかないのよね。
ただただ反対を選んでいるとしか。
だからこういう変なことになっちゃうの!

律子は、しきたりやら体面やらにがんじがらめの坂東家の娘として生まれ育って、幼い頃からその価値観を刷り込まれているから、結局彼女が思いつく行動パターンは必ずそっちの方面が基準。
自由意志とは、彼女にとっては学問によって知った後天的なものでしかない。

 

これまで背負ってきた価値観を否定して自由になりたくても、さて自由とは何なのか、分からないのでしょう。
だからただ、これまでとは違う方へ、違う方へとステレオタイプに求めて行くことしかできない。
その結果、行き着いた先が共産主義であり、父親とは正反対の水橋や河原畑だったり…。
久兵衛さんのこと、面倒くさいけど、守るべき人を守る姿は素晴らしいけど…残念ながら律子さんにはそこも分からないんだよねえ。

律子さんが見ている愛とは相手を思いやる愛情ではなく寂しさを埋めるためのものでしかない?

皮肉にも、「自由って何ですか?」って言ってるかをるの方が、心から愛する人を見つけてその人と結婚することができた。
真の自由を得られた。
これは妾の家に生まれたかをるだからこそできたことなのかなあとも思う。
るいさんと久兵衛さんは家柄とか、しきたりとか体面を取っ払って結ばれた関係。
かをるは古川家で面倒なことは関係なく、るいの愛情をひたすら受けて育ったから。
かをるこそ、知識で自由を知らないけど、育ち方で自由とは何かを肌で知ってる。

自由って本当はどこにあるの?という、ジェームスの問いかけかもしれないわね…。

 

水橋は崖から転落。河原畑は律子と無理心中!

水橋と河原畑と律子。
結局3人共崖から落ちちゃうなんてーーーっ!!

コレ、一体どうなる???

律子さんは死ぬわけには行かないよねえ…。
水橋死ぬ?
河原畑??

誰がどう生き残ろうとも一生深い心の傷を負いますよねえ…。

一体どう始末をつけるんだろ!?

3人のことももちろんだけど、これを知った久兵衛さんが脳の血管ブチ切れちゃうんじゃないかと、ホント心配です。