【あぐり】感想ネタバレ第108話 エイスケの残したもの

『あぐり』あらすじ(ネタバレ)第108話

緑川靖子という画家はエイスケの子供を妊娠していると言う。
エイスケの裏切りに許せないと怒りを覚えるあぐり。

さらにエイスケは投資で失敗し10万円の負債を抱えていることが分かった。

あぐりは、エイスケが書いた離婚届を見つけたことから靖子がエイスケの子供を妊娠しているのは本当だろうと言う。
しかし健太郎はそれはそれは違うと言った。
先日岡山にエイスケが来た時、エイスケは自分を廃嫡して欲しいと言っていた。
恐らくこの借金で望月家に迷惑を書けないためだったのだ。
離婚届も、あぐりに迷惑を書けないためだったのだろう。

 

あぐりは靖子の家を訪れる。
靖子はこの半年間エイスケはほどんどここで過ごしていた、
自分はエイスケの不安も悲しみも全て受け入れ供に闘ってきたと自負する。
そして、あぐりは自分の仕事に没頭してエイスケの気持ちを分かっていなかったと責めた。

 

数日後、燐太郎がエイスケが亡くなる2日前に書き上げた小説を見つけた。
もう小説は書かないと公言していたエイスケが実は書いていたのだ。
その小説のタイトルは「アン・ダグリッパの結婚」。
「アグリ」の文字が入っている。
「エイスケと君の愛の歴史が綴られた小説だ。
エイスケの君への愛に満ち溢れた作品だよ」

「アン・ダグリッパの結婚」を読んだあぐりはエイスケの自分への深い愛情を知ったあぐりは
再び靖子の元へ。
あぐりは靖子を受け入れ生まれてくる子供にと養育費を渡した。

あぐりはかつて森潤が、エイスケを鳥で言えばカッコウだと言っていたことを話した。
カッコウは巣を持たない。
束縛があっては生きていけない鳥。
カッコウを無理やりカゴの中に押し込めてもじきに死んでしまう。

きっとエイスケは死んだのではなく、私たちの手のひらから飛び立ってしまったのだろう。

置いて行かれた者同士がいがみあっていても仕方が無い。
元気な赤ちゃんを産んでほしいとあぐりは言った。

「あなたエイスケの言った通りの人ね。いつも前を向いているのね」
康子はエイスケと別れる気持ちはこれっぽっちもなかったと伝えた。
康子にも笑顔が戻った。

その後、靖子はパリに行ってしまい、あぐりと二度と会うことはなかった。

緑川靖子はエイスケの子供を妊娠

緑川靖子は中川安奈さんが演じてらっしゃいます。
中川安奈さん、もういらっしゃらないっようですね。
私はちょいちょい見覚えがあると言う程度であまりよく知らない女優さんでしたが、とっても美しい方だなあと顔の印象は強く残っています。

靖子の役、素敵に演じてらっしゃるなあと思います。
下手したらあぐりへの嫉妬ギラギラ、愛人としてのベタベタ女のいやらしさ満載になるのに
上品さがあるから嫌らしくない。

あの時代に自立していた意志の強い女性なんだろうなという気がいも感じるし。
でもバリキャリを鼻にかけてギスギスした感じでもない。
同性として好感持てる…。

緑川靖子さんの人生そのものも見てみたいなあと思っちゃう。

靖子さん、エイスケさんの悲しみ苦しみを共に分かち合って闘ってきた、
エイスケさんを受け入れてきた、
その結果がお腹の子供だと自負。

普通ならこれ、いやいやアンタ、エイスケに騙されてるよぉ~なんだけど
中川安奈さんが言うと、あぐりよりエイスケさんとの関係は対等だったんだろうなと素直に信じられて
負けそうになる…。

エイスケさん、やっぱりアーティストとしての不安や迷いを一緒に共有してくれる相手を求めていたのではないか、
あぐりとは壁ができていたのではないかと…。

 

エイスケの残した負債は10万円

10万っていったら、今で言えば4億円くらいってことぉぉぉ!?

やはり莫大な借金!
エイスケさんやはり借金取りから望月家とあぐりを守ろうとしたんでしょうねえ…。

しかし、健太郎さんも廃嫡の話はスルーしちゃったみたいだし(当然冗談だと思うもんねえ…)
あぐりも離婚は成立していないし。
全部ひっかぶることに…。

4億なんてお金、さすがの御大もムリ!
望月家も潰してしまうんじゃないかと思うけど…。

 

アン・ダグリッパの結婚

エイスケさんが残していったものは、隠し子、多額の借金だけ、負の遺産だけではありませんでした。

最後の作品「アン・ダグリッパの結婚」も残していて、そこにはあぐりへの愛情が一杯に詰まっていました。

「アン・ダグリッパの結婚」吉行エイスケさんの実際の作品にあるようですね。
あぐりが読んでいたのは、実際の文面なんでしょうねえ。
かなりぶっ飛んでいて、なかなか似た文章も書けないでしょう。
ダダイズムって、本当にこんな無意味の羅列みたいな文なのね。

あぐりさんご本人もエイスケさんの分はさっぱり分からないと、
ドラマであぐりが言う通り、エイスケさんの作品は殆ど読まなかったようです。
後に淳之介さんもエイスケさんの作品に対する評価は低かった様子…。

今回、あぐりはエイスケさんの作品を読んでいましたが
今回は寝ることなく読み進められたようです。

そしてエイスケさんの自分への愛情の深さを感じたらしい。
本当か…!?
あぐりに分かったのか!?

まあ意味不明だけど、自分が小説の中に出てきたことが分かれば何でもいいか。
誰に対してもマウントできるもんねえ。
しかも最後の作品だもんねえ。
あぐりとしては、靖子に対して自分が絶対に勝ちと確信www

 

エイスケはカッコウ

エイスケは鳥で言えばカッコウ。
森潤の言葉がこのタイミングでリフレインされるとは思いませんでした。
ちょっと忘れかけていたけど…。

確かに森潤、上手いこと言いましたねえ!

エイスケさん、ホントつかみどころの無い行動パターン、習性の持ち主でかなり変わった人。
普通の人間に取ったら支離滅裂ですよね。
生き方そのものがダダイズム…。

この支離滅裂な感じは確かに「カッコウ」という割り切りをすればなんとかやれるかも。
もうこの人は人じゃないよ、カッコウってww
美容院の建築費用を使い込んだのだけは許せんなあ、しつこいけど…。

確かに「カッコウ」というイメージを強く持てば、エイスケさんの行動はある意味理解できるし許すこともできる。
期待しないと言うか…。
浮世離れしていて、もはや人じゃないと思っていればいいのかなwww
あぐりさんご自身「かっこう」と評していたかは分からないけど、相当な度量なのか、すっかり諦めきっていたのか…。
その境地になっていたこと自体、器が大きくて、何事にのこだわらずにサッパリしていたんでしょうねえとつくづく。

97年当時の視聴者もそこらへんの感覚があって、スッと理解できたのかな?
だから当時エイスケさんは超絶人気だったのかなあ??

 

靖子の件も、借金問題も15分で解決

靖子さん、あぐりのエイスケさんはかっこうだという話を聞き、
あぐりがエイスケの言う通り前向きな人間であることを実感し心を開きました。

簡単ではあるけれど、ここは私は好きだったなあ。
中川安奈さんが靖子を上品でカッコよく演じられていたから、
靖子は自立した女性でもあるからどうにかやっていくんだろうなあ、その覚悟はあるんだろうなあとも分かったし。
それでもやっぱり子どもを持つ不安やら、エイスケの死へのショックや、あぐりへの嫉妬やらあることも見えつつ
あぐりの優しく前向きな言葉で心の鎧が解けたのも見えたから。

このドラマはライトで爽やかがモットーだし、愛人問題引きずってもねえとも思うので。

 

しかし、借金問題はビックリ!
まあライトで爽やかモットーだからこれも引きずらなくていいっちゃいいけど。
4億だよお!?
さすがの望月家も無理だろうよぉ…。
健太郎さんがどうにか話をつけたとしても、勇造は許してくれやしないよねえ…。

15分以内に返済のメド付けるなら、2億くらいに留めて置いたらどうよwww

実際に岡山の望月家とはあぐり美容院を開くときに廃嫡されているようです。
その際の財産分与という形で市ヶ谷の土地を貰いあぐり美容院を開いたらしい。

エイスケさんの負債は岡山の望月家が被ることは無かったけど、実際はあぐりに全部夫妻が来て大変だったようです。

エイスケさんは箱根の別荘意外にも土地やら別荘を持っていたようですが借金のために全て清算。
エイスケさんがなくなった直後に愛人と子供がいることが発覚し、そちらへの生活保証金をエイスケさんの友人の文士経由で渡したとか。
そしてエイスケさんの資産生産してもまだまだ莫大な負債があり、それをあぐり美容院を営みながらどうにかこうにか返済していったみたいです。
市ヶ谷の美容院もやめて土地を売り払い岡山に帰ろうかとも思ったようですが、望月家から貰い受けエイスケさんと暮らした土地を手放す気にはなれず、また雇っているお弟子さんたちの今後を考えるとやたらに辞めるわけにも行かずでどうにかあぐり美容院を続けようと頑張っていたみたい。

実際はここからは、あぐりもおしんなみにハードな生活になるようですが…
このドラマでは難なくクリア。

ニコニコ笑って「ヒ ミ ツ …!!」とちょっと今ではビックリな恥ずかしーい乙女なセリフで締めくくられて終わった…。

まああぐりの作風におしんパートは似合わないし。
戦争の時代を描くといっても暗い暗いだけでは見ているこっちも苦しくなっちゃいますしねえ。
それはそれでいいということでw