【あぐり】感想ネタバレ第155話 本当の夢はコレ?

『あぐり』あらすじ(ネタバレ)第155話

林は相変わらずキャンパスに向かっても絵が描けない。

その日の夜は、ビューティサロン光美堂の20店舗達成の祝賀パーティがカフェ・セ・ラ・ヴィで催された。

山梨からとめも駆けつけ、あぐりゆかりの面々が勢揃いしてあぐりを祝福。
チェリー山岡も、祝辞であぐりは名実共に日本一の美容師になったと絶賛。

民子もあぐりは夢が叶った今のあぐりは自信に満ちてこの上なく美しいと褒める。

しかしその横で林は呟いた。
「本当に夢が叶ったのか?」
「これが本当に追い求めていたことなのか?」

 

林はこれまで絵で稼げるようになりたいと思ってここまでやってきた。
毎朝新聞の挿絵を手がけたことで次々仕事がくるようになったのはもちろん嬉しい。
夢が叶ったと思ったけど何かが違う。

「自分のための絵を描きたい」
それが本来の夢だと林は気付いた。
そして林はこうも言った。
「今のあぐりを見ていると僕と同じように見える」

あぐりは林にそう言われて、この前森の言っていた言葉も思い出した。
「多くの物を手に入れた引き換えに何かを忘れてしまったのでは?」

 

ある晩、あぐりの元に世津子が訪れた。
あぐりに髪をセットして貰いたいと言う。

世津子は翌日盛岡に発つことをことをあぐりに告げる。
かつての世津子の恋人、長堀が倒れたと聞き、彼のいる盛岡に暫く行くことにしたのだ。
世津子は、長堀が手掛けている郷土の文学館の立ち上げの手伝いをするつもり。

長堀が自分を必要としてくれるときにいつでもそばにいる自分でいたいと言う世津子。
それが世津子のかつてからの夢だった。
「人生って面白い。今頃になって置き去りにしてきたものに出会えるなんて」

そして別れ際、世津子は笑顔であぐりに言った。
「自分の店でそういう格好をしているあなたが一番似合うわよ」

 

林はあぐりに絵の勉強にフランスに行くことしたと告げる。
林は自分の描きたい絵を本気で探してみようと決意した。

 

林のことを聞いた森は、林もエイスケのように流れる雲になってしまったなと淳之介に笑って言った。
あぐりは摩訶不思議な女性。
愛した人を閉じ込めるのではなく、飛び立たせてしまう。

 

そして一ヵ月後のある朝、あぐりが目覚めると林はフランスに旅立っていた。

本当に夢が叶った?本当の夢はどこ?

あーいよいよあぐり、明日で最終回なんですね。
なんだかんだ言って、じわじわ寂しくなってます。

20店舗をとんとん拍子に達成。
林さんとの結婚も円満。

そんなあぐりに
「それがあなたの本当の夢?」
と問いかける。

あぐりも、
林さんも、
二人の結婚生活も、
はたから見てると羨ましい限りだけど…

確かにやりたいお仕事で必要とされるってとっても有り難いこと。
でも、組織の在り方や需要によって、
自分とは思わぬ方向に少しずつズレていってしまうってこと、あるにはありますね。
贅沢ではあるけどね。

あぐりほど成功してなくても
お仕事していると誰もがその狭間で苦しむものですよね。

でも食べていかなきゃならないからやりたいことだけを追求するのもなかなかできないし。

 

このドラマ97年の作品です。
バブルはじけて約5年経ったくらい。

努力すれば夢が叶うという単純構図が崩れ始めたところ。
さらに男女雇用均等法が施行されて約10年。

女性の社会進出も、そう簡単に思い通りに行くものではないなと痛感し始めたところですかね。

そんなところで、ちょっと原点に立ち止まって考えて、みようかな…
と言う心境の世の中だったんですかね。

かくいう私も、結婚した後、やっぱり会社やめようってやめたのがまさに97年でした。

まだ時代的にものんきではあったけど、でも一旦立ち止まって考えるって大事。

 

世津子さんは元カレのところへ

世津子さんは盛岡へ行くことを決意。

てことは、明日の最終回を前に世津子さん、ラストね。

寂しい。

しかし、さすがの草笛光子さん!
今日の世津子さんとあぐりのシーン最高に素敵でジーンと来てしまった。

世津子さん、人生の振り出しに戻るようにかつて好きだった人の元へ…ってなんか、
ワクワクするし、優しい気持ちにもなって…なんか、なんか…いいなあ。

なんとも言えない浮遊感、爽やかさあって心地良い。
そして温かい気持ちになってなんか、泣ける。

あぐりの人生もそうだけど、世津子さんにも大正ロマンの自由気ままさ、華麗さがあって素敵。
世津子さんもあぐりと同様、オープニングのバイオリンの音がよく似合うし、まるで水に浮かぶお花たちのようだわ。

やはりこのドラマのオシャレで自由な雰囲気づくり、草笛光子さんが一翼を担ってらっしゃったなあと思うわ。

林さんはフランスへ

90年代トレンディドラマは大体最後に男が海外に行くのが落ちだったなあ。
それもあぐりでやるのね。

林さんは自分の絵を求めにフランスへ行くことに。

森潤が林もエイスケ化したと言うのが笑えます。

そうよね、あぐりワールドにしては林さんは堅実すぎたからww

あぐり、自分の夢を考える

あぐりはまず林に、「自分の本来の夢と違うのでは?」と言われ、
世津子に「自分のお店でそういう格好しているあなたが一番似合う」と言われ、
自分の夢を再考。

明日の最終回はあぐりが自分の本来の夢を見出すのかが見どころですね。
どうやって、どういう形で落ち着くのかなあ。

楽しみです。

 

今日の流れるような15フンは秀逸

今日の15分、なんだか凄く自然で心地よくて、でも大人の雰囲気もあって素敵でした。

「本来の夢って?今と違うんじゃない?」
と林の謎かけに始まって、
その言葉からあぐりは森に言われたことを思い出し、
世津子さんのシーンがあり、
林がフランス行きを決め、
森が淳之介に、あぐりは愛する男を飛び立たせようとする不思議な女性だと笑って評す。

この流れがとても自然で素敵。
ライトで、クスッと笑わせながらも心にスッと入るものがある。

ちょっとフランスっぽいウィットがあると言うか。
なんか、自由でおしゃれで素敵。

今日の回は「あぐり」素敵なところが凝縮されている気がしました。

明日最終回になっちゃうんだ。

なんだかんだで寂しくなってるよ。

なんかジェットコースターみたいにドキドキハラハラじゃないけど、
情熱的なお話ってわけでもないんだけど
そして時にはご都合や雑な部分も確かにあるんだけど

ライトな感覚で見られて、見た後爽やかな気持ちになる。
この独特な空気感、あぐりならではでクセになるところだと思う。