『澪つくし』あらすじ(ネタバレ)第144話
かをるは外川へ行き密かに惣吉を呼び出した。
かをるは警察で梅木に言い合ったことを持ちだした。
そして梅木は元はあんな人では無かった、惣吉のせいでおかしくなったと話す。
「なぜあなたは再婚しないんですか?」
かをるが聞くと。
「俺の女房はこの世で一人しかいねえ」
しかし、私たちはもうどうすることもできない、当てつけはやめてほしいとかをるは訴える。
惣吉は、自分の心は変わらないと言う。
「胸の中ではずっと恋女房だ」
「それならいっそのこと私を連れて逃げて」
親も、子供たちも全て捨てて惣吉と二人で地獄に堕ちる。
「あなたにそれだけの勇気がありますか?」
何もかも捨てて飛び込めば、それで幸せになれるのかとかをるは訴えた。
惣吉はかをると話し合うことで考えを改める。
かをるを何が何でも取り戻したいと思っていた。
それができないなら幸せを見届けたいと。
まさかそれがかをるを苦しめるとは思いもしなかったと。
「どうか私のことは忘れてください」
「もうお前を哀しませたりしねえ」
2人は指切りをして別れた。
入兆に戻ったかをるは、久兵衛に全てを話す。
そこに梅木が戻って来た。
梅木は汗だく。
かをるを探し回っていた。
久兵衛は、かをるが惣吉に引導を渡して来たと話す。
惣吉は今後一切梅木とかをるの家庭を妨害しないと誓ってくれたと。
それを聞いた梅木は久兵衛の前で、これからは心を入れ替えてかをるの幸せを守ると誓う。
かをるもこちらこそお願いしますと答えた。
久兵衛も生き証人として、自分の目が黒いうちは二度と別れ話はさせないと言った。
数日後、惣吉は単身上京。
海軍軍令部を尋ね、工作員の申し出を受け入れた。
「生きてまた帰らずお国のために命を賭う、その覚悟で頼む」
惣吉は頷いた。
ある日、かをるが仕事をしていると英一郎が善吉から聞いたと、惣吉が外川を離れることを伝えた。
惣吉は2時の電車で発つ。
もう二度と帰ってこないかもしれない。
行先も何も誰にも言わないと。
それを聞いたかをるは銚子駅に走った。
かをるが駅に着くと発射のベルが鳴り、汽車が発射。
善吉に声を掛けられ、どうにか惣吉を見つける。
惣吉は、窓から乗り出してかをるを見つめるが何も言わない。
惣吉は、無言のまま去って行った。
かをると惣吉の別れに涙
かをるは密かに惣吉と会いました。
余計なことだけど、密かにってどうやって?とwww
電話かけたみたいですが、惣吉や善吉が必ずしも出るとは限らないし。
どうも惣吉さんが直接出たみたいでよかったけど。
まあ…それはどうでもいいわ。
現れた惣吉さん、麦わら帽子姿でしたね…涙。
惣吉さん、叶わなかった君が浜デートを思い出したんだろうな。
あのとき叶わなかったけど、今日は会えるって期待して…。
ああ、もう麦わら帽子見ただけで辛いー涙。
小道具効いてるわ~。
こんな小っちゃな小道具にも魂が吹きかけられてるよお。
素晴らしいわジェームス。
そしてあの君が浜デートも、今日のためにあったとは…涙。
せつない。
せつなすぎるよお…涙。
今日のかをるの惣吉さんの2人のシーンには涙涙でした。
セリフが秀逸。
かをる、惣吉さんに、惣吉さんのせいで幸せになれないなんて…。
別れたいだけじゃなくて、惣吉さんを排除する言い方。
今のかをるにとってはそう言うしかないけど…。
なんて残酷な!
どこまで追い詰めるの!?ジェームスは!(褒めてる)
「梅木に惚れているのか」
と聞く惣吉さん。
この前、惣吉さんと直接会って話したとき惣吉さん、そんな感じに問いかけましたね。
この前は
「梅木を愛しているか?」
でした。
それに対してかをるは「はい」と答えた。
今回は、「惚れている」というワードを選んだ。
心を大切にする惣吉さん。
「惚れているか」
と、逃げ道を与えない質問の仕方。
しがらみとか、善意や義務感関係なく、ただその人を女性として好きかどうか、惣吉さんはかをるにダイレクトな質問。
それに対してかをるは再び
「私は梅木の妻です」
この前もそうだったけど同じ返事。
「海を見ていました」
以来の、ウソは言わない、必要以上を言わない賢いセリフの逸らし方。
でも惣吉さんは久兵衛さんとは違い誤魔化されない。
「惚れているのかと聞いているんだ」
と再確認。
「はい」
とうとう返事をしてしまいました。
わーん!泣
「はい」
の言葉には少し間があって、うるっときてたけど、
先週のやりとりよりも毅然とした返事。
自分の惣吉さんへの思慕を押し殺してそれ以外のすべてを守る決死の覚悟。
かをるたん、切ない。
それを聞いた惣吉さんの哀しそうな顔も辛いわ。
「俺は梅木の100倍お前に惚れてる」
確かに、惣吉さんが自分を反省している通りに意地張ってるけど。
惣吉さんは意地張るしかないんだよお。
でもかをるは、確かに海底火山ですねえ。
こうと決めたら意志は固い。
ってか、確かに女性はそうは行かないわね。
子供もいるし、惣吉さんよりも周りの状況を考えてしまうから。
今の時代だと惣吉さんとの復縁を選ぶ人もたくさんいると思うけど、この時代だと考えられないねえ。
網元のプリンス惣吉さんのまっすぐが今度はかをるを苦しめる。
そしてかをるの聡明さ、優しさが惣吉さんを傷つける…。
お互い向き合っている時には、この2人の気質がプラスの相乗効果を生み出すのに。
状況が変わると傷つけあうことになるとは…。
状況が一変すると関係がおかしくなったり、その人の見え方が違ってくる様子、これまでも巧みに描かれていましたが、
まさかかをると惣吉さんの関係でも描かれるとは思わなかったー。
別れる約束をして欲しいとかをるが言うと、惣吉さんは手を出して指きりげんまん。
「指切り」なんて…。
昭和ならでは。
若者同士、純愛で結ばれた2人ならでは。
そして、この2人に最後に許されたスキンシップ…涙。
かをるも静かに惣吉さんに応じて指切り。
かをるもまだ好きだよお!!
そして立ち去る惣吉さんを呼び止めて
「もう私の夢には出てこないで」
「お前もな」
なんて切ないセリフのやりとり。
どうか私を忘れてくださいと約束しながら、最も愛する人、心の中のたった一人の人はあなたですと言ったのと同じ。
惣吉さんと言ったことでお互いの真実の愛を誓い合ったのと同じだよね…。
深く愛し合っている2人が一緒になれないなんて…。
ジェームスの恋愛の描き方が深いわ~
『澪つくし』は日本版ロミオとジュリエット。
大正デモクラシーを背景に家柄やしきたりに囚われない自由恋愛を描く、ということでかをると惣吉さんの恋愛を描いていました。
普通はそれで十分。
かをると惣吉さんのキラキラしたラブストーリーを見られてそれだでも盛り上って満足。
それだけで大ヒットドラマ確定なのですが。
でもジェームスはそれだけでは容赦してないのね。
さらに今のような複雑な状況、いびつな関係を作り出して、
そうは言っても社会の中ではなかなか思いを貫くことはできない難しさも描く。
かをると総吉さんが純愛を貫けば貫くほど、周りを苦しめるし、2人は社会的な居場所が完全になくなってしまう。
自分の気持ちを貫いた惣吉さんと結婚した「新しい女」かをるが、しがらみの中に身を置くことを自ら決意するとは…何とも皮肉な。
この選択も「新しい女」ならでは。
いやもうこれ、ホントに考えさせられる。
ただ…惣吉さんが引き下がってくれても梅木がねえ。
梅木は今日久兵衛さんに心を入れ替えると誓ってくれてましたが、きっとムリ。
惣吉さんがこのままだったら三人共不幸になるってかをるは言ったけど、
惣吉さんが引き下がってくれても梅木の中に確立された惣吉さんは取り払われないでしょう。
どのみち三人は不幸になるのが見えてるよ…。
惣吉さんはフィリピン行きを決意
惣吉さん、かをるにどうか忘れて欲しいって言われたとき、目にうっすら涙が浮かんでた…。
「かもめになりてえな」
コレ言った惣吉さん見ていて苦しかった…。
惣吉さん、完全に居場所を失ってしまったことになるから…涙。
これはフィリピン行を決意するに決まってるわ。
ジェームス、ホント自然な流れで上手いこと持って行くわね。
フィリピンはやっぱり仕組まれていたことだったのねぇ。
ご本人も、巷の噂に合わせてたって言ってた過去記事も見ました。
噂までも取り来んで盛り上げるとは。
余裕あるわ~。
「命を賭す覚悟で」
と夏目少佐は言ってましたが…コレ死亡フラグ?
日本は第二次世界大戦の前半は、アメリカ領となっていたフィリピンを占領しますが、後半はアメリカが奪回しようとして各地で激戦となるようです。
ゲリラ戦も繰り広げられ。
確か水木しげるさんが行ってたのもフィリピンではなかったか。
セブ島は終戦まで日本が統治していたみたい。
惣吉さん、セブ島にいてくれることを祈る…。
惣吉さん、死んじゃったら、かをるの「忘れてください」の言葉が惣吉さんを死に追いやったことになるー!
律子さんは自分に関わる男性は人生を狂わすと言い、
梅木がかをるも律子と同じだと言い…。
惣吉さんにそのまま会えずに、惣吉さんが戦死してい待ったら、かをるは一生心の傷を残して生きて行くことになるなあ。
英一郎に伝えられて、迷わず駅に向かったかをるは、間違いなく気持ちは惣吉さんなのよね。
「二度と会わないって約束して」って言えたのは、別れても近くで元気でいてくれることを信じて疑わなかったからで。
まさか、どこかに行ってしまうとまでゃ思ってなかっただろうから。
惣吉さんがいなくなってしまうなんて現実を突き付けられたら本音だだ漏れ。
でもその時にアクション起こしても、もう手遅れ。
ここでかをるも自分の本心は自分には騙せないことを思い知るんだろうけど…。
そしたら、かをるも結婚続けようにも、梅木への気持ちが冷めてしまうよねえ。
うわあ…ここからかをる自身も自分の本心と葛藤して狂いむのかあ。
エグイ。
それを察した梅木も当然苦しむし…。
エグイ。
かをる、惣吉さんとの別れに、胸がうずいてましたが、うずているどころじゃないわよー。
ああもう月曜が待ち遠しくてたまらないじゃないか!