【あぐり】感想ネタバレ第131話 世津子は時間という医者の腕の中で治療中

『あぐり』あらすじ(ネタバレ)第131話


12年ぶりに戻ってきた世津子。
世津子はあぐりに家でエイスケの仏前に手をあわせる。

世津子が最後にエイスケに会ったのが上海へ逃げる前の晩。
エイスケは世津子に「死ぬなよ。絶対に死んじゃダメだよ」と言った。
なのにそう言ったエイスケの方が死んでしまったと嘆き悲しむ世津子。

あぐりはエイスケはやりたいことを全てやって死んだんだから幸せだと世津子を慰める。

そこに燐太郎が妻つた子と子供を連れてやってきた。
従軍記者となって戦地に赴いていた燐太郎は無事に帰還してあぐりの家の近くに住んでいた。

再会を喜び合う世津子と燐太郎。

あぐりも燐太郎も世津子がまたカフェ・セ・ラ・ヴィのカウンターに立つことを期待。
また相談に乗って欲しい、
再び若い文士を育てて欲しいとあぐりと燐太郎は世津子に言うが
世津子はもうそのつもりはないと言う。

世津子は秋田の親戚の元に行き今後はのんびり暮らしたいと言う。
カフェ・セ・ラ・ヴィは高山に譲るつもり。
前のようにやっていく気力がすっかり無くなってしまったと言う世津子。
戦争で人の愚かさを目の当たりにした世津子の心の傷は深かった。

さらに、世津子にとってエイスケが死んでしまったことも大きかった。
「エイスケは私が殺したようなもんなの…」
エイスケを書くことから解放してあげなかった自分のせいだと責めていた。

 

一方、燐太郎も戦争を鼓舞するような内容の小説を書いていたことを悔やんで
今は小説を書けずにいた。
世津子が戻って来れば、もう一度あの頃に戻れるのではと期待していたが…。

あぐりにとってはエイスケの死や戦争はもはや遠い昔のことのように思えていたが
世津子や燐太郎にとっては戦争が未だに心の傷となって重くのしかかっていた。

 

ある日、あぐりの元に淳之介からの手紙が届いた。
手紙には勤めていた女学校を近々辞めて東京に戻ると書いてある。

驚いたあぐりは、逗子の淳之介の下宿にいい事情を聞くと
同僚の女性教師とごく普通の男女交際をしていただけなのに、教師の品位を汚す行為だと問題視されたと言う。

淳之介の処分を決める職員会議。
あぐりは、淳之介に代わって出席し、
恋愛することは人の品位を汚すことではないと意気揚々と弁明。
するとそこに現れた校長は、岡山の女学校の担任だった山姥=山神先生だった!

世津子さんの心の傷は深い…

世津子さん、あのモダンないでたちの、知的で美しい世津子さんが、すっかりその色を失っていました。

日本を逃げた後、世津子さんと森さんは上海に行っていたそうです。
ソ連じゃなくてよかったですよね。
ソ連だったら渡った途端、命が無かっただろうから。
でも外地では終戦後の引き揚げの時、大変だったんですもんねえ。

人々が目の前で次々を殺されていく様を見て心にぽっかりと大きな穴が空いてしまったとのこと。

無事に帰ってきてもそんな思いを引きずる人はかなり多かったでしょうねえ。
今のように精神医学が発達していないし、
精神面のことについてはただただ「恥」としてタブー視されていた時代だったし
克服するのは相当大変だったと思います。

社会の理解がないままどうやって乗り越えたのだろうと思うと想像を絶して気が遠くなリます…。

 

世津子さん、カフェ・セ・ラ・ヴィに入ってきたその瞬間から
色々苦労があったんだろう、傷が深そうだなあと一目で分かった。
セリフなんて聞く前から。
戦前とのギャップもすごいし、その消耗ぶりも。
その見た目があるから、その後ポツリポツリと出てくる説明セリフを聞き入ろうと惹きつけられるし
世津子さんの言葉が真実味あるー。

これぞ女優のお仕事ねと思い知らされるー。
女優魂を見た!

草笛光子さん、さすがだわ!

しかし、世津子さん、心の傷を抱えているとはいえ、
エイスケさんを殺したまで言っちゃうのは思い込みすぎじゃね?w

そりゃ、書く苦しみはあったと思うけど
エイスケさんが岡山で望月組を継ぐのはキャラがあまりにも違い過ぎるから。
エイスケさん土建業とは最も遠いところにいる人ですもんねえ。
そのエイスケさんを物書きとして自立できるようにしてくれたってことで世津子さん功労者だと思うわ。

まあ今は世津子さん鬱状態だからとてもそんなこと考えられないんだろうけど。

 

森潤は森本レオで本当によかった

あぐりは世津子さんが再び相談相手になってくれることを期待していました。

実は心の傷を抱え小説を書けない状態でいた燐太郎さんも
世津子さんが帰って来ればまた以前のように気持ちが戻って書けるようになるかと期待。

しかし、世津子さんはカフェ・セ・ラ・ヴィにはいない…。

あぐりと燐太郎さんが世津子が変わってしまった…とちょっと凹んで語り合っていると、
「なーんにも変わっちゃいないよ」
後ろのテーブルに森潤がいた!

森潤曰く、
世津子は変わったわけではない。

上海でエイスケが死んだとしたときも泣いて泣いている自分を苦しめていた。
世津子は自分を傷つけることで壁を乗り越えようとしている。

時間というお医者さんの腕の中で自分を治療している。

と言っていました。

こういう話をするとき、やはり森本レオさんの声、似合うなあ。
今日のこの語りのために森潤は森本レオさんのキャスティングだったのかも。

森潤は、スナフキンみたいな位置付けの存在なんですねきっと。
どこにも所属せずに、いつも俯瞰して物事を見ているような。

なんだかいつの間にかいてたかっている感じはぬらりひょん見たいでもあるw

しかし、戦後の森潤の風貌はまるで金田一耕助ですねえw

 

あぐりがあの頃に戻れますか?と聞くと
「当たり前じゃないか!
人間はそう簡単に変わることなんかできない!」
と力強く言って来れました。
この森潤の言葉、勇気づけられる。
こんな言葉を信じて、皆戦後の復興をひたすら頑張ってきたんでしょうねえ。

世津子さんが立ち直る日を期待して待っています。

 

淳之介は女性問題で処分?

「人間そう簡単に変わることなんかできない!」
森潤が、力強くいてくれて勇気づけられた後に、淳之介の女性問題とはw
これ狙ってる?
受けた。

そうよねー淳之介の女性問題は、人が変わらないどころか、
世代を越え健太郎さん、エイスケさんと三代に渡って変わってない。
壮大なスケールで変わってないw

リアルでも淳之介さんは逗子の女学校で先生をやっています。
そこで本当にこんなことがあったかどうかは不明ですがw

今回問題になったのは、
淳之介の言い分としては、同僚の女性教師との交際を咎められたということでした。
昨日誘っていた先生かしらー?

しかし教頭先生によると、色々と出るわ出るわ…。

  • 鎌倉の宝石屋の未亡人
  • 逗子の酒場の女店員
  • 葉山の旅館の仲居
  • 挙句に生徒の姉

他にもまだまだいっぱいあるらしい…。

手当たり次第だなあw
あの下宿の未亡人で目覚めちゃったのかしら?

あぐりは職員会議に乗り込んで淳之介のことを弁明します。
かつて岡山の女学校で妊娠したあぐりの通学継続のためにエイスケさんが職員会議に乗り込んでくれた日を彷彿とさせられるー。
あの時のエイスケさんは素敵だったなあ、そのキャラのまま突っ走ってくれるかと思ったら
何度も裏切られたけどw

あぐり、恋愛感情、男女交際そのものに品位を汚されるとかは関係ないと啖呵を切りに行きましたが、
いやあこの場合はちょっと苦しいよねえw
人数が人数だし、
この短い期間では複数同時進行っぽいし、
やっぱり問題視されるのは仕方ないんじゃあ??

あぐり、エイスケさんに鍛えられてその辺鈍感になってる??笑

ちなみに男女交際が品位を汚すというのなら相手の女性教師も処分対象かしらね?
あ、女性教師が自分の他にも女がいると知って逆上してチクッたというパターンかも?

どちらにしてもきっと処分ですねえw

ただ、生徒に手を出さなかったのはギリギリ偉かったなw

女学校の校長は山姥=山神先生=山田邦子さん!

まさかの女学校の校長先生はあの山姥でした!
山田邦子さんまた会えたー嬉しい。

エイスケさんのあのシーンに重ねたのは山姥再登場だからですねえ!

今回の山姥はニコニコ笑顔だったので、あぐりには好意的なのかなあ?
あぐりが女学校を去るときに、これから女性も英語が必要と辞書を渡してくれた山神先生。
あぐりが美容師として自活できる女性になっていることをきっと喜んでくれるのでは?と期待したいところ。

しかし淳之介のこの問題が混ざるとどーなるんだろー?

山姥との再会、どんなことが語られるか明日が楽しみです。