【おちょやん】感想ネタバレ 第72話 テルヲ、周囲を取り込んだ!

『おちょやん』あらすじ(ネタバレ)第72話

 

朝起きると、テルヲが。
千代がぼやいていた建付けの悪い戸を直してくれていた。
千代は、無言のままテルヲを蹴り飛ばして追い出す。

その後も千代につきまとうテルヲ。
千代は無視を続ける。

テルヲは千代の稽古場の前にも。
千代は無視をして立ち去るが、その後テルヲは、ルリ子と香里に、「今後も千代をよろしく」と挨拶。

テルヲは福富にも着いてきた。
みつえは、テルヲに来れ以上千代に近づかないでくれと訴える。
千代がテルヲを無視して出て行った後も、皆は千代にテルヲを近づけまいとガード。
するとテルヲは
「千代はいい友達をもって幸せ者や。これからもよろしゅう頼みます」
と深々と頭を下げた。

みつえに一平が女遊びと聞きつけたテルヲは、説教してやろうと水月へ。
すると嫌われ者同士で千之助と意気投合。
さらに、一平とどちらが強いか飲み比べ。

一方、千代はシズに呼ばれてテルヲの先が長くないという話を聞く。
テルヲを許すかどうかは千代の決めることだが、悔いだけは残さないようにとシズは伝えた。

千代が家に戻ると、なぜかテルヲ待っていた。
「成り行きでお酒飲むんか、病気のクセに」

あんたが死のうが生きようが、赤の他人だと言う千代。
それでいい、最期にちょっと親のまねごとをしたかっただけだとテルヲは答える。
「相変わらず勝手やな…」
すると
「勝ってついでに言わせてもらうけど、役者やめ」
テルヲはいきなり千代に説教。

こんな生活で幸せなのか?
早く子供を産んでお母ちゃんになれ。

千代は激昂。
「幸せかて!?アンタがそれ聞く!?」
「幸せが何かはわからないけど、アンタと一緒にいたときよりはましや!」

すると寝ていた一平が起きてきてえずく。
一平を介抱する千代。
千代と一平の様子を見て、テルヲは家を出て行った。

 

一平は「最後くらい一緒に暮らしたったらどないや」と提案。
しかし、千代は、「何があってもあいつを許すことはできひん」と。
テルヲに対しては憎いとか嫌いとかをとっくに通り過ぎて、
心の中には冷たい、ひからびたものしか残ってないのだと言った。

 

 

外堀を埋めていくテルヲ!

シズさんは、テルヲが長くないことを千代にカミングアウト。
どうするかは千代の意志に任せると言いつつ、後々後悔して欲しくないと言う。

みつえたち福富のメンバーも、テルヲから千代を必死でガードするも、千代が去った後テルヲは「いい友達を持ててよかった。おおきに」と深々と頭を下げた。
思いもよらない、父親らしいテルヲの態度に皆の空気が変わる。

一平に説教に行こうと、水月に乗り込むと、ケンカどころか一緒に酒を飲んで盛り上がり、千之助とは意気投合。

 

上手いよ…テルヲ。
ってか、どうしようもない人だけど、お父ちゃんはお父ちゃんなのよね。
社会的、経済的には大変だったけど、
そのおかげで千代とヨシヲに大変な犠牲を払わせたんだけど、お父ちゃんの気持ちはきちんとある。

ただコレが最もタチが悪いんだよー!

いろいろあったけど本当は子供を一番愛してる。
その気持ちはずっとずっと変わらない。
だから親の愛はスゴイ!
親の愛こそ全て。

そう信じているテルヲは、過去に千代に対してしでかしたことも、それに対してどんなに千代が傷ついたかも、ケロッと喉元通り過ぎちゃって、平気で千代のところに戻ってくる。

テルヲみたいな、愛情さえあれば子供に何しても許されると思ってる親、世の中わんさといますね。
親の愛だからって、子供にいろいろ指図する親も。

親の愛を免罪符に子供の人生に侵食する親=毒親。
テルヲは毒親を凝縮した存在。

 

一般的にゴロゴロいる毒親って、テルヲみたいに明らかにヤバイ人だけでなく、
はた目からは全然の方が殆どでしょうね。
それがまた親子の確執を深くするのですが。

毒親は見えづらい。
おかげで子供がどんなに親を恨んでも、周りに理解されずに辛い思いをする。

 

今日のシズさん、みつえ、福助の面々、家庭劇、千之助さんを次々と取り込んでいくテルヲはまさに、周りには分かりづらい毒親の姿そのもの。

「あんな人だけど、娘のことは可愛くて仕方ないのよね」
「千代の気持ちも分かるけど、そう悪い人じゃないじゃん」
ってついほだされてしまいます。
老い先長くないとなれば同情も相まって。

単純に若者が年寄りを罵ってる図そのものも、人道的にどうよと白い目で見られるしね。

 

でも千代にとっては、長年の深いものがありますからね。
そういうわけには行かない。
千代としては人生掛けて許してやるものかと思うものがある。
それは当然。

しかし、この状況ではテルヲに皆同情する流れ…。
ああ、あるあるだけど辛い。
酷いよお…。

シズさんに、テルヲには先が無いことを聞かされ、後悔の無いようにと言われた千代。
動揺しつつも、頑張って心のバリアーを強固に張り続けていたところに
「一緒に暮らしたら?」という一平のとどめの一言。

ああテルヲ!完全包囲。
千代、逃げ場無いーwww

身につまされます…。

 

 

テルヲの毒親距離感すごく出てる!

今日のシーンとセリフでグサッと来たところは、
テルヲが、一見いじらしい様子を見せながらも
ちょっとスキがあると
「役者の妻なんて苦労するぞ」
「役者なんてやめろ」
「早く子供産んでお母ちゃんになれ」

すぐに人の人生に侵食してくるんだよ。
これ、あるあるだあと!!www

自分も自分の親とは、確執とまでは行きませんが、世代間ギャップと言うか、相性が悪い部分がすごくある。
簡単に言えば、澪つくしの久兵衛、るいさんみたいだからwww

でも結婚して別々に住んでいるので、その関係もクールダウンするし、断絶ではないから好きな部分もある。
親子の情もそれなりにお互いあるんだけど…。
久々に会って、話をすると、やっぱり説教めいたことを言い出してウザイ!地雷ドカン!
みたいなことがありますね。

そんな親子の噛み合わない距離感が、あるあるだわ!と。
久しぶりに会って、やっぱり!って怒っちゃうときの感覚を、テルヲの説教見て思い出したwww

 

いよいよ父親テルヲと千代の真の対決

親子の確執は、親子でないと分からない。
どちらにも言い分はあるだろう。

 

今日の千代とテルヲのやりとりや周囲の人々の反応は、そんな親子のリアルが見事に描かれていたなあと感服!

そしてチープなドラマなら、千代が折れて、2人は仲直り。
涙涙でテルヲを看取るってことをやりがちですが…。
昭和なんてそんなもんばっかでしたからですね。
だから、親の愛が素晴らしいなんて固定観念が出来上がってるんでしょうねえ!怒

でもこのドラマではそれは無いだろうと十分に期待できる。
信じられる。

誰にも心の根っこには「親」の像があって、それに翻弄されるもの。
自分のパーソナリティ形成の根幹でもあり、コンプレックスの元でもある。
誰にとっても一人立ちするということは、親からの呪縛から解き放たれることですが…。
千代の場合は親の像がトラウマとも重なって、相当ハードルが高そうですが。

この高いハードルを千代がどう超えるかが見もの。
このドラマは、コレまでの究極のタブーに切り込んでいくつもりね!と感服しながらワクワクする。

「憎いとか嫌いとかをとっくに通り過ぎてる。
心の中には冷たい、何やひからびたものしか残ってないんや」
この言葉、刺さる。
千代がこの心の奥底の「かさぶた」をどう取り除くことができるか…。