【おちょやん】感想ネタバレ 第40話 千代、道頓堀へ。京都編ラスト

『おちょやん』あらすじ(ネタバレ)

守衛さんが千代宛に花が届いたと持ってきた。
千代宛の贈り物だと言う。
「たった一人でもおまえを見てくれてる人がいるっちゅうこっちゃ」
一平は言った。

夕方千代のところに酔っぱらった小暮がやってプロポーズの返事を聞かせてほしいと言った。
「僕と結婚してください」
頭を下げる小暮。

「堪忍」
千代は、やっぱり女優を続けたいから一緒に行くことはできないと断った。
「うちは小暮さんに不釣り合いです」

すると、ふさわしくないのは僕の方だと小暮は言う。
小暮は千代ちゃんは素敵な人。
さわしくないのは僕の方だ。
千代ちゃんが女優を諦めないことは分かってた。
もしかしらたら千代への気持ちも上手く行かない自分を慰めたかっただけなのかも…。

カフェー・キネマに踊ると
今回のビール月間は千代が一等賞!

小暮が店に来て千代のためにビールを沢山飲んでくれたのだ。
映画で千代を主役にしてあげれられなかったが、せめてこで一等賞にしてやろうと小暮はビールを飲みまくった。
愛のなせる業だと言う真理。

「お酒に弱いくせに。ほんまあほやなあ」

「千代ちゃん今までありがとう。僕が千代ちゃんを日本一の女優にしてあげたかったなあ」
紙吹雪の舞い散る中、小暮の言葉を思い出して千代は涙。

 

小暮が撮影所を去った翌日。
今度は千代が呼び出された。
千代は撮影所から出て行って貰うと言われる。
「顔も並み、背もちっちゃい、色気もあらへん」
と鶴亀の大山社長。
千代は映画には向かないと言う。
千代は驚いて役者を続けさせてもらいたいと懇願。
すると役者を辞めるのではないよと片金所長は言った。
道頓堀で新しい喜劇の一座を作ることになり、千代はその劇団の舞台女優に異動となったのだ。

千代が部屋を出た後、片金所長は千代のことを大山社長に確認。
映画に向いていないということは、良い意味なのか、悪い意味なのか。
大山社長は
「実物のよさがキャメラでは納まりきらんということもある」
と言った。

 

出発の日の朝。
千代はカフェー・キネマの店内を丁寧に掃除。
掃除が終わると洋子たちがやってきた。
ちゃん見送らないと、有名になったときに友達って言われへんからな!

監督は店の奥で目を赤くして寝たふりしていた。
真理は寝坊して大慌てで降りてきた。
別れを惜しむ皆の目には涙。

「ほな、またな」
千代が店を出ていく。
石段を上る千代の後ろから監督が声を掛けた。
「行きます、本番!よーい!ハイッ!」

ここから新しい物語の始まり。

京都編の終わり。じんわり涙涙涙…

今日が京都編のラストなんですねえ~。

なんか、昨日のテルヲとのキョーレツなやりとり、一平とのやりとりの激しい後に、本日のじんわりしんみりが、また…なんとも泣けます。

 

今日の始まりからしてね。
差出人が書かれていない誰かからのお花が届くと言う…。
役者のキャリアアップで悩んでいる千代ちゃんにとっては、思いもよらぬ嬉しい出来事でほっこり。

このエピソードから始まって…。

小暮さんは、千代ちゃんをビール月間の一位にしようとビールを飲んでくれてた。
大山社長と片金所長は千代を道頓堀の劇団へ抜擢。
髪結いさんも、千代が挨拶に行くと髪を結って送り出してくれる。
守衛さんは、撮影所の役者さんたち皆を見守ってくれている。
カフェー・キネマの面々、常連客たちも千代を応援してくれている。

…今日は、どこかで誰かが必ずあなたのことを見守ってくれるよっていう優しさに包まれていた15分でした。
だからかなあ?
今日はいわゆる、1週間の最後、京都編の最後ということで、まとめとして分かり切った展開なんだけど、一人一人の行動、言葉が素敵でジーーーーンとしまくり。

皆それぞれに日々精一杯生きてるから普段はそんな素振り見せないけど…皆、優しい…涙

 

昨日一平が言っていました。
「自分の苦しみを誰かが分かるはずはない」と。
自分が思った通りのことを、相手も思ってくれてるなんてことは無い!
これは芝居道の孤独。
人生の孤独。
でも、裏を返せば、自分が気付かないところで誰が見守っていてくれるかもしれないということ。

自分の思いを他人が分かるはずないと冷たく突き放す一方で、そんな救いも示してくれる。
温かいなあ…涙

一平は、お芝居を続けることで、そんな思いもよらない何かを求めているということかな。

 

飲めないビールを飲みまくる小暮

小暮君の赤ら顔。
小暮君、本当に素直で優しい男子ですー。
純粋に、千代を女優として大成させてあげられなかってことでビールを飲んで酔っ払い…。
その足で千代に返事を確認。

小暮君、振られちゃうだろうなあ~とも予感していたんでしょうねえ…。

千代が「堪忍」「小暮さんに釣り合わない」って言って断ると、また自分こそ釣り合わないと、小暮さんは自分のコンプレックスを千代への愛情で乗り越えようとしていたと正直に答える。
このまっすぐさ、いい子なんだけどー。

でも残念ながら、ここが小暮君が映画監督として通用しなかった決定的な部分。
幸せ過ぎる。
全うに育ち過ぎてる。
人生に葛藤が無さすぎた。

千代と小暮は決定的に違う。
これは昨日の千代と小暮のシーンと一平と千代のシーンの対比で決定的に見えました。
千代と一平のやりとりの、あのヒリヒリとした感じ。
2人には壮絶な孤独感がある。
これを心のどこかに抱いている人間でないと、感情のひだを読み取ること、舞台で自分をさらけ出すことはなかなか難しいんだろうなあ…。
役者の業みたいなものを感じました。

千代と一平は、親の庇護を受けられなかったといことで同じ感覚を持っている。
幼い時からお互いの状況を知っているし。
お互いの弱さ、辛さを共感できる関係。
ソウルメイトって感じなんですかね。

千代と一平は、結婚するんですよね?
結婚する前提で見ていますが、この2人の場合はプラスの感情の結びつきではなく、孤独感の感じ方が似ているという、ところで結び付くんですかね…。

確かに孤独感って、何に対して感じるか、どんなレベルで感じるかは、他の感情より人によって様々ですものね。

千代は舞台女優に

千代ちゃんは、道頓堀の舞台女優への異動を命じられます。

千代ちゃんは高城百合子と逆パターンだね。
高城百合子は舞台→映画。
千代ちゃん映画→舞台。

大山社長によると、顔も取り立てて美人じゃないし、背も高くないし、色気も無いそうです。
逆に高城百合子はこの条件をクリアしていたと言うことね。
さすが井川遥!

当時の映画はサイレント。
映像も、なんていうのか、ちょっとコマが速い、リアルとは程遠い感じ。
簡単に言ってしまえば、動画と言いつつ一枚の絵と変わりない。
そうすると高城百合子さんみたいな見栄えのいい絶世の美女タイプが画面で映える。

そういった視点で考えると、千代は確かに映画ではインパクトに欠けますね、確かに。
千代ちゃんの場合は、仕草や、表情、間の取り方…活き活きした姿が見もの。
大山社長、アドリブ試してたし。
千代、アドリブ成功してた。
確かにライブ感を楽しむ舞台に千代は向いてるよ。

そう考えると、千代ちゃん、あのオーディションのときも、舞台向きかもという片鱗を見せる演技をしていたと。
…確かに見えてたよ。
ヘタな演技を演技でするも大変だけど、まだ形になってない才能の片鱗を見せる演技ってもーーーーーーっと大変だと思うんだがっ!

さすが杉咲花ちゃん、恐ろしい子っ!!!!

 

守衛さんとのやり取りに涙

千代ちゃんと、守衛さんとのやり取りにもしみじみとジーンと来てしまいました。

千代ちゃんがお世話になりましたと挨拶に行くと守衛さんは、「何もお世話なんてしてない。ただ見てるだけだ」と言いました。

守衛さん、何年も何年もそこから女優さんたちの、映画に携わる人生を、喜怒哀楽を俯瞰して見ているんだよねえ…。
渋谷天外さんの演技が深くて…沁みるのーーー!涙

上方演劇、よく知らないので、これまで渋谷天外さん知りませんでしたが、味わい深くて惹きつけられる。

そして千代ちゃんは守衛さんに「ウチはどないだす?」と聞きます。
すすと守衛さんは
「千代ちゃんはよう分からん。ええかどうか分からんけど…忘れられない女優さんや」
と…将来大物と予言。
大山社長が、何か感じていたものを守衛さんも感じていると。

予言通り千代ちゃんが女優として大成するのを楽しみにしてるー!

 

カフェー・キネマのラストに涙

カフェー・キネマの面々は、優しいー!涙

真理ちゃんはもちろん、洋子さんも女給仲間皆優しい。
監督も平田も優しいー。

テルヲ以外は全員、いい人!!
だからか?テルヲに悪が全て凝縮www

もう皆好きだから、千代ちゃんと抱き合って泣いてる姿見てるだけで泣けた!
ちゃんと一人一人の人格を感じるから、抱き合って泣いてるだけでも泣けるんだな…。

今日でカフェー・キネマは最後。
真理ちゃん洋子さん以外の女給さんも面白そうだったし、
監督ももっと見たかったー。

カフェー・キネマがもうちょっと分量欲しかったけど…コロナで回数切り詰めるから?

スピンアウト欲しいですー!

 

千代ちゃんが、階段を上り始めると、監督が「行きます、本番!よーい!ハイッ!」
もうなんだかわからないけど、これだけで泣けるーーー!

石の階段を上っていく千代ちゃん、女優としてのステップアップですね。

 

なんだかもう何もかもにじーーーーんとしちゃって、胸いっぱいでまとまりない気がするけど…
千代ちゃん、いろんな経験を通して、まさに成長しています…涙
この先の千代ちゃんもまた楽しみー。