【おちょやん】感想ネタバレ 第74話 千代とテルヲの対峙

『おちょやん』あらすじ(ネタバレ)第74話

 

借金取りが千代に向かおうとすると、ボコボコにされながらもテルヲは体を張って防御。
「怖いもんなしじゃ!全員あの世行きや!」
ケンカ騒ぎになる。

そこに警察が来て、テルヲ達は取り押さえられる。

千代はたまりかねて外に出て行き叫んだ。
「テルヲ!」

「この男はお前の身内か?」
と警察が千代に聞くとテルヲは
「あねきれいな人がわしの身内であるわけないやろ」
「赤の他人ですわ」
テルヲは警察に連行される。

 

3日後。
千之助の知り合いの警察官によると、テルヲは傷害罪だが、相手が相手だからそう長くなく出られる。
ただ身元元引受人は未だにいないと言い張っていると言う。
千之助は、意地を張らずに会いに行ったらどうかと千代に言うが、千代は「うちには関係ない」と相変わらず頑な。

 

千代は旦さん・宗助の見舞いに行く。
宗助は結石の石が出た瞬間思い出したと、テルヲに助けられたときのことを話す。
宗助が、死にそうに痛いと訴えると、テルヲは、千代の父親代わりなんだから、アンタが死んだら千代が哀しむ!と必死になって病院に運んでくれた。
「自分の方がよっぽどしんどかったはずなのに」
「千代、お前のことを心配してたんや」

 

一平は千代に、テルヲの写真を見せた。
写真のテルヲは大笑いしていた。
「ええ顔してるやろ?」
「ひとの気も知らんと、なんでこんなに笑ってんの?」
嫌だったら捨ててもいいと一平は言った。

 

千代はテルヲに面会に。

テルヲは、せっかく他人のふりしてやったのに何で来たのだと言う。

最後の最後にこんなことして、自分だけ満足して死んでいこうなんて虫が良過ぎるわと攻撃する千代。
「うちはアンタを恨み続ける。それだけ言いに来たんや」

席を立つ千代。
「分かってる」
せめて最後に力になろうと思ったけどこのざまだとテルヲは言う。
そしてテルヲは最後に一言だけ言わせてと。
「わいとサエの元に生まれてくれて、ほんまにおおけにな」

テルヲは千代が生まれた時、本当に嬉しくて、可愛くて可愛くて仕方がなかったことを話す。
それなのに千代のことを放ってしまった。

「あの日から何もかんもあかんようになってもうた。
あれからいろんなことを後悔してばっかりやけど、あの日以上の後悔はあれへん」

テルヲが千代に写真を渡した、テルヲと千代の別れの回想が入る。

「あん時のわいをいっちゃん許せないのは、このわいや!」
テルヲは、これまで千代にしてきたことを、「ほんまに、すまなかったと」謝り続ける。

「何やねんな!今までアンタのしてきたことって!」
千代とヨシヲをほったらかして栗子を連れてきたときのことか?
お金が無いのに酒ばっかり飲んでたことか?
流星丸売りに行ってうちにニワトリの鳴き真似させたことか?
それともうちを捨てたことか!?
うちのお金全部持ち逃げしたことか?

「ほんまに許されへんことばっかりや!」
千代は涙を流しながら積年の思いをぶちまける。

「それでええ。恨まられたまま死ぬ方がお前を哀しませなくて済むさけ」

テルヲは、あともう一つだけ言わせてと。。
ヨシヲに会えたら「すまんかった」と伝えて欲しかったと千代に言う。

「できたらそうしたかった。でもできひんかった」
ヨシヲは、テルヲだけでなく自分のことまで恨んでた、こんなことになったのは全てテルヲのせいだと、千代はテルヲを責めた。

「堪忍な。堪忍や…」
テルヲは頭を下げたまま、堪忍と繰り返し言い続ける。

「お母ちゃん…うちどないしたらええ…?」
千代は心の中で母に問いかけた。

 

 

今日も心がえぐられる…

今日も重く辛い回でしたね。
あさイチの受けも言葉を失っていました…。
華丸大吉さんのあんな反応、初めてなんじゃない?笑

今週は、賛否両論激しいみたいですねえ。
テルヲと千代の関係を見るのが苦し過ぎるという人も多いみたい。

夫も怖いーっと言って昨日と今日は見ないようにしています。
子供たちも、引き気味でコメント無し。

私の場合は、ドラマ構造上どうだろうとか、どんなメッセージがあるとか、ドラマを作り物として見ているところがあるので大丈夫ですが、ストーリーの内容にグッと入り込んで見てしまう人にとっては見ていて辛くなってしまうのもよく分かります。
だから「重過ぎて朝ドラに不向き」ってご意見もご最もだと思う。

でも、それが作品の良し悪しではないよね。

おかげで視聴率が取れないのだという記事を見ましたが、視聴率がドラマの評価ではないとつくづく感じます。

確かにテルヲが出てくると暴力的なシーンもあるし(夫はこれでダメ)、朝ドラには不向きかもしれませんが、「朝ドラには不向き」で見なくなってしまうのはもったいないと思う。

 

「見られない」という声の裏には「向き合いたくない」という意味も込められていると思いますね。
人は真実をいきなり突き付けられると動揺してしまうものですから。
自分の真実を言い当てられると人は最も傷つくし、最も怒るとも言われますからね…。

ということは、このドラマ、多くの人が、「怖い」「見られない」と思うほど、真っ向勝負で親子関係にメスを入れてるんだなあと。
世にいう「毒親」だけでなく、どの親子関係にもある親の「毒」とそれに対する子供の「呪縛」について、まっすぐに向き合って描いているから。

普段見て見ぬふり、自分の中に封印して気付かぬようにしていた部分をいきなり目の前に出されるから、怖いし辛いんだよねと思う。

「怖い」、「見たくない」いう意見が多数ということこそ、この作品がいかに真実を描いているか、深いテーマに触れているかという証明、評価だと思う。

 

残念ながら視聴率=評価と世の中的に認識されているのが悔しいところですねえwww
でもなかなか深い内容だと思いました。

私としては、受け止めた後、自分事として、深く考えたり、自分を顧みたりできる。
心揺さぶられる。

この状態に至る前に、テルヲの様々な妨害と暴力でギブアップって人も多数なんだろうけど笑笑
うちの夫みたいにwww

 

 

テルヲとの対決は千代の内面との対峙

千代とテルヲ、とうとう直接対話。

このシーンは自分事のように見てしまった…。
非常に心揺さぶられるシーンでした。

親子で本音を言い合えるって、ほとんど無いのではと思う。
「親」だからこそ、許せないってこともすごく多いと思うし。

実は親子関係こそ難しいもの。
これまでの日本のドラマって、親子関係美しく描きすぎだったのだと思う。
そのおかげで密かに傷ついてきた人たちが大勢いたのではと思う。

これまでのドラマと違って、千代とテルヲは敵対の親子関係。
千代はテルヲを避け続けていましたが、ここでとうとうテルヲと対峙。
これまでの積年の思いをぶつけることに。

普段の日常、私にはこういうシチュエーション無いなあ、もしこんなことがあったら自分はどんな思いがするのだろうかと思いながら見入ってしまいました。
そして千代がこれまでの思いをぶちまけるその言葉、ぶちまけながら泣かれ続ける涙に涙涙涙…。

確かに、この時間に化粧している人には絶対禁止ですね、このドラマwww

 

この千代とテルヲの対決は、実はテルヲに対してでは無くて、千代の自分の内面との対峙なんだろうなあと。

千代は、9歳で奉公に出て以来、テルヲときちんと向き合ってない。
奉公に行く日、テルヲにお母ちゃんの写真渡された千代は深く傷つきましたが、千代の中のテルヲ像はあの時でフリーズしてしまっているから。

自分の中の凝り固まったテルヲ像との対峙なのですよね。

 

テルヲは、今回は千代に深々と頭を下げて繰り返し、繰り返し謝罪します。
これまで千代に会うたび酷いことをしてきたのは確かだけど、本当のテルヲは、千代が心の中のテルヲの固定イメージよりは、いい人なのかもしれない…。
弱くはあるけど悪人ではない。

子供にとって、親像はモンスターになり得るということですよね。
フロイトだった?アドラー?忘れたけど、人の深層心理には必ず親像があって、それに人は呪縛されているものだとう話がありました。
自分の中の「親」を克服することが真の独り立ちだとも。

 

明日、千代が自分の中に作り上げられた「親」というモンスターを消し去ることができるかに注目。

 

そんなことを考えてると、旦さんが見せてくれた石、「こんなん大きかったらは大変!」って笑った千代ちゃんは暗示的。
そして、宗助さんはその石は嘘だと笑いながら、本当にお腹に入ってた石の大きさは
「こんなにちっちゃい、ちっちゃいもんだった。それでも激痛だった」
と優しい口調で話しますが、
コレは八津さんからの、千代ちゃんへの労わりの言葉かもね…。

 

 

明日はテルヲと千代は和解する…?

テルヲ、「あの日から何もかんもあかんようになった」と言ってましたが、具体的にいつのことか、どんな出来事かは言わず。
明日分かるだろうけど。

きっと、お母ちゃんを亡くすきっかけとなった出来事なんでしょうね。
千代との別れの日なんかよりも、もっと前の話。
千代の記憶がある前の話。

そこでテルヲは壊れちゃったから、千代が知るテルヲはクズ父なんだろうと…。

千代は今日これまでのことをぶちまけましたが、明日は和解するか?
「どうしよう、お母ちゃん…?」
と千代は、お母ちゃんい問いかけていましたが…。

お父ちゃんと和解できると、いいことはいけどね。
ただ、ここまで痛いところえぐりまくっておいて、それでは済まないでしょう。

済まないでいて欲しい気もする。

千代には悪いけど、世の中には許せないままでいる親子関係って五万といるから。
その方が多いと思うので。
敵対する親子関係、その代表として、千代がどう心の始末をつけるのか、それをきちんと見せてほしい。