【おちょやん】感想ネタバレ 第57話 弟ヨシヲと再会。

『おちょやん』あらすじ(ネタバレ)第57話

舞台の上で一平は千代に接吻。
場内で監視していた警察に止められて芝居は即中断。

 

千代にとっては初めての接吻。
ショックを受けた千代を岡安のお茶子たちは慰める。

一平たちは警察に連れていかれて厳しく叱責を受ける。
警察は間違いと認めれば大目に見てくれると言い熊田と天晴は必死で頭を下げる。
しかし一平は、リアルな描写により人の生き様が見えてくる、そんな新しい喜劇をやりたいんだと主張。

熊田と天晴は、警察に取り繕い、一平に無理矢理頭を下げさせてどうにか公演を続けられるようになった。

 

一座に戻った一平は皆に謝罪。
皆は千代が今後一緒に芝居ができるかと気遣うが、千代はあのくらいのこと気にしてたら女優なんか務まらないと強がり。

千之助が千代の初めての接吻をさらし者にした罪な奴だと口を挟む。
千之助は「ああでもせなお客さん楽しませられへんねんもんな」と嫌味。

 

帰り道、一平は「怒ってんのか」と千代に聞くと、
千代は別に怒ってない、大したことないと答えた。
千代の言葉に安心した一平は
「皆大げさだな。減るもんじゃないし」と言いかけると
「アホ!減るわ!」
良く分からないけど沢山のものを失ったと千代は怒った。
「すまんかった…」

しかし千代は、「もうええ」と。
新しい喜劇のためなら勘弁してあげる。
初めてお接吻を芝居の未来に捧げたと思えばちょと嬉しい気もすると千代は言った。

そのかわりゲンコツ一発で許してあげる…と千代が言うと、いきなり男が出てきて一平を殴った。
「姉やんを傷物にしてくれたな!」

姉やん…。
その男はヨシヲ(倉悠貴)だった。

12~3年ぶりの再会。

岡安の皆はヨシヲを歓迎。

ヨシヲは、神戸で土地とか建物を取り扱っている会社に勤めていると言う。
かめは千代とヨシヲの再会に号泣。
シズは千代の弟なら家族同然だと優しい言葉を掛けた。

 

千代の部屋に行ったヨシヲはこれまでのことを話した。

千代が出て行った後、テルヲの借金のせいで売られそうになってヨシヲは家を飛び出した。初めは野良犬以下の生活をしていたが、今世話になっている会社の社長に拾われて今は幸せだと話す。

千代は、ヨシヲが立派になってくれて本当に嬉しいと涙ぐむ。

ヨシヲは初めて映画雑誌で千代の名を見た時ビックリしたと言う。
千代は、以前の撮影所に贈られてきた花かごはヨシヲだったかと確かめると、ヨシヲはそうだと答えた。

千代はヨシヲに岡安に宿泊するように言うが、既に宿は取ってあると言う。
千代は明日のお芝居を観においでと言う。
「姉やんは誰よりもアンタに見てほしかったんやさかい」

 

熊田は大山社長に警察に注意されたことを報告。
大山社長は、検閲は問題なかったのならいい宣伝になったと大喜び。
しかしそこに電話が入る。

 

翌日、鶴亀家庭劇の楽屋に熊田がやってきては当面の間の公演中止を発表。
大山社長のところに脅迫電話がかかってきたからだ。

脅迫電話の内容は、鶴亀家庭劇の上演を続けたら、今度は本当にえびす座を燃やしてやる、前のボヤ騒ぎのレベルでは済まないというものだった。

千之助の嫌味

全てをリアルに舞台のせて人間の生き様を表現したいという一平。

それに対して「ああでもしなきゃお客さんを楽しませられないもんなあ」と嫌味を言う千之助。

芝居のリアルとはいったい何!?
というのが、今週の演劇に関する部分についてのテーマですね。

芝居って、究極の作りものなのですよね。
人物にとっても、出来事も、小道具も何もかも…計算されつくした作り物でなくてはならない。

自分も、素人レベルですが演劇をしたりシナリオを書いた経験がありますが、リアルの出来事をモデルにしたり、モチーフにしても、まんまだと全然ドラマにならないの。
そして、シナリオスクールでも、キスシーンとか、泣くとかは、絶対に書くなと口を酸っぱく言われましたね。
特にキスシーンなんかは、初心者が書いたら安易すぎる内容になるからと。
そんな短絡的なアクションに逃げずに心理描写をきちんと書けよと。
日常生活の自然な仕草や表情を使ってきめ細やかに心情変化を表せよと。

試しにリアルをまんまシナリオのシーンに描いてみようとしたことがありましたが、全く面白くもなんともなかった覚えがある。
やっぱり、脚本って何もかもお互いが結び合わさっている、計算しつくされた様式美なんですよ…。

当時の舞台は、歌舞伎から進化し始めてまだそんな時間が経っていないところで、舞台の動きも歌舞伎由来の大げさなものが多かったと思います。
そんななかで一平がまんまリアルを舞台に乗せてたいという気持ちも凄く分かる。

でもまんまは、ただの現実駄々漏らしで見られたもんじゃないのよ…。

千之助さんは、それを言いたいんだろうなあ。

リアルと、まんまと。
そのさじ加減が脚本のセンスがいいかどうかと分かれ目になり…。
一平は脚本家としてひとつ学ぶことになるんでしょうねえ。

 

ヨシヲは…きっとヤクザ

ヨシヲは、どう見てもヤバイでしょ。
あれはヤクザでしょうねえ。

ヨシヲは神戸で土地や建物を取り扱っている会社で働いていると言ってました。
「土地や建物」そして「神戸」。
もうコレ…決まり。

一平、殴られたときのことを反芻して、ヨシオの胸元を気にしてた。
気になって繰り返し録画をチェックしましたが何も見えなかったけど…。
きっと刺青がチラリと見えたんだろうなあ…。

ボヤ騒ぎも、ヨシヲでしょ。

なんで鶴亀家庭劇を脅迫するのかは分からないけど…。
ラストで出てきた怪しい男二人がヨシヲの親分なんだよねえ。

千代はヨシヲに会えて嬉しさいっぱいでしたが、ヨシヲの目は笑ってなかったぞ…。
ヨシヲとしては千代のこと、残念ながら妬んでるわね…。
早々とテルヲから逃げられて羨ましーって千代を妬んでるな。
しかも今回岡安の面々に会って、さらに妬み根性に火が着いたであろう…。
いい人たちの元で育ってよかったねって千代のことを言っているヨシヲが怖かったよお。

ちなみに花かごのプレゼントはヨシヲじゃないな。

テルヲといい、ヨシヲといい、家族に裏切られ続ける千代が辛すぎる…。