『おちょやん』あらすじ(ネタバレ)第22話
活動写真の会社の社長・黒木にスカウトされた千代。
大阪から辿り着いた途端のこの急展開。
千代にとっては衝撃的過ぎてその場で返事をすることが出来ず。
翌日のもう一度黒木と会う約束をした。
ルームメイトの真理は自分と代わってほしいと言う。
なんでそんなに女優になりたいのかと千代が聞くと、真理は有名になってカッコイイ役者さんと結婚するのが真理の夢だと言う。
有名になったら家出してきた家族を見返すことができる。
そんな真理の話から、千代は自分が有名になればヨシヲが会いに来てくれるかもしれないと思いつき、俄然女優になる気に!
翌日、千代は鶴亀映画京都撮影所に行き黒木を訪ね、女優になることを快諾。
撮影所の近くの洋食屋で黒木と共に出資者川島と会う。
川島は千代を見てデレデレ。
出資を快諾。
それから3日後、黒木逮捕の新聞記事が!
黒木は詐欺師だった。
警察が来て千代にも事情聴取。
幸い千代に被害は何もなかった。
千代はなぜ自分が選ばれたのか疑問だったが、選ばれた理由は川島社長の好みの顔だったから。
自称女優のナンバーワン女給洋子は、本気の女優志望だったら辛くて辛くて仕方が無かっただろうから、ちょっといい夢見させて貰ったと思えばいい。
この世界はそんなに美味しい話は転がってる者じゃないよキツイ一言。
しかし千代は洋子の言う通り、ちょっとおだてられてその気になってしまったと答えた。
その後、千代は平然と女給としての仕事を。
次々の客を接待しチップを稼ぐ。
閉店時間となり、店の片づけをする千代。
灯りを消して一人になると、どうしようもなく涙が溢れて止まらなくなった。
千代のスカウト話は詐欺!
そうか、すっかり引っかかってたわあ。
もしかしたら、今回は回数少なめになっちゃうかもしれないから急ぎ足の展開なの?とまで思ってすっかり騙されてた!
大部屋女優でちょこっと出演しただけ、と陰口叩かれてる自称女優の洋子さんにこの言葉を言わせるのも、深い。
この言葉を言う洋子さん、洋子さんとしても一縷の望みだったってことだよねえ…。
なんて満載な15分なのでしょう!!
まさに泣き笑い。
そして「じょじょじょ女優?女給?」の杉咲花ちゃん、まじ上手い…!
早口の関西弁もお見事。
ホント、スゴイ女優さんだわ!
本当に、恐ろしい子!!!!
撮影所の守衛さんは三代目渋谷天外
いろいろ細かい!味わい深い!
この渋谷天外さん、まんぷくで萬平さんが通う屋台のラーメン屋さんや、スカーレットで丸熊陶業を辞めてしまった絵付け師の先生を演じていたそうです。
知らなかったー!
カフェー・キネマの面々は、いい人たちっぽい
職場としてはブラックではあるけど、店長宮元も含め皆よさそうでよかった。
可愛い。
このメンバーの人柄が見えてくるのも楽しみ。
千代ちゃんの叱られたい客が続出しそうwww
千代の涙に涙
ラストのシーンの千代にはこっちももらい泣き。
昼おちょも見ましたが、直後のニュースで三條アナが涙目っぽい感じがしたのは気のせい?
こういう感じ、なんか分かるわ…涙。
何をやってもダメダメの人生に、一条の光が差し込んできた…と、思ったらそれが最悪の罠だったなんて。
これまで何事も文句を言わずに、頑張ってきたのに。
普通の人が頑張るよりも障害が多過ぎで全然報われない状態でそれでも懸命に頑張ってきた。
そんな状態でわずかに積み重ねてきたものなのに、それらを全てを帳消しにされてしまう。
帳消しどころかマイナスに引きずり降ろされちゃうって感じですよね。
コレはキツイ…。
周りは初対面の人たちばっかりだから自分の気持ちを吐き出すわけにも行かないし。
しかも洋子さんに「本気で女優やる気じゃなかったからまだよかった」なんて先手を取られちゃったから、一言も言えなくなってしまって。
千代ちゃんの性格なら、本物の女優・洋子さんの前では愚痴れないってなるのは必至。
でも…洋子さんはそう言うけど、洋子さんが騙された場合より、千代の今回の件の方が深刻と思うよ!
今回の女優志望の件は、これまで日々生きることしか考えられなかった千代が、「ヨシヲに会えるかも」と初めて抱くことができた夢。
その夢を奪われたんだから。
そして千代は岡安から出て来たばかり。
周りの皆は千代の生い立ちを知らないし。
千代がどんなにショックを受けたか気付くことのできる人はいない。
千代、どうしようもない孤独を突き付けられた…。
一人ぼっちになった途端、張り詰めていたものがブチって切れちゃう感じ、すごく良く分かります。
竹林は千代の原風景
千代が京都に降り立った理由は、電車に乗ってたら、幼い頃千代が住んでいてた家の裏の竹林に似た風景が見えてきて、すぐ次の駅に降りたらそこが京都だったと。
竹林は、千代の原風景なんですねえ…。
少なくとも竹林の風景は思い出したくないものではなかった。
テルヲにあんなに酷いことをされても、それでも竹林の風景に懐かしさを感じるとは…せつない。
お母さんとの思い出もあるしね。
お母さんにもらったビー玉も竹にしまってたから。
やっぱり千代にとって竹林は心の中の大切な風景。
ここのシーンに至る流れがとても美しくて。
おちょやん、笑いあり、涙ありのテンポの良い展開ですが、背景には必ず美しい風景がありますね。
道頓堀の夜の灯りも哀しいくらい美しかった…。
今回の竹林は、千代がお湯に行くシーンで出てきます。
お湯に向かうシーンといえば、千代が岡安に初めて来た晩のシーンと重なります。
子供の頃の千代ちゃんは、お茶子のお姉さんたちに先にお湯に行かれてしまって一人でお湯に向かいました。
座布団の繕いものしててたから、辿り着いたお風呂屋さんは閉まってて。
結局道端の天水桶で一人髪を洗ってた。
洗い終わって、顔を上げると、賑やかな道頓堀に一人ぼっち。
遊び歩く大人たちは、誰一人、千代に気付づかない。
あのたまらない孤独感。
あの、千代ちゃんのぬれた髪の後姿が今でも焼き付いています。
今日の千代も、一人。
でも、今回はあのときの千代とは違う。
あのときより、千代は大人になってるし。
岡安で鍛えられてるおかげで女給の仕事もどうにかやれそう。
女給仲間の真理ちゃんとも仲良くなれそうだし。
あの時より孤独じゃない。
そして、女優になればヨシヲに再会できるかもという夢も見つけた!
そしてお月様にビー玉をかざして、ヨシヲを思い、女優になることを誓う…。
竹の葉をサワサワと揺する風の音に、千代は希望を感じたはず。
岡安から一人出てきたけど、何か明るい未来がありそう…って思えたところでのコレだもの!
千代、可哀想すぎる…。
今日は、千代ちゃん酷い目にあってぺちゃんこにされましたが、竹林の景色が千代に温かい物をもたらすことを祈ります。