【おちょやん】感想ネタバレ 第70話 意外と簡単に仲直り。でも伏線回収はさすが

『おちょやん』あらすじ(ネタバレ)第70話

 

 

一平と千之助の共作『丘の一本杉』は、一座全員、傑作と確信。
一座全員で一丸となって作り上げ、公演に挑んだ。

おかげでこの『丘の一本杉』はこれまでにない大盛況。
大山社長も「ここまでやってくれるとは。鶴亀家庭劇に失礼なことを言った」と喜ぶ。

 

全ての公演が終わり、観客動員数の発表。
わずか15人の差で、鶴亀家庭劇は万太郎一座に負けてしまった。

ただ千代は
「けったいやわ。あまり悔しない」
香里もルリ子も同感。
今できることを精一杯やれたからだろう。

わずか15人と僅差だったわけだし。

「わずか15人、されど15人」
まけた事実から目を逸らしてキレイな思い出にはしないようにと熊田が大山社長からの伝言だと伝えた。

「言うとけ。『次はわしらが勝つ』って」
千之助は熊田に伝えた。

千之助は万太郎と水月で会う。
万太郎が待つところに現れた千之助はチャップリンの扮装。

「チャップリンに会われへんかったんやて」
千之助が聞くと万太郎は
「ワシが断ったんや」
と言った。

世界は二の次。その前に道頓堀で決着をつけなくてはならないと。

15人の差。
そんなものはただの運。

次は圧倒的な差をつけてやると万太郎は言った。

「久々にええもん見せてもろた。兄さんの嬉しそうな顔」

 

20年後にまた会おうと言い合う二人。
千之助が帽子を渡し、万太郎が帽子を被ると…生卵が割れた。

大爆笑して千之助が帽子を被ると…生卵。

2人共大爆笑。

「食べ物を粗末にしたらアカン!」
水月のおばちゃんにしかられ、2人はおいどを叩かれてた。

 

千之助と万太郎の20年越しの確執もあっさり和解

鶴亀家庭劇はこれまでにない大盛況。
万太郎は千之助を認めて、千之助と万太郎は和解。

ちゃんちゃん。
よかったよかったのハッピーエンド。

最後は帽子の中の生卵をやりあって。
水月おばちゃんに「食べ物を粗末にしちゃアカン!」て二人いておいど叩かれて…。

見事に回収してくれてスッキリ!

確かにスッキリではあるんだけど~。
コレで終わり?
ともつい思ってしまう。

20年もの確執って聞いてたからさあ。
もっと根深いものがあると読んでたので。

昨日、一昨日から言ってたように、あれだけ感情的になってるのには、笑いに対する考え方の違いとか、それを通して喜劇とは何ぞやとか、芝居とは?といううんちく話も聞けるかと思ったので…。

千之助はあんなに憎し!って万太郎になると怒り狂ってたし。
万太郎も「切ってやった」「おもろない」フッフッフ…ってすんごい悪役風だったし。

そうとう濃い話が来るかと覚悟してた割にあっさり仲直りしちゃったーとwww

“20年”という年月を気にし過ぎたからかもしれないけど。
『ガラスの仮面』に感化され過ぎな私も悪いんだろうけどねwww

 

劇中劇って難しい

今日は千之助と一平の初めての共作『丘の一本杉』を上演。

前々からそうだけどお芝居は本格的ですねえ。
これは見ごたえがある。
こんな感じが松竹新喜劇なんだなあ~と楽しむことはできる。
ただ、すみません、私あんまり関西の新喜劇が分からないタイプで、なるほどこういう感じの人情物なのね~と理解しても観客の大爆笑みたいにお笑いできないwww

でも、千之助さんも、小山田さんも、ルリ子さんも…チラとだけでも皆さんの舞台上の演技を見てると「ああ!舞台っていいいか~♪」とワクワク感を感じられる。
このワクワクした高揚感を家で味わえるって基調で嬉しいこと!

 

ただ、劇中劇って本当に難しいと思う。
オリジナルの演目を舞台に乗せるということは、本編書きながら複数の芝居の案を考えなくてはならないからもう人間ワザではないと思うので、それをやれとは言いませんが。

でも劇中劇のストーリーを具体的に知ることはできないので、ここが笑えるところね、泣けるところね~ということは分かるけど(これが自然に分かりやすく提示されている、シーンの構成は素晴らしいと思う)、いかんせんストーリーが頭に入ってないから感情移入できないのよ。
仕方のないことだけど。
さらに私は関西の喜劇の笑いがイマイチ分からないのでなおさら。

観客の様子、黒衣さんの「これまでにない大盛況」、大山社長の感想から、なるほどこの芝居はよかったらしい~というのはうかがえますが、一歩引いて冷めてみている自分がいる。

そして、だからといってこれが万太郎一座を超える内容の物だったかと言うと、そこは全く確信が持てないなあ~となってしまった。

まあ、仕方が無いんだけど。

今夕方『花子とアン』の再放送をやっていますが、そこでは『ロミオとジュリエット』を劇中劇でやっていましたが、誰でも知っている原作をやるというのが、劇中劇ではムリの無いやり方なんでしょうねえ。
ドラマ上、わずかなシーンしかできなくても多くの人はそのストーリーを知っているから、ドラマでやってる劇中劇にも集中してどこが見せどころかを感じ取ることができるから。

だからって新喜劇に誰もが知ってる演目があるかというとそうじゃないから、こうやるしかないんだけど。

周囲の評価からすごいらしい、と聞いて凄いことにするってなるしかないのが…仕方ないけど残念要素。

 

とはいえ、伏線→回収はバッチリ。人情物としてはスッキリ

とはいえ、ドラマの構造としては起承転結しっかり。
張り巡らした伏線は金曜にしっかりと回収という構造は安定でスッキリ。

万太郎の「おもろない」で切ったのは、実はたた切り捨てたのではなく、お互い切磋琢磨し合うために切ったらしい、お互い2人で居過ぎてお互いの成長を止めないためにだったと分かったのは、まあそう来るだろうとは見当がついていたけど、収まるところに収まってうん、うんと思った。

カツラに生卵を仕込まれてケンカ→仲直りの別れ際生卵をやりあうというオチも。
それで水月のおばちゃんが「食べ物を粗末にしたらアカン」って突っ込みも。
ああよかったってホッとしたし。
ちなみに星田さんのブログを見ましたがアレは本物じゃないそうですね。
いかにも卵のイメージにやりたいけど、実は本物使ったらムリ!ということから作ったらしい。そのこだわりにリスペクト!

 

あと劇団の一致団結としても全てすっきりまとまってよかったと思う。
百久利さんが、昨日千之助が一平と共作したって知って嬉しそうだったのも嬉しかったし。
百久利、ただのコバンザメ、イエスマンじゃなくて、ただただ千之助さんリスペクトだったのよね。一座の皆と仲が悪いのは本意ではなかったと。
くだらないいがみあいじゃないところがこのドラマが好きなところ。

そして人情物としても、登場人物一人一人の心情をよく感じ取ることができる。
役者さんたち一人一人がそれぞれの人生をしっかと生きている感じ、しかも楽しんで演じている感じが実感できるのも嬉しい。

ちなみに今日は千代ちゃんが、脇役に徹していたのも良かったと思う。
昨日千之助さんと万太郎さんの話に入り込もうとし過ぎか?と危惧したけど、今日はグッと引いて脇役に徹していたのもよかったと思う。

 

人情物、伏線張り→伏線回収の様式美を見る上ではさすが、お見事な作りだと思います。
役者さんたちの演技も見事。
星田さん素晴らしい!チャップリンも面白かった。

ただ、しつこいけど万太郎と千之助の確執にはもっと舞台人のプロフェッショナルとしての、考え方のぶつかりあいが欲しかったなあ~と、ガラスの仮面好きとしては思ってしまいした。