『あぐり』あらすじ(ネタバレ)第61話
2年ぶりに迎える自宅での朝。
あぐりはチェリー山岡のはからいで本来3年の内弟子修行期間を2年で終え、今日から通いのお礼奉公となった。
2年で内弟子修行を終えたのは、チェリー山岡のあぐりを淳之介と一緒に住まわせてやりたいという心遣いだったが、淳之介はまだ岡山。
バケツを叩いてエイスケを叩き起こして2人は朝食。
淳之介が来るんだから規則正しく生活して欲しいと言うが、エイスケの返事は頼りない。
あぐりは、通いの修行になったら一度やってみたいことがあったと話す。
それは寄り道。
銀座のパーラーに仕事帰りに寄って洋菓子食べてみたいと言うあぐり。
エイスケは快諾した。
山岡美容室に訪れる客の話は、伯爵家のパーティにお呼ばれした話など、夢のようなキラキラしたものばかり。
そこに予約無しの客が来た。
あぐりが応対しようとすると、雪は予約が一杯だと言って客を断った。
雪はこの店にふさわしくない客だと言う。
ここは上流階級の社交場でもあるのだと主張する雪。
しかしその話を聞きつけた時子は、あまり気取ってばかりいては新しい髪型が世間に広まらない、いつまでも上流階級のサロンでは先が見えていると主張。
雪と時子は再びバチバチに張り合っている。
山岡美容室では横浜に支店を出すことが正式に決まった。
雪と時子は横浜の支店がどちらに任せられるのか、お互いを意識していた。
その頃チェリー山岡は世津子の元に。
チェリーも横浜支店を雪と時子とどちらに任せていいか悩んでいた。
新しさと技術の点では時子だが、気配りが足りない。
雪は、年齢も高く人望もある、得意客は有名人が多く宣伝効果は絶大。しかし感性が古い。
世津子は、次号からチェリーの対談記事を連載したいと依頼。
新しい女性像を模索する夫人との対談記事。
タイトルは「チェリー山岡 現代婦人と語る」。
「面白そうね!」
と興味を示すチェリー。
最初の対談相手に世津子は石坂和子という女性を提案した。
石坂和子と聞いてチェリーの顔が少し曇る。
石坂和子は一年前にパリから帰国した新進気鋭の美容師。
彼女が出した店は断髪が売り物でかなりの評判らしい。
世津子が石坂和子の評判を話すと、「品が無い」「うちの店より安い」などと難癖をつけるチェリー。
新しい女性美を競い合って追及するという切り口なら読者には受けるはずだと言う世津子。
「私は構わないわよ」
チェリーは対談を承諾。
あぐりは仕事帰りに銀座のパーラーに寄り道。
ケーキを食べてご機嫌でいると、断髪にした女性客を目にする。
女性客の友人たちは、大胆だけどそれがいい!素敵‼モダン!と盛り上がる。
髪を切った美容室は石坂和子美容院だと言う。
そしてチェリー山岡の店については高級過ぎてお客を選ぶからあそこはダメだと噂していた。
その後あぐりとエイスケはカフェ・セ・ラ・ヴィに行き、世津子に石坂和子のことを聞く。
石坂和子は日本橋に店を出し「レザーカットの天才」と言われ、若い女性に人気が出てきた。
石坂和子の断髪に衝撃を受けたあぐりは、石坂和子美容室に偵察に行く。
客だと思われて店員に招き入れられてしまったあぐり。
石逆和子のレザー使いに見惚れてしまう。
そして声を掛けられそのまま断髪。
店に戻って来たあぐり。
チェリーも従業員たちも、見事に断髪になったあぐりに絶句。
田中美里さん、断髪似合う!
田中美里さん、ショートボブがすごく似合う!
可愛い!
コレやるためにヒロインは田中美里さんにした?ってくらいよく似合うー!
これまでの洋髪も素敵でしたがこっちの方がずっと似合うわ~。
今日はこのラストのあぐりの大胆断髪シーンが目の保養~!!!
断髪は当時の最先端!
大正時代はあのウェーブの洋髪があって、その後断髪だったんですね。
同時に来たのかと思ってましたが、
そういう順番だったんだ。
なるほど。
確かに女性は髪が長いのが常識だったから、
ウェーブヘアは日本髪の延長線というば延長線。
断髪は断髪そのものがビックリだったのね。
断髪といえば、「澪つくし」の律子さんですが、
そう考えると、律子さんのあの髪型は最先端の中の最先端!
相当尖がってたのねえ、律子さん。
銚子ではとんでもビックリな髪型だったワケだ…。
でも律子さんの断髪はすごく似合っててとんでもなく麗しかった~。
だから尖がってても、それがどうしようも惹きつけられて…
憧れてしまいますよねえ~かをるたん。
ってことは律子さんは石坂和子美容室でカット?と思いましたが、
あぐりは確か今昭和4年で、石坂和子は一年前にパリから帰って来て開店と言ってたので
石坂和子美容室は昭和3年回転。
律子さんがかをると初めて出会ったのは昭和元年前後。
律子さん、石坂和子が断髪広める前に既に断髪していたことになる。
律子さん、日本の中でも最も最初に断髪した人の一人なんじゃない?
山岡美容室 VS 石坂和子は美容師業界の新旧交代?
ウェーブ→断髪
洋髪の中でも新旧交代劇があったということですね。
その新旧交代劇にも、争いや揉め事があり。
新しい世界の中でも大変だ。
岡山なんてもう化石の世界じゃないですかっ!www
そして洋髪の第一号店であった山岡美容室はウェーブ派。
ウェーブ派としては断髪なんて邪道!とんでもない!だったのねー。
難しいもんですねえ。
新しい人たちにとっても、自分にとって新しいもの、異質なものは受け入れがたい…。
センスが古いと評される年輩の雪さんは断髪なんてとんでもないで一切受け入れなかったし。
「奇をてらっただけ」
「技術的にも未熟」
とバッサリ。
「技術的に未熟」と言ってましたが、そもそもカッとしたことがないんじゃあ??と思ってしまいましたが…。
長い髪のままだから毛先整える程度しか切らないはずよねえ??
しかし、時子さんの言う通り、これからは上流階級相手だけだと行き詰まるわね…。
チェリー山岡、名取裕子さんが可愛い
チェリー山岡は、明らかに石坂和子さんの存在に焦りを感じていますよね。
女性美に対しての考え方の違い。
断髪は、受け入れられないチェリー山岡。
でもあり得ない、下品と言いながら、追いつき追い越されるかもしれないイライラが…。
世津子さんに石坂和子の名を出されると何となくイライラしてくる感じが、すごく可愛かった~。
キライ!と思いつつプライドが邪魔して世津子さんにかまかけられると、つい石坂和子との対談にOKしちゃったチェリーさん、すごく可愛い。
さすが名取裕子さん。
下手すると、鼻持ちならない女性の意地っ張りにしかならないところだけど
チェリーの意外なちっぽけさが見えてなんだか滑稽で可愛くて、逆にチェリーに好感持てた。
しかし、世津子さん、チェリーと石坂和子を合わせて対談したらケンカになっちゃうだけかもよ…爆
断髪あぐりはどうなる…???
断髪に衝撃を受けたあぐりは…偵察に行ったままの流れで断髪に!
KYなあぐり、自分のやりたいことに忠実に突き進むあぐりだから仕方ないけど…。
断髪ありえねー!という考えの山岡美容室で断髪がいるの、まずいよねえ…。
これはチェリー山岡の逆鱗に触れるのでは??
破門になっちゃうのでは!?
と心配…。
でも…でもでも!
あぐりの髪型、実際にすごく似合って可愛いから、
頭では断髪ありえねーだったけど、結構いいじゃない!という方向に行くかなあ?
行く!?
行ってほしいけど…。
行かないのかなあ~???
このあぐりの髪型を、チェリーや従業員がどう受け止めるかが、山岡美容室の未来を握っているような気がするわ…。