【あぐり】感想ネタバレ第95話 森潤との別れ…泣けた!

『あぐり』あらすじ(ネタバレ)第95話

世津子に婦人現代への原稿を依頼されたあぐりは、
「我が夫・望月エイスケ論」の執筆に頭を痛める毎日を送っていた。

エイスケは相変わらず夕方6時にどこからか戻ってきては和子をお風呂に入れて7時になると疾風のようにどこかに消えて行った。

その後エイスケはカフェ・セ・ラ・ヴィへ。
するとそこには先日特高に逮捕された川原甚八がいた。
エイスケが声を掛けようとするが川原は無反応。
川原はすぐに釈放されたが酷い拷問を受けて廃人同然になってしまっていた。

権力が彼のみずみずしい才能を潰してしまった、
あふれ出る彼の創造性の全てを暴力が押し殺してしまったのだと嘆く世津子。

文壇の中で相反する考えの川畑だったが、あまりにも変わり果てた姿にさすがのエイスケもショックを隠せなかった。

 

その頃、あぐりのところに森潤が。
久しぶりにみんなとすき焼きを食べようと豆腐入りの鍋を持参で訪ねてきた。

美容院の2階のベランダから夜の街を見つめているエイスケ。
「ほう、まさに闇の街であるな」
森潤は、川原甚八の話をしはじめる。

作家がその筆を持てないように彼の指を叩き折る。
人間が人間としていきられない。
そんなたちの悪い場所になっちまったのかねこの国は。
そんな国ならいっぺん消えちまった方がいいかもしれねえな。
所詮国家なんてやつは幻想でしかねえんだから。

そして森潤はこの暗闇をどう生きるのかとエイスケに問いかける。
「さあ…」
答えが出ないエイスケに、森潤はこの暗闇をあざけり笑いながら書きつけろと言う。

そしてエイスケが森にどう生きるつもりかと問い返すと
「国家ってやつと一緒に消えちまうか!鍋の中の肉や豆腐みたくな!」
と朗らかに笑った。

それからみんなで賑やかにすき焼きパーティ。
酔いつぶれたあぐりとエイスケが目を覚ますと森はいつの間にか姿を消してしまっていた。

翌朝、特高が森潤を捜しにあぐりの家やカフェ・セ・ラ・ヴィにやってきた。
森潤は「国家幻想論」を執筆し特高に目を付けられていたのだ。

昨晩すき焼きをやろうと突如森が現れたのは、別れの挨拶だったのだ。
全然気付かなかったと沈むあぐり。

しかしエイスケは「別れじゃないさ。またいつか会えるさ」と答えた。
「そういう時代が…必ず…来る」


 

森潤がすき焼き鍋持参で登場

久々の森潤さん登場!

SNSでは森潤さん評判悪いですが
私は単純に森潤のバカ騒ぎが好きー。

脈絡もなくハチャメチャに引っ掻き回してくれる感じが私にとってはかえってツボでwww
これぞデカダンス!ダダイズム!って思っちゃうのでwww

なので相変わらずの豆腐だけ入った鍋で登場にはキターーーー!と
嬉しくなりました。

こんなおバカができるのも自由ならでは!平和ならでは!
様々な価値観が混在するカオス。
これぞ大正デモクラシー!
ドラマ演出だからこそおバカではありますが、自由を謳歌している象徴に見えるのよ。

しかしコレが最後?になろうとは…涙

 

ちょっと話がそれますが、私の叔父がちょっと森潤に似ていますwww

別にお堅いところのサラリーマンだった人ですが
非常に本が好きで知識豊富で話が面白くて。
地方から東京の企業に就職し転勤で各地に行っていたのですが
季節になるとお墓参りのついでに私の家に予告も無くフラっと突如現れる人で。
訪れるとお酒を飲みながら賑やかにいろーんな話をしまくって満足するとスッと帰って行く。

なかなかユニークな行動パターンの叔父でしたが
でも都会のサラリーマンをしていた叔父の話は他の親戚とは違ってインテリジェントな話題が豊富!私はその叔父の話を聞くのが楽しみで。
叔父と両親との会話を横でワクワクしながら聞いていたなあ。
毎度家に来る度に、私には「そろそろこんなの読みなさい」と
少し大人目の本を買ってきてくれたりして。

さすがにサンバはなかったけど。
サンバじゃないから家族も私も突然の叔父の来訪を楽しみにしていたのですが~。

そんな叔父の雰囲気が森潤に共通するから森潤がお気に入りなのかもしれないー。

叔父は昭和初期の生まれなので、あの文士達の「語り」の感じを色濃く引き継いでいたんだろうなあ。というわけで森潤のあの「語り」はいかにも当時の文士って感じだと思う…。

 

特高の弾圧。川原甚八は廃人に

この頃の社会主義者への弾圧は酷かったようですねぇ。

澪つくしでも水橋がボロボロになってたし、
おしんでも浩太さんがやられてた。

川原さん、相当酷い拷問を受けたようですっかり無表情、無反応に。
一人では満足に歩けない状態。

あんな状態でどうやってカフェ・セ・ラ・ヴィに?
こんなカウンターに座ってること自体辛くないのか???
と別の意味で気になるwww

しかし、暴力とは人の心をも潰してしまうのよねえとつくうづく。
さすがのエイスケさんもショックを隠せない。

日本でこんなことをやっていたとは今では信じられませんが…。
そしてそれがエスカレートして戦争へ…。

嫌な時代の始まりですねえ。

 

森潤は特高に追われていた…!

いつもバカ騒ぎの森潤ですが…
今日のエイスケさんとのシーンはシリアスで…。
いつものバカ騒ぎとの対比で一層切なさが増して、心が刺さりました…涙

確かに当時は、プロレタリア文学でなくても、文士達は
世の中の不穏な空気の中で、言いたいことも言えない閉塞感に苛まれていたのでしょうねえ。
発表の場を無くしていしまうことになるわけで。
この先どうしたらやって行けるか不安になったでしょうねえ。

森潤さん、「国家幻想論」という、普段のイメージとは異なる尖がった内容の論文を書いていました。それで特高に目を付けられた。
森潤としては、プロレタリアの文士達が次々と弾圧されていく様子に居ても立ってもいられなかったのでしょう。
森の正義感ですねえ。

バカ騒ぎしている間は森さんは平和と自由を楽しんでるってことんなんだろうなあ…。

「国家ってやつと一緒に消えちまうか!鍋の中の肉や豆腐みたくな!」
という森潤のセリフ、いかにも森潤で。
切なくて涙が出た。

森潤は、文士として心底この国の行く末を憂いていたのよね。

「国家ってやつと一緒に消えちまうか!」
には、国家に怒りを感じつつも愛国心はまだまだあって…それが切ない。

森潤のモデルはダダイズムの思想家 辻潤

森潤さんのモデルは辻潤だそうです。
辻潤はダダイズムの中心人物。

放浪者同然の生活をしていたそうですよ。
パーティで奇行をすることもあったようで精神異常の兆候もあったらしい。

そんな人物像をモチーフにしての、日本各地を放浪し、サンバを連れて来てバカ触ぎをする森潤のキャラなんでしょうね。

さらに仏教にも傾倒していたようで、だから森潤がお金が無くていつもたかる設定は
托鉢のお坊さんのイメージも重ねているのかも。
托鉢のお坊さんはたかるワケではありませんが、ブラックな逆にして。

辻潤の死因は餓死だそうです。
すき焼き食べている森潤のイメージは辻潤へのエレジーかもしれない…。

森潤さんはこれで終わりなのかなあ。
私としては寂しいですが…。
戦争が終わった後に是非とも出てきてほしいと願う…。

ちなみに今日のラストの星空に浮かぶ森潤は、なんか昔アニメっぽかったwww