『おちょやん』あらすじ(ネタバレ)第85話
千代は一人、稽古場に雑巾がけをしている。
千代は稽古場を自分で借り、一人でもいいから家庭劇を続けることにした。
「鶴亀家庭劇」の掛け軸は「鶴亀」に×をして「家庭劇」に。
「鶴亀敗れたり」
そこに寛治がやってくる。
寛治は自分には失うものは無いからと家庭劇を続けると言ってくれた。
2人で稽古をしているとルリ子が。
ルリ子は実家の父とケンカして勘当されたと戻って来た。
さらに徳利、天晴、漆原…。
一平以外の座員たちが全員戻って来た。
やはり家庭劇を捨てられない芝居を捨てられない。
最後に一平が戻ってくる。
一平は1日だけだが京都の劇場を押さえてきてくれた。
家庭劇は1日だけだが京都での興行を決定。
皆で乾杯。
その頃、シズの元を菊が訪ねていた。
「まだ諦めてへんやったら、何が何でも生き延び!」
死んだらおしまい、岡安の再興も生きていないとできない。
菊はそれだけを伝えに来た。
菊の言葉を聞いてシズは、かめに旦那さんと共に三田の親戚の家に疎開しろと言って帰した。
いよいよ京都 朱雀劇場での興行の日。
久々の興業に落ち着かない気持ちの千代と一平。
するとそこに寛治がやってきて、昨日の夜大阪が空襲に遭い道頓堀もやられてしまったと。
千代はシズの身を案じる。
家庭劇は全員やめない
結局家庭劇のメンバーは皆戻って来てくれました。
ちゃんちゃん。
それでいいのだろうかー!?
みんなお芝居好きなのね、よかった♪ってなるかー!?
徳利さん、子供5人は疎開させなくていいの?
家出ボーっとしてると子供たちに「お芝居しないの?」って聞かれたって言ってたけど
疎開の準備でボーっとしてる暇は無いんじゃない?
なんか納得できず。
大変な状況だけど皆で家庭劇ガンバロー!ってなるの、
このコロナ禍で大変な人たち、特にエンタテイメント業界の人々を勇気づけるつもりかもしれないけど、
このタイミングではまず命が大事なんでない?と気になって仕方が無い。
ここで皆が集まってよかったよかったしてるのは、何があっても出勤しろ!と言うパワハラ上司に見える。
千代にとっては家庭劇が家族かもしれないけど、皆にはそれぞれ家族もいるのよ。
多様性を認めない社会のようにも見えるよ。
それに事実、当時の状況からして、全員が全員残るってあり得ないのでは?
だから全員残るって、やっぱり断れないのよねえ…とも。
千代、意地でも家庭劇やるっていうなら、たとえ一人でもやるって言うなら、徳利さんの疎開先に皆で行ってそこで芝居してれば?とも思ってしまうよ。
どうせ道頓堀は疎開で人が減ってるんでしょ?
そっちの決断の方が人を大切にしつつ、芝居を続けるという意志が見えると思うけど。
リアル千代が大阪に留まってたんだろうからそれは描けないんだろうけど。
あれだけ悲しませといて、翌日ケロッと皆舞い戻ってくるのもどうかと思うし。
この全員再集結はただのご都合展開に見えました。
あと、年齢設定分からないままだけど若い寛治に「どうせ失うもんあらへん」って言わせないで欲しかったなあ。
寛治は千代と一平に引き取られて、どうせ失いものあらへん人生から希望のある人生に変わったんじゃないの?と。
その言葉を聞いたら千代は、心を鬼にして寛治だけは疎開させねばならないのでは?と…。
寛治の人生搾取してるじゃん。
千代の気丈さはただのわがままでは?
「鶴亀家庭劇」の「鶴亀」に×つけて「鶴亀敗れたり」と言う千代。
これで気丈さを表すっていうのも…。
そして千代が戻って来た一平を睨むように見るのが、ちょっと見ていて哀しかったなあ。
一平は座長として、座員と座員の家族の命を守るためにも、家庭劇の断念をするのは当然とは思わないかなあ?
40歳近くの千代が、ただ家庭劇続けたい、大山社長憎し、一平憎しって態度に見えるのは痛い。
最後に一平が戻ってきて京都の劇場を押さえて来たと聞いたら「堪忍」って言ったけど、それだと一平が自分の言い分聞き入れてくれたから一平を許したって感じに見えてしまった。
うちが何を言っても「ええで」で返してって言うのも、私の目には、一平に賛同を強要しているように見えてしまったよ…。
千代のその身勝手さはテルヲの不愉快と全く同じじゃないかと。
奇しくもテルヲに似ている皮肉?
でもそれは違うと思うよ。
スカーレットの喜美子も息子の学費に積み立てているお金を陶芸に注ぎ込んで八さんに愛想尽かされてしまいます。
あれと同じで千代も芝居に魅せられていているからって理屈かもしれないけど、喜美子とはやっぱり違うと思う。
喜美子は、のめり込むからこそ八さんと別れたもんねえ。
誰にも頼らない道を選んだから。
シズさんも、道頓堀に自分は残ると頑固だけど、シズさんは他の人を巻き添えにしないようにしている。
千代にはそれが無い。
寂しくても、皆の身の安全を考えてあえて突き放さすべきだと思うよ。
1日だけだけど京都で興業を決まると皆で乾杯となりますが
音頭を取ったのは千代。
一平にマウントしたなと。
千代マンセーだわと…。
なんか…崩れてきちゃったかな…。
大阪空襲。シズは?菊は?結果は来週へ持ち越し
一平が京都の公演を押さえることができ一座は京都へ。
おかげで千代たち家庭劇のメンバーは空襲を免れます。
浪花千栄子さん、実際にそんな感じで空襲を免れたんでしょうねえ。
そういうこともあるから、それ自体には文句はないけど…。
でも、どうにかして戦争描かないように逃げてる?とも。
ここまできても戦争の緊迫した状況が見られないのはさすがにどうかと。
もちろん戦禍のシーンを描く必要はないけど切迫した感じが見られない。
寛治から翌朝聞くという形で大阪空襲の情報がもたらされますが、
京都から大阪なら、前日の晩、空が真っ赤になってるのが見えないか??
そういうシーンにしただけで、切迫した感じが伝わるのになあ。
そしてシズさん、菊さんが無事であるかどうかは来週持ち越し。
人の生死の結論で来週への引きにするってのもどうよ…??
菊さんの「何が何でも生きろ!」という啖呵、カッコ良かった。
シズさんと菊さんのシーン素敵なのに。
シズさんが、かめに疎開しろ!と言った気迫も凄かった。
こういう響く感じがシズさんと菊さんにはあるのに、千代に無いのが残念すぎる。