【澪つくし】感想・レビュー 第48話 惣吉、「巻き網でクジラを捕る」かをるを嫁にすると決意!

『澪つくし』あらすじ(ネタバレ)第48話


梅木と清次は吉武家を訪ねた。

かをるの縁談が破談となったのは惣吉が原因。
梅木と清次は今後一切かをると会わないで欲しいと迫った。

しかし惣吉は、会いたいときは会う。俺の自由だとキッパリ。
かをるに惚れていたが、とっくに別れた。
それなのに手を引け打けなどと言われたら腹の虫がおさまらない。
寝た子を起こされたのと同然だと惣吉は激怒した。

とねも惣吉が悪いと言いがかりをつけられたととねも憤慨。
頼みごとがあるのら社長が直々に来るべきだと言い放った。

 

吉武家は意外に手ごわい相手だったと植木と清次は久兵衛に報告。
梅木は、こうなったら攻撃より防御を。
かをるを入兆に引き取るのが最善策と久兵衛に進言。

 

夜、かをるが月を見上げて惣吉を想っていた頃、惣吉も浜辺で月を見上げていた。

惣吉は、漁労長・源八に、かをるを嫁に貰うと宣言。
周りの者は皆反対するだろうと言う源八に、惣吉は
「決めた以上は誰にも邪魔はさせねえ!」と毅然と言った。

 

 

惣吉 VS 梅木の初対決

いよいよ醤油屋vs漁師の初対決。
惣吉さんと梅木の対決です。
体育会系イケメンと知性派イケメンの闘い。

これまで梅木の方がいいな~なんて言っていましたが…。
やっぱり惣吉さんカッコいいわああっ!!!!

鼻がシュッとして高く、目は切れ長、シャープなまなざし…正統派イケメン!!!
漁師の姿で梅木と相対する姿は、ワイルドでカッコいい!

ここまで焦らして焦らして…ほとんど出番の無かった惣吉さん。
これまでの出演シーンといえばかをるとの絡み。
ラブラブ、ジェントルマンモードでした。
そんな感じで引っ張りまくってからの、本日の毅然とした態度は…しびれるぅーーーーっ!!!

何コレ、超男前じゃんか!
カッコいいーーーーー!!!

これまで焦らしたのは、このためだったのねえっ!!
そしてシナリオ効果ももちろんだけど、それをバッチリ裏付けする川野太郎さんのイケメンとオーラと言ったらもう!
あーーーーカッコいい!
このカッコよさ、痛快だわ!
快感この上ない。

沢口靖子さんも完成度の高い美しさですが、川野太郎さんもすごくキレイな顔してる!
和風の正統派な美形というか。
日本人形、お雛様の男雛って、こういうイケメンをイメージしたお顔なのね~と見惚れてしまう。
かをると惣吉、お雛様にぴったりだわ~。

 

惣吉さんのイケメンぶりが痛快!

これまで惣吉さん、小出しでしたが、今日の対決で惣吉さんのキャラ全開!

いやもう、イケメンはもちろん、その毅然とした態度が超男前でしびれます!

まず吉武家の人間と聞いても堂々とした態度で好印象。
かをるとどの程度の仲なのかと梅木と清次に根掘り葉掘り聞かれても、正直に話す爽やかさ。
まあ、そうだよね。
やましいことなんかないもんね!
口吸い以外は…爆

で、梅木がもう二度と会わないでと言うと、
「会いてえときは会う。俺の自由だ!」
と…。
“自由”とキターーーッッ!!
律子さーん!アナタが大好きな自由、惣吉が言ってるよーーー!
全然普通に言ってるよー!

で、清次がかをるのことを、なぶり者にしてくれたって言い方で惣吉を突っ込みます。
“なぶり者”って聞き慣れない言葉ですが…もてあそぶってことみたい。
それを聞いた、惣吉さんったら
「惚れた女をなぶり者にできると思ってるのか!」
と…。
はあ~惣吉さん…。
好きな女性には、軽々しく手を出すことはしないと純情宣言!
広敷の奴らとも、久兵衛さんとは全く違う種類の男とパッキリと一線を画しましたー!

さんまたち広敷者の酷いセクハラ、惣吉さんのこのセリフを際立たせるものだったんだ!

そして、「せっかく思いとどまってたのに、そっちの方が手を引けとか言われたら腹の虫がおさまらねえ!」と怒り爆発!
正々堂々と自分の意志を表明!

周りを一切気にせず、たじろぎもせず自分の思いをまっすぐに伝えられる強い男、惣吉!
いやいや、とねさん、素晴らしい息子に育てましたあ!

とねさんも梅木と清次の一方的な言いがかりに憤慨して小刀出してきました。
とねさんも、元々は入兆に偏見持たないリベラルな考えの持ち主。
でも息子が侮辱されたり、“漁師風情”という差別的言葉が出てきたら刀出すほど怒り!
正義感が強く情に厚い人柄なのよね。
そして思った通りのことをストレートに行動に出す人。
とねさん、律子さんの言う通り“新しい女”なんだわ…。

しかし惣吉さん、冷静に母を制止。
惣吉さん、ケンカになったら超強そうだけど、梅木と清次なんて簡単にボッコボコにしそうだけど、そこは飽くまでも冷静。
クールさも持ち備えてるのね…。

そして、とねの号令に、梅木と清次を追い出そうとした漁師たちを「やめろ!」と一言で制止し、「丁寧に、駅までお送りしろ」と。
どんなに怒ろうとも決して礼を欠かすことは無い。
そして強面の漁師たちも、惣吉の鶴の一声でピタッと止まる。
惣吉、まさに漁師のプリンス…!!

クーーーッッ!
しびれるわー。

もうあらゆる方面で完璧!
圧倒的にカッコいいい!

こうやって分析してるとなんと精巧なセリフづくりか!
惣吉さんの魅力爆発だわー!

梅木もカッコいいけど、惣吉さんの前には霞んじゃうわ…。
完全に惣吉の勝ちーーーっ!!!

 

惣吉、「巻き網でくじらを捕る!」自由の象徴。新しい男!

さらに惣吉は、漁労長の源さんに、かをるを嫁にすると宣言!
漁する場所を間違っちゃいかんよ~イワシでクジラは捕れないとよと言う源さんに、「巻き網でクジラを捕る」と。

巻き網でクジラって…その言い方、受ける。

しかし、惣吉さん、いいですね~。
大らかで、気持ちがまっすぐで、力強くて…いかにも海の男。
潮の匂いがするような…。

惣吉は、入兆メンバーとは違ってしきたりとか、しがらみとか気にしない。
その分、真実がスコーーーン!と見えている。
そして、しきたりやら、しがらみなんて面倒なこと、平気で飛び越えて行くパワーを持っている。

そう、惣吉さんは、心が解き放たれた一個の人間!
自由な存在!
惣吉さん、“新しい男”だった…!

律子さんー、アナタの憧れの自由、惣吉さんがとっくにやってるよー!
難しい本読んだり、芸術を語らなくても、惣吉さんは平然と昔から普通にやってるよーーー!!

ああ~なんとも皮肉。
そしてニクイ設定。

自由を追い求めている律子さんの相手ではなく、かをるの相手が真の自由を知っている人物とは!

律子さん、自由を追い求め、社会主義者の水橋と恋仲ですが、水橋も所詮自由を得ようともがいている存在。
律子も、水橋も、彼らの知る自由は書物で知ったものでしかないのよね、結局は。
頭でっかちな自由。

でも惣吉は、心が自由。
そして、社会の中でどのようにしたら自分の意志を貫くことができるのか、体験から知っている人。
だから生命力が備わっている。

頭の中だけで描く“自由”はともすれば破滅に向かう。
社会主義者の水橋もそう。
そして自由を求めて軍隊に入ろうとしている小浜も。
小浜はどういう形で再び律子の前に現れるか分からないけど、律子さんの周りには、残念ながら破滅の要素しか無い…。

自由による幸せをかをるで見せて、律子さんには自由による破滅を背負わせていくのかしら…。

 

で、話を戻すと、惣吉は漁労長の源さんに、周りは全員反対するだろうと言われますが、
「俺が決めたことは、誰にも邪魔させねえ!」
と力強く言う。
生命力に溢れた、堂々とした姿は痛快です。
惣吉さん…誰もが惚れるわ!

惣吉、決めたとなると力強く前に進むんだろうなあ。
そのエネルギーが見て取れる。

どーする梅木い!
アンタ、ライバルをやっつけるために言ったつもりで寝た子を起こしちゃったよー爆
こんな皮肉な構図もちゃっかり盛り込まれてて…ジェームス、つくづく凄いわ。
ジェームスの頭の中、のぞいてみたいわ。

 

久兵衛さん、梅木の報告を聞いて焦る

久兵衛さん、梅木と清次からの報告を聞いて、ワタワタ…焦りまくり。
そう簡単な相手ではなかったと。

で、とねさんに「お願いしたいことがあるなら直接来い!」って言われたことにプンプン!

あ~体面ばっか気にしていると大変ね(笑)
これまで、入兆の歴史やその贅沢な生活ぶり、久兵衛さんの豪快さを見て、そのゴージャスさにうっとりしていたものですが、本日の惣吉を見せて貰った後ではけんもほろろ爆
久兵衛さん、痛い!痛いよぉ爆
プライドにがんじがらめって、なんて滑稽な。
久兵衛さんが、途端にただの痛いおっさんにしか見えなくなったわ…。
この落差!
この見せ方!

もはや、るいさんのことも痛いとしか思えないしね。
かをるのママとしてこれまでかなり共感して見ていた方だったけど。
清次さんも「宝の山」なんて言ってるし…爆爆爆
所詮この人たちは入兆に寄生しているだけの痛々しい存在なのよね、やっぱり。
ハマーがキツイの、すごくよく分かった…!
ハマーに同情!

登場人物への思い入れが反転してくるなんて…こんなの初めてかも!

これまで入兆の中を事細かに見せる一方、惣吉の吉武家は殆ど見せていなかったのは、このためか!
そしてシナリオの意図をここまで汲み取り見事に再現する俳優陣…素晴らしいわ!

でもね、久兵衛さん、惣吉のこと一目見たら久兵衛さんも気に入ると思うよー。
入兆任せたくなるくらい男前だよー。
プライドを捨てて、直接吉武家に行くこと、ぜひお勧めします(笑)

醤油屋と漁師はなんでそこまで仲が悪い?

ちょいちょいツイッターでも指摘され、私自身もよく分からないのは、醤油屋と漁師はなんでそこまで仲が悪い?ということ。

その地域社会ならではのことで、醤油屋と漁師は敵対関係、というつもりで当初は見ていましたがそうでもない。

英一郎と善吉がお互いの家を訪問しても誰も怒らないし。
久兵衛も、かをるの絵が吉武家にあることを聞いても何とも。
とねさんも、かをると律子を歓迎してくれたし。
今回の梅木たちの訪問も最初はとねさん普通に対応。

清次がかをるに醤油屋の娘は銚子ではお姫様と同然と言っていたから、ジェッツVSシャークスというよりは、身分の違いってことなのかもしれません。
漁師っていう職業が、差別されがちだったとか?
そうだとしても網主のプリンスだからいいじゃんー?

令和の今では感じ取れない微妙なニュアンスなのものなのかもしれませんねえ。
そこらへんの事情、話が進む中で出てくるのかもしれませんが。
昭和の人々はこのくらい描かれれば十分把握できた?

惣吉さん、魚に醤油は付き物だって言ってました。
だからかをるとの結婚は不可能ではないと。
源さんは「なるほど、上手いこと言う」って感心してましたが、いや視聴者は最初からずっと思ってたよ…www

こういう言い方する惣吉さんは、闘ってかをるを奪還するのではなく、醤油屋と漁師を和解させ、みんなに祝福されての結婚を目指し実現するのでしょう。

だからこその自由の象徴、惣吉さん…。

 

かをると惣吉、月を見上げてお互いを思う

かをる、月を見上げて、惣吉さんとの初チューを思い出して胸が熱くなってました。
かをるたん…この方、週に何回か定期的に体のどこか熱くなる体質らしいwww

かをる、熱くなったり、ノートに名前書きまくったり…令和の我々にとっては度々危ないと感じるところが…(笑)

 

ところで、夜に同じ月を見つめてかをると惣吉はお互いを思い合うシーン。
なんて情緒的な。
ラブストーリーには、こういうシーンがいいものだなあとつくづく…。

こういったシーン、最近はあまり見られない、昭和ドラマならではの美しいところだなあと思います。
今よりも和歌や俳句が身近にあるからこそかな~。

冒頭の、気丈で毅然とした態度の惣吉を見せてくれてからのこのシーンだから、そのギャップに萌え~!

私は『ウエストサイド物語』が大大大好きなのですが、ウエストサイド物語でも、トニーとマリアがお互いを思って夜の空を見上げるシーンがありました。
そのシーンでトニーがマリアを思いながら歌う『Maria』、情熱的で美しい歌ですが…それが惣吉さんの姿と重なってさらにうっとりしてしまいました。

ドラマって、勧善懲悪の“水戸黄門型”とか、悲恋の“ロミオとジュリエット型”とかってパターンがあるものですが、同じ型の名作同士はイメージを重ねて感動を増幅し合う物なんだなあと。
『ウェストサイド物語』を思い出しては『澪つくし』のかをると惣吉を重ねて…さらにワクワクが止まりません。

かをると惣吉さん、近々二人で『Tonight』を歌えるようになりますようにーーー!