【『澪つくし』感想・ネタバレ】第4話(第1週)  イワシをいっぱい食べよう

【澪つくし】第4話あらすじネタバレ

 

吉武家に絵を見せて貰いに行ったかをる達3人。
奥に通され絵を見せて貰えたが、
目当てのあのイケメン漁師は不在。
電車で話しかけて来た弟善吉と共にイワシ漁に出ていた。

 

女親方でイケメン漁師の母であるとねの話によると、
イケメン漁師、そうきちは寝たきりの父のために家の船が描かれているあの絵を購入したと。

でも、惣吉がよく絵をじっと眺めているのでモデルが気に入って買ったのかもとも。

とね言葉を聞いてドギマギしてしまうかをる。

 

その夜、かをるは女学校卒業後は働きたいと母・るいに言うが、るいは、女が働くのは生活に困った人がするものだと大反対。
そして父の厚意を無にするなと言う。

 

ある日、
三隅照子という女性がるいを訪ねに来た。
この女性は久兵衛の3人目の女でカフェを経営している。

 

照子は本妻が銚子に来ることで、久兵衛の援助が途切れてしまうのではと案じている。
るいと共同戦線を張って久兵衛に今後の援助の保障を取り付けようと提案しにるいを訪ねに来たのだ。

 

しかしるいは、その提案を怒りを露わにしてキッパリと断った。
自分は元々入兆の使用人で久兵衛には恩を感じている。
そのような裏切り行為はするつもりが無いと。

 

るいは、この照子の態度を引き合いに、
女が仕事をすることは、あのようにすれっからしになることなのだと、
かをるを諭すのだった。



 

 

 

【澪つくし】第4話 感想

 

吉武家に侵入成功。しかし青年は不在

イケメン漁師の母とねさんに快く受け入れられ三人はすんなりとお家に入れて貰うことができました。

 

なんか…いつのまにかナナコロビヤオキは、かをる推しになってるみたいで、

とねさんの一挙一動に、
「かをるを嫌ってないよね? 気に入ってくれてる? ねえ、気に入ってよ!」
と願いを込めながら見入ってしまいましたwww

 

とねさん、イケメン漁師が絵を買ったいきさつを話してくれました。
父のために船が描かれている絵を買ったと。

でも、イケメン漁師はモデルの少女が気に入っているのかもとも…
とねさん、いきなり女子高生からかっちゃダメよーwww

船のためと言われてガックリ、
モデルの少女が気に入ってるのではと言われてのドッキン!
お茶ゴクッ!
の沢口さんの演技が可愛いくてーーっ!

そんなに顔に出てたらバレバレだよぉ~!
かえって恥ずかしいよぉ!
見ていてハラハラ…www

この演技、棒なのかもしれないけど、
こういうぎこちない感じが、
いかにもそういう会話に慣れてないうぶな女学生って感じで
かえってリアル!!

その純粋さ、清らかさに癒されてしまいますー。

 

女は仕事をするとすれっからし!という当時の価値観

 

とねさんは、女だてらに男衆を束ね、仕事をバリバリこなす人。
こういう女性こそ良妻賢母…!
とかをる達は憧れを抱きます。

そして、かをるは卒業後は働きたいと言い出した。

卒業まで一年切ってると思うんだけど、まだそんなこと言って?
今と違って随分のん気だなー。

働くと言っても、卒業したら即就職というわけじゃないからいいのかな。
そんな思い付きが話すのも生活に困っていない家の女学生特有かも。
でも、働く気ならさっさとしないと、
嫁に行くのが必然とされてしまうよ~とちょっと心配…笑

 

でもそんな、かをるの考えには、るいさんは反対。
女が働くのは生活に困っている人だけ!と。

なるほど、

しかし妾の立場のるいさん、
女一人で生活しているるいさんがこうまで言っちゃうなんて…
女性が働くことに対して
当時の社会は相当批判的だったってことね。

 

 

ところで、
加賀まりこさん演じるるいさんと、3号でカフェを営む照子さんのバトルが見ものでしたー!

上品に季節のご挨拶に始まり、お互いを労わり合い謙遜し合うセリフの応酬なんだけど、
言葉とは裏腹に最初っからバッチバチで!
面白――――い!

加賀まりこさん、こういうの本当にピッタリはまってカッコいいわー!

 

やんわり外側からお互いの状況を確認し合いマウントし合い。

るいさんのところには久兵衛から直接情報が入るし、
頻繁ではないものの久兵衛が変わらず通っているるいさんの勝ち。

お手当が無くなるかもしれないと不安な照子さんに対して
そうなったらそれまでだと動じないるいさん。

覚悟が決まってる。
妾の美学だなあ…。
だから久兵衛さん信頼を置いているのねと。

加賀まりこさんがやると本当にカッコいいわ。

 

そして照子さんに
「私を憎んでるのね!」
と言われると
「フフフ…憎む必要があるのかしら」
と余裕の笑みの加賀まりこー!

旦那を取られたからに決まってるという照子さんに対し
「それが分かってるなら、もう二度とここへはお見えにならないでください!」
と本心暴露でキッパリ!

怒らせちゃったヤバい!と感じた照子さんが、
作戦変更して泣き落としにかかろうとしますが
それを遮っての
「お客様お帰りですよ!」のパンパンパンッ!!

そしてツエさんの塩まきww

この流れが実に見事でしびれるーーーーー!

 

そして同時に、そのキッパリした態度の後に見せたるいさんの表情がっ!

…るいさんも実は不安と必死に闘っているのよね…。

 

加賀まりこさんってホントキレイだけど、
キレイだけでなく表現豊かで本当に素敵ですーーー!

 

で、こういう妾とはいえ、女一人で家庭を切り盛りしているるいさんでさえ、
女が外で仕事をするなんてすれっからしになるって言い切るし。

当時の価値観、いろいろ窮屈で大変なこと多いな。
当時女性は本当に閉じ込められていたのね…。

 

で、るいさんの吐き捨てるように「すれっからしになる!」と言った
お説教に対して

「もうー無茶苦茶」

と棒読みする沢口靖子さん…(笑)

 

ドロドロした案件に、
この棒セリフが清涼感!
棒にこんなに効果があるなんて…!偉大!

 

夜になると物思いにふけるかをるさん。

なんだかこのシーン、なんとも昭和で素敵!
懐かしいなあ~と思って見ていましたが…
ふと気付きました。
なんでそう思っちゃうかと言うと、
今の世の中こういう静かな時間が無いんだわ!

テレビやネットや…必ずインプットしている気が…反省。

そして「そうきち」とはどんな字かをいっぱい妄想。
恋する乙女。

沢口靖子さんがやってると、
こんな乙女の日常がとても美しいおとぎbなしの世界に見える。

 

ラストシーンは由岐ちゃんの自転車チャレンジ!
明治時代にあさちゃんがチャレンジしていましたが、
大正のこのときもまだまだ女性が自転車に乗ることを良く思われてなかったのね。

女性の自由、解放はこの時代自転車に象徴されるのだなあ~。

そしてこの日天皇が崩御し大正は終わり。
大正15年12月25日。

自転車で、大正終わり。
時代を感じる象徴的なシーンです…。



 

『澪つくし』第4話

作   ジェームス三木

音楽  池辺晋一郎

 

【出演】

古川かをる…沢口靖子

 

馬場ツエ…鷲尾真知子

魚住… 斎藤洋介

三島由岐 …高橋珠美子

瀬田みずえ…香川三千

三隅照子 …東千晃

巡査 …江藤漢

蛸島 … 篠田薫

鯛子…渡辺啓子

 

吉竹とね …草笛光子

 

古川るい…加賀まりこ