【おちょやん】感想ネタバレ 第18話 テルヲは朝ドラ史上最強のクズ父!

『おちょやん』あらすじ(ネタバレ)第18話

岡安に来た嫌がらせの客はテルヲの借金取りだった。
テルヲは2,000円もの借金を積み重ねていた。

 

シズを始め一同で丁寧に頭を下げその場は帰ってもらうも、翌日から岡安に近辺に借金取りの男たちがようになる。
勝手に大量の弁当を岡安の名で注文されたり。
芝居小屋の座布団をズタズタに切り裂かれたり。
客のキャンセルも相次いだ。

一方で福富の方は岡安の客が流れて大繁盛。

福富の後を継ぎたくない息子、福助はみつえに愚痴。
岡安のせいで福富が繁盛してしまうと跡を継がなくてはならなくなるから困ると言う。
千代のせいだから追い出してしまえと福助。
するとみつえは、親に捨てられた千代がどれだけしんどい思いをしてきたか自分たちにはきっと一生分からない。
だから千代を追い出すわけにはいかないのだと言った。

 

一平は、千之助に演技についてボロクソに言われる。
「笑える喜劇に何の意味があるか!?」
と千之助は吐き捨てるように言った。

一平は気を紛らわすようにまた芸子遊び。
夜遅くに岡安に戻ってくるとハナが待ち構えていた。
「アンタ、役者やめた方がよろし」
「アンタ、芝居を愛してへんやろ」
と一平にグサリと刺さる言葉を。

湯の帰り道、千代、お玉、里子と歩いていると、借金取りがまた待ち伏せ。
その中にテルヲがいた。
「せやさけ、どねなっても知らんて言うたやろ?」
「どの口が言うてる?」
千代は全部テルヲのせいだと責めるが、テルヲ自身もどうなるか分からないのだと。
「千代、寂しくないんか?」とテルヲがすがる。

そこに先輩お茶子の玉が割って入った。
「寂しいないはずあらへんやないですか!」
千代はこれまで8年間道頓堀から一歩も出たこと無かった。
それは帰るところが無かったからだ。
この前お父ちゃんが迎えに来てくれた帰るところができたって嬉しそうだった。
それなのにあんまりだと。

さらに里子も
「もう千代さん苦しめんといてください!」

と玉と里子は、テルヲにこれ以上千代に係らないでくれと泣きながら訴えた。

するとテルヲは
「こないにええこら巻き添えにしてええんけ?」
とさらに追い打ちをかけた。

千代はとうとう
「うち岡安出ます。お父ちゃんの言うとおりにしたげる」
「それでこそわいの娘や!」

千代は安岡を出て、テルヲの借金の肩代わりに売られることを決意。
シズは千代が意志を受け入れ。
シズは、天海一座が千秋楽を迎えるまでの7日間、仕事を務めるよう伝えた。

 

 

テルヲは朝ドラ史上最強のクズ父!

テルヲ、回を重ねるごとにクズが増し増し~。

ここまでクズ父ってやっぱり朝ドラ史上初なんでは!?

『おしん』の作造も、おしんを奉公に泣く泣く出したクチだよ。
おしんが筏で行っちゃうときも、泣きながら全力で追いかけて転んでたもん。

『スカーレット』の常治も随分評判悪いけど、常治の場合は自分の不甲斐なさが分かってた。
お金が無いってなったのも、皆をラクさせたくて無謀な設備投資しちゃったからで。
博打じゃないもんね。
常治は家族を思ってたもん。
飲んだくれてたけど、そんなの大した額じゃない。

しかしテルヲの場合は借金の肩代わりだもんね。
しかも博打で作った借金。
2000円分の肩代わり。
当時の2000円って、300万くらいみたいです。
千代が奉公に出て半分肩代わりできても、後の半分テルヲじゃムリだよ!
千代、これでは死ぬまで食い尽くされてしまう…。
どうしよう…涙

 

今日は先輩お茶子の玉さんと里子ちゃんに泣かされました。
同じお茶子でも、ちゃんとお家に帰れるレベルとそうでないレベルがある。
昔の庶民は、ある程度の年齢になったら奉公に行くのは、ある意味当たり前。
必ずしも貧困のどん底ではないから…。

玉さんもさっちゃんも千代に代わって涙ながらに文句を言ってくれて。
小さいさっちゃんも、最初怖がってたのに必死で頭下げて。
そんな2人の必死のお願いもテルヲは
「こないなええ子巻き添えにしていいんか?」
と、すかさずそっちに持って行った…!
これには呆れた!!怒
どこまでもクズ!

「お父ちゃんの言う通りにしたげる」
と言った千代ちゃんが切なかった。

 

テルヲはトータス松本だから見られる

何度も言ってるけど、今日もつくづく。
コレ、トータス松本さんだから見られる!

トータス松本さん自身の表情も、なんかコミカルで憎めないところがあるし。
それとやっぱりミュージシャンの一面を知ってるからかな。
ウルフルズで元気良くて面白い歌歌ってるイメージが背後にあるから。
コレは作り者として見られる部分が必ずどこかにあるし。
そういう別の顔の無い、本業俳優さんだったら本当に怖くて見られなーい!になっちゃってたかも。

たとえば常治をやった北村一輝さんがやったら…。
本当に怖くて朝からどんよーりだったんじゃないかと。
北村一輝は常治止まりで笑

ちなみに私は、テルヲのこと、絶望のまま壊れちゃった悲しみが見えるから大丈夫ですが、
夫と息子達は怒り心頭で見られないんだそうです。
あのメチャクチャボロボロは、母ちゃん死んでから立ち直れないままの可哀想な人なのよと言うと、
「だからと言って娘にこんなことしていいのかっ!」
と。
我が家の男子たちに感謝です…。

 

 

みつえもいい子

みつえは、自分は親に捨てられた気持ちが想像つかない。
だからそんなことされた千代はどれだけしんどい思いをしてきているのか。
想像つかない分、千代を絶対に追い出してはいけないと言いました。

みつえ、やっぱりいい子!
シズさんの娘、ハナさんの孫だけある!
岡安の女将になる器があるわ!

千代との関係は一線引いてる感じで、歴代朝ドラのあるあるのように親友になったり敵対関係ではない。
この千代とみつえとの関係こそ当時のあるあるでしょうね。
同い年でも立場上一線引いてる。
で、そんな関係ではあるけど、みつえは千代をきちんと人としてリスペクトしてる。
そういった姿勢は、シズさん、ハナさんの背中を見て学んでいるのでしょう。

 

これで千代が岡安を出て行ってしまうと、みつえちゃんとの関係はこれ以上あまり描かれないのかしら?
もっとみつえちゃんの成長も見たい気がするけど。
千代が女優になったら再び岡安に出入りするだろうから、そこで描かれる?
まあとにかく岡安を離れる前にもうちょっとみつえちゃんとの絡みを見たい気がする。

 

一平、千之助にボロクソに言われる

一平は芝居の出来を千之助にボロクソに言われますー。
ほっしゃん…顔、怖いー。

千之助に言われて、逃げるように芸子遊びをすると、帰ってきたらハナさんにも言われます。
「お芝居やめたら?」
「アンタは芝居、愛してへんやろ」
グサッときつい一言。

天海一座を続けるって言った時から8年。
一平の道も必ずしも平坦ではなかったと思います。
あの時続けるって言ったけど、所詮子供だもんね。
いろいろなことが絡んで来たり、成長していろいろ見えてくるとまた考えちゃうこともあるでしょう。
はた目から見たら2代目の座が約束されてるのに、それにスイッチオンすればいいだけなのに。
千之助は、そういう目で見てるんでしょう。
恵まれてるくせに情けない!って。

でも一平本人にとっては、そうであればあるほどプレッシャー。
亡くなった後もなお、父天海に支配されてる感じなんだろうね。
自分の人生生きてない感じ。

そうやってモヤモヤしているところにハナさんにも言われちゃうし。
難しーー!

シズが千代に、自分の人生考えろと、なりゆきでお茶子になるなと言ったことがここに響きます。
跡取りって、人生考えるも何も、逃げられないんだもんね。
つくづく大変だと思います。

 

千代も、一平も…苦しみの元は“毒親”

千代と、一平。
2人共、状況は違えど親の存在に翻弄させられています。

千代は、より良く生きようとどんなに頑張っても、テルヲが足を引っ張って千代の未来を潰していく。
テルヲから逃れたくても逃れられない。

一平は、地位を約束されているけど、親の敷いたレールがフィットしない。
父・天海天海の存在そのものがプレッシャー。

さらにみつえも福助も“親”と“家”に葛藤があります。
みつえは芝居茶屋を継ぎたい。
福助は芝居茶屋を継ぎたくない。

このドラマに出てくる子供たちは皆、あらゆる形で親のプレッシャーを背負っています。

おちょやん…実は、“親子関係”という普遍的なテーマを扱っているんだ…。

これまで殆どのドラマでは、「親子関係は美しいもの」というのが常でした。
でも実際はそうでもないもの。
最近「毒親」って言葉も出てきてますもんね。
そういうキレイ事だけでは済まない親子関係を様々な形で見せようとチャレンジしているのかなあと。
親子の美しい関係よりも「毒親」を描こうとしているのではと。

さすがに現代ではテルヲのようなケースはなかなか無いにしても、親は子供にとってはプレッシャー。
特に日本では、「子供は親孝行しないと!」という刷り込みがあるから。
そのおかげで大人になっても精神面は親に支配されることが多い。
それによって自由に生きられない人が多い。

私がテルヲのことそこまで拒絶でないのはテルヲが“毒親”のメタファーだからかも。
千代がどう毒親テルヲを乗り越えるか、それが見たいからかもしれない。

いろいろ言ってますが、千代にはどうにか逃げて貰いたいなあ!
シズさん、天海一座の千秋楽までの7日間働くよう千代に言ってましたが、その間に千代を逃がす手立てを考える?
考えるようにしてー!
宗助さん「なるようになりますがな」っていてました。
宗助さん、名倉潤さん、味があっていいー。

宗助さんの“なるようになる”って言う響きに、必ずしも受け身じゃないものを感じ取りました。
“なるようになる”って、様々な立場、考えを持った人たちが働きかけるから、本人には思わぬ方向に転がって思いもよらない良い結果が出るっていうこと。

今週あと2日、千代にとっていい形の、なるようになってほしいと祈るばかりです。