【あぐり】感想ネタバレ第153話 和子の進路

『あぐり』あらすじ(ネタバレ)第153話

昭和28年(1953年)秋

ビューティサロン光美堂は支店拡大と共に流行の髪型を発表し、店は変わらず盛況。
名古屋支店の開店も決まり、千花に店長を任せることに。

林も毎朝新聞で手がけた挿絵が好評で次々と仕事が舞い込み、
絵本の挿絵画家として業界で注目され始めていた。

ある日、林があぐりの代わりに和子の学校の個人面談に行くと、
担任の先生が和子は画家になりたいのではと切り出し、和子の描いた絵が見せてくれた。
確かに素晴らしい絵。
担任は和子に絵が好きかと聞いたら、「お父さんの仕事は素晴らしい」と和子は答えたと言う。
和子が画家になりたいのだとすっかり思い込み嬉しくなる林。

 

夕食時、林が面談のことをあぐりと和子に話そうとすると
和子が、その前に学校を卒業してからのについて二人に話したいと言いかけたが、
やはりハッキリしてから話すと取り下げて自分の部屋に行ってしまった。

その様子に、憶測だからなんとも言えないが、和子の口から聞いた方がいいとニヤニヤが止まらない林。

 

理恵は沢子に和子が小学校の時に書いた文集を見せる。
テーマは将来の夢について。
和子は母と同じ仕事がしたい、美容師になりたいと書いてあった。
理恵は今でも和子は美容師になりたがっていると言う。

その話を聞いた沢子は早速アグリに報告。
「おめでとうございます。光美堂の後継者ができましたね」
そう言われてしまうとついつい真に受けてしまうあぐり。

あぐりは早速世津子と燐太郎に和子のことを報告。
あの子は手先が器用だからきっといい美容師になると親バカ丸出し。

数日後、和子の元に一通の封書が届く。
劇団からのオーディション結果の通知。
和子は無事に劇団のオーディションに合格し劇団員に採用された。

和子はさっそくあぐりの元へ。
あぐりに劇団の話をしようとすると、
和子が美容師になりたいと思い込んでいるあぐりは
和子が話を始める前に
「だったら名古屋に行きなさい」
と名古屋市支店で千花の元で修行するといいと言い出した。

和子が美容師になりたいとは全然知らなかったが、そう聞いて嬉しい。
今日までこの仕事をしてきてよかった。
と喜びを噛み締めるあぐり。

和子は自分の話をしそびれてしまう。

困った和子は、婦人現代の淳之介の元へ。

和子の思いを伝えようと淳之介はあぐりとカフェ・セ・ラ・ヴィで会う。
しかし、和子が美容師になりたいと思い込んでいるあぐりは、和子が美容師になりたがっていると思い込んでいるあぐりは、今になってエイスケを跡継ぎにさせたがった健太郎の気持ちがわかると淳之介が言い出す前に語り出した。
純粋に喜ぶアグリに淳之介は言えなくなってしまう…う。

そこに森潤が飛び込んできた
「聞いた!和ちゃん!おめでとう!!」
森潤は大はしゃぎ。
しかしこれでやっと和子がやりたいのは女優で、劇団のオーディションに受かったとようやくあぐりも知ることができた。

 

家に戻ったあぐりは林に和子のことを報告。
「子供の人生に親は口出しできませんよ」
でも正直言ってちょっと残念だった。
自分の人生を子供に押し付けようとして何だか恥ずかしいというあぐり。

親としてはそう期待してしまうのも自然なこととフォローする林も密かに自分も同じように思っていたことを苦笑。

長女の和子は翌年の春、劇団「新世代」の研究生となった。

あぐりと林の勘違いコント

今日は、あぐりと林さんの勘違いコント。
ほんわかと楽しかったですねえ。

あぐりなんか思い込んじゃったら全然聞く耳持たないしw

一方的に盛り上がられて口籠っちゃう和子。
変わって説明しようとする淳之介も、あぐりの話に言えなくなっちゃう。

 

あぐり、あんなに呑気なままだけど。淳之介にとっても和子にとってもやっぱり「母」。
親として逆らえない精神的プレッシャーはあるんだなあ、やっぱり。
親の責任て大変だなあ。
親にとっては何ともない言葉も子供に影響大だなあと、子供に対する言動には気をつけたほうがいいなあと改めて思い知りました。

でも、和子は淳之介を頼りにしてるのね。
この前の、林さん引き留め作戦も淳之介にお願いしてたし。
淳之介と和子の兄妹の描写いいなあ。

あと今日は林さんも可愛かった。
和子が画家になりたいかもと聞いてついつい嬉しくなっちゃう林さん。

和子のことを本当に可愛がってるんだなあ。
林さん達とは本当の家族になれたんだなあと実感できて、それが嬉しかった。

KY森潤の手柄

喜びで自分の気持ちをまくし立てるあぐり。
やはり母の存在が大きい淳之介としては、こうまであぐりが盛り上がっていると、
いやそうじゃなくてとなかなか否定できず。

そうですよねえ、母の喜ぶ姿を見たらなかなか取り消すことは心苦しい。
その上、おじいちゃんの話まで持ち出されてさあww
淳之介に同情。

でも確かに、あぐりの言うとおり、若い時は子供目線しかないけど、年取って親経験すると
親の気持ちもわかってくるものですよね。
しみじみ思ってしまった。

どう繋いでいいかも分からなくなり言葉に詰まってしまった淳之介。
行き詰まってしまったところに、森潤が入ってきました!
和子のオーディション合格を聞いて大喜びの森潤は大はしゃぎ!

で、全く事情を知らない森潤がペラペラと喋ってやっとアグリに伝わりました。

森潤のKYはこう言う時に功を奏す。
よかった。
キャラの配置が絶妙です。

淳之介、森潤が先走って言っちゃったことにはああ〜ってため息ついてましたが
淳之介、感謝しなさいよ。
淳之介だけだったら完全に言いそびれて終わってたわよ。

どうせあぐりなんだから、和子が女優やるって言っても頭ごなしには怒らないだろうから
安心して話しなさいよ。
まあ簡単に喋っちゃうけどコントにならないから仕方ないけどw

和子は劇団「新世代」の研究生に

リアルの吉行和子さんが入られた劇団は劇団民藝だそうです。

当初は絵を描いたりお裁縫が好きだから裏方さんになれればと言う気持ちで応募したら採用されたと言う流れみたい。
それでも出てくる人は出てくるのねw

あぐりさんも、勝手に自分で劇団を応募していて受かってやりたいと言うから任せたと書いてありました。
昭和のこの時代の割と普通の感覚だと、女優なんてチャラチャラした職業という偏見も強くてやめなさい!ってなると思うんですが、さすがあぐりですね。

あぐりの人生からも自分がやりたいと思ったことは止められないと実感しているのでしょうけど。あぐりの美容師も、健太郎さんは髪結だと言ってなかなか理解してもらえなかったし。
そういう親だと理解があるんでしょうね。
エイスケさんを始め周りは文学畑の人だしね。

確かに、森潤が言った通り、和子さんが女優になったの、和子さんを溺愛したエイスケさんは最高に喜んでいただろうなあ。
文学を自分の身体で表現するのが女優だから。

自分と同じように物書きになった者と、さらにそれを越えて舞台で立体的に表現する女優と。
さらに女優は美を追求するという仕事だし、あぐりの美容師の延長戦でもある。
エイスケさんご存命だったらどんなに喜んだことでしょうねえ。
和子さんのことを溺愛されていたと言うし。
和子さんの舞台見たかったでしょうねえ。
いやでも見てますね、きっと。