【あぐり】感想ネタバレ第136話 燐太郎を立ち直らせたもの

『あぐり』あらすじ(ネタバレ)第136話

淳之介が夜遅くまで編集部で仕事をしていると、諒子が来た。
「疲れちゃった」
諒子は恋人三枝との生活に疲れ切ってしまっていた。

諒子は家に戻らず編集部に泊まる。
淳之介が仕事を続ける側で、諒子は安心しきったようにソファで眠る。

 

翌朝、あぐりの美容院のところに三枝が。
諒子が来ていないかと尋ねに来た。
あぐりは知らないと答えたが、諒子が昨晩から家に戻っていないと聞いたあぐりは心配して淳之介のいる婦人現代に電話を。
すると仕事をしたまま寝落ちしてしまっている淳之介の代わりに諒子が電話に出た。

あぐりは三枝が諒子を心配して美容院に尋ねに来たことを伝えた。
諒子は、起きてきた淳之助に礼を言い、帰っていった。

 

諒子が家に戻ると、三枝は笑顔で迎えてくれる。
三枝はご馳走を用意して諒子を待ってくれていた。
贅沢な食事に、お金はどうしたのかと聞くと大切にしていた蓄音器を売ってしまっていた。

蓄音器なんて無くたって生きていける、でも諒子がいないと生きていけないんだと三枝は言った。

 

編集部には今度は南が訪れていた。
弁護士を辞めるのは本気だと言う南。
女に振られたくらいで子供の頃からのことを諦めるのかと言うと、この世に正義はないことに気付いたのだと言う南。
淳之介は南に記事収集の仕事を手伝ってもらうことにする。
作業をしながら淳之介は、やっぱり自分は諒子のことが好きだと本音を吐露した。

 

あぐりの元に民子が訪ねに来た。
民子は燐太郎に小説執筆を依頼したが全然書けていないことを心配しあぐりに心当たりはないかと聞きに来たのだ。

あぐりは、燐太郎が自分の小説が若者達を戦争に駆り立てたと深く傷ついたままでいることを民子に話した。
事情を知った民子は、あらためて燐太郎の元へ行くが、燐太郎の意志は変わらない。

どうしたら燐太郎を立ち直らせることができるかと、あぐりと民子が思い悩んでいると、そこに淳之介が帰ってきた。
淳之介は面白い記事を見つけたと、ある投書をあぐりと民子に見せた。

あぐりと民子は、この新聞の投稿記事を持ってあらためて燐太郎の元を尋ねた。
その記事の内容は、戦争で夫亡くし空襲で家を失った筆者が4人の子供を抱え途方に暮れて自殺を考えていたところ、
燐太郎の詩によって生きようと思い直すことができたことが書かれていた。

「あなたの書いたものでもう一度生きようと思った人がいたのよ」
あぐりは生きる大切さを世の人たちのために書いてほしいと燐太郎に訴えた。

諒子は淳之介のところにお泊まり

諒子ちゃんは、そのまま淳之介のところに。。。

朝からまずいんじゃんー?
淳之介の仕事の邪魔だよーどーすんだよ!
とちょっと気になってましたが

淳之介は紳士に対応。
詳しくは何も聞かずにいるようで
仕事をしている横で諒子ちゃんはスヤスヤと寝ているだけでしたー。

しかし淳之介の気持ちは、これですっかり諒子に戻っちゃったようですねえ。

諒子も今の彼がこんなDVだったとは気づかずに付き合ったんだろうけど、
今置かれた状況が大変過ぎるのは分かるけど
だからって元カレのところに行くって
そこで顔見た途端に泣き崩れるって
ずるくないか!?

見ていてイラッと来るなあw

このパターン、当時流行ったトレンディドラマのお約束パターンではあるけど
ベタ過ぎてキライーーー!

それに、これ当時のテッパンではあるけど、当時も女性に共感を得ていたのものなのかなあ?
ヒロインがやるパターンも、恋敵にやられるパターンも両方あったと思うけど…
それやった瞬間、その登場人物にちょっとあざとさを感じてしまうものだと思う。

男目線で書かれてるってことかしらねえ?

 

しかし、あぐりは、電話していきなり諒子ちゃんが出ても、パニックにならない!
一応驚いてたけど、行方の分からない諒子ちゃんがいきなり電話に出たことに驚いているだけで
自分の息子が女性と朝まで二人きりでいたことへのショックは別に無いみたい。

諒子がすぐに自分の名を名乗りきちんと話をしていたから、やましいことは無いだろうと分かるにしても…
いやあでも、そうは思っても普通ビックリだと思うんだけど〜。

あぐり、さすがエイスケさんの妻だなあw

諒子の彼 三枝稔はDVの典型

諒子はすっかり取り込まれているんだろうか。
あぐりから稔が諒子を捜していたと聞くと、
思い直して即座に帰って行きました。

 

帰ると、稔はエライ優しくなっててご馳走まで作って待ってた。
コレはエイスケさんのディナーと対比なのだろうか?

相手が逃げそうになると途端に優しくなる感じ、モラハラの典型だー。
そしてこのご馳走の資金源は大切にしていた蓄音器を売って作ったという。

蓄音器売ったって、稔は音楽を諦めると言うことかな?と思いましたが
それよりも、蓄音器なんかよりも諒子が大事、諒子を失うことだけはできないと言うメッセージだったな。

犠牲を払っての献身ぶりをアピール。
それは献身ではなく、相手にプレッシャーをかけてるだけなんだけど…
DV男って、そう言うところのセンスが違うのよね。
で引っかかる女性も、素直に悪いなって思っちゃうのよねえ。

諒子が一番大事って言われてそのまま黙り込んでしまった諒子もすっかり取り込まれてるんだろうなあ。

健全な心を持っていたら、蓄音器を売っ払ったことから、音楽続けるのかどうか突っ込んで
真剣に別れる別れないの話し合いをするんだろうけど。

 

今ではヤバいコレはDVの典型だ!犯罪だ!と見ていてハッキリ認識できますが
当時はまだ、こう言う辛い恋愛あるよね〜で済まされていた気もする。
放って置けないよね、切ないよねとか言い出す人もいたりして。

女性の人権意識もまだまだ、こう言うものだと思い込まされていたから
不当だと気付く前から諦めさせられてたと言うか。
嫌なのは分かるけど、そう言う人が好きなら仕方ないね〜みたいな感じで
一つの恋愛の形として放置されていただろうし。

諒子と稔の恋人関係の見え方はきっと今と当時とでは全然違うんだろうなあ…。

 

燐太郎さんの立ち直るきっかけ

燐太郎さんは自分の小説が若い者たちを戦争に駆り立てたと深い心の傷を負い
小説を書けないままでいます。

燐太郎さんは小説オファー受けた癖に、書けずに放置ってことお!?
淳之介は民子に間に合わない!とお尻叩かれてるから、
婦人現代の復刊に向けてのスケジュールは押せ押せなんだと思うけど〜。
だからタイミング的には燐太郎さんは既に小説を書いてくれることは了承済みなのではと思うけどw
まあね、婦人現代ならやれるかと思ってもトラウマが強くてやっぱり書けないってことはあると思うけど。
でもそれで、「何度も言ってもらえてありがたいけどできないって」て態度はどうかとw
一旦引き受けたことなんだから、約束破りなんだからもうちょっと下手に出てはどうかと思うけどw

あの燐太郎さんの様子から、
民子ったちは燐太郎さんのオファーを続けているけどなかなか受けてくれないと言うことで脳内補完しておくw

 

で、自分の作品が多くの命を奪ったと深く傷ついた燐太郎さんが何によってその傷を克服するか興味津々でしたが
救ってくれたのも自分の作品でした。

自分の作品により傷付き、自分の作品により救われる。
この流れはよかった、救われた。

救った作品は、あの例の「満天の星たちよ…」の詩。
またコレかいw

燐太郎さん、コレまで精力的に作家活動していたわりに、この詩と「若き勇士」しか出てこないねw

この満天の星たちの詩は、メルヘンに酔いしれいた中高生が書きそうな詩ですが
(今や令和の女子中高生には草!と相手にされない気もするけどw)
言文一致からそれほど年数が積み重ねられてない昭和初期に、
柔らかい日常的な言葉で素直に思いのままを言葉にしたと言う点が
当時にとっては非常に新しかったんだろうと思います。
女性の感性にピタッと当てはまったのかもしれませんねえ。

だからと言っても、あれで、心中を思いとどまったって、なんで!?どこで!?とも思いますがw
だってキレイだけど、エネルギー貰えるかまでは疑問w
それよりも夜空の星を見上げて、一層センチメンタルになってしまうのでは無いかと心配だよww

まあ乙女の感性にビビッときて、心が癒やされたんだろうと脳内補完w

あぐりが燐太郎の詩を朗読

皆を代表して読者の投稿記事を読んだのはあぐりでした。

えーコレ淳之介が記事見つけたんだから、民子さんと淳之介でこの記事の話をしてあげればよくね?

まあヒロインに朗読させたかったってことでしょうけどw
でも手柄はなんでもかんでもヒロインが持っていっちゃう構図に見える。
こう言うところは今のAKの片鱗が見えてるのかなあw

しかし、燐太郎さんの説得に、皆一堂に会していましたが
燐太郎さん、あぐりのこと好きだったでしょー。
民子には、片想いされてて面倒臭い思いをしたでしょー。
そして今の妻w

やましいことはないとはいえ、過去に色々あった女性たちに囲まれてw
まるで吊し上げの構図w
燐太郎さん、話の中身よりそっちの方で色々動揺するんじゃないかとも思うー。

まあ、具体的に何かあったわけじゃないし、戦後だし、「あぐり」だし、
そんなことはケロッと忘れてるってことでいいんでしょうけどw

でも見ているこっちとしてはなかなかウケる構図ですw

これで燐太郎さんは立ち直って婦人現代の編集部にいるようになるのかな?
燐太郎さんが立ち直ってくれると、また戦前の活気が再びとなりそうで楽しみですが
でも一方で今燐太郎さんは何で生計立ててるの?とも疑問がw
それは小説以外の執筆活動をしていたとかの脳内補完でいいのかなあw