【あぐり】感想ネタバレ第129話 光代との別れ

『あぐり』あらすじ(ネタバレ)第129話

チェリー山岡から手紙が届き、東京の美容師教習所で教師をしないかと誘いを受けたあぐり。
しかしあぐりの書いた返事は、山梨に留まりたい東京に戻るつもりはないという断りの内容だった。

あぐりらしくない返事だと不審に思ったチェリーに頼まれて、淳之介はあぐりの本当の思いを聞こうと山梨に訪ねに来た。

淳之介自身も美容院を再開してほしいと願っていた。
僕は早くあの時に帰りたい。
皆が活気に満ちていて希望を持って生きていたあの時代に。

一歩店に入ると髪の焼ける匂いと石鹸の匂いが混ざり合って甘酸っぱい匂いがした。
あの匂いが僕にとっては家庭の匂い。

あぐりはそれを聞いて真相を話し出した。
実は光代は肝臓に癌ができていてもう助かる見込みはない。
いつも支えてくれた光代を最期まで看病してあげたいから、だから東京には行けない。

淳之介はあぐりの話に納得して東京に戻って行った。

それから一週間後、光代から手紙を貰った健太郎があぐりの家を訪ねに来た。
光代は健太郎と一緒に岡山に戻るからあぐりに東京に帰るように言った。
「あなたは東京に帰ってチェリー先生の教習所に行ってちょうだい」
これまで実の娘以上に尽くしてくれた。
これからは自分のことだけを考えて生きればいいと言う健太郎。

だったら自分も岡山に行くとあぐりは言い張ると
「日本一の美容師になると言うあんたの夢はどうするん?」
と光代はキッパリと拒絶。

光代はあぐりの夢にかけてきた。
「その夢を自分のために捨ててしまったら私は死んでも死にきれぬわ!」

光代は自分がもう長くないことを察していた
だったらせめてあぐりがもう一度夢を追いかけている姿を見届けて死にたいと言う光代。

その晩、月を見上げる光代とあぐり。
この美しい月を忘れないと言う光代。

あぐりはこれまで内緒にしていたと、望月家の縁談を受けた理由を光代に打ち明けた。
望月家との縁談を受けたのは、
最初結婚相手が勇造だと思ったこと。
そして自分のことを可愛いお嬢さんと初めて言ってくれたのが光代だったから。

初めて会った時のあぐりは本当に可愛かった、キラキラしていたと言う光代。
「いつまでもあの時のあぐりでおってな」

数日後、光代は健太郎と岡山に帰って行った。
その年の秋。光代は岡山の皆に看取られながらその生涯を閉じた。

 

光代さんに涙涙

光代さん、星由里子さんが素敵すぎてええ。
光代さんの母親心に感じ入ってしまいました。

星由里子さん、失礼ながら、私は星由里子さんって自覚して通してドラマ見たの今回が初めてだったのですが
すごくすごく素敵でした。
美して上品で、着物の所作が素晴らしくて、さすが昭和の女優さん。
動作の大きくないさりげない芝居も素敵、間合いも素敵で見惚れてしまいました。

晩年の光代さんの老け演技も、見事に老けて、でも美しさ上品さはキープで素晴らしかった。

今日で光代さんに会えるのが最後とは、寂しすぎるー!
早すぎるー!

あぐりが棒だけど可愛い

あぐりは、なんだかんだ言って可愛いお嫁さんですよねえ。
呑気で鈍感だけど、裏表がないし、前向きだし。

そしていつも自分をバックアップしてくれてた光代さんを最期まで看取りたい、
だからチェリーの誘いを受けるわけにはいかないとまで思う。
何て健気で優しい…。

最近のAK朝ドラと違って、こう言うところはヒロインきちんと健気だから
無双であろうと、都合がいいところがあろうと、共感できるものがあります。

あぐり、お母様と離れたくないって、駄々っ子のように泣いて光代さんい抱きつきますが
それも可愛かった。
涙出てなくてちょっと棒だけどw
この棒もまた私は可愛いなあと思ってしまいます。
沢口靖子さん的に好意的に見られる棒だわw
一生懸命に演じてらっしゃる感じは伝わるものですね。

ただ、沢口靖子さんは、回を追うごとに圧倒的に演技に磨きがかかって行ったなあ、相当な逸材だってことねえとも実感。

話は戻りますが、
今日のあぐりの光代さんに対する思いは、健気で可愛くて
本当の娘のようだなあと思いました。

そして実の母、美佐さんを亡くしているから、そういう意味でもすごく慕っていたんだなあと実感。
すっかり子供の気持ちになって駄々っ子になって
光代さんに甘えてヤダヤダ言ってるのが見ていて切なくて
あぐりの気持ちが痛いほど刺さって、もらい泣きしてしまいました。
涙は出ていないけど、田中美里さん素敵な演技でした。

月を眺めるあぐりと光代さん

月を見上げながらのあぐりと光代さんの会話も素敵でした。

あぐりは結婚を決めた理由を初めて告白。
勇造さんと勘違いしたこと。
そりゃそうですねえ、闇夜の絵を描いてた人だってなったらアウトだったよねえ。
そして、光代さんが「可愛い子じゃな」と言ってくれたこと。
あぐり、自分がかつてカラスとか黒塗りのお盆とか言われてたって克明に言わなくてもいいのにw

でもそんなあぐりを「ほんまに可愛かった」「キラキラしていた」と言ってくれた光代さん。
光代さんとの縁を感じて、こちらもこの話を聞いてじんわりと心が温かくしみじみと思い返してしまいました。

光代さんとあぐりは、理想の嫁姑関係ですねえ。

おしんを始め、朝ドラを始め、日本のドラマって嫁姑は揉めがちですが、
こういったサッパリとしていながらお互いを思い合う関係が見られたのはよかったなあ。

「この月を一生忘れない」
と言った光代さん。
あぐりとの時間をかけがえのないものと、一生の思い出に刻みつけてくれているのね。
月を見上げてしみじみと言う光代さんの気持ちに涙してしまいました。

 

リアル光代さんのあぐりのお姑さんは…

原作「梅桃が実るとき」によると、リアルお姑さんは、戦争前にはお亡くなりになられているようです。

あぐりが美容院を開業して程なくして、転んだことをきっかけに寝たきりになってしまったらしいです。
山梨には和子さんと理恵さんとだけ行ってましたね、確か。
ちなみに、淳之介も終戦ギリギリ手前で再招集されていたと思います。
だから未亡人とどーのはなかったと思うw
(もう図書館に返してしまったので細かく再確認ができないので記憶違いかもしれませんが)。

あぐりが美容師になりたいと言う夢を、いち早く誰よりも応援してくれたのは確かに光代さんだったようです。

ただ、リアル健太郎さんとは仲はよくなかったようで、あぐりの美容院開業のタイミングで「夫婦別れ」をして東京に来て同居したみたいです。

あぐりさんは、そこそこいい距離を保っていたようですが
でもあぐりさんがお子さんを厳しく叱ったら、お姑さんがお友達にエイスケさんが家庭を顧みないから嫁がイライラして子供に当たると喋っていて、そう取られるとは!と思い二度と子供達を厳しく叱りつけるのはやめたと書かれていた下りがあったので、
やっぱりそれなりにクセがあるお姑さんだっただろうなあとも。
まあ昔の人だし、望月組の奥様だったんだからプライドが高く頑固なのは当然でしょうけどw

しかし、まだ子供達が幼い頃に、お姑さんは寝たきりの要介護になっていたと!
あぐりさん、当たり前のことと考えていたから何とも思わなかったようですが、育児と介護をダブルで、しかもワンオペでやってた!と言うことで。
ドラマよりも相当ハードな人生だったと思います。
エッセイでも愚痴ひとつ垂れていないのが凄過ぎです。