【あぐり】感想ネタバレ第120話 淳之介はエイスケの声に導かれ炎の中へ「俺の本、持っていけ!」

『あぐり』あらすじ(ネタバレ)第120話

昭和20年5月。
山の手地域にも大規模な爆撃が行われ、あぐりの家にも焼夷弾が。

防空壕にいては蒸し焼きにされるとあぐりたちは外に避難することに。

しかしとめは防空壕に預金通帳を忘れてしまった。
しかしもう家のあちこちに火の手が上がっている。
淳之介が取りに行くことにして、あぐり達は坂の下で淳之介を待つことに。

淳之介が中庭に入ると、家は炎に包まれていた。
すると突如エイスケの声が。
淳之介は警防団員の引き留めにも応じず、炎に包まれる家の中へ。
導かれるようにエイスケの書斎に入った淳之介は、かつて皆で撮ったあの写真とエイスケの小説を持ち出す。
しかし淳之介が書斎を出ようとすると柱が倒れて足を挟まれ身動きが取れなくなってしまう。

家が燃え盛る様子を見ながら坂の上で淳之介を待つあぐりたち。
退避してきた警防団員に尋ねるともう淳之介は助からんと言い捨てた。
それを聞いたあぐりは半狂乱になって淳之介を迎えに家に戻ろうとするが
光代があぐりの頬をピシャリと叩いて制止。
和子と理恵もいるのだ、あなたは死んではならないと光代はあぐりをきつく叱った。

そこに炎の中から淳之介の姿が。
淳之介は無事だった。
淳之介の手にはエイスケの小説と写真。

 

どうにか安全な場所に逃げることができたあぐりたち。

あぐりは淳之介にエイスケの本を持ち出してくれたことにお礼を言った。
もし日本中が焼けていたらエイスケの小説が消えていたかもしれないと。

すると淳之介はエイスケが聞こえたのだと言う。
家に火が移ったときに淳之介の背後から
「おい、俺の本持って行けよ」
という声がして思わず家に入ってしまったと。

信じないよね、という淳之介だが
あぐりはきっとエイスケだ、自分もよくそう言うことがあるから信じると笑顔で言った。
「今日は声が聞けないなあと思ってたら淳之介のところに行ってたのね」

さらに淳之介は実は気づいたら火の海でもうダメだと思ったが気がついたら家の外にいたとも。
ただ耳元で「大丈夫。心配するな」という声が聞こえていたような気がすると言った。
「それエイスケさんよ」
あぐりは驚きもせずに平然と答えた。
エイスケさんはいつも私たちのそばにいて見守っていてくれるのよ。

 

そこに尚久がやってきた。
尚久は家族も疎開していて無事。
諒子も国分寺だから大丈夫だろう。

光代は片桐のことが心配。
翌日、淳之介と尚久が片桐の様子を見に行くことになった。

翌日、家に戻るとすっかり跡形もない。

片桐を探しに行った淳之介と尚久が戻ってきたが片桐は助からなかったと聞いてきた。
一人防空壕の中で大切そうにバイオリンを抱えて亡くなっていたと言う。
その話を聞いた光代は泣き崩れてしまう。

今後のことを話し合うあぐりたち。
淳之介は学校があるので三鷹の尚久の下宿に寄せてもらうことにする。

あぐりたちは片瀬の和子と理恵の疎開先に行こうと考えたが
尚久の話によると次に攻撃を受けるとしたら神奈川一帯だと言う話。

あぐりたちはとめの厚意により、和子と理恵も一緒に山梨のとめの実家に疎開することにした。

リアルな空襲シーン

呑気でハッピーなあぐりにしては、かなりリアルな空襲シーンでビックリ!
セットも実際に炎が上がっていてかなりハードな画でした。

こんなリアルな空襲シーン朝ドラでは滅多に無いんじゃないですかねえ。
特に今では。
最近の朝ドラの空襲シーンでは「花子とあん」が記憶に新しいですが、あれもCGメインでした。

おしんも、澪つくしも、ここまで実際にセットを焼いてなかったのでは?

もっともリアルにこだわった空襲シーンですね。
しかし、他のドラマのどれよりも最も怖くないw

それもあぐりのいいところかもw

 

大徳寺さん…涙

「お国のために!」
と一心不乱の大徳寺さん。
息子さんが戦地に行っていると言う話でしたが、
こういう人って息子の戦死の知らせを受けて我に返るパターンよねえ、フラグよねえと思っていましたが
現実はそれどころではなかった!

息子さん、すでにビルマ戦線で戦死されていたとのこと。
元々尚久くんの近所の人だったと言うことで発覚。

このご時世、しかも昭和の前期、東京と言っても、そんなに気軽に引っ越したりするの?
色々事情で親戚に身を寄せたりする?
だとしたら隣組の副組長とかできる立場では無いんでは?
いや、居候の身だからこそ面倒な隣組の仕事を勝って出て、そのまま邁進した?
とも引っかかったけど…まあいいや。

それよりも大徳寺さんの思いですよね。
あれだけウザくて面倒くさかったのは、あぐりの言う通り寂しかったのでしょう。

息子の戦死を認めたくない思いと
息子の分も戦っているつもりと、
現実に向き合いたくない思いで

必死に心に鎧を纏ってのことだった。

これも戦争の狂気の一つなんだなあ。
戦争の「狂気」って戦地で殺戮するだけじゃ無いなんだ、
戦地にいないごくごく普通の市井の人々の心をも
じわじわと蝕んでいくものなんだとつくづく思う。

角替さんの演技、さすがです。

本日のNHKスペシャルで女性たちがなぜああまで、銃後を守るとのめり込んでいったのか
特集があるみたいですね。
これまでの自分には思いも寄らない視点なのて興味深く見てみようかと思います。

 

片桐さんはダメだった

片桐さんは、昨日のナレで予告されていた通り、光代さんとはあれが最後。
この空襲で亡くなってしまいました。

庭の防空壕にバイオリンを大事そうに抱えて亡くなっていたと淳之介たちが聞いてきました。
片桐さんらしい亡くなり方…涙。

光代さんは泣き崩れてしまいます。

だってー最愛の推しだったんだもんねえ。
恋愛か友情かのスレスレの関係で。
私としては、やっぱり光代さんは飽くまでも片桐さんのことは「推し」で
恋愛とか生々しいことは違うんだろうなあと思います。
憧れの存在というか。
恋愛抜きに、大人になってから、利害や仕事を抜きにした楽しい話をできる「友」ができた喜びが強かったのだと思います。

そんな「友」を失うって恋人を失うよりも辛いのでは無いかなあと思うわ。

片桐さんもそんな感じだったと思うのですが
ジェントルマン片桐さんは、それだけはケジメだと望月家に来るのを拒否。
片桐さんも空襲の恐ろしさを実感していなかったというのもありますねえ。

こんな非常時、健太郎さんだって分かってくれるよお。

実際に光代さんと片桐さんみたいな関係じゃなくても、
いろんな方面に筋を通して命を落とした日本人多かったんだろうなあ。

とめさんの預金通帳コント

とめさん、通帳を防空壕に置きっぱなしだと大騒ぎしますが
貯金金額は300円、400円と言うたび高騰。
800円まで釣り上がりましたw

翌朝、家には焼け落ちしまいましたが通帳を入れていたトランクは無事に見つかります。
開けようとしていると、尚久からダメ出し。
熱くなったトランクの中に酸素が入り込んだら一気に燃えてしまうと。
なるほど、そうとはなかなか結びつかないですよね。
理系の人いると助かる。
うちの夫も理系ですが、文系の私が全然ピンと来ないことを度々忠告してもらえて助かる。

しかしとめ、忠告も聞かずに開けてしまいます。
…バカ。
長男が一緒に見ていて「バカー!」っと叫んでしましたw

こんな壮絶な空襲の回にも、こんなコントをぶっ込んでくるとは、さすがあぐり♪

ふーみん、こういう演技面白くて可愛い。

エイスケさんの声が聞こえる

淳之介はエイスケの声が聞こえてそのまま家の中へ。

書斎に入りエイスケさんの本と、未来の話をしたときに皆で撮った写真をゲット。
しかし、周りは火の海。
しかも落ちてきた柱に足を挟まれてしまいましたが
気づいたら、外に出ていて無事。

エイスケさんが起こしてくれた奇跡だ…!
いかにもではありながら、エイスケさんの思いが残ってるのよね小説にも写真にも。

こういうエピソードわりと好き。

原作にはこの空襲に遭ったエピソードをあぐりさんの視点とともに、淳之介さんの著作に書かれていたものも引用して記されていました。
エイスケさんのこの奇跡の話は特にはありませんでしたが
坂の下で待ち合わせていたことは本当で、望月家から1分と離れていない坂の下でありながら炎と煙で周りが一切見えない状態で、淳之介さんと再び会えるか非常にハラハラしたこと、
落ち合った後、逃げていく時に、どこに向かって逃げるのが正解か分からぬまま、まさに運に委ねる感じで無我夢中で逃げていった様子が、読んでいてすごくリアルで怖かったです。

ところで、あぐり達は、避難する時の荷造りはしていなかったの?
エイスケさんの本を一冊くらい持ってなさいよ!と思いましたが
そしたらエイスケさんの出番なくなっちゃうもんねえw

あぐりはノーダメージ

あぐり、煤けているけど化粧はバッチリ。
空襲から逃げられたら安定の笑顔でノーダメージ。

まあこの人たち、このドラマ、あんまり暗くならないのがいいところだから
あぐりはいつも通りでOK。
リアルな悲しみが光代さんが、大物女優星由里子さんが全面的に請け負う構図w

あぐりは淳之介がエイスケの声が聞こえたと言う話をしますが
ビックリしたり、信じられないと言うことは一切なくて
「ああそれ、エイスケさんだわ」
と平然と答えていました。

この呑気な感じ、いいなあw
エイスケさんが幽霊でごくごく自然に存在して相変わらず夫婦してるー。

なんか「奥様は魔女」みたいな軽快さを感じる。

あぐり達は山梨へ疎開

家がすっかり焼けてしまったあぐり達は山梨のとめの実家への疎開を決めました。

原作によると、これは事実のようで
お弟子さんの実家を頼って疎開させてもらったようです。

岡山は遠すぎて無理だったみたい。
とうとう東京もさようならですね。

来週は山梨での疎開生活。
そして東京に残る淳之介は、吉行淳之介さんは女性問題色々あったみたいですが
それを物語るエピソードがあるような。
諒子ちゃんとはどうなるのだろう?

個人的にはさっさと東京に戻ってまた美容院のキラキラ話を見たいな。
あぐり美容院早く復活してー。